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第22回東京フィルメックス上映作品ラインアップ発表

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昨日、第22回東京フィルメックスのラインアップ発表がオンラインで行われました。いろいろ感心した点があったのですが、まずはアジア映画の上映作品だけ選んでリストアップしたものを見ていただきましょう。私のカテゴライズする「アジア映画」は、イランから東へ韓国までなので、申し訳ないのですが中東や中央アジアの作品、そして日本の作品は除いてあります。全貌をお知りになりたい方は、間もなくフィルメックスの公式サイトにアップされると思いますので、そちらをご覧下さい。

●第22回東京フィルメックス●
2021年10月30日(土)- 11月7日(日)

[コンペティション作品]
『砂利道』 
 イラン/2021/93分/原題:/英題:Hit the Road
 監督:パナー・パナヒ

『小石』
 インド/2021/タミル語/74分/原題:Koozhangalகூழாங்கல்/英題:Pebbles
 監督:P.S.ヴィノートラージ

『時の解剖学』
 タイ、フランス、オランダ、シンガポール/2021/118分/原題:/英題:Anatomy of Time
 監督:ジャッカワーン・ニンタムロン

『ホワイト・ビルディング』
 カンボジア、フランス、中国、カタール/2021/90分/原題:/英題:White Building
 監督:ニアン・カヴィッチ

『ユニ』
 インドネシア、シンガポール、フランス、オーストラリア/2021/95分/原題:/英題:Yuni
  監督:カミラ・アンディニ

『永安鎮の物語集』
  中国/2021/123分/原題:永安鎮故事集/英題:Ripples of Life
 監督:ウェイ・シュージュン(魏書鈞)

『ただの偶然の旅』
 中国/2021/110分/原題:只是一次偶然的旅行/英題:Bipolar
 監督:クィーナ・リー(李孟桥)

   
[特別招待作品]
『永遠に続く嵐の年』 
 アメリカ、イラン、チリ、タイ、イギリス、シンガポール/2021/121分/英題:The Year of the Everlasting Storm
 監督:ジャファール・パナヒ、アンソニー・チェン、マリク・ヴィタール、ローラ・ポイトラス、ドミンガ・ソトマヨール、デヴィッド・ロウリー、アピチャッポン・ウィーラセタクン

『狼と羊』 
 デンマーク、フランス、スウェーデン、アフガニスタン/2016/86分/原題:/英題:Wolf and Sheep
 監督:シャフルバヌ・サダト

『魔法使いのおじいさん』
 インド/1979/マラヤーラム語/90分/原題:Kummatty/英題:The Bogeyman
 監督:G.アラヴィンダン

『瀑布』
 台湾/2021/129分/原題:瀑布/英題:The Falls
 監督:チョン・モンホン(鍾孟宏)

『行くあてもなく』 
 香港、フランス、オランダ/2021/96分/原題:無去來處/英題:I'm So Sorry
 監督:チャオ・リャン(趙亮)


■オンライン配信
昨年に続き、映画祭開催期間後より一部の承諾の取れた作品のオンライン配信を行います。また、映画祭開催前より、今年のコンペティション上映作品の監督の過去のフィルメックスへの出品作をプレ・オンライン配信いたします。
上映スケジュール、チケット販売方法(チケット販売は17日(日)から)については近日、公式サイトにて発表いたします。
 配信期間:11月7日(日)-11月23日(火・祝) (予定)
 料金:1作品1,700円
 配信方法:後日、公式サイトにてお知らせいたします。
 
■プレ・オンライン配信
今年のフィルメックス・コンペティションで上映する3監督の過去フィメックスで紹介した作品を、映画祭開催に先立ってオンラインでプレ配信します。

『消失点』
 タイ/2015/100分/原題:/英題:Vanishing Point
 監督:ジャッカワーン・ニンタムロン

『昨夜、あなたが微笑んでいた』 
 カンボジア、フランス/2019/77分/原題:/英題:Last Night I Saw You Smiling
 監督:ニアン・カヴィッチ(NEANG Kavich)


