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インド映画♪脇役賛歌<その4>オーム・プリー

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『闇の帝王DON ベルリン強奪作戦』の重要な脇役を1人忘れていました。実は、まだご紹介していない人にワルダーン役のボーマン・イラニがいるのですが、この人は『きっと、うまくいく』にも出ているので、またのちほど、ということで。

忘れていたのは、マリク警部役のオーム・プリーです。あまりにもよく知っている人だったので、ついつい見逃してしまいました。というわけで、今回は追加でオーム・プリーのご紹介を。「私の上司です。コーヒー好きです」byロマ(左/プリヤンカー・チョプラ)。

マリク:オーム・プリー Om Puri

Photo by Pradeep Bandekar

1950年10月18日、ハリヤーナー州アンバーラー生まれ。本名はオーム・ラージェーシュ・プリー。プネーにあるインド国立映画TV学院を修了し、デリーの国立演劇学校でも学ぶ。

1976年、ヴィジャイ・テーンドゥルカルのマラーティー語演劇を映画化したヒンディー語映画『ガーシーラーム・コートワール[Ghashiram Kotwal]』のガーシーラム役でデビュー。以後、ニューシネマと呼ばれた芸術系の作品を中心に、多くの映画に出演する。日本公開&上映作品としては、『ミュージカル女優』 (1977)、『傷つける者の叫び』 (1980)、『遠い道』 (1984)、『真っ赤なスパイス』 (1985)などがある。また、欧米の作品にもたびたび出演、『ガンジー』 (1982)や『シティ・オブ・ジョイ』 (1992)、『ぼくの国、パパの国』 (1999)などで強い印象を残す。

1980年代の半ば以降は娯楽映画界からも出演依頼が相次ぎ、特にその強面から警察官役で引っ張りだことなる。「DON」シリーズの第1作『DON 過去を消された男』 (2006)のほか、『火の道』 (2012)でも主人公を見守る警察の副長官役で渋い演技を見せた。一方、『シンは王様[Singh Is Kinng]』 (2008)等では達者なコメディ演技を披露、最近はコメディアン的な役柄をこなすことも多い。これまでに出演した映画は約240本にのぼる。

下は、1984年1月、ボンベイ(現ムンバイ)で開催されたインド国際映画祭でのオーム・プリー。右写真で一緒に写っているのは、ベンガル語映画界の巨匠ムリナール・セーン監督。当時オーム・プリーはベンガル語映画『眼[Chokh]』 (1983)などにも出演しており、ムリナール・セーン監督の目にとまって、この後同監督の『創世記[Genesis]』 (1986)に出演することになる。

若いですね〜、30年前のオーム・プリー。今ではすっかり貫禄がついて、つまり太ってしまって、髪も白くなり別人のよう。私が好きなオーム・プリー出演作はたくさんありますが、最近では、リテーシュ・デーシュムクとジェネリア・デスーザが結婚前に共演した、『恋に落ちてしまった[Tere Naal Love Ho Gaya]』 (2012)の親父役がツボでした。オートリキシャの運転手リテーシュ・デーシュムクは、本当は田舎の実力者の息子だった、という設定なんですが、オーム・プリー扮するこの実力者、実態はヤクザの親分に近く、誘拐業をなりわいとしているなど、大いに笑わせてくれます。

最近の作品では、ミーラー・ナーイル監督の『不本意な原理主義者[Reluctant Fundamentalist]』 (2012)にも出ています。昨年のヴェネチア国際映画祭のオープニング作品に選ばれた本作、もし日本で公開されたりすると、またオーム・プリーに出逢えますね。どこかの配給会社が買っていてくれるとよいのですが。

どうせなら、『火の道』もどこかお買いになりませんかねー。異様な迫力のある作品なんですが。リティク・ローシャン(『闇の帝王DON』のにカメオ出演。一皮剥いたらDON、の彼です)もこの際プッシュしたい私です....。

 

 


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