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山盛りの『バーフバリ』

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「ユリイカ」1冊丸ごと『バーフバリ』、本日発売となりました。もうお求めいただけましたでしょうか。これが表紙です。


全210ページにぎっしりと『バーフバリ』が詰まっていて、たったの1,400円+税。アマゾン沼の売れ筋ランキング「雑誌・逐次刊行物」部門では、目下堂々の1位を獲得しています。目次はアマゾン沼の購入サイトで見られますが、少し構成が変更になっているようです。その中で、最後に付いている「インド映画名作ガイド~『バーフバリ』中毒者のためのインド映画案内」20本セレクションは、きっといろいろ異論があることと思います。でも、「この20本を全部見てから文句言ってね」という条件を付けておけば、誰も文句を言わないはずです(笑)。あとでご紹介する「映画秘宝」のS.S.ラージャマウリ監督インタビューで、「小さいころから何度も観て凄いと思ったのは、インドの神話的世界を映画化したテルグ語映画『MAYABAZAR』(57年)とヒンディー語映画『炎』(75年)です」と監督が述べているのを読んで、『炎』を入れておいてよかった!と密かにガッツポーズをしました。『マーヤー・バーザール』はYouTubeでも観られますが、残念ながら英語字幕はありません。『炎』は国立映画アーカイブの上映でご覧になった方も多いと思いますが、YouTubeでも観られます。「ユリイカ」の特集、十二分に楽しんで下さいね。

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先週、5月25日には、「ミステリマガジン」の7月号が発売となりました。こちらは「一生に一度のバーフバリ」と銘打って、30ページの特集で、冒頭のカラーページにも関連ページがあります。


アマゾン沼の購入サイトはこちら。おお、こちらも「雑誌・・・文芸」分野で売れ筋第1位ですね。どちらも、『バーフバリ』効果だと思いたい、のですが、「ミステリマガジン」の方は、土曜日に我が家に来た4歳の女の子が「おしりたんてい❤」と嬉しそうになでなでしていましたので、こちらの方がにおいますね。冗談はさておき、「ミステリマガジン」でのオススメは、藤井美佳さんの「字幕翻訳を担当して」。あの格調高い字幕の謎が解き明かされています。藤井さんは以前にも、『タイガー 伝説のスパイ』のエンドロールに流れる歌で”ナンチャッテ古語”を上手に使っていてびっくりしたのですが、『バーフバリ』にはそれに仏教用語が加わってパワー全開。なぜに仏教用語? という謎が、このエッセイの中で解き明かされています。『バーフバリ 王の凱旋』<完全版>のパンフと共に、ぜひお読み下さい。

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そして、一番最初に出た特集が、「映画秘宝」7月号の「BAAHUBALI FEVER」。「映画秘宝」はハリウッドメインですが、アジア映画もいつもしっかりと紹介してくれるのが嬉しいポイントです。


今回の9ページのミニ特集で面白かったのは、「『バーフバリ』絶叫上映全記録!」。絶叫上映の仕掛け人V8 Japanのお二人が配給会社である(株)ツインの古田さんと共に洗いざらいしゃべっている、とっても貴重な鼎談です。そこまで正直に言わなくても、というところもあって笑ってしまいましたが、劇場とのやり取り等々、インド映画配給&公開、そして上映に関する、何物にも代えがたい記録となっています。これも永久保存版だぁ! アマゾン沼の購入サイトはこちらです。

しかしこの3冊、裏で編集さん同士が談合(?)したかのように、扱う内容がうまーくばらけていて、「あ、それ、さっき読んだ」がないのがすごいところですね。『バーフバリ』を日本の漫画家さんが描くページも「ユリイカ」と「ミステリマガジン」にあるのですが、「マンガ版『バーフバリ 王の凱旋』」を描いた深谷陽さんが重なっているだけで(ま、これは仕方がないですね)、こんなにも『バーフバリ』は漫画家の心を捉えたのか、と感心してしまいます。

これだけ盛り上がっている『バーフバリ』、いよいよ今週金曜日、6月1日からは『バーフバリ 王の凱旋』<完全版>の上映が始まります。<完全版>の予告編を付けておきますので、早めにご覧になって下さいね。全国の上映劇場はこちら、イベント上映もいっぱい企画されていますので、こちらの公式ツイッターをご覧下さい。お正月、春、と続いた「『バーフバリ』祭り」、いよいよ夏祭り本番です!

