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Channel: アジア映画巡礼
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お年賀状からの情報

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今年も、お年賀状をたくさんいただきました。ありがとうございます。私からの返礼ご挨拶は3月になるのですが、昨年に続いて配給会社さんからのお年賀状にアジア映画公開情報が載っているものがありましたので、ちょっとご紹介しておきます(敬称略)。

彩プロ(配給)


『密偵(原題)』

2016年/韓国/韓国語・日本語/140分
 監督:キム・ジウン
 主演:ソン・ガンホ、コン・ユ、ハン・ジミン、鶴見辰吾、イ・ビョンホン

 

岩波ホール(上映)

『娘よ』 公式サイト


2014年/パキスタン・アメリカ・ノルウェー/ウルドゥ語/116分/原題:Dukhtar/英題:Daughter
 監督:アフィア・ナサニエル
 主演:サミア・ムムターズ、サレア・アーレフ、モヒブ・ミルザ
 配給:パンドラ
※3月25日(土)より公開 

『草原の河』


2015年/中国/チベット語/94分/原題:河
 監督:ソンタルジャ
 主演:ヤンチェン・ラモ、リンジン・ジョマ、ウル・ツェテン
※2015年東京国際映画祭で『河』のタイトルで上映(上のスチールはTIFFの時のを使わせていただきました)。4月29日(土)より公開。


松竹(配給)


『ブラック・ファイル 野心の代償』 公式サイト


2015年/アメリカ/英語/105分/原題:Misconduct
 監督:シンタロウ・シモサワ
 主演:ジョシュ・デュアメル、アンソニー・ホプキンス、アル・パチーノ、イ・ビョンホン
※1月7日(土)より新宿ピカデリーほか全国公開。シンタロウ・シモサワ監督はシカゴ生まれの日系アメリカ人二世。これまでアメリカ版『THE JUON/呪怨』(2004)のプロデュ-サーなどを務め、本作が初監督作品となる。イ・ビョンホンの役は「謎の男」。


TWIN/ツイン(配給)


『The Bodyguard(英語原題)』

2016年/中国・香港/99分?/原題:特工爺爺
 監督:洪金寶(サモ・ハン・キンポー)
 主演:洪金寶(サモ・ハン・キンポー)、劉徳華(アンディ・ラウ)

※香港で上映していた時の写真はこちら。(2016.3.19@旺角ブロードウェイ)

 

※インド映画『バーフバリ』の公開も春に予定されていますので、乞うご期待!


日活(配給)

『ヘッドショット』


2016年/インドネシア/インドネシア語/原題:Headshot
 監督:モー・ブラザーズ
 主演:イコ・ウワイス

 

マジックアワー(配給/宣伝)

『The Woman Who Left(英語原題)』


2016年/フィリピン/ピリピノ語/226分/原題:Ang Babaeng Humayo
 監督:ラヴ・ディアス
 主演:チャロ・サントス=コンチョ
※ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作。今秋シアター・イメージフォーラムほか全国公開。ラヴ・ディアス監督のモノクロでしかも超長尺というこんな作品、よくぞ配給して下さることよ、と拍手パチパチ。特別に、予告編を付けておきます。

Official Trailer | 'Ang Babaeng Humayo (The Woman Who Left)' | Charo Santos and John Lloyd Cruz


マクザム(配給)


※劇場公開ではなくて残念なのですが、ソフトがいろいろ出ます。

2017年も、アジア映画をどうぞよろしく!



2016年香港映画興収トップ10

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昨年の香港映画の興行収入結果が出ました。1月3日付け「明報」のサイトに掲載されました、こちらの記事がネタ元です。全体として見るとやはりハリウッド映画が強いですが、その中にあって、香港映画『寒戦2』が中国語映画歴代興行収入第1位となる6千6百万香港ドル強(約10億円)をあげ、全体の興収でもハリウッド映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』と韓国映画『屠殺列車(原題:釜山行き)』に次ぐ第3位となりました。では、香港映画のトップ10をどうぞ。

Cold War 2.jpg

第1位 『寒戦2』 66,244,171香港ドル 
 監督:陸劍青(サニー・ルク)、梁樂民(リョン・ロクマン)
 主演:郭富城(アーロン・クォック)、梁家輝(レオン・カーファイ)、周潤發(チョウ・ユンファ)、彭于晏(エディ・ポン)

The Mermaid 2016 poster.jpg 

第2位 『人魚姫(原題:美人魚)』 55,236,152香港ドル 
 監督:周星馳(チャウ・シンチー)
 主演:鄧超(ダン・チャオ)、林允(リン・ユン)、羅志祥(ショウ・ルオ)

赌城风云III.jpg 

第3位 『賭城風雲Ⅲ』 24,631,310香港ドル 
 監督:劉偉強(アンドリュー・ラウ)、王晶(ウォン・チン)、鍾少雄(チョン・シウホン)
 主演:周潤發(チョウ・ユンファ)、劉徳華(アンディ・ラウ)、張家輝(ニック・チョン)

The Monkey King 2.jpg 

第4位 『西遊記 孫悟空VS白骨夫人(原題:西遊記之孫悟空三打白骨精)』 15,643,992香港ドル 
 監督:鄭保瑞(ソイ・チェン)
 主演:郭富城(アーロン・クォック)、鞏俐(コン・リー)、馮紹峰(ウィリアム・フォン)

使徒行者 

第5位 『使徒行者』 10,868,346香港ドル 
 監督:文偉鴻(ジャズ・ブーン)
 主演:古天樂(ルイス・クー)、張家輝(ニック・チョン)、呉鎮宇(ン・ジャンユー)

Call of Heros.jpg 

第6位 『危城』 10,205,410香港ドル 
 監督:陳木勝(ベニー・チャン)
 主演:劉青雲(ラウ・チンワン)、古天樂(ルイス・クー)、彭于晏(エディ・ポン)

The Bodyguard poster.jpg 

第7位 『The Bodyguard(仮)(原題:特工爺爺)』 9,710,963香港ドル 
 監督:洪金寶(サモ・ハン・キンポー)
 主演:洪金寶(サモ・ハン・キンポー)、劉徳華(アンディ・ラウ)

 北京遇上西雅圖之不二情書

第8位 『北京遇上西雅圖之不二情書』 9,513,391香港ドル 
 監督:薛暁璐(シュー・シャオルー)
 主演:湯唯(タン・ウェイ)、呉秀波(ウー・ショウポー)、恵英紅(ベティ・ウェイ)

Trivisa poster.jpg 

第9位 『大樹は風を招く(原題:樹大招風)』 9,247,902香港ドル 
 監督:許學文(フランク・ホイ)、歐文傑(ジェヴォンズ・アウ)、黄偉傑(ヴィッキー・ウォン)
 主演:任賢齊(リッチー・レン)、陳小春(ジョーダン・チャン)、林家棟(ラム・ガートン)

 

第10位 『S風暴』 8,707,069香港ドル 
 監督:林徳禄(デヴィッド・ラム)
 主演:古天樂(ルイス・クー)、張智霖(チョン・チーラム)、周渝民(ヴィック・チョウ)

このうちの何本かは公開&上映済みですし、公開がもう決まっているものもあります。1位の『寒戦(コールド・ウォー)2』、まだ公開予定が聞こえてこないんですが、日本でもぜひ公開して下さいませ~。  

 

毎回楽しい「インド映画連続講座」@スペース・アーナンディ

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インド映画連続講座「スターで辿るボリウッド映画史<第1回>アーミル・カーン」が終了しました。本日は同じテーマの3回目で、毎回20人の定員だったことから、約60人の方が受講して下さったことになります。ありがとうございました。受講者の中には、遠く四国や大阪から来て下さった方もいらして、驚くやら申し訳ないやら。首都圏内でも鎌倉等、スペース・アーナンディのある川崎市高津区までは2時間ぐらいかかるような場所から来て下さる方もあったりして、本当にありがたいです。皆様、楽しんでいただけたでしょうか。アーミル・カーンの回で取り上げた作品は、こんな映画です。

Qayamat Se Qayamat Tak1.jpgRajahindustaniposter.jpgGhulam(Movie) Poster.jpg

Lagaan.jpgFanaa Poster.jpgGhajini Hindi.jpg

『Fanaa(消滅)』(2006)は皆さんあまりご存じない作品では、と思いますが、その年の興収トップ10にも入っており、カージョルとのコンビが効いている作品です。カージョルが演じるのは目が不自由な女性で、仲間と友に共和国記念日のパフォーマンスのためデリーにやって来、そこでガイドのアーミル・カーンと出会います。二人は恋に落ちて結婚するのですが、実はアーミルは...というストーリーで、最初の出会いシーンの歌がなかなか印象的です。デリーの観光名所を巡るこの歌「Chand Sifarish(月の進言)」を付けておきます。

Chand Sifarish - Full Song | Fanaa | Aamir Khan | Kajol | Shaan | Kailash Kher

毎月1回ずつ3回、同じことを話すのは一見楽そうであるものの、これがなかなか。1回目にしゃべったことを2回目では入れ忘れたり、3回目の今日も、「あ、アーミル・カーンが来日した時の、あのエピソードを言うのを忘れた」とあとで気がついたり。アーミルの人柄がよくわかるエピソードだったので、ちょっと残念ですが、そのかわり今日はいろいろオフレコ話をしてしまいました。聞いて下さる方が皆さん熱心なので、つい、こちらも調子に乗ってしまいます。

さらに、「あんなことを言って、間違っていた!」という点もあり、実は1回目と2回目に配ったレジュメに間違いがありました。アーミルの兄弟姉妹構成は、正しくはこうです。1回目と2回目を受講して下さった皆様、すみません。お詫びして訂正します。

<家族図>     父           母

        ターヒル・フセイン -- ジーナト・フセイン

       (映画プロデューサー) |

                            |

         姉   本人        弟       妹

        ニカト アーミル  ファイサル ファルハト 

それにしてもすごいのは、アーミル・カーンの底力。『きっと、うまくいく』(2009)で打ち立てたボリウッド映画歴代興収第1位を『チェイス!』(2013)で抜き去り、さらに翌年の『PK』(2014)でまたまた新記録の興収を樹立。ところがところが、目下公開中の『Dangal(レスリング)』(2016)が今大ヒット中で、公開2週間目にして昨年のトップになるはずだった『スルタン』を抜き去り、『チェイス!』も抜いて、歴代興収第3位にまで上がってきています。歴代興収第2位の『Bajrangi Bhaijaan(バジュランギー兄貴)』(2015)との差はわずか20Crore(カロール=千万)、つまり2億ルピーなので、この勢いで行くと悠々追い抜きそうです。こういった興行記録に関心のある方は、このサイトをどうぞ。

このボリウッド映画歴代興収トップ10の中には、アーミル・カーン主演作が4本、サルマーン・カーン主演作が3本、そしてシャー・ルク・カーン主演作が2本と、あと1本『Bajirao Mastani(バージーラーオとマスターニー)』が入っていますが、上位を争っているのはアーミル・カーン主演作とサルマーン・カーン主演作。シャー・ルク、どうした!と言いたくなるようなここ2、3年ですが、次回からの「スターで辿るボリウッド映画史<2>シャー・ルク・カーン」で、そのあたりの分析もしてみたいと思います。

シャー・ルクもファンが多いので、2月に続けて2回開催する予定を組んでいたのですが、あっという間に満員になり、キャンセル待ちの方が数名いらっしゃる状態に。というわけで、4月に3回目を追加開催することにしました。ちょうど3月にはインドに行く予定にしているため、おみやげ話ができるかも&何かおみやげがあるかも、です。4月の講座のご案内を下に付けておきますので、ご興味がおありの方はスペース・アーナンディのHPまでご連絡下さい。

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 スペース・アーナンディ/インド映画連続講座第Ⅰ期

「スターで辿るボリウッド映画史」

<第2回>シャー・ルク・カーン

  スペース・アーナンディでは、毎年1つのテーマで行う「インド映画連続講座」を開催中ですが、第Ⅰ期「スターで辿るボリウッド映画史」では4人のスターの足跡を辿りながら、その時々のボリウッド映画界を振り返っています。<第1回>のアーミル・カーンに続いて、<第2回>は日本にもファンの多いシャー・ルク・カーンです。<第3回>のサルマーン・カーンも入れた”3人のカーン”は時代が重なりますが、それぞれに歩んだ道や体現するキャラは異なっており、辿るとボリウッド発展史のいろんな面が見えてきます。なお、<第4回>はアミターブ・バッチャンです。

