リティク・ローシャン主演の『スーパー30 アーナンド先生の教室』(2019)は、明日9月23日(金)からいよいよ公開となります。先日「<3>予習1限目:主役の横顔」を出して、その後「予習2限目」「予習3限目」と進むはずが、予習しないうちに授業が始まってしまう!になってしまいました。まるで、中学時代&高校時代の自分を見ているようです。いや、小学校時代もそうだったかも。夏休みの宿題帳を済まさないうちに新学期が来て、毎年あせりまくった小学生でした。そんなのでよく大学まで行けたなあ、ですが、実は大学で、勉強することの楽しさを知ったんですね。それはさておき、授業開始直前の予習を、ちょろっと皆さんにしておいていただこうかと思います。
©Reliance Entertainment ©HRX Films ©Nadiadwala Grandson Entertainment ©Phantom Films.
『スーパー30 アーナンド先生の教室』 公式サイト
2019年/インド/ヒンディー語/原題:SUPER30
監督:ヴィカース・バハル
出演:リティク・ローシャン、ムルナール・タークル、アーディティヤー・シュリーヴァースタヴァ、パンカジ・トリパーティ
配給:SPACEBOX
※9月23日(金)新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー
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詳しいストーリーは<1>で書いたのでこちらをご覧いただくとして、主人公のアーナンド・クマール(リティク・ローシャン)が授与された数学のラーマーヌジャン大会金メダルですが、英領インド時代の数学の天才ラーマーヌジャン(Srinivasa Ramanujan/1887-1920/英語版Wikiはこちら)を記念してのもので、あとの展開にも繋がってくるキーワードの一つです。ラーマーヌジャンに関しては劇映画も作られていて、昨日『ホテル・ムンバイ』(2018)主演のデヴ・パテル(デーウ・パテール)を見ていて、そうそう、彼が主演した映画だった、と思い出したのでした。それが『奇蹟がくれた数式(原題:The Man Who Knew Infinity)』(2016)で、このブログでもこちらで紹介しています。この映画でラーマーヌジャンを知っておいていただくと、『スーパー30 アーナンド先生の教室』もより深く理解していただけると思います。残念ながら、アーナンドはラーマーヌジャンのようにイギリスの大学で学ぶことは叶わなかったのですが、現実のアーナンド先生は、自分の学校に「ラーマーヌジャン数学学院」と名付けて彼への敬慕の念を表現しています。
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それから、本作の出演者に関しては、主演のリティク・ローシャンとヒロイン役のムルナール・タークルについてはご紹介しましたが、ほかにも魅力的な出演者がいっぱいいるのです。まず、アーナンドの父親役を演じるヴィレーンドラ・サクセーナー。大ベテランの脇役俳優で、現在64歳なんですが、1990年代から娯楽映画とニューシネマ系作品に顔を出していて、誰、この人? と長い間名前も知らないまま記憶に残る顔と演技を憶えていました。今回経歴を見ると、ウッタル・プラデーシュ(UP)州のマトゥラー(クリシュナの生誕地として有名な町)出身ということがわかり、何となく、あの泥臭い演技の存在感に納得しました。UP州やビハール州出身の俳優は、脇役をやらせると主演俳優以上の演技力を見せてくれることが多く、このヴィレーンドラ・サクセーナーも、貧しい郵便局員として働きながら、出来のいい息子に何とか海外留学させてやろうとする芯のある父親役を好演しています。彼のWikiから採った写真(下左)を付けておきます(以下の人たちも顔写真はすべてWikiから)。あ、学歴としてデリーの国立演劇学校(NSD)出身と出ています。それなら、演技力があるはずですね~。
もう1人、アーナンドの家族として真摯な演技を見せているのが、弟プラナウ・クマール役のナンディーシュ・サンドゥ(上写真右)です。おお、若く見えたのにもう40歳とは。リティク・ローシャンに合わせて、ちょっと年齢が上の役者が選ばれているのですね。ラージャスターン州の出身で、これまではテレビ畑で活躍し、映画は『ダバング 大胆不敵』の続編『Dabangg 2』(2012)にチョイ役で出ただけという人なので、それでお顔を見たことがなかったようです。本作の後にも1本主演級で出ていますが、これからも映画に出続けるのかどうかは不明。今後は彼のWikiをチェックしていて下さいね。
それからあと2人、悪役?でベテラン俳優が出ています。1人はアーナンドを塾の講師として雇い、彼を「超人気塾講師」に仕立て上げるラッラン役のアーディティヤ・シュリーワースタウ(上写真左/Wiki)。この顔にピンと来る人は少ないと思います。私も『サティヤ』(1998)の警官役ぐらいしか具体的に憶えていないのですが、悪役が多い人で、UP州のイラーハーバード(プラヤーグラージ)の出身です。今回も、自分もラーマーヌジャン賞を取りながら、金儲けだけが目的になっていく塾経営者を好演しています。そうなんですよ、映画は悪役が上手でなければ面白くなりません。もう1人、地方政治家役のパンカジ・トリパーティー(上写真右/Wiki)も、いろんな作品で悪役だったり、クセ者の脇役だったりをいつも演じている人です。この顔には「ピンときたら110番」の人が多いと思いますが、『血の抗争』二部作(2012)や『ムンナー・マイケル』(2017)等々、日本で上映&DVD化された作品にいっぱい出演しています。パンカジ・トリパーティーはUP州の隣のビハール州出身で、北インドの田舎の人、という雰囲気を見事に振りまいてくれ、最近は大物感も出て来たので、本作のような悪徳政治家役もイタについてきました。
で、最後にイチオシの若手俳優を2人挙げておきます。本作では出番が少ないのが残念ですが、「この人知ってる」とおっしゃる皆さんが多いと思う2人です。1人は冒頭に登場する、アーナンド先生の生徒だったフッガー・クマール役のヴィジャイ・ヴァルマー(Wiki)。上左の写真はちょっとおっさんが入りすぎですが、『ガリーボーイ』(2019)や『タイガー・バレット』(2020)のカッコイイ長身の姿を思い出して下さいね。もっと伸びてもいい人なので、今後に期待しましょう。もう1人は、中盤で登場する記者役のアミト・サード(上写真右/Wiki)。『スルターン』(2016)の格闘技主催者など、印象に残る役をイケメン顔で演じているのですが、ブレイクスルーがなかなか。この2人、もっともっと活躍してほしい人です。
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リティク・ローシャンと共に、上記のような出演者たちにもご注目下さい。いつも予告編を付けるので、今回はクライマックスシーンの英語劇ミュージカルをどうぞ。元映画は何か、インド映画好きの皆さんにはおわかりですよね? 字幕付きで見るために、最寄りの上映劇場へGO!!
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