「バーフバリ 王の凱旋<完全版>」予告編

 



インド映画自主上映会:テルグ語映画『Mahanati』

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Periploさんから緊急のお知らせをいただきました。何と、今週の日曜日の上映会です。急なのですが、今一番人気のテルグ語映画、しかも『バーフバリ』の創造神S.S.ラージャマウリ監督がインタビューで「小さいころから何度も観て凄いと思ったのは、インドの神話的世界を映画化したテルグ語映画『MAYABAZAR』(57年)とヒンディー語映画『炎』(75年)です」(「映画秘宝」7月号より)と述べた、『マーヤー・バザール』の主演女優サーヴィトリの伝記映画だというのですから、急でも十でもお知らせせずにはいられません。

Mahanati poster: Keerthy Suresh as Savithri takes your breath away

『Mahanati (偉大なる女優)』

2018/テルグ語/172分/英語字幕
 監督:ナーグ・アシュウィン
 主演:キールティ・スレーシュ、ドゥルカル・サルマーン、サマンタ・アッキネーニ
■日時:2018年6月3日(日)午後 1:00~
■会場:埼玉県川口市、スキップシティ アクセス 
■料金:大人2,400円
■主催:インドエイガドットコム HP&予約

Torso of Keerthy Suresh in the look of Savitri in center and the title appears at bottom in Telugu script.

Periploさんの詳しいご紹介ページはこちらです。また、カーヴェリ川長治さんのご紹介ページはこちらで、お知らせをいただく前にカーヴェリ川さんのサイトは読んでいたものですから、この映画なのねー、と思った次第です。予告ティーザーを付けておきましょう。

#Mahanati Official Teaser - Keerthy Suresh | Dulquer Salmaan | Samantha | Nag Ashwin

『マーヤー・バザール』は「ユリイカ」6月号の山田桂子さんの論考中では『幻想市場』と訳されていますが、下左のポスターに大きく描かれているのがサーヴィトリで、右はWikiにあったサーヴィトリの写真です。

Theatrical release poster of the Telugu version of the 1957 film Mayabazar సావిత్రి కొమ్మారెడ్డి -Yesteryear's leading actress savithri.jpg

サーヴィトリを演じたキールティ・スレーシュはそっくりさんとは言いがたいですが、カーヴェリ川さんによると彼女の起用は「大正解」なんだとか。楽しみにしていて下さいね。ちょっと面白いメイキング映像があったので、最後に付けておきます。

#Mahanati Movie Making | Keerthy Suresh | Dulquer Salmaan | Samantha | Nag Ashwin

 

スペース・アーナンディ/インド映画講座:女優シリーズ最終回はシュリーデーヴィー

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昨日の「インド映画講座」も、たくさんの方にお越しいただきありがとうございました。『バーフバリ 伝説誕生』のインド版ポスター3種類に加えて、『バーフバリ 王の凱旋』<完全版>パンフレットも急遽プレゼントにしたため、少しは「お得感」があったかな、と思っています(肝心の話の方はどうなんだ、と言われそうですが...)。今期第Ⅱ期のテーマ「女優が輝くボリウッド映画の魅力」ではちょっと異端の「アイテム・ガールズ」のお話、私自身が調べていていろいろ勉強になり、まだ謎のとば口に立っただけですが、この「特異な脇役」たちに今後も注目していこうと思っています。

さて、来月と9月、第Ⅱ期のラストを飾るのはシュリーデーヴィー。追悼の意味も込めて、昔の映像などもお見せできればと思います。

Moondram Pirai Poster.jpg

スペース・アーナンディ/インド映画連続講座第Ⅱ期
「女優が輝くボリウッド映画の魅力」
<第6回>シュリーデーヴィー

 スペース・アーナンディでは、毎年1つのテーマで行う「インド映画連続講座」を開催中ですが、男優シリーズの第Ⅰ期「スターで辿るボリウッド映画史」に続き、第Ⅱ期では「女優が輝くボリウッド映画の魅力」というテーマでお話をしています。その最後を飾るのが、本年2月24日に惜しくも亡くなったシュリーデーヴィー(シュリデヴィ)。昨年秋に1年間の予定を立てた時には、こんなことになるとはつゆ知らず、『マダム・イン・ニューヨーク』で日本でも知られるようになり、今後の活躍も期待される彼女のこれまでの歩みを知ってもらおうと思い、最後に取り上げることにしたのでした。
 シュリーデーヴィーは南インドに生まれ、タミル語映画で1970・80年代に活躍した後、ムンバイにやってきてそこでも大人気女優となります。アミターブ・バッチャンの人気に陰りが見え始めた1990年代、シュリーデーヴィーが次々とヒット作を出すもので、当時のボリウッドは「ワン・ウーマン・インダストリー」と言われたほど。そんな彼女の作品と人生を辿りながら、ドバイでの急死の真相も探っていきます。ポスタープレゼントは、主演作の遺作となってしまった『Mom(ママ)』(2017)のポスターです。
 なお、「女優が輝くボリウッド映画の魅力」講座と抱き合わせで開催してきた「映画で学ぶヒンディー語塾」も最終回となります。最後はまとめですが、初めての方でも初心者の方でもノープロブレム。30分の濃密なヒンディー語学習体験をどうぞ。

