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Channel: アジア映画巡礼
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熱い男マ・ドンソクの夏が来た!<1>『無双の鉄拳』

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熱い夏に似合う男、といえば、これはもうマ・ドンソクに決まっています。熱いというより暑苦しい?? いやいや、最近は硬軟取り混ぜたキャラクターにいろいろと挑戦していて、最後に男のマグマが噴射するまで、結構さわやかだったりします。この夏は、そんなマ・ドンソクがてんこ盛り。まず、『神と共に 第二章:因と縁』と『無双の鉄拳』が6月28日(金)から公開。そして、8月2日(金)からは『守護教師』が公開という、夏中ずーっとマ・ドンソク漬けになれるのが今年の夏なのです。『神と共に 第二章:因と縁』はこちらですでにご紹介したので、今日はまず『無双の鉄拳』をご紹介し、少し先で『守護教師』をご紹介することにします。どちらの作品も、ちょっとカワイイ(?)マ・ドンソク転じて大暴れ、そして共演者も味があってストーリー運びもなかなかグーという、「絶対ご損はさせません!」作品です。

 

『無双の鉄拳』 公式サイト
 2018年/韓国/韓国語/116分/原題:성난황소/英語題名:Unstoppable
 監督・脚本:キム・ミンホ
 出演:マ・ドンソク、ソン・ジヒョ、キム・ソンオ、キム・ミンジェ、パク・ジファン
 配給:アルバトロス・フィルム
※6月28日(金)よりシネマート新宿・シネマート心斎橋ほか全国順次ロードショー

©2018 SHOWBOX, PLUSMEDIA ENTERTAINMENT AND B.A. ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED.

水産市場で働くドンチョル(マ・ドンソク)は、腰が低く、誰にでも愛想がいい男。ところが、ドンチョルはかつて「怒れる雄牛」と呼ばれていたほど血の気が多く、「一度キレたら誰にも止められない」男なのです。それを知っているのは相棒のチュンシク(パク・ジファン)のみ。もちろん、最愛の妻ジス(ソン・ジヒョ)も知ってはいますが、うまい投資話に後先考えずお金を出したりしてしまうドンチョルが頼りなくて、しょっちゅう小言を浴びせているジスにとっては「どこが雄牛よ」という次第。ジスの尻に敷かれながらも、それが幸せのもと、と考えているドンチョルでしたが、ある日ジスが誘拐されてしまいます。やがて誘拐犯はドンチョルを呼び出し、その場に大金の入ったバッグをあらかじめ置いておいて、スマホを通じて「それが奥さんの代価だ」と告げてきます。この奇妙な誘拐犯は、ヤクザの実業家ギテ(キム・ソンオ)でした。彼の卑劣なやり方に、ついにドンチョルは「怒れる雄牛」と化してしまいますが、ギテの悪事は相当大規模なものでした...。

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『無双の鉄拳』の見どころはたくさんありますが、何と言っても冒頭の「恐妻家」ドンチョルが見もの。美しくて気が強い妻ジスにやり込められる情けない姿は、本作の秀逸な助走部分となっています。やり込められるのも当たり前で、ドンチョルは変な運動器具とか、30万ウォンで売れる巨大ガニとか、怪しげな投資話にすぐ乗っかってしまう、世間智ゼロの男なのです。この「怒れる雄牛」の欠点は相棒チュンシクもよーく知っていて、ジスが誘拐された時には、自分が信頼する私立探偵「社長」(キム・ミンジェ)の所にドンチョルを連れて行って助力を頼みます。「恐妻家」ドンチョルに続く見どころがこの「三バカトリオ」で、ドンチョルとチュンシクとのボケとツッコミの漫才かと思うような掛け合い(もちろん、ドンチョルがボケです)に加え、ギャグがすべってる社長の登場で、さらにあれこれ楽しませてくれます。しかしながらこの社長、なりきり名人でもあって、目を見張らせてくれるシーンも出てきますので、お楽しみに。

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もちろん、最大の見どころはドンチョル変じて「怒れる雄牛」になるシーンですが、『無双の鉄拳』での見どころは、悪の側のギテも憎々しくて素晴らしいこと。狂気と紙一重の悪人キャラは、ドンチョルの鉄拳が繰り出されるためのお約束シーンを盛り上げてくれ、観客の鉄拳を待ちわびる気持ちをいや増してくれます。伏線も上手に張ってあって、なかなか出来のいい脚本です。脚本も担当するキム・ミンホ監督は本作が監督デビューらしいのですが、登場人物のキャラ設定がうまい上に動かし方も心得ていて、見る者を映画に引き込んでくれます。

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そして、マ・ドンソクのアクションはもう文句なし! あの丸太ん棒のような腕が、うなりをあげてとんでもないアクションを見せてくれます。今回も目新しいアクションがいくつかあり、悪役の俳優さんが気の毒になるほど。大技はもちろんですが、小技も工夫されていて、それをあとで解説してくれるシーンもあったりと、サービス精神溢れるアクション・シーンが繰りひろげられます。導入部の人のいいドンチョルに代わり、黙々と相手を叩きのめしていく不死身の大迫力ドンチョルが見られる「一粒で二度おいしい」本作は、まさに韓国アクション映画の王道を行っています。

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そして、ラストもしゃれています。まあ、ちょっとご都合主義すぎるっちゃそうなんですが、途中妻のジスもアクションでがんばったりしたので、これくらいはご褒美としてOKでしょう。それにしてもマ・ドンソク、『新感染 ファイナル・エキスプレス』(2016)に始まる、「恐妻家」キャラで作品成功、というレシピが今回も生きましたね。今回はさらに相棒の2人、チュンシクと社長がコメディ・リリーフとしていい仕事を見せてくれ、作品が単調になるのを防いでいます。いろんな見どころ満載の『無双の鉄拳』、後味もいい作品ですのでどうぞお見逃しなく! 最後に予告編を付けておきます。

『新感染』のマ・ドンソクが拳ひとつで誘拐犯に立ち向かう!/映画『無双の鉄拳』予告編

 


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