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『SALAAR/サラール』の補足

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昨日の記事では、『アハーン』のご紹介に力が入ってしまって、『SALAAR/サラール』について書きたかったことを忘れてしまいました。ごめんなさい。もう一度、『SALAAR/サラール』のデータも入れて、昨日書き漏らしたことを書いておきますね。

『SALAAR/サラール』 公式サイト

2023年/インド/テルグ語/174分/原題:Salaar/字幕:藤井美佳/字幕監修:山田桂子
 監督:プラシャーント・ニール
 主演:プラバース、プリトヴィラージ・スクマーラン、シュルティ・ハーサン、ジャガパティ・バーブ、イーシュワリ・ラーオ、シュリヤー・レッディ
   提供:ツイン、Hulu
 配給:TWIN
※7月5日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー

『SALAAR/サラール』は、国家内国家の物語です。インドが独立したあとも、地図に載らないままかつてのように国家として存続し、マンナル族、ショウリャンガ族、ガニヤル族という3つの部族が住んでいる国「カンサール」を舞台に、物語は進行していきます。カンサールの現在の王ラージャ・マンナル(ジャガパティ・バーブ)には、第一王妃の息子ルドラと第二王妃の息子ヴァラダがいましたが、ヴァラダは常に兄ルドラから虐げられていました。そんなヴァラダに味方するのは、ショウリャンガ族の庶民である親友デーヴァ。ところが、ラージャ・マンナルがショウリヤンガ族撲滅をはかる事態が起き、危機に陥ったデーヴァ母子をヴァラダが自らの領地を投げ出して救います。これによりデーヴァと母(イーシュワリ・ラーオ)は遠い所に去って行くのですが、その時デーヴァはヴァラダに「俺の名を呼べば、お前のためにいつでも駆けつけて戦う」と言い残します。それが1985年のこと。

そして時は移って2017年、北東地方のアッサム州に移り住んだデーヴァの母は、小学校の教師をしながらデーヴァ(プラバース)を育て上げ、デーヴァはたくましい青年として肉体労働に従事していました。ですが、母はデーヴァが力を振るうことを何よりも恐れ、彼に武器になる物を持つことを一切禁じていました。そんな時、アメリカ在住の女性アディヤ(シュルティ・ハーサン)が母の遺灰をガンジス河に流すためインドに戻ってきたものの、アディヤの父と因縁のある一団に襲われそうになり、助けてくれた人と共にアッサムにたどり着き、デーヴァの母のもとで教師として働くようになります。一方王子ヴァラダ(プリトヴィラージ・スクマーラン)は混乱した王国の中で、自分を奉じようとする臣下のために立ち上がることを決意します。そして、デーヴァと長年の時を経て再会するのですが....。

上記はものすごくはしょったストーリーで、実はカンサール王国を巡る勢力争いはもっと複雑に入り組んでおり、本作もご覧になる前にパンフレットをお求めになって、人物相関図(絶対付いているはず!)等で事前学習をしておかれることをお勧めします。人物構成の複雑さは、さすが『K.G.F:CHAPTER1&2』のプラシャーント・ニール監督で、似た人物をたくさん登場させる趣味は変わっていません(見てるこちらは混乱の中に落とされるので、”悪趣味”かも)。『バーフバリ』二部作ぐらい単純明快化してくれればいいのに、と思ってしまいますが、王家の物語はまさに『バーフバリ』路線。王族を表す鼻輪や財力を表す腕輪など、小道具もバッチリ用意されています。そして、二人の親友が一度別れ、再び相まみえる、というのは『RRR』路線。しかしながらこの先、大きなひねりが入るようで、ラストでそれへと続く不穏な事実が明かされます。

とまあ、昨日、これぐらいは書こうと思っていたのですが、タイトルとデータだけになってしまってすみませんでした。見所は多いのですが、気になるのがWikiに「『Ugramm(怒り)』に基づく」とあることで、プラシャーント・ニール監督のデビュー作『Ugramm』(2014)がこうなるとぜひ見てみたくなります。配給会社のツイン様、今年の「熱風!! 南インド映画の世界」とかでの上映はいかがでしょうか? 興行的にはたった3億ルピーしか稼いでいないのですが、『K.G.F:CHAPTER1&2』の時もこのデビュー作が引き合いに出されていましたし、どんな作品なのか、きちんと日本語字幕で見てみたいです。

ところで、本作はシリーズものの前半作、ということで、原題は『Salaar : Part 1――Ceasefire(将軍:第1部――停戦)』となっており、来年2025年に後半の『Salaar : Part 2――Shouryaanga Parvam』が公開される予定となっています。「Shouryaanga」ば部族名の「ショウリャンガ」だと思いますが、「Parvam」は「章」でしょうか? いろいろ楽しみな『SALAAR/サラール』、まずは第1作に浸りましょう! 最後に特報と予告編の両方を付けておきます。

『SALAAR/サラール』特報

 

『SALAAR/サラール』本予告

 


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