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Channel: アジア映画巡礼
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今週末公開の”マスト”作品『ザ・テノール』と『シークレット・ミッション』

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ここのところ、なかなかゆっくりと映画をご紹介できないでいるうちに公開日が迫ってしまう、という悪循環が続いています。明後日、10月11日(土)公開のこの2本もそのクチで、ヴィジュアルをいただくヒマもないまま公開目前! どちらもとても見応えのある作品なので、取り急ぎご紹介してしまいます。


『ザ・テノール 真実の物語』 公式サイト

(韓国・日本/2014年/121分/原題:The Tenor Lirico Spinto)
 監督:キム・サンマン
 主演:ユ・ジテ、伊勢谷友介、チャ・イェリョン、北乃きい、ナターシャ・タプスコビッチ
 配給:『ザ・テノール 真実の物語』プロジェクト
 宣伝:アルシネテラン

10月11日(土)より全国ロードショー


「泣ける」というより、人間の強さ、暖かさに深く揺り動かされる作品です。実話をベースにしており、韓国の天才的テノール歌手ベー・チェチョルが主人公。「リリコ・スピント」というまれな声質に恵まれ、若くしてヨーロッパを中心に名声を確立、引っ張りだこだった時に悲劇に見舞われた人です。甲状腺ガンとわかり、手術で病巣は取れたのですが、その時の手術ミスで声帯と横隔膜の神経が切断されたため、声が出なくなってしまうのです。映画はそこから奇跡的に復帰するまでを描きます。

この主人公、ベー・チェチョルを演じるユ・ジテが素晴らしい演技を見せてくれるのですが、彼の奇跡的な復帰に尽力した日本人のプロモーター沢田を演じる伊勢谷友介もハマリ役で、両者のバランスが作品に厚みを持たせてくれています。そのほか、ベー・チェチョルの妻で、自らも声楽家であるユニを演じたチャ・イェリョンも存在感があります。

それにしても、ユ・ジテの堂々たるオペラ歌手ぶりには圧倒されるばかり。歌はすべてご本人ベー・チェチョルの声で、ユ・ジテは口パクをしてるだけなのですが、とはいえ歌詞を原語のまますべて憶えなくてはならず、「トゥーランドット」「オテロ」等の演技も見せなくてはならず、という普通の演技以上に難しい役です。ユ・ジテの舞台姿がどれほど見る人を惹きつけるものかは、ぜひ画面でご確認下さい。クラシック音楽好きの方、特にオペラ好きの方にもオススメです。

 

『シークレット・ミッション』 公式サイト

(韓国/2013年/124分/原題:隠密に偉大に)
 監督:チャン・チョルス
 主演:キム・スヒョン、パク・ギウン、イ・ヒョヌ
 配給:クロックワークス
 宣伝:ポイントセット

10月11日(土)よりシネマート新宿、シネマート六本木、シネマート心斎橋、イオンシネマ名古屋茶屋、桜坂劇場にてロードショー

以前のブログでもご紹介したように、キム・スヒョン始め若手俳優たちがソウルに埋め込まれた間諜(スパイ)を演じる作品です。最初はコメディ・タッチ、それもかなり凝った作りで始まり、やがて....というなかなかに重層構造を見せる作品で、それだけに見どころがいっぱい。詳しくは公式サイトで、と言いたいのですが、公式サイトも援用しているチラシの裏をこちらに付けておきますので、情報をご覧下さい。


キム・スヒョン、本作ではマッシュルームカットの「アホ」役でものすごくがんばっています。冒頭、北朝鮮の軍服姿で出てくるところは『怪しい彼女』のイケメン姿をほうふつさせますが、それ以外は「アホ」とそれを演じているスパイのちょっと頼りない素顔という、イケメン俳優のタイトルを返上するかのような役を熱演。2012年の『10人の泥棒たち』からさらに成長した姿は、将来が楽しみと思わせるものがあります。ファンでなくても、この作品は”Must See”です。

衝撃のラストも見どころの一つ。それにしても、ソウルにはこんなにもスパイが潜んでいるものなのでしょうか。最初に感じた疑問は、見直してみても消えません....。

では、今週末から始まるインディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパンなど、秋の収穫とも言える映画の数々をお楽しみ下さいね。 



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