『見えるもの、見えざるもの』
 インドネシア、オランダ、オーストラリア、カタール/2017/86分/原題:/英題:The Seen and Unseen
 監督:カミラ・アンディニ

      

最初に書いた「感心したこと」ですが、まず第一は、発表の冒頭にあった神谷直希新プログラム・ディレクターからのご挨拶が、長めの自己紹介を含んだ非常に丁寧なものであったことです。東京フィルメックスの顔と言えば、発足時は林加奈子さんと市山尚三さん、途中で体制が変わってからは市山さんが強い個性を発揮しながら務めてきました。市山さんは、フィルメックス以前は東京国際映画祭(TIFF)のアジア映画関連上映のプログラミング・ディレクターでもあったのですが、20余年を経てまたTIFFに引き抜かれ、本年からTIFFのプログラミング・ディレクターに就任しました。その後任として本年6月に神谷さんがフルメックスのプログラム・ディレクターに就任、その時の紹介文に「神谷は2000年の第1回目の東京フィルメックスから参加し、長きにわたりディレクターを補佐し、フィルメックスの作品選定に従事してきました。2019年に一旦フィルメックスを離れた後、このたびプログラム・ディレクターとして復帰いたしました」とあったものの、私や友人のライターたちは神谷さんのことをこれまで知らなかったため、少し不安に感じていたのでした。多分、そういう空気を感じ取ってのことだと思いますが、これまでのフィルメックスでは市山さんのもとでどういう仕事をしてきたか、というわかりやすい説明があり、きちんと自分の考えが述べられていて、一挙に信頼度が高まった、という感じでした。また、作品紹介時には「田壮壮」の名前を紹介する時に、「中国語の発音がわからなくて申し訳ないのですが」というお詫びが入ったりして、これは誠実な方だなあ、と感じ入りました。心から、今後のディレクターとしてのご活躍に期待しています。

感心したことの第二は、作品紹介のあとの実務部分を、これも第1回からフィルメックスに関わってきた金谷重朗さんが担当したことです。金谷さんもいつも裏方に徹していて、でも重要な運営部分のキーパーソンということは知れ渡っていたので、今回こういう形でカミングアウト(と言っていいのだろうか?)となったのは今後の体制を認識させる上でもよかったのではと思います。金谷さんの説明も非常に明確で、さすが”事務局長さん”(とこれまで密かに呼んでいた)という感じでした。金谷さんは毎回会場で走り回っているので、お顔を見れば「ああ、あの人」と皆さん思われることでしょう。

感心したことはほかにも、オンラインでの発表を選んだことや、終了後1時間ほどで発表内容がメール送付されてきたこと、さらには司会者の進行がうまく、口跡明瞭で好感度大だったこと等々、今年のフィルメックスへの期待を高めてくれる点がいろいろありました。なお、金谷さんが強調していたのですが、資金的にはやはり非常に厳しく、ぜひ皆さんに寄付をお願いしたい、とのことです。毎月の定額寄付形式もありますし、単発の寄付も可能です(もちろん、確定申告の時に控除の対象になります)。詳しくは、公式サイトの「支援する」をクリックしてみて下さいね。また寄付がご無理でも、配信でいっぱい作品を見ていただくとか、いろんな形でご協力いただければ幸いです。

と、昨日はいろいろ楽しかったのですが、そのしわよせで仕事が滞り、ブログへのアップが今日になってしまいました。お詫びに、上映されるインド映画『小石』(タミル語の原題『Koozhangal கூழாங்கல்』も「Pebbles/小石」という意味だそうです)の予告編と、『魔法使いのおじいさん(Kummatty)』の予告編らしきもの(ダイジェスト版?)を付けておきます。『魔法使いのおじいさん』は1982年の国際交流基金映画祭を皮切りに、すでに日本で何度も上映されているのですが、今回はリニューアルされてどんな風になっているのか楽しみです。

Pebbles – trailer | IFFR 2021

 

6091 - Kummati

 


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