今日は日曜日。ゆっくり起きて、ご近所をウロウロし、ご近所の映画館で映画を見てきました。着いた日に気がついたのですが、今泊まっているデイズ・ホテルは、ジャラン・アンパス(アンパス通り)のすぐ近くだったのです。ジャラン・アンパスというのは、私が以前リサーチをしたシンガポールの映画会社、ショウ・ブラザーズのスタジオがあった場所です。
そのせいか、ショウ・ブラに縁のある建物も散見できます。まず、ショウ・プラザというショッピングセンター。ショッピングセンターと言っても、地下にスーパーマーケットと、1Fにマクドやアイアン・シェフ(「料理の鉄人」の英語タイトルですね)というレストラン等が入っている他は、家具屋だったり、スポーツグッズを売っている店だったりという、閑散としたショッピングセンターです。でも、4階にはシネコンがあって、今日はここで映画を見てきたのでした。
その他には、ショウ・ブラの名を冠した学生寮も。そこの前庭には、学生を模した変なお人形も置いてあります。一緒に飾ってある鳥も、わけがわかりません。宮田珠己さんなら飛びつきそうなディスプレイですね。
それで今日はアンパス通りを歩いてみました。私がシンガポールで本格的な調査をしたのが1993年。その時にはまだ昔のショウ・ブラのスタジオが残っていたのですが、20年経った今ではさすがに残ってないだろうなあ、と思いつつ歩いていると....。
何と、当時の建物が今もそのまま残っているではありませんか! ショウ・ブラのマークも20年前と比べるとくたびれていますが、ちゃんと付いたままです。
奥の方に何やら片づけものをしているインド系のお兄さんがいたので聞いてみると、「今は倉庫として使ってるだけだよ」とのこと。もったいないというか、どうせならショウ・ブラの歴史博物館にでもしてくれればいいのに、と思ってしまいました。さもなくば、いさぎよくマンションでも建ててくれるとか。近辺は、今もどんどん新しいマンションが建てられている状態なのです。う〜ん、何か計画があるのでしょうかねー。
このあたりには古い建物を生かしたお店も多く、こんな素敵な建物があったりします。2階が歩道にせり出している、ショップハウスという形式です。下は食堂だったり、なぜかこの辺に多いインテリアのお店だったり。大通りのバリスター道路沿いには、照明器具やカーテン、天井のファンなどを売っているお店が続いているのです。
そういう古い建物のほか、お寺も多くて、観音様が祀ってあったり、福建系の人が集うお寺があったり。
ちょうどお盆にあたる中元節(ハングリー・ゴースト・フェスティバル)のため、日曜日のお寺はお供え物を捧げる人々で大にぎわいでした。お供え物セットが袋に入っているようで、その他特別に自動車の張りぼてを供えたりと、地獄の釜のフタが開くと言われるこの時期、施餓鬼用のお供えを持った人々が入れ替わり立ち替わりお寺を訪れることになります。
さて、そんなご近所で見た映画は、香港の林超賢(ダンテ・ラム)監督作品の『激戦』。主演は、張家輝(ニック・チョン)とエディ・ポンです。さっき映画館にあった立て看板を出しましたが、ポスターもカッコいいです。出演者の顔ぶれも、これでご確認下さいね。予告編はこちらです。
ニック・チョンは香港でタクシー運転手をやっていましたが、借金が返せなくてヤクザに追われ、マカオに逃げてきました。昔はボクシングのタイトルを獲得したこともある彼は、友人のスポーツクラブでインストラクターとして働き始めます。一方、エディ・ポンは借金を作っていなくなった父(高捷/ガオ・ジェ)を捜しにマカオへ。肉体労働で生活費を稼ぎながら、一攫千金を夢見て格闘技大会に出ようとします。ニックがかつてのタイトル保持者と知って、彼にコーチを依頼し、格闘技大会では強敵を相手に何とか勝ち上がって行くのですが、安志杰(アンディ・オン)がその前に立ちはだかります....。
サイドストーリーとして、ニックのマカオの下宿先となる一家、梅[女亭]とその小学生の娘李馨巧の過去が描かれ、ニックが彼女たちと関わっていく様子が描写されます。この李馨巧ちゃんがとってもかわいくて、しかも名前の通り巧みな演技を見せてくれてホッとします。ただ、それ以外はいつものダンテ・ラムの世界で、銃がグローブに取って代わっただけ、という感じ。冒頭に王宝強をゲスト出演させて、いつもとは違う雰囲気を目指したようでしたが、これも成功していず....。見どころは、エディ・ポンの身体能力だけ、と言っては言い過ぎでしょうか。ダンテ・ラム監督、そろそろ脱皮してほしいものです。
明日はちょっと遠出(?)してみようと思います。とは言っても、狭いシンガポールの中なので知れてますけどね...。