 なお「スターで辿るボリウッド映画史」では、講座と抱き合わせで「映画で学ぶヒンディー語塾」も開講します。1年間聴いていただければ映画の2割がわかる!を目標に、30分の濃密な学習体験をどうぞ。 

 日時:2017年4月15日(土) 15:00~17:30  

 場所:スペース・アーナンディ(東急田園都市線高津駅<渋谷から各停で18分>下車1分)

 定員:20名

 講座料:¥2,500(含む資料&テキスト代)

 講師:松岡 環(まつおか たまき)

 

ずっと以前、2001年9月には来日したこともあるシャー・ルク・カーン(上は、来日時の写真です)。『ラジュー出世する』から始まって、日本での上映作品が一番多いスターでもありますが、最近の本国でのヒット作は内容に恵まれず、他の2人に少々水を空けられた感が。カメオ出演も含めると100本近い出演作を辿りながら、テレビ時代も含めた約30年の足跡を振り返ります。 

ご予約は、スペース・アーナンディのHP「受講申し込み」からどうぞ。ご予約下さった方には、ご予約確認と共に、スペース・アーナンディの地図をメール送付致します。床におザブトンをひいて座っていただく形になりますので、楽な服装でお越し下さい(申し訳ないのですが、スペースの関係上イス席はご用意できません。悪しからずご了承下さい)。皆様とお目にかかれるのを楽しみにしております。(松岡 環) 

[講師紹介]

1949年兵庫県生まれ。麗澤大学、国士舘大学非常勤講師。大阪外大(現大阪大)でヒンディー語を学び、1976年からインド映画の紹介と研究を開始。1980年代にインド映画祭を何度か開催したほか、様々なインド映画の上映に協力している。『ムトゥ踊るマハラジャ』『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』『きっと、うまくいく』『pk』など、インド映画の字幕も多数担当。著書に、「アジア・映画の都/香港~インド・ムービーロード」(めこん/1997)、「インド映画完全ガイド」(世界文化社/2015/監修)など。

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毎回楽しい体験をさせていただいていますが、時には久しぶりに昔の教え子に再会したり(東京外語大卒業生の皆さん、来て下さってありがとう!)、長らくお世話になっている字幕制作会社の方が来て下さったりと、余得もいっぱい。受講して下さる皆さんにとっても楽しい場となるよう、これからも努力していきますので、あとの講座にもぜひいらして下さいね。

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と、楽しいことの最後に何なんですが、インド映画界でご縁があった人が亡くなったので、その訃報を。すでにご存じの方も多いと思いますが、名脇役の男優オーム・プリーが心臓発作のため、1月6日(金)に亡くなりました。1950年10月18日生まれなので、享年66。まだまだ活躍できる年なのに、と残念です。デリーの国立演劇学校を卒業し、1975年にB.V.カーラント監督のカンナダ語映画でデビュー(デビュー作を1976年の舞台劇を映画化したマラーティー語映画『Ghashiram Kotwal(廷吏ガーシーラーム)』とする見方も)してから、テレビドラマや短編も含めると約300本の作品に出演したオーム・プリー。1980年代まではニューシネマの若き名優として、1990年以降はボリウッド映画の悪役や味のあるお父さん役、さらには欧米作品での頑固オヤジ役として知られていますが、日本では結構初期から彼の作品が紹介されてきました。


上の写真は、1982年1月にカルカッタ(現コルカタ)で開催されたインド国際映画祭で会った時のオーム・プリーです。1980年に、ゴーヴィンド・ニハラーニー監督の『傷つける者の叫び(Akrosh)』で一挙に注目された彼は、当時ケータン・メーヘター監督の『おとぎ話(Bhavni Bhavai)』(1980)、サタジット・レイ監督の短編『遠い道(Sadgati)』(1981)などに次々と主演して、ナスィールッディーン・シャーらと並ぶニュ-・シネマを担う俳優と目されていたのでした。『傷つける者の叫び』と『おとぎ話』は我々インド映画祭実行委員会が主催した「インド映画スーパーバザール・春」で、また『遠い道』はエキプ・ド・シネマによって岩波ホールで、いずれも1985年に上映されています。下は1986年1月にハイダラーバードで開催されたインド国際映画祭で会ったオーム・プリーです。ゴーヴィンド・ニハラーニー監督との写真も付けておきます。


その後、インドとイギリスの国際共同製作作品『ガンジー』(1982)にも印象的な役柄で出演、以後の『シティ・オブ・ジョイ』(1992)、『ぼくの国、パパの国』(1999)などの欧米映画への出演に繋がっていきます。一方、娯楽映画への出演が多くなってきたのは1980年代の後半で、いつの間にか名脇役として確固たる地歩を築いていました。下の写真は、1984年1月にボンベイ(現ムンバイ)で開催されたインド国際映画祭で、フランス人記者姉弟に囲まれるオーム・プリーです。今とは違って、若くてスリムなオーム・プリーですが、貧しい労働者や指定カースト、指定部族民をリアルに演じていたこの時代の、張り詰めた彼の演技は忘れることができません。


日本で公開された作品では、『DON 過去を消された男』(2008)と『闇の帝王DON ベルリン強奪作戦』(2013)のマリク警視が印象に残っていますが、映画祭上映作品も含めると、たくさんの作品で日本の観客を楽しませてくれたオーム・プリー。心から、ご冥福をお祈りします。


2017年アジア映画公開作追加情報

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お年賀状をいただいて知った、アジア映画公開情報の追加です。アルゴ・ピクチャーズさんからいただいたお年賀状に、ベトナム映画公開のお知らせが。お年賀状の両面をスキャンしたものを貼り付けておきます。

あと、公開決定の情報は得ていないのですが、私が期待してる作品がもう1本。中国とインドの国際共同製作作品『功夫瑜伽/Kung Fu Yoga(カンフー・ヨガ)』です。主演はジャッキー・チェンで、監督はスタンリー・トン(唐季禮)とくれば、『ポリス・ストーリー3』(1992)や『レッド・ブロンクス』(1995)のゴールデンコンビ。期待が高まりますねー。

Kungfuyogap01.jpg

スタンリー・トン監督は『THE MYTH/神話』(2005)でもインド・ロケを敢行し、マッリカー・シェーラーワトとジャッキーとの愉快なシーンを見せてくれましたが、今回はさらに本格的なインド・ロケ作品となっているようです。インド側の共演者は、ソーヌー・スードに美人女優のアマーイラー・ダストゥール、ディシャー・パターニーら。一方中国側の共演者は、アーリフ・リー(本作では”アーリフ・ラフマーン”でクレジット/李治廷)、チャン・イーシン(張芸興)、エリック・ツァン(曾志偉)らですが、インドのほか世界各地でロケがなされたようで、皆さん相当大変な目に遭ったとか。インドでは、ジャッキーがボリウッドダンスを踊るシーンも撮影され(多分、@ラモージ・フィルム・シティ)、予告編にも使われています。英語版の予告編を付けておきますが、アラビア語字幕が入ってます。

KUNG FU YOGA Trailer (2017) HD

中国では旧正月に合わせて1月28日(土)から、インドでは2月3日(金)から公開とのことですが、さて、日本公開は? お、インドロケシーン中心の予告編も見つかりました。なんだかんだと言っても、やっぱりジャッキー映画はサービス精神旺盛ですねー。

[ENGSUB] 170103 Kungfu Yoga Trailer (India Version)


ヤスミン・ファンの皆様お待たせしました、『タレンタイム』公開です!

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2009年7月25日に急逝した、マレーシアのヤスミン・アフマド監督。彼女の作品が大好きだった私は、このブログでもたびたび彼女の話題を取り上げてきたのですが、長編劇映画での遺作となった『タレンタイム』(2009)がやっと公開されることになりました。これまであちこちの映画祭等では上映されてきたのですが、このたびムヴィオラの配給により、副題を付けた『タレンタイム~優しい歌』となって皆様の前に登場します。


東京では3月下旬、シアター・イメージフォーラムでの公開となりますが、全国の映画館のオーナー様、ぜひ貴館での上映も検討なさって下さいませ。日本全国の人に見てもらいたい作品です。多民族・多文化国家マレーシアの若者たちが、民族や宗教の垣根を軽々と越えて恋をし、友情をはぐくみます。その一方では、つらい肉親との別れや、偏見にさらされる理不尽さも存在するこの世界の負の面も描かれていて、私たちの心に深い印象を残します。主人公となる高校生たちは、上の写真左のマヘシュ(インド系)と右のムルー(イギリス系とマレー人のミックス)、それにカーホウ(広東系華人)、ハフィズ(マレー系)の4人。後日また詳しくご紹介しますが、ハフィズ役のモハマド・シャフィエはヤスミン・アフマド監督の『ムクシン』(2006)で主人公ムクシンを演じた彼です。


上は、2006年の東京国際映画祭で『ムクシン』が上映された時に来日した、ヤスミン・アフマド監督とモハマド・シャフィエ、そしてオーキッドを演じたシャリファ・アルヤナ(シャリファ・アマニの妹)です。右端は『ムクシン』の編集を担当したアファンディ・ジャマルディンで、『タレンタイム』の編集も担当しています。『タレンタイム』には、マードゥリー・ディークシト主演のインド映画『Aaja Nachle(おいで、踊ろう)』(2007)の曲「オー・レー・ピヤー(おお、愛しい人よ)」が使われているので、インド映画ファンの皆様も絶対にお見逃しなく! 元歌を付けておきますね。

O Re Piya - Song | Aaja Nachle | Madhuri Dixit


中国映画2016年興収トップ10

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中国映画の歴代興収記録を見つけましたので、その中から2016年作品をピックアップしてみました。Wikiの項目「中国大陸最高電影票房収入列表」で、それを整備した2016年トップ10は次の通りです。現在日本で公開中の『人魚姫』はぶっちぎりの33億9212元(何と、563億円!)で第1位、歴代興収でも一昨年の『モンスター・ハント』を大差で抜いて1位となりました。洋画は『ズートピア』(2016)が第1位ですが、興収は15億3033元で『人魚姫』の半分以下。こんな大ヒット作を、日本では1日1回の上映で回そう、というのはいかにも無理がありますねー。

それにしても、香港と中国で人気作のテイストが違っているのが面白いですね。香港のトップ10の時にはポスターを付けましたので、ここでは予告編を付けておきます。

<2016年中国映画興収トップ10> 

第1位 『人魚姫(原題:美人魚)』  33.9212億元 
 監督:周星馳(チャウ・シンチー)
 主演:鄧超(ダン・チャオ)、林允(リン・ユン)、羅志祥(ショウ・ルオ)

鬼才・チャウ・シンチーが放つメガヒットファンタジー『人魚姫』予告編  

第2位 『西遊記 孫悟空VS白骨夫人(原題:西遊記之孫悟空三打白骨精)』  12.0102億元 
 監督:鄭保瑞(ソイ・チェン)
 主演:郭富城(アーロン・クォック)、鞏俐(コン・リー)、馮紹峰(ウィリアム・フォン)

『モンキー・マジック 孫悟空誕生』の続編となるアクション!映画『西遊記 孫悟空 vs 白骨夫人』予告編  

第3位 『メコン大作戦(湄公河行動)』  11.8418億元 
 監督:林超賢(ダンテ・ラム)
 主演:張涵予(チャン・ハンユー)、彭于晏(エディ・ポン)

【湄公河行動】HD高畫質中文電影預告

第4位 『賭城風雲Ⅲ』  11.1819億元 
 監督:劉偉強(アンドリュー・ラウ)、王晶(ウォン・チン)、鍾少雄(チョン・シウホン)
 主演:周潤發(チョウ・ユンファ)、劉徳華(アンディ・ラウ)、張家輝(ニック・チョン)

《賭城風雲 III》1 分鐘次回預告片  

第5位 『長城』  11.0852億元
 監督:張芸謀(チャン・イーモウ)
 主演:マット・デイモン、ウィレム・デフォー、劉徳華(アンディ・ラウ)、張涵予(チャン・ハンユー)、彭于晏(エディ・ポン)

The Great Wall Trailer-All張藝謀【長城】超長版預告  

第6位 『盗墓筆記』  10.0441億元 
 監督:李仁港(ダニーリー)
 主演:鹿晗(ルーハン)、井柏然(ジン・ポーラン)

《盗墓笔记》|| 寻秘版预告超清版 鹿晗 井柏然 马思纯 The Lost Tomb| Time Raiders 8.5 生死同行  

第7位 『従ni的全世界路過』  8.1420億元 
 監督:張一白(チャン・イーバイ)
 主演:鄧超(ダン・チャオ)、白百何(バイ・バイホー)

電影《從你的全世界路過》“超深情”版預告片(張天愛,鄧超,杜鵑)--“I Belonged to you” Movie  

第8位 『北京遇上西雅圖之不二情書』  7.8678億元
 監督:薛暁璐(シュー・シャオルー)
 主演:湯唯(タン・ウェイ)、呉秀波(ウー・ショウポー)、恵英紅(ベティ・ウェイ)

 【北京遇上西雅圖之不二情書│5/13】正式預告

第9位 『寒戦2』  6.7820億元
 監督:陸劍青(サニー・ルク)、梁樂民(リョン・ロクマン)
 主演:郭富城(アーロン・クォック)、周潤發(チョウ・ユンファ)、梁家輝(レオン・カーファイ)、彭于晏(エディ・ポン)

【電影預告】《寒戰2》(Cold War 2) 7月8日 強戰回歸!  