 日時:2018年7月14日(土) 15:00~17:30
        9月15日(土) 15:00~17:30
※どちらも同じ内容ですので、お好きな日をお選び下さい。
 場所:スペース・アーナンディ(東急田園都市線高津駅<渋谷から各停で18分>下車1分)
 定員:20名
 講座料:¥2,500(含む資料&テキスト代)
 講師:松岡 環(まつおか たまき)
ご予約は、スペース・アーナンディのHP「受講申し込み」からどうぞ。ご予約下さった方には、ご予約確認と共に、スペース・アーナンディの地図をメール送付致します。床におザブトンをひいて座っていただく形になりますので、楽な服装でお越し下さい(申し訳ないのですが、スペースの関係上イス席はご用意できません。悪しからずご了承下さい)。皆様とお目にかかれるのを楽しみにしております。(松岡 環)

[講師紹介]
1949年兵庫県生まれ。麗澤大学、国士舘大学非常勤講師。大阪外大(現大阪大)でヒンディー語を学び、1976年からインド映画の紹介と研究を開始。1980年代にインド映画祭を何度か開催したほか、様々なインド映画の上映に協力している。『ムトゥ踊るマハラジャ』『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』『きっと、うまくいく』『pk』など、インド映画の字幕も多数担当。著書に、「アジア・映画の都/香港~インド・ムービーロード」(めこん/1997)、「インド映画完全ガイド」(世界文化社/2015/監修)など。


 2015年来日時のシュリーデーヴィー

では、また来月&9月にお目にかかりましょう。Sridevi ji, shraddhanjali.

 

『バーフバリ 王の凱旋』<完全版>パンフレット

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皆様、『バーフバリ 王の凱旋』<完全版>はもうご覧になりましたでしょうか? <インターナショナル版>と比べていかがでしたか? 来日したS.S.ラージャマウリ監督が各所でのインタビューでも述べていたように、「私としてはどちらもそれぞれに完成された作品として自信があり、甲乙はつけられません」という気持ちが、両方を見比べてみるとよくわかります。<インターナショナル版>と<完全版>はそれぞれ別物と言っていいぐらい、どちらにも良さがあるヴァージョンですね。ただ、<完全版>はおそらく円盤が出ないのでは、と思われるため、ぜひ劇場で、できれば複数回見ておかれることをお勧めします。

ところで、<完全版>のパンフはお求め下さいましたでしょうか。自分も書いているので気が引けますが、内容チョー充実、新しい画像もいっぱい掲載、というわけで、1,000円は実にお買い得。ちょっと内容を一覧にしておきましょう。


『バーフバリ 王の凱旋』<完全版>パンフレット
PP.3-4    Introduction
PP.5-6    前作『バーフバリ 伝説誕生』あらすじ&『バーフバリ 王の凱旋』物語
PP.7-8    Profile:プラバース(シヴドゥ/バーフバリ役)
PP.9-10    Profile:アヌシュカ・シェッティ(デーヴァセーナ役)
PP.11-12    Profile:ラーナー・ダッグバーティ(バラーラデーヴァ役)
           ラムヤ・クリシュナ(シヴァガミ役)
                              ナーサル(ビッジャラデーヴァ役)
                              サティヤラージ(カッタッパ役)
                              タマンナー(アヴァンティカ役)
                              スッバラージュ(クマラ・ヴァルマ役)
PP.13-14      Profile:監督・脚本:S.S.ラージャマウリ
                               K.ラーガヴェンドラ・ラーウ(提供)
                               ショーブ・ヤーララガッダ(製作)
                                V.ヴィジャエーンドラ・プラサード(原案)
                                K.K.センティル・クマール(撮影)
                                M.M.キーラヴァーニ(音楽)
PP.15-16      S.S.ラージャマウリ監督インタビュー/インタビュアー:江戸木純
PP.17-20     『ムトゥ』発『きっと、うまくいく』経由『バーフバリ』行き~日本におけるインド映画~/松岡環
PP.21-22     『バーフバリ 王の凱旋<完全版>』にみる伝統音楽と「南インド映画音楽」事情/小尾淳
PP.23-24      ポスターギャラリー/日本版、オリジナル、台湾版、中国版
PP.25-26      スケッチギャラリー
PP.27-28      幻のテルグ語映画を求めて/松沢靖
PP.29-42     『バーフバリ 王の凱旋<完全版>』シナリオ採録/日本語字幕翻訳:藤井美佳、テルグ語監修:山田桂子、採録・脚注:安宅直子
PP.43-44      みんなで歌おう!『バーフバリ 王の凱旋』カタカナ・カラオケ歌詞集/「バーフバリ万歳」「かわいいクリシュナ神よ」「白鳥の船に乗って」「マヒシュマティ国の歌」「我らの至上の光」
PP.45          クレジット一覧


すごいですねー。『バーフバリ 王の凱旋』<インターナショナル版>のパンフに比べると大量増ページ。

『バーフバリ 伝説誕生』のパンフに比べると、天文学的数字の増ページ....。この4つ折れパンフ、ツイッターで文句言われましたっけ。(スキャンがうまく行かなかったので、3枚のみ画像を付けてあります)


