インド映画の貴重な作品が、来年早々国立映画アーカイブで上映されます。<蘇ったフィルムたち チネマ・リトロバート映画祭>という催しで、作品名は『カルプナー』。監督はウダイ・シャンカル、主演はウダイ・シャンカルとその妻のアムラー、そして彼らの舞踊団のメンバーたち。まずは映画のデータと、国立映画アーカイブの紹介文をどうぞ。画像は以前、インドの国立フィルム・アーカイブ(National Film Archive of India=NFAI)で権利取得して紙焼き画像を手に入れたものを使っています。タイトルの『カルプナー』はヒンディー語原題のカタカナ書きで、「想像、空想」といった意味です。
『カルプナー』
©NFAI
1948/インド/モノクロ/153分/原題:Kalpana कल्पना
監督:ウダイ・シャンカル
出演:ウダイ・シャンカル、アムラー・ウダイ・シャンカル、ラクシュミー・カーンター、ビレーンドラ・バネルジー、ウシャー・キラン
インド舞踊の歴史で中心的存在であるウダイ・シャンカルが4年の歳月をかけて完成させた自伝的作品。伝統芸術に新たな息吹を吹き込もうと奮闘する青年の物語を中心に、独立直後のインドのポストコロニアルな想像力が超現実的な映像表現のうちに解き放たれる。世界映画基金(以下WCF)の協力を得て、2012年にインド国立フィルム・アーカイブが所蔵するデュープ・ネガとポジをもとにWCFがデジタル修復を行った。「カルプナー」とはヒンディー語で想像、空想を意味する。
上映日時:1月13日(土)12:30★上映後に講演あり
1月30日(日)15:00
上映後の講演:チェチーリア・チェンチャレッリ(FCBディレクター)/約60分/逐次通訳付き
会場:国立映画アーカイブ2F 長瀬記念ホールOZU
料金:一般 1,300円/高校・大学生・65歳以上 700円/小・中学生・障害者手帳をお持ちの方(付添者1名まで) 500円
チケット販売:オンライン(各上映日の3日前正午から各上映回の開映15分前まで)
窓口販売(各上映回の開映1時間前から5分前まで若干数販売)
※詳しくは国立映画アーカイブ公式サイトまで
©NFAI
今後、2、3回に分けて詳しくご紹介していきますが、製作・監督・主演・原案・振り付けのウダイ・シャンカル(1900-1977)は、著名なシタール奏者ラヴィ・シャンカル(1920-2012)の兄であり、妻アムラー・ウダイ・シャンカル(1919-2020)との間に、ミュージシャンである息子アーナンド・シャンカル(1942-1999)と、サタジット・レイ監督作『見知らぬ人』(1992)などに出演しているベンガル語映画の人気女優である娘マムター・シャンカル(1955-)とがいます。『カルプナー』は予告編が見当たらないので、ダンスシーンのクリップで雰囲気を掴んでみて下さいね。
Kalpana - 1948 - Dance