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ピンクのガネーシャが鎮座まします不思議な宗教空間

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バンコクも日中はかなり暑くなりました。ホテルから出て次の駅に近い所にある郵便局まで歩き、次の駅のホームまでえっちらおっちら登ったら、それだけでもう大汗です。BTSスカイトレインと呼ばれる高架電車が来るまでに、汗がだらだら流れました。そういえば先日、二駅先まで乗ろうと乗り込んだら、座席に座っていた西洋人の40歳過ぎの男性がパッと立って「どうぞ!」と席を譲ってくれました。「いえ、2駅先で降りますから」と言ったのですが、「その間だけでもご遠慮なく」と言われてありがたく座りました。その人は、半袖Tシャツから出ている両腕はタトゥーで真っ青。足もふくらはぎの所に大きなタトゥーが入っているという人でしたが、紳士でした。降りる時も、「Thank you, gentleman」と言ったら「Have a nice day!」と返してくれたり。西洋人の旅行客はタトゥーをしている人がとても多いのですが、偏見を持ってはいけませんね。

さて、バンコクではもう一つハイライトがありました。先日タイ映画博物館へ連れて行ってくれた友人の車で、空港近くにあるピンクのガネーシャ像にも行くことができたのです。バンコクからツアーも出ているとかで、私はこちらのサイトで知りました。

空港近くとは言っても、バンコク市内から空港に行くのと同じくらいの距離を東へと走ります。チャチューンサオ県にあるお寺ワットサマーンというのが正式名称らしいのですが、途中ピンクのガネーシャがいる大きな看板があちこちにあるので、迷わずに行けます。比較的大きな川を渡り、参道っぽい所がでてきたらもう目的地です。駐車場に隣接するおみやげ物コーナーみたいなところにも、早くもガネーシャが鎮座ましましていました。なんかインド版アニメのガネーシャに、顔が似ている気がするんですが....。


このお寺の特徴は、ガネーシャの乗り物であるねずみが人気キャラクターであることです。インドのガネーシャ像や絵姿では、ねずみは足下にちょろっといてガネーシャを拝んでいるだけなのですが、この写真からもわかるように、かなり大きなねずみの像がいます。そして、このねずみが信仰の対象になっているのです。見て下さい、この捧げ物の数々。


さらにその向こうには、ラクシュミー女神像とシヴァ神一家の像が。まるでインドの寺院みたいですが、ちょっと混交ぶりがはなはだしいです。でも、タイの人たちは熱心にお祈りを捧げています。


そこを通り抜けて広場に出ると、今度はタイらしい造形の巨大な像が2つ。何の像と言えばいいのでしょう....。


その後てっきりチケット売り場があるものだと思っていたら、いろんなお店が並ぶ参道が続いて、もうすぐにガネーシャ像に行けてしまいます。入場無料なんだ~。お寺でも入場料をとる所も多いのにね。


日本で調べた時ツアーのページで、「ピンクのガネーシャ・ツアーは午前中に催行」と出ていたので、「暑いからかな」と思っていたら違いました。午後だと逆光になってしまうんですね。というわけでちょっと沈んだ色ですがお許しを。少し横から撮るとこんな感じです。


ガネーシャ像の周りにはねずみの像がいっぱい。何でも12ヶ月分の違ったねずみ像が置いてあるそうで、生まれ月のねずみに願いをささやくと実現するのだとか。まあどれでもいいや、と正面にあったねずみさんにちょっと現世利益のお願いをしてきました。ねずみに願いをささやく時は、片方の耳をふさいでもう一方の耳にささやくのだとか。皆さんきちんと約束を守ってお願いしています。


ガネーシャ像の向かいは川になっており、その川辺には二匹のナーガ像が。ナーガというより中華的な龍ですかねー。


川の中には、蓮華の座みたいなものが作られています。きれいですけど、何だか「ワケわからん」感の方が強いです。


休日だったからか、室内では中学生たちの古典楽器演奏が行われていました。一番前の白いブラウスの女子学生が弾く楽器は、ヴィーナに似ていました。その後ろの楽器は、タイ映画『風の前奏曲』(2004)に登場したラナートですね。


巨大な像はガネーシャだけでなく、他にもいろいろありました。まずは観音様。その近くには中国寺院があって、中国からの観光客らしい人々を中心に賑わっていました。これも逆光ですみません。


それから、これはタイのトリムールティ(三面の神様)でしょうか。


この台の中には2階になった部屋があり、胎内巡りではありませんが、2階に置かれたたくさんの仏様やガネーシャ像に小銭を寄進していけるようになっています。

結局、このお寺全体で100体以上のガネーシャ像を見たでしょうか。それにしても、誰がこんなコンセプトのお寺を作ったのでしょう。新興宗教ではないのですが、既存のタイの寺院とはまったく異なるものですし、宗教施設なのかテーマパークなのか、分類もできにくい作りです。巨大モニュメント作りをめざしているうちにこうなっちゃった、なのかも知れません。まだ建設中の像もいくつかあったので、まだまだ増殖するようです。


帰路、おみやげを売っている一画を通ったら、きれいな猫がいました。猫好きの友人によると、シャム猫なのだとか。確かにビロードのような毛並みで、非常に美猫でした。やっぱり自然の造形はきれいですね。最後は猫に癒やされ、不思議ワールドを後にしたのでした。


 


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