第10位 『鉄道飛虎』  6.0915億元 
 監督:丁晟(ディン・シェン)
 主演:ジャッキー・チェン、王凱(ワン・カイ)、王大陸(ダレン・ワン)

【鐵道飛虎】HD中文正式電影預告全球首播


 『長城』も『鉄道飛虎』も見てみたいですねー。日本でも公開されますように。


インド映画超大作『バーフバリ 伝説誕生』、4月8日(土)より公開!

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こちらも長らくお待たせしました、インド映画の超・超大作『バーフバリ 伝説誕生』(2015)の初日が出ました。4月8日(土)より、新宿ピカデリー、なんばパークスシネマほかでロードショー公開です。

テルグ語映画界の鬼才S.S.ラージャマウリ監督による『バーフバリ 伝説誕生』は、『ムトゥ 踊るマハラジャ』(1995)以降に日本で公開されたインド映画とは、テイストもスケールもまったく異なる作品です。強いて言えば、戦後の日本で初めて、1954年に公開されたインド映画『アーン』(1952)と『灼熱の決闘』(1951)に近いテイストの王国ファンタジーなのですが、そんなもの、誰も見ちゃいませんよね。古代叙事詩「マハーバーラタ」を下敷きにしたインド的なストーリーに、ハリウッド映画『300 スリーハンドレッド』のようなスケール感を持たせた作品、とでも思って下さい。ラージャマウリ監督は、日本でも『あなたがいてこそ』(2010)と『マッキー』(2012)が公開されているのですが、この2本を見て監督の才能を見抜いた方も、「監督、さらに大化けした!」と驚くこと間違いなしです。


インドでも、こういった題材は久々で、しかもそれがCGやVFXを駆使した大画面で見事に描かれているため、インド人観客は大熱狂、ついには国内興収で歴代第1位となってしまいました。海外市場での興収も合わせると『PK』(2014)が第1位なんですが、国内的にはこのテルグ語映画(+ヒンディー語、タミル語等吹き替え版)がトップの記録を打ち立てたのです。主演は、こんなさわやかでマッチョな俳優がテルグ語映画にいたのか!と私も驚いたプラバースで、シヴドゥと呼ばれている青年と、その亡き父の二役を演じます。2人は共に「バーフバリ」という名を冠せられていて、父はアマレンドラ・バーフバリ、その子はマヘンドラ・バーフバリというのが正式な名前です。実はこの『バーフバリ 伝説誕生』、原題「Baahubali: The Beginning」は物語の前編で、後編の「Baahubali: The Conclusion」は来る4月28日からインド始め世界各国で公開される予定なんですね。それで、配給会社のツインはその時期をにらみながら、『バーフバリ 伝説誕生』の公開日を決定した、というわけです。前編を見ただけでも十分に満足できる作品なんですが、これで後編があるとなると、日本で公開されるインド映画としては空前絶後のスケールの作品、と言うことができそうです。

『バーフバリ 伝説誕生』 ©ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED.

©ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED.

登場人物は2人のバーフバリのほか、シヴドゥこと息子バーフバリが恋する女戦士アヴァンティカ(タマンナー)、父バーフバリから王国を乗っ取った現国王バラーラデーヴァ(ラーナー・ダッグバーティ)、その父親(ナーサル)に、国母でもあった亡き母親(ラムヤ・クリシュナ)、囚われの妃(アヌシュカ・シェッティ)、警護隊長(サティヤラージ)などです。ストーリー等の詳しいご紹介はまた後日、試写で再度拝見してからにしますが、 心躍るシーンがつるべ打ちの『バーフバリ 伝説誕生』、どうぞご期待下さいね。

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さらに言えば、ソング&ダンスシーンもしっかりあるのがインド映画ファンとしては嬉しいところです。特に、次のソング&ダンスシーンは見ものです。歌詞も含めて、藤井美佳さんの素晴らしい字幕が付いていますので、たっぷりと楽しめますよ~。

Baahubali Songs | Dhivara Video Full Song | Prabhas, Anushka Shetty,Rana,Tamannaah | M M Keeravani

まずは、『バーフバリ』というタイトルを憶えて下さいね。そして、このニュースをどんどん拡散させて行って下さい。よろしくお願いします!


素晴らしかった宝塚版「オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-」

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ご招待券をいただいて、宝塚歌劇星組公演「オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-」を見に行ってきました。お手配下さったA社様、ありがとうございました。1階の、横の通路を背にした席で、しかも縦の通路側、というとても見やすくていいお席でした。自分用のメモとして、ちょっと舞台の流れを書いておきます。


「オーム・シャンティ・オーム ~恋する輪廻~」

プログラムを参照しながら、各場面と歌われた歌一覧、そして感想もちょっぴり書いてみました。歌の位置はメモと記憶で書いているのですが、一部間違っているかも知れません。ご指摘いただければ訂正致しますので、コメントをお寄せ下さい。

[第1幕]

<第1場>プロローグ
♫「オーム・シャンティ・オーム」
オーム(紅ゆずる)の陰アナから始まり、映画と同じく30年前のスタジオでの撮影シーンとなります。そのスター「リシさん」が、撮影しているガイ監督の息子、という設定なのがのちにわかります。「リシさん」はホントは「リシ・カプール」で、超有名監督&製作者&俳優ラージ・カプールの息子なんですが、今回の設定の方がスッキリしてわかりやすいですね。舞台の電飾や客席天井のミラーボールなど、さすがタカラヅカ、という演出で、振り付けも「ナマステ」の手ポーズなどを使ってあって、素敵です。 野火杏子さんのお名前が「インド舞踊指導」として出ていたので、野火先生の振り付けかも知れません。

<第2場>撮影所
♫「エキストラ・エトセトラ」~オリジナル曲
オームの親友、パップー(瀬央ゆりあ)は、映画の設定「大部屋俳優」から「脚本家見習い」に昇格。女優たちが出てくるのですが、頭の花飾りがハワイアンぽくってちょっと残念。インド式の、まげの周りにジャスミンの花、とかだといいのに。 

<第3場>マキージャー家
映画でもおなじみ、お母さんのベラ(美稀千種)が叫ぶ「ナヒーン!(ダメよ)」のセリフから始まります。亡き父親の写真には、ちゃんと故人に捧げる花輪もかけてあって、芸が細かいです。このお母さん、スグレモノのコメディリリーフで、特に第2幕で大いに笑わせてくれます。 

<第4場>公園
映画では公園ではなく、どこかの駅前広場という感じなのですが、公園でもOKですね。看板がいっぱい出てくるのですが、中に書いてあるヒンディー語の文字が一部「なんちゃってヒンディー語」になっていて残念です。「シガレット」やサイババの絵姿をバックに使った「バーラト・キー・アーザーディー(インドの独立)」は正しく書かれているのですが、読めない綴りもいくつかありました。再演の時、直して下さらないかしら。 

<第5場>試写会会場の前
♫「不思議な気持ち」Ajab Si
オームとパップーは舞台下から登場。こんな演出もあるんですね。オームが着ているジャケットは、映画の衣裳とよく似たものが選んであります。「アジャブ(不思議な)・シー(~のような)」の歌のところにあった、オームの袖にシャンティ(綺咲愛里)のベールがひっかかるシーンも、上手に再現されていました。 

<第6場>「ドリーミー・ガール」
♫「ドゥン・タナ」Dhoom Tana
♫「ドゥン・タナ 心が弾む/ドゥン・タナ 素敵な気分/ドゥン・タナ この夜」という歌詞になっているのですが、ちょっと歌いにくそうで、聞いていても歌詞がはっきり聞こえませんでした。この歌だけでなく、映画の曲をそのまま使ったものは、歌詞をもっと大胆に、音の高低と日本語の高低アクセントとが合ったものへと変更なさった方が、歌いやすく聞きやすいのでは、と思いました。このシーンの振り付けは、映画と同じ”千手観音”あり、日本舞踊かと見まごう傘使いありと、楽しめます。衣裳もインドの布地がふんだんに使ってあって、どこのサリー屋さんで調達を?とか考えてしまいました。 

<第7場>路上(夜)
例の「一筋の紅粉(シンドゥール)」のセリフを言うシーンですね。映画を忠実になぞってあります。 

<第8場>ロケ現場
ここの、シャンティを炎が囲むシーンは、舞台なのに迫力満点に表現されていて脱帽。それに先立つオームとパップーのやり取りでは、「火事だ、逃げろ」というセリフはパップーが書いたことになっていました。やけどをしたオームのセリフ、「背中、熱い...」の「熱い」のアクセントが関西アクセントで、「紅ゆずるさんて、関西の人なんや~」と親近感が。 

<第9場>楽屋
やけどをしたオームを、シャンティがお見舞いに訪れるシーン。極度の興奮でオームの声が出なくて口パクパク、「友情に”ごめん”と”ありがとう”は...」等々、かなり映画に忠実です。 

<第10場>撮影所(スタジオ)
♫「もし例えるなら」Main Agar Kahoon
「マイン(僕が)・アガル(もしも)・カフーン(言うとしたら)」の歌のシーン、いろいろ工夫がこらしてありました。自動車に乗ってスクリーン・プロセス、というシーンも使われていましたが、映画ほどには効果が見えず、といったところ。 

<第11場>撮影所(事務所)
ムケーシュ(礼真琴)を問い詰めるシャンティ、というシーン。映画ではシャンティの撮影所での控え室でしたが、ムケーシュの事務所になっています。オームは扉の外で聞いていた、という演出で、シャンティが<第10場>で撮影所に忘れたベールを届けに来る、という設定が新解釈。 

<第12場>撮影所~公園
♫「空虚な場所で」Jab Soona Soona Lage
衝撃の事実を知ったオームが、呆然とさまようシーン。 「ジャブ(~の時)・スーナー(空虚な)・スーナー・ラゲー(感じた)」

<第13場>「オーム・シャンティ・オーム」のセット
火事の場面は赤い紗の布を舞台に配し、煙も出現。ここでシャンティを殺そうとするムケーシュが「撮影所の下働きから這い上がった」と言うんですが、日本の感覚だとアリでも、インドではまずあり得ない設定です。でも日本人観客には、こういう言い方の方がムケーシュの執念がわかっていいのかも知れませんね。 

[休憩]25分~事前に読んだ宝塚のガイド本(いろいろ勉強して行ったんですよ~~~)に、「休憩は30分あるので、トイレタイムも十分」とあったのですが、やっぱりトイレはチョー長蛇の列となりました。小さい方の男子トイレを女子トイレに変更する、というような配慮もされていたものの、もともと男子トイレは個室が少ないので焼け石に水。でも、どうにか皆さん第2幕に間に合ったようです。 

[第2幕]
<第1場A>撮影所
あれから30年、オーム(紅ゆずる二役)は大スター。マネージャーのアンワルが白髪のキャラになっていてびっくり。ここで、ガイ監督とリシさんの父子関係がハッキリわかりました。オームが三重苦の役をオファーされる、というような設定も生かされていて、映画からの取捨選択が実に巧みです。 

<第1場B>Dard-E-Disco
♫「Dard-E-Disco」
「ダルド(痛み)・エ(~の=英語のof)・ディスコ」の歌のシーンです。そうそう、この歌を初めとする歌のシーンは、バラードでない限り客席から手拍子が出ていました。 

<第2場>撮影所(事務所)
秘書のアンワルから、撮影所にまつわる因縁を聞くシーン。アンワルに対して、「体温計を鼻の穴に詰め込んでろ」とオームが言うセリフが生かされていたのですが、このセリフ、実は字幕を付けていて一番納得できなかったセリフなんですね。いびってる、という風でもないし。ここが使われていて驚きました。 

<第3場>クラブ
このシーンでも歌が歌われていた記憶があるんですが、該当する歌がない...。  

<第4場>ラージェシュ家の一角
オームの父親で、かつての大スターラージェシュとのやり取り。

<第5場>フィルムフェア授賞式
映画で登場したアビシェーク・バッチャン、アクシャイ・クマールに加え、何と!もう1人超大物が登場。『インド・オブ・ザ・デッド』のキャッチコピーみたいなタイトルの映画でノミネートされます(と書くと、みなさんきっとおわかりですね)。
♫「母の心」~オリジナル曲(確か、ここで使われていたような..。それとも、次の場だったかしら?.) 