でもね、このパンフも、マスコミ試写で配布されたプレス段階では3つ折れだったのを、ツインさんがさらに1枚増やして下さったんですよ。だから、マヒシュマティ王国を始めとする人物相関図もきれいな画像入りで付いていますし、何と!バドラ王子はもちろん村の導師様の画像まで入っていて、まるで<完全版>の最後のセリフを知っていたかのような内容となっています。今となっては貴重品ですね~。

ところで、『バーフバリ』特集をもう一つご紹介しておきます。「日経トレンディ」7月号にも見開きで、バーン!と特集されています。「ポプテピピック」と並んで、アニメ・映画部門のブーム解析で取り上げられているんですよ。ぜひご覧になってみて下さいね。


まだまだブームが続く『バーフバリ』。教科書&ガイドブック的出版物も出そろいましたので、さらなる『バーフバリ』の滝登りに挑戦しましょう!


シンガポールのドキュメンタリー映画『To Singapore with Love』上映+α

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シンガポール映画の研究家盛田茂さんから、上映会のご案内をいただきました。以前にこちらでもご紹介した、シンガポールのタン・ピンピン(陳彬彬)監督のドキュメンタリーです。

 

専修大学外国語教育研究室主催 第56 回外国語教育研究会
シンガポールのドキュメンタリー映画上映と解説
タン・ピンピン監督作品
To Singapore, with Love
シンガポールへ、愛をこめて

2013 年/シンガポール/70 分/英語・華語・マレー語・海南語/日本語字幕・英語字幕
2018 年6 月30 日(土) 15:00~17:30
  15:00 趣旨説明 土屋昌明(専修大学経済学部教授)
  15:10 映画上映(70 分)
  16:30 解説 盛田茂(東洋大学アジア文化研究所客員研究員)
場所:専修大学神田校舎 1 号館2階202 教室
千代田区神田神保町3-8(九段下駅・神保町駅)
入場無料 事前申込不要

監督自らが聞き手となり、タイ、マレーシア、英国に居住する政治亡命者たちの祖国シンガポールへの思いを描く。ドバイ国際映画祭アジア・アフリカ・ドキュメンタリー映画部門最優秀監督賞を受賞し、米国、英国、ドイツ、韓国、台湾、香港、フィリピンなどで上映されて高い評価を受けるが、シンガポールでは、国内公開・配給の禁止措置を受けている。今回は、本作の日本上映のために尽力してきたシンガポール映画研究者の盛田茂氏を迎えて、上映と解説・討議を行う。

監督:タン・ピンピン Tan Pin Pin 1969 年、シンガポール生まれ。Moving House(2001)、Singapore GaGa(2005)、Invisible City(2007)、Pineapple Town(2015)、In Time to Come(2017)などの作品があり、国内外で多くの評価を得ている。

主催:専修大学外国語教育研究室 協力:専修大学視覚文化研究会、時代映像研究会
問合せ:専修大学教務課CALL 事務室 Tel: 044-911-0502 Fax: 044-900-7842
    土屋昌明 tuwuchangming@yahoo.co.jp

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ついでに、と言っては何ですが、インドに関するドキュメンタリー映画『聖者たちの食卓』上映のお知らせもどうぞ。JICA地球広場のこちらのイベントで上映されるもので、6月16日(土)17:00~18:10の予定です。『聖者たちの食卓』はベルギー映画で、監督2人もベルギー人なのですが、アムリトサルの黄金寺院で供される無料の食事の舞台裏が捉えられています。これに加えて黄金寺院内部のシク教徒礼拝風景とかが撮られていたら一級の資料になるのですが、内部は撮影禁止なのか、それとも彼らが異教徒だから拒否されたのか、残念ながら伽藍内部は出てきません。JICA広場でのイベント当日は、シク教徒の方の解説もあるとのことなので、そういう所を解説で補って下さるといいですね。申し込みが必要なようなので、お申し込みはお早めに。

なお、本作はすでに円盤が出ていますので、参加できないけれど見たい! DVDがほしい! とおっしゃる方はこちらをどうぞ。友人の内海千広さんが字幕を担当しています。

<注:こちらの情報は実はコメント欄にいただいたのですが、送って下さった方は私個人へのメール代わりとして投稿して下さったことがあとでわかり、一度アップしたコメントをとりさげました。Wさん、ご迷惑をお掛けしてすみませんでした>

タイ映画も来てます!『ポップ・アイ』と『バッド・ジーニアス』

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先日、タイ映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』の試写状をいただきました。昨年のアジアフォーカス・福岡国際映画際で『頭脳ゲーム』という邦題で上映されて観客賞を受賞した作品で、昨年夏に海外で見た私もハマりにハマった作品です。このブログでのご紹介はこちら。先日ちらとご紹介した『ポップ・アイ』と共に、ものすごーく魅力的な2本のタイ映画が今夏日本を襲うのです、嬉しいなあ❤❤❤。『ポップ・アイ』の方は日本版予告編がすでにできていて、それを見ただけで泣けてきました。間もなく試写を拝見できるので、わくわくしているところです。というわけで、またまた簡単なご紹介だけです(すんません、今、仕事がちょっと立て込んでまして...汗)が、タイ映画特集です。


