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Channel: アジア映画巡礼
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五月の「ゴ」はゴリラの「ゴ」、『ミスターGO!』へ「ゴー!」

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5月24日(土)から、私の大好きな韓国映画が公開されます。その名も『ミスターGO!』。昨年夏香港で広東語吹き替え版を地元のお子様たちと一緒に楽しみ、こんなブログ記事をアップした作品です。今回日本語字幕版で試写を見せてもらって、新たな発見もいくつかあり、あらためてうならされました。下は、やってきた試写状です。このカットアウトからしてもう、ワクワク感が漂います。


さらに、試写のプレスとして配られたのが、何と「ゴリラスポーツ」というタブロイド判スポーツ新聞。配給のギャガさん、やりますねー、というわけで、さらにノリノリになりました。


では、まずは基本データからどうぞ。 

『ミスターGO!』 公式サイト

 2013年/韓国/カラー/133分/原題:MR. GO
 監督:キム・ヨンファ 
 出演:リンリン(ゴリラ)、シュー・チャオ(徐嬌)、ソン・ドンイル、キム・ガンウ、オダギリジョー

 配給:ギャガ

※5月24日(土)シネマライズ他全国順次ロードショー

 

© 2013 SHOWBOX/MEDIAPLEX AND DEXTER FILMS ALL RIGHTS RESERVED.

お話は、中国吉林省から始まります。ウェイウェイ(シュー・チャオ)は祖父がわりの団長(ピョン・ヒボン)が経営するサーカス団で、ゴリラのリンリンと共に大きくなりました。サーカス団の子供たちをまとめるお姉さん的存在のウェイウェイでしたが、突然襲った大地震で団長は死亡、以後サーカスの責任者としてがんばらなくてはいけなくなってしまいます。ところが、団長が残した多額の借金が発覚し、サーカスに乗り込んできたヤクザに「金を返せ」と迫られる羽目に。そこに登場したのは、韓国球界の凄腕エージェントであるソン・チュンソ(ソン・ドンイル)でした。ソンはゴリラのリンリンを韓国球界にスカウトしたいと言い出しますが、スカウト先は最下位チームのトゥサン・ベアーズ。とにかくお金を稼ぐ必要に迫られたウェイウェイは、ソンの話に乗ることにします。


© 2013 SHOWBOX/MEDIAPLEX AND DEXTER FILMS ALL RIGHTS RESERVED.

韓国にやってきたリンリンは、「ミスターGO」としてウェイウェイと共にベアーズ入り。試合ではウェイウェイの指示に従ってバッターボックスに立ち、打てば毎回ホームラン。強力な代打選手として、ベアーズを常に勝利に導くようになりました。ベアーズの若き球団代表であるキム(キム・ガンウ)も大喜びします。キムは元選手で、日本のプロ野球界に挑戦したものの成果が出せずに帰国。ソンのおかげで球団代表になったのですが、ベアーズの弱小チームぶりにくさくさしていたのでした。「ミスターGO」は韓国で大人気となりますが、その一方リンリンの体の故障も出始めました。


© 2013 SHOWBOX/MEDIAPLEX AND DEXTER FILMS ALL RIGHTS RESERVED.

そんな時、ライバル球団が同じゴリラの選手ゼロズを獲得。ゼロズはウェイウェイのサーカスにいたのですが、凶暴で手の付けられない問題ゴリラでした。ですが投球パワーはものすごく、それに目を付けたヤクザたちが韓国の球団に売り込んだのです。ゴリラ打者対ゴリラ投手の対決に湧く韓国球界。しかし、韓国球界以外にもゴリラに注目した球界がありました。日本のプロ野球界から、読売ジャイアンツと中日ドラゴンズがトレード話を持って韓国にやってきたのです。中日ドラゴンズのオーナー伊藤(オダギリジョー)はいち早く韓国に乗り込み、リンリンを獲得しようとしますが、その頃リンリンは膝の故障のため動けなくなっていました....。


© 2013 SHOWBOX/MEDIAPLEX AND DEXTER FILMS ALL RIGHTS RESERVED.

何よりもまず、リンリンとゼロズがCGとは思えない動きをしてくれて、ストーリーにリアル感を与えてくれます。特にリンリンのゴリラ顔は、無表情な中にいろんな感情が表れるようにデザインされており、実に繊細。体毛1本1本を手描きにしたようなリンリンの体も、本当のゴリラがやっているのでは、とつい思わせられてしまうぐらい上出来です。ひと言もセリフはないのに、生身の俳優たちを超える演技力が感じられるのは、受け手の俳優たちの演技のたまものでしょうか。よくぞこんなストーリーを考えついたものです。

それに、オダギリジョーのこのキャラ! 実は香港で見た時はオダジョーだと全然気が付かず、あとで出演者リストを見た時には、「オダギリジョー? どこにカメオ出演してたっけ?」と思ったほど。この中日ドラゴンズのオーナーを巡るエピソードを始め、ちょっと教訓っぽいエピソードも散りばめられているのですが、ミスターGOの演技力の前にはすべてがお添え物という感じです。『カンナさん、大成功です!』(06)や『国家代表!?』(09)のキム・ヨンファ監督、またまた新しい分野を切り開きました。

© 2013 SHOWBOX/MEDIAPLEX AND DEXTER FILMS ALL RIGHTS RESERVED.

ただ残念なのは、日本での公開は2D版で、日本語吹き替え版のみだということ。ボールが飛んでくる場面などは3Dだとものすごい迫力なのですが、 そのお楽しみは今回はお預けです。でも、3Dでなくても、リンリンやウェイウェイたちがスコアボードのてっぺんに登る場面とか、観客が盛り上がる球場客席シーンとか、撮り方+CG処理の上手な場面がいっぱい出てきて、とても楽しめます。アジア映画界もCGをここまで使いこなせるようになったか、という里程標的作品を、ぜひシネマライズの大スクリーンでご覧下さい。

あ、その前に23日(金)までシネマライズで上映されているインド映画、『スチューデント・オブ・ザ・イヤー』もお忘れなくねっ!! 『ミスターGO!』も、風船持ってマサラ上映(韓国映画だから「キムチ上映」?)やればいいのになあ。


 


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