<第6場>公園
♫「Deewanagi Deewanagi」
オームが出演した広告がいろいろ貼ってあります。ここの広告のヒンディー語は、「インタルネット(インターネット)」や「スマルトフォーン(スマートフォン)」等々、まずまず正しい綴りです。オームが記憶を取り戻したので、パップーが「今日がお前の本当の誕生日だ」と言って、「ディーワーナギー(熱狂)・ディーワーナギー」の歌が始まります。舞台の皆さんが客席に降りてきて、通路で踊ってくれ、客席も、座ったままですが一緒に手を振って「♪オーム・シャンティ・オーム~」。手のひらタッチもしてもらいましたし、手の振り方がよかったのか、指さして「いいね」のポーズもしてもらいました、ふふふ。マサラ上映で何度かやりましたからねー。そして、サンディ(綺咲愛里二役)も登場。 

<第7場>レストラン
オームとムケーシュがレストランで打ち合わせ。 ムケーシュがアメリカに戻るというので、オームがあせります。

<第8場>撮影所(スタジオ)
演技力ゼロのサンディを、よってたかって特訓するシーン。 

<第9場>撮影所(屋外・夜)
♫「My Shining Star」~オリジナル
オームがサンディを説得。二人のデュエットがとても素敵。 

<第10場>ムケーシュの事務所
♫「バラ色の人生」~オリジナル
ムケーシュが自分の影を従えて歌い踊るシーン。確か、この歌ですよね...。背広姿の男たち=影の群舞が迫力あります。 

<第11場>「オーム・シャンティ・オーム」
♫「マスカレード」Dastaan-E-Om Shanti Om
クライマックス。ちょっと映画と変えてありますが、こちらも迫力満点。「ダースターン(物語)・エ(~の=英語のof)・オーム・シャンティ・オーム」で、たっぷり歌語りを聞かせてくれます。シャンデリアも落ちます(音だけですが)。

<第12場>フィナーレ
「♪オーム・シャンティ・オーム、シャンティ・シャンティ・オーム...」の歌詞をちょっと変えて、グランド・フィナーレとなります。豪華で
粋な終わり方でした。

♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡

元の映画とつい比較してしまいがちな私でしたが、1.脚本が巧み、2.演出が巧み、3.主演の紅ゆずるの歌よし、口跡よし、演技も及第点の魅力、等々で、とっても楽しめました。


プログラムには上のような広告が出ていたのですが、関西での再演が決まったそうなのに、このDVDは予定通り出るのでしょうか? DVDが出たらもう一度じっくり見て、歌の確認などをしてみたいと思います。これからご覧になる皆様方、たっぷりと楽しんできて下さいね!

<追記>現在発売されている宝塚の雑誌「歌劇」1月号には、「オーム・シャンティ・オーム」の背景に関する解説記事がP.164から4ページにわたって出ているのですが、そこに私も登場しています。公演のショップや、あるいは本屋さんで見てみて下さいね。


 


インド映画自主上映会:テルグ語映画『Gautamiputra Satakarni 』

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インド映画の自主上映会、早くも始動です。Periploさんからいただいた情報ですが、まずはテルグ語映画から2017年が始まります。

『Gautamiputra Satakarni (ガウタミープトラ・シャータカルニ)』

Gautamiputra Satakarni (film).jpg

(2017/テルグ語/135分/英語字幕)
 監督:クリシュ
 主演:バーラクリシュナ、シュレーヤー・サラン、ヘーマー・マーリニーほか

■日時:2017年1月22日(日)午後 2:00~
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ・彩の国Visual Plaza アクセス
■料金:大人2,000円
■主催:Madras Movies Japan HP  予約サイト

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Periploさんの詳しい解説の入ったご紹介ページはこちら。読んでいると勉強になります。タイトルとなっているガウタミープトラ・シャータカルニは、2世紀前半にインド中部デカン高原地方のアーンドラ国を栄えさせた王様とのことで、日本版Wikiも作られています。その王様を演じるのが、テルグ語映画界の大御所ナンダムーリ・バーラクリシュナ。どんな俳優なのかはPeriploさんのブログを見ていただくとして、NTRジュニアの叔父さん、と言えば、日本のインド映画ファンの皆様には何となく大物ぶりがわかっていただけるとかと思います。そして、テルグ語映画界=トリウッドの常として、大物スター俳優兼政治家でもあります。

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今回の王様役など実にピッタリの俳優なのですが、私的には今回の話題は、その妻役にヘーマー・マーリニーが出演していること。ボリウッド映画ファンならご存じの、かつての「ドリーム・ガール」です。タミルナードゥ州生まれでバラタナティヤムの舞踊手として活躍、踊り子役でタミル語映画に出たところボンベイ(当時)のヒンディー語映画界に引っ張られ、1968年に『Sapno Ka Saudagar(夢の商人)』でヒンディー語映画デビューしました。1970年代、80年代はトップ女優の1人として、ボリウッドで大活躍。当時共演の多かった男優ダルメーンドルと恋に落ち、妻子がいる(息子はサニー・デオルとボビー・デオル)にもかかわらず、「ガンダルヴァ婚」とやらを行って娘2人(女優だったイーシャー・デオルとアハナー・デオル)をもうけました。1990年代以降は出演作が減りましたが、アミターブ・バッチャンと共演した『Baghban(庭師)』(2003)は老人問題を扱った作品として注目され、サルマーン・カーンの出演もあってヒット作に。近年も娘たちと共にバラタナティヤムの舞台で踊ったりしているヘーマー・マーリニーですが、国会議員にもなったりと、さすが南インド出身の女優だけある幅広い活躍ぶりです。下の予告編を見ても、まだまだとってもおきれいです。

Gautamiputra Satakarni Theatrical Trailer | Nandamuri Balakrishna | A Film by Krish | #NBK100

さらに美しいのが、主人公の妻役のシュリヤ-・サラン。『ボス その男シヴァージ』(2007)のヒロイン役として来日もしたこともあるシュリヤー・サランですが、「そうなの?」と思われた方はこちらをどうぞ。『バーフバリ 伝説誕生』の大ヒット以来、こういう歴史大作が増えたような気がするのは私だけ? 

 

初春に登場ユ・スンホ『キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち』

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今年も超大作の公開@日本が目白押しの韓国映画。昨年末にこちらでご紹介した『アシュラ』のように、お腹にズン!とくる作品が何本も控えているのですが、今日は初春にふさわしい軽やかな作品をご紹介しようと思います。大人になったユ・スンホの魅力がいっぱいの、『キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち』です。明日から公開の本作、まずは基本データからどうぞ。

 

『キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち』 公式サイト

2016年/韓国/121分/原題:봉이 김선달
 監督:パク・デミン
 主演:ユ・スンホ、チョ・ジェヒョン、コ・チャンソク、ラ・ミラン、シウミン (EXO)

※1月20日(金)よりTOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ新宿ほか全国順次ロードショー


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主人公は、本名をキム・イノンといい、のちにキム・ソンダル(=先達)という名乗りを王から許される青年(ユ・スンホ)です。ややこしいので「キム・ソンダル」で通しますが、朝鮮王朝時代の人として説話の中に登場する、伝説の詐欺師なのだとか。彼の若き日の武勇伝が、本作『キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち』です。

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物語は17世紀、中国の清が李氏朝鮮王朝を制圧した丙子胡乱(丙子の乱、丙子の役とも)の戦場から始まります。多くの朝鮮民間人が殺された戦場で、死体のふりをして生き残ったのは、イケメン青年キム・ソンダル(ユ・スンホ)、お腹の出た中年男ポウォン(コ・チャンソク)、そして純真な若者キョン(シウミン)でした。意気投合した3人は、これからの人生はオマケだぁ~とばかり、おもしろおかしく生きることを決意します。そんな3人が手を染めたのは、騙しのテクニックを駆使する詐欺。数年後、この3人とポウォンのお相手の中年女性ユン菩薩(ラ・ミラン)を加えた一味は、朝鮮中に名を馳せる詐欺軍団となっていたのでした。


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中でもキム・ソンダルの活躍ぶりはまさに八面六臂。ある時は官吏に化けて王宮に忍び込み、あろうことか王様のコスプレまでして王宮の金をいただいたり、またある時は美しい妓生(キーセン)に化けて金持ちをたらし込む、といった具合に、その腕はますます冴え渡ります。ただの鶏を金色に塗って、「これぞ鳳凰でございますぅ~」と身分の高い金持ちを欺した時には、あまりにも見事な手腕に「鳳伊(ポンイ)」というあだ名が付けられたほど。そんなキム・ソンダルが次に目を付けたのは、清への献上品にもなっている煙草の売買。しかしそんな彼らの前に立ちはだかった壁は、権力者ソン・デリョン(チョ・ジェヒョン)でした...。

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この、ソン・デリョンとの闘いが、物語のクライマックスとなります。そして、キム・ソンダルが「大河を売った詐欺師」となるまでがハラハラドキドキも盛り込んで描かれていくのですが、大河こと大同江(テドンガン)を売るとはどういうことか、と韓国や朝鮮に詳しい方は「???」状態になるに違いありません。大同江は、現在は北朝鮮の領内となっていて、平壌(ピョンヤン)を流れている川として有名ですが、その河にある仕掛けをほどこして、大物ソン・デリョンをまんまと欺してしまうのです。まあ、その仕掛けが単純すぎたり、いくら上流とは言え、この小川が大同江とは、とこちらも詐欺に遭ったような気分にもなるのですが、堂々たるユ・スンホの詐欺師ぶりには目を奪われます。かのキム・ギドク作品の男性版ミューズだった名優チョ・ジェヒョンに対し、ユ・スンホが一歩も引かない演技を見せてくれるこのクライマックスは見ものです。

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そのほかにも、キム・ソンダルと妓生キュヨン(ソ・イェジ)の恋あり、相棒ポウォンやユン菩薩、弟分キョンとのコミカルな掛け合いあり、追いかけっこ等々のアクションありと、楽しめる要素が盛りだくさん。何よりも、『おばあちゃんの家』(2002)や『マウミ・・・』(2006)のあのかわいいユ・スンホがこんなに大きくなって、という、うちの息子、うちの孫的感覚で全編を楽しむことができるのが至福と言えるでしょう。ちょっと難を言えば、そのりりしい眉で女装はムリがあるのでは、なんですが、ユ・スンホ、『朝鮮魔術師』(2015)以上に『キム・ソンダル』では大人の顔と演技を見せてくれて、将来がさらに楽しみになりました。

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そして、K-POPにうとい私は今回初めて顔を見たのですが、EXOというアイドル・グループの1員シウミンのかわいいこと! このグループ、メンバーが全員美形なのですが、中でもシウミンはまるでお人形のような超美形。その顔に時代劇の衣裳がよく似合って、いっそこのなりで雛人形でも作ってしまったら、と思ってしまいました。『キム・ソンダル』では、ソンダルを慕って自分も一人前の詐欺師になろうとする弟分キョンを演じるのですが、実際の年齢が1990年生まれの26歳とは信じられません。どう見ても、1993年生まれのユ・スンホの方が兄貴に見えます。今回が映画デビュー作なので、演技はまだまだですが、大変な演技を要求されるシーンもあり、がんばっています。さて、韓国映画を担う存在になってくれるでしょうか?