『ポップ・アイ』 公式サイト 
2017年/シンガポール・タイ/タイ語/102分/原題:Pop Aye
 監督:カーステン・タン
 主演:ポン、タネート・ワラークンヌクロ、ペンパック・シリクン、チャイワット・カムディ、ユコントーン・スックキッジャー、ナロン・ポンパープ
 配給:トレノバ
※8月ユーロスペースほか全国順次ロードショー

映画『ポップ・アイ』予告編


『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』 公式サイト(まだ工事中みたいです)  日本版ウィキ(『頭脳ゲーム』)
2017年/タイ/タイ語/130分/原題:Chalard Games Goeng/英題:Bad Genius
 監督:ナタウット・プーンピリヤ
 主演:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン、チャーノン・サンティナトーンクン、イッサヤー・ホースワン、ティーラドン・スパパンピンヨー、タネート・ワラークンヌクロ
 提供:マクザム
 配給:ザジフィルムズ、マクザム
※9月22日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開

英語版の予告編ですが、付けておきます。リンちゃん、早く再会したい!

BAD GENIUS Official International Trailer (2017) | GDH

 

上半期公開韓国映画のベスト作品!『天命の城』

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6月22日(金)から、韓国映画『天命の城』が公開されます。1636年の「丙子(へいし)の乱」を題材にした時代劇で、イ・ビョンホン、キム・ユンソク、パク・ヘイル、コ・スが主演、パク・ヒスン、ソン・ヨンチャン、子役のチョ・アインらが共演しています。監督は『怪しい彼女』(2014)、『トガニ 幼き瞳の告発』(2011)、そして『マイ・ファーザー』(2007)を撮ったファン・ドンヒョクですが、これら過去作品とは180度違う本作だというのに、その演出力、脚本力はますます冴え渡り、本年の日本公開作の中では上半期一番の力作となりました。まずは基本データをどうぞ。

 

『天命の城』 公式サイト  
2017年/韓国/韓国語/139分/原題:남한산성(南漢山城)
 監督:ファン・ドンヒョク
 主演:イ・ビョンホン、キム・ユンソク、パク・ヘイル、コ・ス
 提供:ツイン、Hulu
 配給:ツイン
※6月22日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー

ⓒ 2017 CJ E&M CORPORATION, SIREN PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

映画は、李氏朝鮮王朝の仁祖(インジョ/パク・ヘイル)が率いる軍と、中国で明に代わって実権を握ろうとしているホンタイジ率いる後金(清)の軍とが敵対する状況から始まります。朝鮮王朝は仁祖の前の王、光海君(ファンヘグン)時代は明とも後金とも友好関係を築いていたのですが、1923年に仁祖がクーデターにより光海君を追放して王位に就くと、それまで明には内緒で仲良くしていた後金とは袂を分かち、後金を「野蛮な国」と見下すようになったのでした。1936年に後金から清と国号を改めたホンタイジは怒り、朝鮮半島へと攻め入って来たのですが、これが丙子の乱と呼ばれる戦いになったのです。1936年12月に当時都としていた盛京(今の瀋陽)を発ったホンタイジは、12月14日に朝鮮に侵入、それを受けて仁祖は首都漢城(今のソウル)から逃れて、最終的には南漢山城に立てこもる形になり、正月を挟んで厳寒期の40日余り、南漢山城での攻防戦が続いたのでした。

ⓒ 2017 CJ E&M CORPORATION, SIREN PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

映画は、仁祖が大臣たちを集めて評定を行い、清への交渉役に崔鳴吉(チェ・ミョンギル/イ・ビョンホン)が選ばれて清軍の陣地に赴く姿と、南漢山城をめざしてもう一人の大臣金尚憲(キム・サンホン/キム・ユンソク)が凍った河を渡ってやってくる姿をまず描きます。その後南漢山城では、屈辱的な妥協をしてでも清との和平の道を取ろうとするミョンギョルと、死をも辞さずと主戦論を唱えるサンホン、老獪な重臣金瑬(キム・リュ/ソン・ヨンチャン)らが仁祖を前に、延々と評定を重ねていきます。その間に南漢山城内にある村落では、鍛冶屋のソ・ナルセ(コ・ス)を始めとする人々が武官の李時白(イ・シベク/パク・ヒスン)らによって軍組織に組み入れられ、戦いにかり出されていきます。1月の厳しい寒さ、籠城状態から来る食料の欠乏と、敵は清軍だけではありませんでした。サンホンは近辺に展開する朝鮮軍近衛兵らと連絡を取り、一斉に清軍を攻撃しようとナルセを使者に仕立てて南漢山城から脱出させますが、ナルセの身分が災いしてそれもうまく行きません。やがて、清軍からの大規模な砲撃が開始されます....。

