現在中国で大ヒットしている映画は、3人の大学同級生の成功物語『中国合イ火人』。陳可辛(ピーター・チャン)が監督するこの作品、英語題名は「American Dreams in China」と言います。香港の公開作をここでチェックして存在は知っていたのですが、昨日マダム・チャンのブログでさらに詳しい内容とヒット状況がわかり、「やっぱりな〜」と納得しました。
何しろ主演が、黄暁明(ホアン・シャオミン)に、『王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件』の[登+おおざと]超(ダン・チャオ)、そして『レッドクリフ Part2』で蹴鞠をしていたイ冬大為(トン・ダーウェイ)というのですから、モロ私の好み。さらに予告編を見ると、黄暁明がダサダサのメガネ大学生を演じていて、こりゃー面白そうだわ〜と期待感は高まる一方。また、ピーター・チャン監督が久々に現代ものを撮ったというのも注目に値する出来事です。最後には下の写真のように皆さんカッコよくなるみたいですが、1980年代初めの大学生姿は思わず目を疑ってしまう化けっぷりです。
中国での興行収入は、5月17日の封切り後10日間で3億元を突破、とこの日本語記事でも伝えられています。中国語の記事では、「5億元も見えてきた」としているものもあり、もっとこの3人の姿が見たくて、予告編以外にもいろいろYouTubeで検索してみました。するとある紹介番組が見つかったのですが、...何と5分ぐらいの所で突然「Aal Izz Well」の歌が! さらに監督インタビューではピーター・チャン監督が「我拍這個戯的起点是《三sha》(僕がこの映画を撮る元になったのは『三バカ』なんだよ)」と発言。『三バカ』つまり『きっと、うまくいく』ですね。これに影響されて撮った結果の大ヒット。「Aal Izz Well」の呪文はここでも効いたみたいです。
僕たち、似てるかな〜?
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『きっと、うまくいく』の日本での大ヒットには、「スティーブン・スピルバーグ監督が、ブラピが、ビル・ゲイツが」といった欧米世界の有名人を使ったパブが大いに貢献しているようですが、香港映画ファンとしては、「あの、ピーター・チャン監督が!」と声を大にして叫びたい気分です。『ウィンター・ソング』 (2005)で『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』のファラー・カーン監督を舞踊監督に起用したピーター・チャン監督、普段からインド映画もよく見ているのでしょう。
『中国合イ火人』、日本でも公開されるといいですね〜。とりあえず、縁起のいい<したまちコメディ映画祭in台東>での上映などいかがでしょうか?