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予告編を付けておきます。ぜひ劇場でご覧になって、寒さを吹き飛ばして下さいね!

EXO シウミン出演映画「キム・ソンダル」ティーザー予告 [日本語字幕]

 

 



 

ノベライズ本「オーム・シャンティ・オーム ~恋する輪廻~」について

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あっという間に1月18日(水)の千秋楽が来てしまった、宝塚星組公演「オーム・シャンティ・オーム ~恋する輪廻~」。惜しいなあ、と思っていたら、同じ頃に再演の発表がなされたのですが、今見たら取り消されているようです。何か問題があったのでしょうか。決まればこちらの宝塚のサイトに発表されると思いますので、チェックしてみて下さいね。

ところで、東京国際フォーラムの公演をご覧になった方は、会場入り口に設けられたショップで、プログラム始めいろんなグッズや書籍をお求めになったことと思います。その中に、ノベライズ本があったのに気がつかれたでしょうか。下のこの本です。


私も買って、公演を見終わった帰り道、読み始めました。場面は上手に入れ替えてあり、映画をよく知っている私でも小説として面白く読めます。文章も調子よく、どんどん読み進んでいったら....ん? 映画字幕で使った歌詞がそのまま書いてあります。歌詞部分だけ、地の文の明朝体と違うゴシック体で書いてあるので、全体から探してみると3箇所、3曲の歌詞が使われていました。字幕翻訳者(私です)への使用許可願いもなかったし、と、本をあちこち見てみたのですが、その部分が字幕からの引用だ、とどこにも明記してありません。う~ん、これは困った。

というわけで、奥付に「協力:アジア映画社」という意味のことが書いてあるのを幸い、アジア映画社さんに尋ねてみました。すると、アジア映画社では早速出版元のかざひの文庫に問い合わせて下さり、すぐにかざひの文庫の責任者の方からご連絡をいただきました。とても誠実な内容のメールで、勝手に書き写して引用したことと、引用だというのを明記していなかったことを詫びて下さり、「増刷になりましたら、奥付にクレジットを入れさせていただければと思っています」と書いてきて下さいました。その後メールをやり取りし、書き写し間違いもあるので、増刷になった時にはそれも訂正して下さることになり、現在かざひの文庫のHPには次のような「お詫び」が載せられています。

§  §  §  §  §  §  §  §  §  § 

発売中の『オーム・シャンティ・オーム~恋する輪廻~』において、クレジットの表記漏れと引用歌詞の誤記がございましたので、ここにお詫びするとともに、追記・訂正させていただきます。

※本文中に掲載のゴシック体の歌詞部分は、映画『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』の日本語字幕(字幕翻訳 松岡環)をそのまま引用させていただきました。 

(クレジット追記)

引用字幕翻訳/松岡環 

(引用歌詞の誤記の修正)

●P.93、1行目 (誤)どんな言語も見当たらない → (正)どんな言語にも見当たらない

●P.199、5行目 (誤)密かに或る娘に恋をした → (正)秘かにある娘を愛してた

●P.201、9行目 (誤)泣くことがある → (正)泣くことになる

 §  §  §  §  §  §  §  §  §  § 
これにて1件落着で、やれやれです。誠意ある対応をして下さったかざひの文庫様、迅速に仲介をして下さったアジア映画社様、どうもありがとうございました。
この記事を書くために、途中になっていたこのノベライズ本を最後まで読ませてもらったのですが、スラスラ読めて面白く、セリフのリライトなど、こうやるのね~、と勉強になりました。映画では省略してある繋ぎのストーリーが書かれていたり、ちょっとした説明が加えてあったりと、著者のご苦労が偲ばれます。ノベライズ本を書くのも、いろんなテクニックが必要なことがわかりました。ただ、本文中にも一部、本作の舞台が「デリー」になっていたり(P.44)等々、ちょっと変な箇所があるので、それも増刷時に直して下さらないか、お願いしてみようと思います。と書いておいてから本の購入をお勧めするのも何なんですが、「どこが違っているのか発見してみたい(^^)」という方もいらっしゃるかと思いますので、アマゾンのアドレスにリンクを張っておきます。
宝塚の舞台も原作からの脚色が実に巧みで、さすがプロ中のプロ、と思ったのですが、あの公演をインドで見せたらインドの人は大喜びするに違いない、とも思いました。宝塚の海外公演はアジアでも昔から行われていて、1973年の東南アジア公演(ビルマ(当時)、マレーシア、シンガポール)を皮切りに、タイ、香港、中国、韓国、台湾でも公演が行われています。「オーム・シャンティ・オーム ~恋する輪廻~」がインドで凱旋公演とかをやったら、大きな話題になると思うのですが、いかがですか、外務省様&国際交流基金様。「Cool Japan」の次は、「Takarazuka」ですよ!  


インド映画自主上映会:テルグ語『Khaidi No. 150 』

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またまたテルグ語映画上映会のお知らせです。もちろん、情報を提供して下さったのはPeriploさんですが、その情報によると、前回ご紹介した『Gautamiputra Satakarni (ガウタミープトラ・シャータカルニ)』は、主演のバーラクリシュナの100本目の主演作、そして今回ご紹介する『Khaidi No. 150 (囚人番号150)』は、主演のチランジーヴィの150本目の主演作だそうで、大物主演映画のガチ対決となっているそうです。日本では「100本目」だけ上映かと思っていたら、「150本目」もやって来ました。

Chiranjeevi's Khaidi No.150 poster.jpg

『Khaidi No. 150 (囚人番号150)』

2017/テルグ語/147分/英語字幕
 監督:VVヴィナーヤク
 主演:チランジーヴィ、カージャル・アグルワール、タルン・アローラーほか

■日時:2017年1月29日(日)午後 1:30~
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ・彩の国Visual Plaza アクセス
■料金:大人2,400円
■主催:インドエイガ・ドットコム HP  予約

Khaidi no 150 new poster: Megastar Chiranjeevi makes a rocking comeback

Periploさんの詳しいご紹介サイトはこちらです。"メガスター"チランジーヴィ、御年61歳だそうですが若いっ! 若すぎる。しかも二役だそうで、しかもいろいろ焼き直しが入っているようで...。とりあえず、ファンの方はご覧になってみて下さい。予告編を付けておきますが、動く姿はやはり年齢を感じさせますね~。『バードシャー テルグの皇帝』(2013)のカージャル・アグルワールが相手役ですが、彼女とは30歳の年の差カップル。ソング&ダンスシーン、まだフルのはYouTubeにアップされていませんが、見たいような、見たくないような...。

Khaidi No 150 Official Theatrical Trailer || Mega Star Chiranjeevi || V V Vinayak || DSP

ところで、テルグ語の「カイディー(囚人)」のローマナイズは、ヒンディー語のように「Qaidi」とはならず、「Khaidi」なんですね。アラビア語起源のこの言葉、「カイド(投獄)」「ウムルカイド(終身刑)」とかでも昔の映画ではよく出て来たんですが、最近はとんと耳にしなくなりました。言葉としては、古くさくなってきたのかしら...。

 

「カラフル!インドネシア2」

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昨年の東京国際映画祭(TIFF)の特集上映「CROSSCUT ASIA#03 カラフル!インドネシア」の続編が、明後日から開催されます。国際交流基金アジアセンターとアテネ・フランセ文化センターの主催で、昨年のTIFFでも上映された『三人姉妹』に加えて、ドキュメンタリーあり、劇映画あり、短編映画ありと盛りだくさん。アテネからチラシを送っていただいたので貼り付けますが(折り目があってすみません)、アテネのHPにも詳しく情報が載っていますのでご参照下さい。

私も行きたいのですが、目下レポート採点地獄でして...。『三人姉妹』、また見られないかも、と残念です。ジョコ・アンワル監督のサイコホラーだという『禁断の扉』(2009)、インドネシアン・ポップスがたっぷり聞けそうな『White Shoes & The Couples Company in Cikini』(2016)など、魅力的な作品がいっぱいです。ぜひご覧になってみて下さい。私も、ちゃっちゃと採点を済ませて、木曜日か金曜日に行きたいなあ~~~。


インド映画2016年興収トップ10

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日本での2016年の映画興行成績が、先日映連によって発表されました。昨年はアニメ映画『君の名は。』がお化けヒットしたおかげで、邦画の興収が何と全体の63.1%をも占めることになり、近年にない邦高洋低となりました。そして残念ながら、洋画の興収10億円以上作品には、今年もアジア映画はゼロ。2008年の『レッドクリフ Part1』が最後(50億円強で第2位)ですから、アジア映画@日本の市場は”冷え込み続く”ですね。

インド映画も一度ぐらい、10億円超えヒットを出してもらいたいものですが、本国インドでの2016年興収トップ10は次のようになりました。またまたアーミル・カーン主演作がお化けヒットし、『PK』(2014)の歴代興収記録にあと7億ルピー(全世界興収)と迫っています。記事の元にしたのは、こちらこちらのkoimoiのサイト、ならびにこちらのサイトです。 

2016年インド映画興収トップ10  (1ルピー=1.7円)

第1位 『Dangal(レスリング)』 38億3100万ルピー 
 監督:ニテーシュ・ティワーリー
 主演:アーミル・カーン、サークシー・タンワル、ファーティマー・サナー・シェイク

Dangal | Official Trailer | Aamir Khan | In Cinemas Dec 23, 2016  

第2位 『スルタン(原題:Sultan)』 30億450万ルピー 
 監督:アリー・アッバース・ザファル
 主演:サルマーン・カーン、アヌシュカー・シャルマー、ランディープ・フーダー

 SULTAN | Official Trailer | Salman Khan | Anushka Sharma

第3位 『Kabali(カバーリ)』(タミル語) 17億5000万ルピー 
 監督:Pa. ランジート
 主演:ラジニカーント、ラーディカー・アプテー、ウィンストン・チャオ

 Kabali Tamil Movie | Official Teaser | Rajinikanth | Radhika Apte | Pa Ranjith

第4位 『M.S. Dhoni: The Untold Story(M.S.ドーニー:語られなかった物語)』 13億3000万ルピー 
 監督:ニーラジ・パーンデー
 主演:スシャーント・シン・ラージプート、ディシャー・パターニー

 M.S.Dhoni - The Untold Story | Official Trailer | Sushant Singh Rajput | Neeraj Pandey

第5位 『エアリフト~緊急空輸~(原題:Airlift)』 12億9000万ルピー 
 監督:ラージャー・メーノン
 主演:アクシャイ・クマール、ニムラト・カウル

 AIRLIFT THEATRICAL TRAILER | Akshay Kumar, Nimrat Kaur | Releasing on 22nd January, 2016 |T-Series

第6位 『Rustom(ロスタム)』 12億7000万ルピー 
 監督:ティーヌー・スレーシュ・デーサーイー
 主演:アクシャイ・クマール、イリヤナ・デクルーズ

 Rustom | Official Trailer | Akshay Kumar, Ileana D'Cruz, Esha Gupta & Arjan Bajwa |

第7位 『Janatha Garage(人民ガレージ)』(テルグ語) 12億5000万ルピー 
 監督:コラタラ・シヴァ
 主演:モーハンラール、NTRジュニア、サマンタ・ルス・プラブ

 Janatha Garage Telugu Theatrical Trailer | Jr NTR | Mohanlal | Samantha | Nithya | Koratala Siva

第8位 『Ae Dil Hai Mushkil(心ってヤツは難しい)』 11億2500万ルピー 
 監督:カラン・ジョーハル
 主演:ランビール・カプール、アイシュワリヤー・ラーイ、アヌシュカー・シャルマー

 Ae Dil Hai Mushkil | Trailer | Karan Johar | Aishwarya Rai Bachchan | Ranbir Kapoor | Anushka Sharma