ⓒ 2017 CJ E&M CORPORATION, SIREN PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

劇中かなりの時間が御前会議のシーンに割かれるのですが、退屈どころか、イ・ビョンホン、キム・ユンソクという二人の名優によって緊迫感に充ち満ちたシーンとなり、時には丁々発止とやり合う二人にパク・ヘイルの仁祖が存在感を見せつけたりと、映画の中軸となるシーンがしっかりと存在した上で、ストーリーが動いていくのが本作の一番の魅力です。その周囲に配されている様々なエピソードがこれまた巧みで、定石的ではありますが、王・貴族と平民という組み合わせが功を奏しています。硬直しとげとげしい王・貴族の世界と反対に、自由で大らかな庶民の世界を代表するのはコ・スが演じる鍛冶屋のナルセで、その弟子チルボク(イ・デビッド)や、サンホンが最後にナルセに預ける少女ナル(チョ・アイン)など、彼の周囲には魅力的なキャラクターが揃っています。特にナルは、幼い少女ながら自分を引き取ってくれたサンホンのことを心に掛け、精一杯の愛情を示すのですが、冒頭でサンホンがナルの祖父に何をしたのかを知っている観客としては、見ていて複雑な心境になってしまいます。このあたりが脚本のうまさで、どの人物もキャラクター設定が緻密なところが、物語に重層的な膨らみを持たせて観客を退屈させません。

ⓒ 2017 CJ E&M CORPORATION, SIREN PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

もう一つ、映画に膨らみを持たせてくれるのが、坂本龍一による音楽です。韓国映画の音楽を担当するのは初めてとのことですが、予想したよりも軽やかな音楽で、それゆえに物語の深刻な面が強調されず、心地よく作品を見ていけます。プレスにあった坂本龍一のコメントによると、「ファン監督はぼくの想像よりもモダンな音楽を求めていましたので、ぼくもすぐに方針を変えて、かなり斬新な方向に音楽をもっていきました」だそうで、これも監督の演出力の表れかも知れません。音楽のおかげで、ラストの余韻が体にしみこむようでした。

ⓒ 2017 CJ E&M CORPORATION, SIREN PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

それにしても、ファン・ドンヒョク監督の前作『怪しい彼女』を知る者にとっては、あの握ったサンマを突きつけてオ・ドゥリが「何者だい! 発情したオス犬みたいにつけまわして!」と迫るシーンなどとのギャップが大きすぎ、同じ人が監督しているとはとても思えません。強いて言えば、底を流れるヒューマニズムが共通しているとは言えますが、あまりにも作風が違うので唖然としてしまいます。監督はプレスにあるインタビューで「原作小説で一番描きたかったのは、チェ・ミョンギョルとキム・サンホンの議論だった。和親交渉と戦争と行った異なる意見で対立する二人の臣下の間の議論は、どちらが正しい、正しくないという域を超えて、信念と哲学の対立として感じた。まるで詩のようにも感じさせる二人の論議と言葉が素晴らしく、十分に映画のセリフで生かしたかった」と語っており、金薫(キム・フン)による原作小説『南漢山城』がまず監督の心を捉えたようです。日本では翻訳は出ていないようですが、おそらく監督はその小説が持つ世界を見事に描ききったのでは、と思われます。

ⓒ 2017 CJ E&M CORPORATION, SIREN PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

イ・ビョンホンとキム・ユンソクの、感情を押さえた中にも力がみなぎる演技が素晴らしい本作、二人とも実にいい役者だなあ、としみじみ思いました。特にイ・ビョンホンは、『王になった男』(2012)以来の時代劇ですが、あの時は光海君(と彼の影武者)の役だったのですね。そんなことも思い出したので、拙文の最初に仁祖の前の光海君のことにも触れたのでした。

ⓒ 2017 CJ E&M CORPORATION, SIREN PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

『天命の城』は昨年の韓国における観客動員数ランキングでは意外に低い第7位だったのですが、それはラストシーンが誇り高い韓国の人には耐えがたかったからかも知れません。とはいえ、経緯をつぶさに見せられた後では仁祖の行動は真に勇気あるものと思え、その姿にミョンギョルとサンホン、そのほかナルセなど多くの人々の姿がオーバーラップして思わず目がうるみました。ご覧になる時にはぜひパンフをお求めいただくか、あるいはこちらの公式サイトで歴史上のあれこれについて事前学習をしておいていただければ、より楽しんでご覧いただけると思います。最後に予告編を付けておきますので、ぜひ劇場にお運び下さい。

『天命の城』(6.22(金)TOHOシネマズシャンテ他全国ロードショー!)