第9位 『Houseful 3(満員3)』 10億7700ルピー 
 監督:サージド=ファルハード
 主演:アクシャイ・クマール、アビシェーク・バッチャン、ジャクリーン・フェルナンデス、リテーシュ・デーシュムク

 Housefull 3 Official Trailer with Subtitle | Akshay Kumar, Riteish Deshmukh, Abhishek Bachchan

第10位 『Shivaay(シヴァーイ)』 10億350万ルピー 
 監督:アジャイ・デーウガン
 主演:アジャイ・デーウガン、サーエシャー・サイガル

Shivaay | Official Trailer | Ajay Devgn  

レスリング映画の『Dangal(レスリング)』と『スルタン』、クリケットの現役著名選手を主人公にした『M.S. Dhoni: The Untold Story(M.S.ドーニー:語られなかった物語)』と、スポーツ映画が」上位を占めた年でした。また、実話や実在の人物に基づいた作品も目立ちました。さらに監督に注目してみると、2作目、3作目といったフレッシュな監督たちが活躍した年であった、とも言えます。さて、2017年は? まずは本日から公開となった、シャー・ルク・カーン主演作『Raees(大金持ち)』、リティク・ローシャン主演の『Kaabil(ふさわしい人)』の動向に注目していましょう。

Raees Poster.jpgKaabil Theatrical Poster.jpg

 

2016年韓国映画観客動員数トップ10

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アジアの映画大国の2016年成績、最後は韓国です。こちらのサイトからのデータですが、日本公開作はタイトルを邦題に直してあります(公開予定作品も含む)。日本版、あるいは韓国版の予告編を付けておきます。

<2016年韓国映画観客動員数トップ10>

第1位 『新感染 ファイナル・エキスプレス』 
 監督:ヨン・サンホ
 主演:コン・ユ、チョン・ユミ、マ・ドンソク
 観客動員数: 1156万5479人
※原題『釜山行き』。ツインの配給で、本年夏公開の予定。公式サイトはこちら

[日本語字幕]<釜山行き>メイン予告編

第2位 『華麗なるリベンジ』 
 監督:イ・イルヒョン
 主演:ファン・ジョンミン、カン・ドンウォン、
 観客動員数:970万7581人
※原題『検事外伝』。こちらもツインの配給で、昨年11月に公開されました。公式サイトはこちら

ファン・ジョンミン×カン・ドンウォン!映画『華麗なるリベンジ』予告編

第3位 『密偵(原題)』 
 監督:キム・ジウン
 主演:ソン・ガンホ、コン・ユ、ハン・ジミン、鶴見辰吾
 観客動員数:750万0420人
※彩プロの配給で本年公開予定。

[밀정] 1차 예고편 공개 The Age of Shadows (2016) teaser trailer (ENG SUB)

第4位 『トンネル(原題)』 
 監督:キム・ソンフン
 主演:ハ・ジョンウ、ペ・ドゥナ、オ・ダルス
 観客動員数:712万0508人

터널 (Tunnel, 2016) 메인 예고편 (Main Trailer)

第5位 『仁川上陸作戦(原題)』 
 監督:イ・ジェハン
 主演:イ・ジョンジェ、イ・ボムス、リーアム・ニーソン
 観客動員数:704万9643人

'인천상륙작전' 메인 예고편

第6位 『ラッキー(原題)』 
 監督:イ・ゲビョク
 主演:ユ・ヘジン、イ・ジュン
 観客動員数:697万5291人

럭키 (Luck-Key, 2016) 그 사나이 예고편 (The Man Trailer)

第7位 『哭声/コクソン』 
 監督:ナ・ホンジン
 主演:クァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、國村隼
 観客動員数:687万9908人
※クロックワークスの配給により、3月11日(土)からシネマート新宿その他で公開。公式サイトはこちら

3/11(土)公開 『哭声/コクソン』予告篇

第8位 『徳恵翁主(トッキェオンジュ/原題)』 
 監督:ホ・ジノ
 主演:ソン・イェジン、パク・ヘイル
 観客動員数:559万9229人

《德惠翁主》(2016)主预告(中韩字幕)덕혜옹주 메인예고편(중국어cc)

第9位 『マスター(原題)』 
 監督:チョ・ウィソク
 主演:イ・ビョンホン、カン・ドンウォン、キム・ウビン
 観客動員数:439万7598人

Gang DongWon~映画「マスター」メイン予告編

第10位 『お嬢さん』 
 監督:パク・チャヌク
 主演:キム・ミニ、キム・テリ、ハ・ジョンウ
 観客動員数:428万7839人
※ファントム・フィルムの配給で、3月3日(金)よりロードショー公開。公式サイトはこちら

映画『お嬢さん』予告

今年も、全作品が公開されるでしょうか? 楽しみですね。

 


タノヴィッチが描くパキスタンの暗部『汚れたミルク あるセールスマンの告発』

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ダニス・タノヴィッチ監督の映画がお好きな方は多いと思います。旧ユーゴスラビアの出身で、ボスニア紛争をユーモアも交えて描いた初監督作品『ノーマンズランド』(2001)で注目され、ドキュメンタリー的手法で撮った『鉄くず拾いの物語』(2013)では、ボスニア・ヘルツェゴビナのロマ族の一家を主人公にして再び世界の耳目を集める、という、今最も注目されている東欧の監督です。タノヴィッチ監督の最新作は2016年の『サラエヴォの銃声』なのですが、その日本公開の前哨戦のような形で、珍しくパキスタンを舞台にした彼の映画が公開されます。その作品『汚れたミルク あるセールスマンの告発』は、パキスタンで1997年に表面化した事件が描かれるのですが、パキスタンでは撮影できず、インド=フランス=イギリスの国際共同製作作品として、インドで撮影が行われました。そのため、インド人俳優が主人公たちを演じており、皆さんご存じのスターがいろいろ登場します。まずは、基本データからどうぞ。なお、本作の公開に際しては、日本人観客に馴染みやすいよう固有名詞は音引きをほぼ落とした形で表記されているのですが、ご参考までに音引きを付けたものを<>内に入れておきます。


 『汚れたミルク あるセールスマンの告発』 公式サイト 

2014年/インド=フランス=イギリス/90分/原題:Tigers
 監督:ダニス・タノヴィッチ
 主演:イムラン・ハシュミ<イムラーン・ハーシュミー>、ギータンジャリ<ギーターンジャリ・ターパー>、ダニー・ヒューストン、アディル・フセイン<アーディル・フセイン> 

 配給:ビターズエンド
※3月4日(土)より新宿シネマカリテにて2作品連続ロードショー(『サラエヴォの銃声』は3月25日(土)より)


(C) Cinemorphic, Sikhya Entertainment & ASAP Films 2014

物語は、主人公のアヤン(イムラン・ハシュミ)が意を決して、自らのことを西洋のメディアに語り出すシーンから始まります。1994年、アヤンは結婚したその夜、花嫁のザイナブ(ぎータンジャリ)と窓越しに隣家のテレビを見つめ、インド映画を楽しんでいました。ラホールはインドとの国境に近いため、テレビ電波が入るのです。アヤンは製薬会社に勤めていましたが、地元の製薬会社は多国籍企業の台頭で業績が悪化していました。アヤンも経済的に苦しくなったものの、父も政府に仕事を奪われて訴訟中で、何とか自力でがんばるしかありません。そんな時、妻が多国籍企業ラスタ社の求人情報を教えてくれ、アヤンは就職試験を受けに行きます。面接の時、上司から「君たちはタイガーだ」とハッパをかけられるアヤンたち。ほかにも自分を試すような質問をされたためアヤンは怒りますが、それがよかったのか、無事採用されました。


(C) Cinemorphic, Sikhya Entertainment & ASAP Films 2014

それからのアヤンは、 上司の指示に従い、懸命にラスタ社の製品である粉ミルクの販路を広げようと仕事に邁進します。上司のビラル<ビラール>(アディル・フセイン)は、「金をばらまき、顧客に与える好感度を上げろ」と命じ、アヤンは病院の医師や看護婦と仲良くなってはプレゼントを繰り返して、自社の粉ミルクを患者たちに使ってもらえるようプッシュします。中でも若いファイズ医師とはすっかり親しくなり、また別の医師とは様々な費用負担で信頼を得るなど、アヤンは病院に食い込んでいきます。そんなアヤンを上司ビラルは賞賛し、バイクを報奨金代わりにプレゼントしてくれました。ところがある日、厳しい表情をしているファイズ医師に伴われてある部屋に入ると、そこにはやせ細った赤ん坊たちが....。ファイズ医師の話では、アヤンが無料提供した粉ミルクを貧困層の人々は清潔でない水で溶くため、病気の赤ん坊が次々と出てきているのだとか。亡くなった赤ん坊もいると聞き、アヤンは胸をつかれるような気持ちを味わいます。しかし、ラスタ社の販売戦略は、貧乏な家の赤ん坊の死ぐらいでは、変更になりませんでした。アヤンは自分は何をすべきかと考え、徐々に決心を固めていきます....。


(C) Cinemorphic, Sikhya Entertainment & ASAP Films 2014

ストーリーはパキスタンで実際に起こった事件を元にしており、 会社を告発したアヤン、実際にはサイード・アーミル・ラザー・フセインさんは、その後数々の脅迫にさらされたため、結局パキスタンを脱出して今はカナダでタクシー運転手をしているのだとか。粉ミルクをすさまじい販売戦略で売り込む多国籍企業のモデルは、皆さんご推察の通りインスタントコーヒーでも有名なあの会社です。この会社の名前と「ボイコット」を入れて検索すると、日本語のサイトでも多くの記事がヒットしてきます。例えばこちらには、粉ミルクの導入を強引に進めることでどんな弊害が出てくるのかが、端的に書かれています。

(C) Cinemorphic, Sikhya Entertainment & ASAP Films 2014

ただ、映画ではこれらの弊害が絵としては描きにくいためか、やせ細った赤ちゃんが複数、一部屋に集められているという描写のもと、医師が怒りを込めた声で説明する、というシーンになっています。こういった、少し不自然なシーンが2、3あるものの、タノヴィッチ監督の観察眼ならではの描写が続き、彼の押さえ切れない静かな怒りが伝わってくるようです。企業名を架空のものとしたのは、本作に出資しようとする会社や人が二の足を踏まないように、という配慮と、この企業以外にも強引な販売をしている企業があるからで、なるべく公平な視点からこの事件を描こうとしたからのようです。そういった配慮がなされているにもかかわらず、やはり公開に関してはどこの国でもスムーズには行かなかったのか、チラシの画像にもあるように、「幻の問題作、世界初公開」となりました。

 

(C) Cinemorphic, Sikhya Entertainment & ASAP Films 2014

パキスタンではもちろん撮影できなかったため、パキスタンに隣接するインドのパンジャーブ州で撮影が行われたそうですが、インドの名優たちが数多く出演しています。主人公を演じたイムラン・ハシュミ(上写真右)はご存じだと思いますが、日本での一般公開作はこれが初めてとなります。映画祭上映では、2013年のアジアフォーカス・福岡国際映画祭で上映された『シャンハイ』(2012)が、字幕を担当したこともあって印象深く記憶に残っています。妻を演じたのは、なら国際映画祭上映作『Liar's Dice』(2013)のこれまた妻役を演じたギータンジャリ(上写真中)。『汚れたミルク』ではとてもきれいになっていて、びっくりしました。また、主人公の母親役はスプリヤー・パータク(上写真左)で、ほかに上司役に『マダム・イン・ニューヨーク』(2012)や『エージェント・ヴィノッド 最強のスパイ』(2012)のアディル・フセイン。おっと、アディル・フセインは『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(2012)にも出演していましたので、もうすっかり国際派ボリウッド俳優ですね。


(C) Cinemorphic, Sikhya Entertainment & ASAP Films 2014

また、本作の製作が可能になったのは、インド側が出資を決めたからだそうで、出資しているのはグニート・モーンガーとアヌラーグ・カシャプという『血の抗争』シリーズなどを製作した2人と、プラシター・チョウドリーという若い女性に、クシティジ・チョウドリーという若い男性。2人のチョウドリーさんは、数年前から低予算映画に出資を始めたようで、どういう関係なのかは不明ですが、国際共同製作にも参画するとはなかなかのもの。製作資金を回収させてあげたいですね。タノヴィッチ監督ファンの方、イムラン・ハシュミのファンの方、そしてインドやパキスタン好きの方、ぜひ劇場でご覧になってみて下さい。


2017年公開予定のアジア映画ラインナップ(上)韓国&中国語圏映画

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「キネマ旬報」2月下旬号「キネマ旬報ベストテン発表特別号」が出ました。本年も、これをもとに、2017年劇場公開予定アジア映画作品ラインアップをまとめてみました。数が多いため上下に分けて、かつポスター画像や予告編を挟まずに、ずらーっとデータだけ並べます。 

<韓国映画> 

『お嬢さん』
(2016/韓国/韓国語/原題:아가씨)
  監督:パク・チャヌク
  主演:キム・ミニ、キム・テリ、ハ・ジョンウ、チョ・ジヌン
  配給:ファントム・フィルム
  公開予定:3月3日TOHOシネマズシャンテほかロードショー 

『アシュラ』
(2016/韓国/韓国語/133分/原題:아수라)
  監督/脚本:キム・ソンス
  主演:チョン・ウソン、ファン・ジョンミン、チュ・ジフン、クァク・ドウォン、チョン・マンシク
  配給:CJ Entertainment Japan
  公開予定:3月4日より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー 

『哭声/コクソン』 公式サイト
(2016/韓国/韓国語/156分/原題:곡성.)
   監督:ナ・ホンジン
  主演:クァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、國村隼
  配給:クロックワークス
  公開予定:3月11日(土)よりシネマート新宿ほかにて公開 

『新感染 ファイナル・エクスプレス』
(2016/韓国/韓国語/原題:부산행)
  監督:ヨン・サンホ
  主演:コン・ユ、チョン・ユミ、マ・ドンソク、キム・スアン
  配給:ツイン
  公開予定:2017年夏 

『One Day(英語題)』
(2016/韓国/韓国語/原題:어느날 )
  監督:イ・ユンギ
  主演:キム・ナムギル、チョン・ウヒ、イム・ファヨン
  配給:ファインフィルムズ
  公開予定:2017年夏 

『ソウルステーション/パンデミック』
(2016/韓国/韓国語/アニメ作品/原題)
  監督:ヨン・サンホ
  主演(声):シム・ウンギョン。リュ・スンリョン、イ・ジュン
  配給:ブロードウェイ
  公開予定:2017年秋 

『フェイク(仮題)』
(2013/韓国/韓国語/アニメ作品/原題:사이비)
  監督:ヨン・サンホ
  主演(声):クォン・ヘヒョ、ヤン・イクチュン、オ・ジョンセ
  配給:ブロードウェイ
  公開予定:2017年秋 

『密偵(原題)』
(2016/韓国/韓国語・日本語/原題:밀정)
  監督:キム・ジウン
  主演:ソン・ガンホ、コン・ユ、ハン・ジミン、鶴見辰吾、イ・ビョンホン
  配給:彩プロ
  公開予定:2017年 

『少女は悪魔を待ちわびて』
(2016/韓国/韓国語/原題:널 기다리며)
  監督:モ・ホンジン
  主演:シム・ウンギョン、キム・ソンオ、ユン・ジェムン
  配給:クロックワークス
  公開予定:2017年
※WOWOWで先行放映 

『兄貴(原題)』
(2016/韓国/韓国語/原題:형)
  監督:クォン・スギョン
  主演:チョ・ジョンソク、ド・ギョンス、パク・シネ
  配給:CJ Entertainment Japan
  公開予定:2017年 

『Last Princess(英語題)』
(2016/韓国/韓国語/原題:徳恵翁主(トッキェオンジュ))
  監督:ホ・ジノ
  主演:ソン・イェジン、パク・ヘイル、ラ・ミラン
  配給:ハーク
  公開予定:2017年 

『Vanishing Time: A Boy Who Returns(英語題)』
(2016/韓国/韓国語/原題:가려진시간)
  監督:オム・テファ
  主演:カン・ドンウォン、キム・ヒウォン
  配給:ハーク
  公開予定:2017年 


<中国・香港・台湾映画> 

『百日告別』 公式サイト 
(2016/台湾/中国語/原題:百日草) 
  監督:林書宇(トム・リン)
  主演:林嘉欣(カリーナ・ラム)、石綿航(シー・チンハン)
  配給:パンドラ
  公開予定:2月25日よりユーロスペースにて公開
※2015年東京国際映画祭で上映 

『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』 公式サイト
(1991/台湾/中国語/原題:牯嶺街少年殺人事件)
  監督:楊徳昌(エドワード・ヤン)
  主演:張震(チャン・チェン)、楊静怡(リサ・ヤン)、張國柱(チャン・クォチュー)
  配給:ビターズ・エンド
  公開予定:3月11日より角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館にてロードショー 

『グレート・ウォール』
(2016/中国=アメリカ/英語・中国語/原題:長城/英題:The Great Wall)
  監督:張芸謀(チャン・イーモウ)
  主演:マット・デイモン、ペドロ・パスカル、ウィレム・デフォー、景甜(ジン・ティエン)、劉徳華(アンディ・ラウ)、鹿晗(ルハン)
  配給:東宝東和
  公開予定:4月14日 

『イップ・マン 継承3』
(2015年/中国=香港/広東語・英語/105分/原題:葉問3)
  監督:葉偉信(ウィルソン・イップ)
  主演:甄子丹(ドニー・イェン)、張晋(マックス・チャン)、熊黛林(リン・ホン)
  配給:ギャガ・プラス
  公開予定:4月22日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開 

『草原の河』
(2015年/中国/チベット語/94分/原題:河)
  監督:ソンタルジャ
  主演:ヤンチェン・ラモ、リンジン・ジョマ、ウル・ツェテン
  配給:ムヴィオラ
  公開予定:4月29日(土)より岩波ホールにてロードショー
※2015年東京国際映画祭で上映 

『シチリアの恋』 
(2016/中国/原題:謊言西西里) 公式サイト
  監督:林育賢(リン・ユウシェン)
  主演:イ・ジュンギ、周冬雨(チョウ・ドンユイ)、阮経天(イーサン・ルアン)
  配給:ハーク
  公開予定:2017年4月シネマート新宿ほか全国順次公開 

『狼が羊に恋をするとき』 
(2012/台湾/85分/原題:南方小羊牧場)
  監督:侯季然(ホウ・チーラン)
  出演:柯震東(クー・チェンドン)、簡嫚書(ジエン・マンシュー)、郭書瑶(グォ・シューヤウ)
  配給:JCK
  公開予定:2017年5月
※SKIP CITY国際Dシネマ映画祭で上映。昨年のラインアップにも入っていたのですが、配給会社がJCK(Japan Cinematika Kommunikation)にが変わったようです。

『コードネームは孫文』
(2015/中国=香港/原題:行動代号孫中山)
  監督:易智言(イー・ツーイェン)
  出演:詹懐雲(ジャン・ファイユン)、魏漢鼎(ウェイ・ハンディン)
  配給:JCK
  公開予定:2017年5月
※これも『狼が羊に恋をするとき』と同じく、配給会社が変更のケース。後述するトルコ映画『父のタラップ車』も同様です。

『底辺から走り出せ』 
(2016/中国/原題:走出塵埃/英題:Nirvana)
  監督:(シェ・シャオドン)
  主演:秦勇(チン・ヨン)、(フォン・ボー)、(チー・ジー)
  配給:JCK
  公開予定:2017年初夏
※2016年東京国際映画祭で上映。漢字データが秦勇以外わからず、そのままにしてあります。 

『The Bodyguard(英語題)』
(2016/中国=香港/広東語/原題:特工爺爺)
  監督:洪金寶(サモ・ハン・キンポー)
  主演:洪金寶(サモ・ハン・キンポー)、劉徳華(アンディ・ラウ)、彭于晏(エディ・ポン)、元彪(ユン・ピョウ)
  配給:ツイン
  公開予定:2017年初夏 

『Call of Heroes(英語題)』 
(2015/中国=香港/原題:危城)
  監督:陳木勝(ベニー・チャン)
  主演:劉青雲(ラウ・チンワン)、彭于晏(エディ・ポン)、古天樂(ルイス・クー)
  配給:ツイン
  公開予定:2017年初夏 

『苦い銭』
(2016/中国/中国語/ドキュメンタリー作品/原題:苦銭)
  監督:王兵(ワン・ビン)
  配給:ムヴィオラ
  公開予定:2017年冬
※2016年東京フィルメックスで上映 

『League of Gods(英語題)』
(2016/中国/中国語/原題:封神傳奇)
  監督:許安(コアン・ホイ)
  主演:李連杰(ジェット・リー)、范冰冰(ファン・ビンビン)
  配給:ハーク
  公開予定:2017年 

『Operation Mekong(英語題)』
(2016/香港=中国/広東語/原題:湄公河行動)
  監督:林超賢(ダンテ・ラム)
  主演:張涵予(チャン・ハンユ)、彭于晏(エディ・ポン)
  配給:ハーク
  公開予定:2017年
※2016年東京国際映画祭で上映 

『Sword Master(英語題)』
(2015/香港=中国/広東語/原題:三少爺的劍)
  監督:爾冬陞(デレク・イー)
  主演:林更新(ケニー・リン)、何潤東(ピーター・ホー)
  配給:ハーク
  公開予定:2017年 

『Skiptrace(英題)』 
(2017/中国=香港=アメリカ/原題:絶地逃亡)
  監督:レニー・ハーリン
  主演:ジャッキー・チェン、ジョニー・ノックスビル、范冰冰(ファン・ビンビン)
  配給:KADOKAWA
  公開予定:2017年

『Lazy Hazy Crazy(英題)』 
(2015/香港/原題:同班同學)
  監督:陸以心(ジョディ・ロック)
  主演:郭奕芯(クォック・イッサム)、 廖子妤(フィッシュ・リウ)
  配給:ココロヲ・動かす・映画社〇
  公開予定:2017年
※2015年東京国際映画祭で上映 

『The Kids(英題)』 
(2015/台湾/中国語・台湾語/原題:小孩)
  監督:于瑋珊(サニー・ユイ)
  主演:巫建和(ウー・チェンホー)、温貞菱(ウェン・チェンリン)、柯宇綸(クー・ユールン)、高盟傑、楊琪、洪群鈞
  配給:ココロヲ・動かす・映画社〇
  公開予定:2017年
※2015年東京国際映画祭で上映

(つづく)


 

 


2017年公開予定のアジア映画ラインナップ(下)東南アジア・南アジア・西アジア映画

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前回からの続きです。

<東南アジア映画>

『タレンタイム~優しい歌』 公式サイト 
(2009/マレーシア/マレー語、中国語、タミル語、英語/120分/原題:Talentime)
  監督:ヤスミン・アフマド
  主演:マヘシ・ジュガル・キショール、パメラ・チョン
  配給:ムヴィオラ
  公開予定:3月下旬シアター・イメージフォーラムほかで公開

『ラオス 竜の奇跡』 公式サイト 
(2016/日本=ラオス/112分/原題:Saynamlai)
  監督:熊沢誓人
  主演:井上雄太、ディダー・シティサイ
  配給:アーク・エンタテインメント
  公開予定:2017年6月有楽町スバル座ほか全国ロードショー

『Ma' Rosa(原題)』
(2016/フィリピン/フィリピノ語)
  監督:ブリランテ・メンドーサ
  主演:ジャクリン・ホセ、フリオ・ディアス
  配給:ビターズ・エンド
  公開予定:2017年夏

『The Woman Who Left(英語題)』
(2016年/フィリピン/ピリピノ語/226分/原題:Ang Babaeng Humayo)
  監督:ラヴ・ディアス
  主演:チャロ・サントス=コンチョ
  配給:マジックアワー
  公開予定;2017年秋シアター・イメージフォーラムほか全国公開予定
※ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作

『珈琲哲学-恋と人生の味わい方-(課題)』 
(2015/インドネシア/インドネシア語/原題:Filosofi Kopi )
  監督:アンガ・ドゥイマス・サソンコ
  主演:チコ・ジェリコ、リオ・デワント、ジュリー・エステル
  配給:ココロヲ・動かす・映画社〇
  公開予定:2017年