追伸:ところで、清軍の人々が話す言語は、モンゴル語なのでしょうか、それとも満洲語? 後者は話せる人がほとんどいないためテキスト作りが大変だと思うのでモンゴル語だと思うのですが、もしおわかりになる方がいらしたら教えて下さい。


ⓒ 2017 CJ E&M CORPORATION, SIREN PICTURES ALL RIGHTS RESERVED


イード・ムバーラク!

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仕事の合間にネットをチェックしていたら、友人のツイッターに『Zero』の新しいティーザーが紹介されていました。『Zero』は今年末に公開予定のシャー・ルク・カーンの新作で、CGでシャー・ルク・カーンが加工されています。友人のつぶやきも「シャー様って小さいのね。」だったのですが、見てびっくり、何とイード、つまり断食明けのイード・ウル・フィトルを祝う特別ヴァージョンではありませんか。そうかー、昨日断食月が終わったんだー、と気づいた次第です。イスラーム教徒のイードを言祝ぐにはぴったりの、シャー・ルク・カーンとサルマーン・カーンの共演ですね。二人が「アーダーブ」と挨拶を交わすシーンのカッコよさよ!

Zero | Eid Teaser | Shah Rukh Khan | Salman Khan | Aanand L Rai | 21 Dec 2018

インドはもうモンスーンがやって来たのでしょうか、ムンバイは雨が降ってますが。それにしても一番暑い時期の断食月は大変だったことでしょう。イスラーム教徒の皆さんだけでなく、ヒンドゥー教徒やキリスト教徒等々の他宗教の皆さんもお祝いして、楽しい時を過ごして下さいね。「イード(お祭り)・ムバーラク(おめでとう)!」


力作インドのドキュメンタリー<その1>『人間機械』

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今年は珍しく、インドのドキュメンタリー映画の秀作が2本、日本公開となります。すでにこのブログでも簡単にご紹介しているのでご存じかと思いますが、1本目は西インド、グジャラート州の繊維工場を舞台にした『人間機械』。もう1本は東端インドのナガランド州を舞台にした『あまねき旋律(しらべ)』で、いずれも2017年の山形国際ドキュメンタリー映画祭に出品された作品です。先に『人間機械』が7月にユーロスペースで公開予定なので、こちらからご紹介しましょう。まずは基本データをどうぞ。


『人間機械』 公式サイト   
2016年/インド・ドイツ・フィンランド/ドキュメンタリー映画/ヒンディー語/71分/原題:Machines
 監督:ラーフル・ジャイン
 配給:アイ・ヴィー・シー
 配給協力:ノーム
※7月ユーロスペースほか全国順次公開

© 2016 JANN PICTURES, PALLAS FILM, IV FILMS LTD

舞台となるのは、西インドのグジャラート州、スーラトという人口446万人の都市にある大きな工場です。繊維工場で、そこで働く人々と機械が、本作の主人公です。火花を散らすボイラー、白布をどんどん織り上げていく機械、山のように溜まっていく白布、その白布に模様パターンが次々と、謄写版のように印刷されていく工場中央の一角....。その中を、カメラが巧みに通路を移動していきます。通路を移動するのはカメラだけではありません。染料の缶や染料の元になる粉、パターンの鉄枠などなども、人力によって移動していきます。そのままずっと無言で、機械と人間が映されていくのかと思ったら、突然労働者の1人が語り始めます。そして観客は、彼らが地元グジャラート州の人間ではなく、遠く離れた州からやってきた出稼ぎの人々だ、ということを知るのです。映像からだけでもひしひしと伝わってくる彼らの苛酷な労働実態が、語りによっても明らかになっていきます...。

© 2016 JANN PICTURES, PALLAS FILM, IV FILMS LTD

インタビューされ、カメラに向かって語りかける労働者は工場内ではほんの数人で、ほかに出稼ぎ労働者を斡旋するコントラクターと呼ばれる仲介業者と、そして工場の社長にもインタビューがなされています。実は監督のラーフル・ジャインは、かつて祖父がスーラトに繊維工場を所有しており、5歳のころその工場を遊び場にしていたのだとか。今は祖父の工場はなくなっているそうなので、今回撮影しているのは別人の工場ではあるものの、「多くの工場を訪ねるうちに、私は自分の階級を意識するようになった」とラーフル・ジャインは「監督のことば」で語っています。そして、経営者側の人間である自分に贖罪を課すかのように、最後に監督はちょっといたたまれないようなシーンを演出するのです。そこで発せられる言葉の数々は、当然スクリーンのこっち側にいて、ふかふかの椅子で労働者たちを眺めている我々にも突き刺さってきます。