<南アジア映画>

『汚れたミルク あるセールスマンの告発』  公式サイト
(2015/インド=フランス=イギリス/90分/英語・ウルドゥ語//原題:Tigers)
  監督:ダニス・タノヴィッチ
  主演:イムラン・ハシュミ、ギータンジャリ、ダニー・ヒューストン、アディル・フセイン
  配給:ビターズ・エンド
  公開予定:3月4より新宿シネマカリテにてロードショー

『娘よ』 公式サイト
(2014/パキスタン=アメリカ=ノルウェー/ウルドゥ語/116分/原題:Dukhtar/英語題:Daughter)
  監督:アフィア・ナサニエル
  主演:サミア・ムムターズ、サレア・アーレフ、モヒブ・ミルザ
  配給:パンドラ
  公開日3月25日(土)より岩波ホールにて公開

『バーフバリ 伝説誕生』 公式サイト 
(2015/インド/テルグ語/138分//原題:Baahubali: The Beginning)
  監督:S.S.ラージャマウリ
  主演:プラバース、ラーナー・ダッグバーティ、アヌシュカ・シェッティ、タマンナー
  配給:ツイン
  公開予定:4月8日より新宿ピカデリーほかロードショー

『QUEEN(原題)』
(2014/インド/ヒンディー語・英語)
  監督:ヴィカース・バール
  主演:カングナー・ラーナーウト、ラージクマール・ラーオ
  配給:ココロヲ・動かす・映画社〇
  公開予定:2017年
※「キネマ旬報」には配給の提出した「カンガナー・ラーナーウト」という表記が使ってありますが、ヒンディー語では、長母音の前の短母音の[a]は脱落する、という法則があるので、正しくは「カングナー」となります。まあ、カングナー本人がローマ字表記を「Kangana Ranaut」と書いちゃってるので、ヒンディー語がわからない人は「カンガナー」が正しいと思ってしまうのも無理ありませんが、直してほしい...。


<西アジア映画>

『人生タクシー』 公式サイト 
(2015/イラン/ペルシア語/82分//原題:Taxi)
  監督:ジャファール・パナヒ
  主演:ジャファール・パナヒ
  配給:シンカ
  公開予定:4月15日より新宿武蔵野館他ロードショー
※2015年東京フィルメックスで上映

『セールスマン』
(2016/イラン/ペルシア語//原題:Forushandei)
  監督:アスガー・ファルハディ
  主演:シャハブ・ホセイニ、タラネ・アリシュスティ
  配給:スターサンズ、ドマ
  公開予定:2017年6月Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開
※カンヌ国際映画祭で、脚本賞と主演男優賞を受賞

『父のタラップ車』
(2015/トルコ/トルコ/105分/原題:Merdiven Baba)
  監督:ハサン・トルガ・プラット
  主演:ハジュ・アリ・コヌック、エスラ・デルマンジュオウル
  配給:JCK
  公開予定:2016年秋
※2015東京国際映画祭で上映。昨年のラインアップにも入っていたのですが、配給会社が変わったようです。

☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

東アジア以外の作品も、非常に盛りだくさんな2017年。まだまだ発表されていない作品もあって、楽しみな年となりそうです。あと、アジア映画ではないのですが、4月7日(金)から公開されるオーストラリア映画『ライオン 25年目のただいま』(2016)にも、ナワちゃんことナワーズッディーン・シッディーキーがちょろっと出ていたりして、インド映画ファンは映画館通いに忙しい1年になりそうですね。私としては、『バーフバリ 伝説誕生』や『QUEEN』のような、正統派(?)インド娯楽映画の公開が増えるのを祈りたいところです。

では、ますますアジア映画ファンが増えることを願って、1週間遅れですが、「恭喜發財! 年年有余! 富貴吉祥! 萬事如意!」。今年1年が、皆様にとってよいお年になりますように。



インド映画自主上映会:カンナダ語映画とテルグ語映画

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上映の日が迫っていますが、2本のインド映画の自主上映のお知らせです。情報をお寄せ下さったのは、いつものPeriploさんです。アップが遅くなってすみません~。まずは、カンナダ語映画からどうぞ。

『Kirik Party(ヤバい奴ら)』

Kirik Part Poster.jpg

(2016/カンナダ語/165分/英語字幕)
 監督:リシャブ・シェッティ
 主演:ラクシト・シェッティ、ラシュミカー・マンダンナほか
■日時:2017年2月11日(土・祝)午後 1:00~
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ・彩の国Visual Plaza アクセス
■料金:大人1,500円
■主催:東京カンナダ人会 予約

Kirik Party Poster

Periploさんのご紹介サイトはこちら、カーヴェリ川長治さんのレビューサイトはこちらです。カーヴェリ川さんの記事によると、「kirk」は「他人に悪戯したり、イライラさせたり、怒らせたりする厄介な存在のこと」だそうで、ここの「party」は「一行、党派」という意味のようです。というわけで、カーヴェリ川さんのタイトル訳は「悪魔な仲間」、Periploさんのタイトル訳は「ヤバい奴ら」になっている、というわけです。Periploさんの記事を読むと、キーワードは「学園もの」「ミュージカル」「ノスタルジー」らしいのですが、なるほど、YouTubeにアップされている歌のシーンを見てみると、ちょっとレトロな振り付け&編集で面白いです。

Belageddu - Kirik Party | Rakshit Shetty | Rashmika Mandanna | Vijay Prakash | B Ajaneesh Lokanath

一応予告編もどうぞ。あらら、「ウェスト・サイド・ストーリー」のマネですかー。う~ん、それにしても、主人公役のラクシト・シェッティがもうちょっと××××だったらなあ...。

Kirik Party | Official Trailer with English Subtitles - Rakshit Shetty | Rashmika | Samyuktha

♫  ♫  ♫  ♫  ♫  ♫  ♫

続いて2本目は、全然趣の異なるテルグ語映画です。

『Om Namo Venkatesaya(ヴェーンカテーシュワラ神に帰依します)』

Om Namo Venkatesaya.jpg

(2017/テルグ語/133分/英語字幕)
 監督:Kラーガヴェーンドラ・ラーオ
 主演:ナーガールジュナ、アヌシュカ・シェッティ、サウラブ・ラージ・ジェインほか
■日時:2017年2月12日(日)午後 1:00~
■会場:千葉県市川市、イオンシネマ市川妙典 アクセス
■料金:大人2,600円
■主催:インドエイガ・ドットコム HP 予約


右上が、ソウラブ・ラージ・ジェイン扮するヴェーンカテーシュワラ神なのですが、1500年頃ティルマラに巡礼にやって来て、この神様に帰依したハティーラーム・バーワージーという人の生涯を描いた作品のようです。最近では珍しい、正統派神話映画の模様。ヴェーンカテーシュワラ神って何?と思われた方は、ぜひこの機会に、南インドで絶大な人気があるこの神様のことを知って下さいね。予告編を付けておきます。

Om Namo Venkatesaya Theatrical Trailer | Nagarjuna, Anushka, Pragya, Jagapathi Babu | #ONVTrailer

予告編で面白いのは、ハティーラーム・バーワージーとヴェーンカテーシュワラ神がインド式すごろくをしているシーンがあること。Periploさんの解説によると、「バーワージーは、信仰の篤さのあまり、寺院に隣接する洞窟に住み着いてしまう。彼を嘉したヴェーンカテーシュワラ神は、夜毎に至聖所から抜け出し、バーワージーを相手に双六を楽しむ。ある日、神は腕から外した宝飾品をバーワージーの元に置き忘れる。もとより彼を快く思っていなかった寺院付きの僧侶たちは、バーワージーを盗人としてラージャーに引き渡す。ラージャーは彼に過酷で不思議な刑罰を科すが、ヴェーンカテーシュワラ神の助けでバーワージーの無罪は証明され、彼は聖人と敬われるようになる」というエピソードが伝えられているのだそうです。間もなくPeriploさんのサイトに詳しい解説がアップされると思うので、こちらをチェックしていて下さいね。


 

香港に来ています

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元宵節の季節、香港に数日の予定で来ています。香港も結構気温が低く、夜8時で9度です。地下鉄の連結部に乗っていると、吹き抜ける風の冷たさに首をすくめたくなります。

その地下鉄で、夕方に事件がありました。尖沙咀(チムシャーツイ)駅で車両が燃え上がったのです。どうやら乗客が危険品を持ち込んだためらしいのですが、結構大きかった火災のせいで1118人が負傷し、一時は尖沙咀駅に繋がる中環(セントラル)駅なども大混乱。下の写真は、ホテルに戻ってからテレビ画面を撮りました。

香港大学図書館で用事を終えた私は、夕ご飯をキャンティーンで食べて6時半頃香港大学駅から地下鉄に乗りました。中環駅で乗り換えようと降りたらすごい人だったので、しばらく地上で買い物をして時間を潰したのですが、30分後ぐらいにもう一度駅に来たら今度はスムーズに入れたものの、中環から北に行く路線は尖沙咀駅を通過して行く、という放送が繰り返されていました。無人の尖沙咀駅を列車がガーッと通過して行くのは何とも異様な風景で、こんな事故自体が珍しい香港地下鉄は、職員の皆さんもあわてたのではないかと思います。戻ってホテルで見たテレビ報道では、60歳の男性が自分の荷物中の危険物に火を付けたのでは、ということが言われていますが、真相究明はこれからになりそうです。(追記:以前精神病歴のあるこの男性乗客が自分で火を付けて、自身も重傷を負った、とのことです。火事現場のニュース映像では、下半身に火のついた男性を男女の乗客数人が自分の上着などで消し止めて救っており、香港人の沈着冷静な対応に感服しました)

こんなハプニングがあった地下鉄ですが、駅の進歩は素晴らしく、昨夏にはなかった上のような新しい型の自動改札口があちこちにできていました。これまでは、突き出したバーが人の行く手を阻み、それを体でグィッと前方に押し下げて通って行く、という、下のような自動改札だったのです。これはこれで、いかにも香港、という風情があったのですが、日本と同じ自動改札になってしまいました。


着いた早々香港大学図書館まで行ったのは、図書館にある「香港コレクション」で文献調査をするための閲覧カードをもらいに行ったのです。所属長の証明書を添えて日本からアプライしたら、すぐに返事が来て、「利用を歓迎します。このメールとパスポートと大学の身分証を持ってきて下さい」とのことだったので、行ってみたら受付の職員の人がすぐに発行してくれました。滞在期間中に利用できる、バーコード付きの紙の入館証です。今日は1時間ほど、「香港コレクション」の下見をしただけですが、明日からこの膨大な文献を攻略することになります。

香港島北側を走る地下鉄の西の終点が、上環からのびて堅尼地城(ケネディ・タウン)になった時に香港大学駅もできたのですが、今回初めて行ってみると駅からの地下道が大学の下まで直結していて、下の写真奥からはエレベーターで一挙に校内に出ることができます。通路には、香港大学の歴史展示がずっと続いており、楽しみながら歩いて行けます。


今回の文献調査はひょうたんから駒みたいなもので、実は今回は航空会社のマイレージの都合での旅行なのです。今年の1月で2万マイルほどが失効するため、それならタダ券をもらって香港へ、と昨年秋にマイレージ交換で今回の旅行日程をおさえたところ、香港についての原稿依頼が舞い込んできて、そのための文献調査をすることにしたのでした。香港大学では、1993年に3ヶ月ほど、やはり文献調査をしたのですが、その時と比べると香港大学も格段にきれいになっていました。


しゃれたキャンティーンもできていて、夕食はここで、タイ式グリーンカレー、ただしご飯ではなくてビーフン、というのをいただきました。大きなどんぶりにたっぷりのカレーと、ちょっとしたおつまみ風のおかず2品がついて、37香港ドル(約600円)です。どんぶりの方はあまりにも量が多くて、4分の3ぐらいでギブアップ。さあ、また体重増加に悩むことになりそうです...。


戻ったホテルでは、まだお正月の飾り付けがそのままで、黄金を表すみかんの木と、かわいいお獅子が出迎えてくれました。


日本から乗ってきた便は、お正月休みに日本に来ていた中国人や香港人の旅行者で満杯でしたが、まだまだ中華世界はお正月気分が抜けないようです。


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