© 2016 JANN PICTURES, PALLAS FILM, IV FILMS LTD

それにしても、1日12時間労働とは、ブラック企業どころか暗黒企業です。映画の中で、積まれた繊維製品のあちこちで寝ている人たちがいるのも頷けます。「劣悪な労働環境」という言葉から想像していた労働現場など、まだまだ甘かったと思い知らされる現実が次々と映し出されていき、撮影されたのが雨季ということと相まって、汚水の流れるじめじめした工場の床がこちらの足下にまで忍び寄ってくる思いがします。工場の内部は、よくインド人が人を非難して言う時の「No discipline(規律なし、なっとらん)!」そのもので、100年の間ずっと整理整頓されないままに使われてきた場所、という感じです。彼らなりの規律はあるのでしょうが、もう補修も掃除もできないまま、朽ち果てる将来へと動いていくしかない工場、といった寂寥感すら漂わせています。


© 2016 JANN PICTURES, PALLAS FILM, IV FILMS LTD

そんな中で作られる繊維製品は、途中アラブから来たバイヤーが商談のために製品を見ているシーンがあるのですが、立派に流通に乗って、インド国内外へと出て行っているようです。無造作に積み上げられていた布が、あるいはひとくくりになって高いところからドサッと投げ落とされていた布が、きちんとしたサンプル仕様でテーブルに置かれ、「ボイル」「ボワード」「ジャガード」といった高級生地の種類名が飛び交います。してみると、インド旅行者の我々がショッピングモールのブランド店で見たりする衣料品も、こういったところから供給される素材で作られているのかも知れません。汚れた床に置かれていた繊維製品と、売り物としてお店に積まれているきれいな反物とのギャップが、この映画を見ている間にはどうしても埋められませんでした。

© 2016 JANN PICTURES, PALLAS FILM, IV FILMS LTD

また、この映画は実に様々な工場の工程を見せてくれるのですが、それが一体、生地ができあがるまでのどの部分を担っているのか、という全体像がいまひとつわかりにくいのです。これは染める前の白生地を作っているのだな、とか、模様を生地の上に印刷しているのだな、とかわかる工程もあるのですが、その、釜の中にほり込むような作業は何? とか、そこで巻き取るのは何のため? とか、わからない工程の方が多いのです。監督は、繊維製品ができあがっていく過程にはまったく関心がなく、規則正しく動く機械と、それに使われながら機械の一部のようになって働く人間とを、ひたすら見せていくという意図があるのではないか、と思いつつも、見ていてどこか居心地の悪さも感じてしまったのでした。

© 2016 JANN PICTURES, PALLAS FILM, IV FILMS LTD

それが解消されたのは、国立民族学博物館の上羽陽子先生が書かれた解説を読んだ時で、インドの染色や手工芸研究が専門の上羽先生による工程解説を読んで、あれは糊抜きだったのか、あの時のは漂白だったのか等々、かなりの作業の意味が理解できました。上羽先生の解説は劇場用パンフに掲載されるそうなので、ぜひパンフをお求めになり、最初に読んでおいて下さいね。この作品をもう一度見ながら、上羽先生にいちいち解説していただきたい気分ですが、上羽先生の解説には苛酷な労働の背景や環境汚染への言及もあって、とても示唆に富んだ内容となっています。主たるフィールドがグジャラート州ということなので、こういった工場もよくご覧になっているのかも知れません。

© 2016 JANN PICTURES, PALLAS FILM, IV FILMS LTD

監督は、最後の贖罪的シーンの前に、とてもファンタジックなシーンを演出してくれます。それが上のスチールで、自分たちが織り上げた布を、男性労働者たちがまるでサリーのように身にまとって見せるのです。工場の退勤時のシーンでは女性労働者の姿も見えましたが、どうやら工場内でも別の場所で働いているようで、120%むき出しの肉体労働と言っていい今回撮影された現場では、女性労働者は見かけませんでした。そんな場所で作られているのがこんな美しい布なのですから、地獄から天国に来たようなシーンでとても印象に残りました。

予告編はまだアップされていないようで、短い30秒の「特報」がYouTubeにアップされています。それを付けておきます。

映画『人間機械』予告

『バーフバリ』や『ダンガル きっと、つよくなる』とは全く違ったインド世界を見せてくれる『人間機械』。インドを本当に知りたい方は、ぜひぜひお見逃しなく。


ボリウッド・スター稼ぎ頭トップ10

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Yahoo!のニュースをチェックしていたら、"Highest Earning Bollywood Actors in 2017-18"という見出しが目に飛び込んで来ました。具体的な収入額も出ているので、記録的価値もあると思い、ここに日本語でリストを書いておきます。Wikiから取った写真は、上段が1~3位、下段が4~10位です。

Salman Khan at People's Choice Awards 2012.jpgAkshay Kumar.jpg

 1.サルマーン・カーン   23億2830万ルピー(37億2528万円)
 2.シャー・ルク・カーン  17億0500万ルピー(27億2800万円)
 3.アクシャイ・クマール   9億8250万ルピー(15億7200万円)
 4.アーミル・カーン     6億8750万ルピー(11億円)
 5.リティク・ローシャン   6億3120万ルピー(10億992万円)
 6.ランヴィール・シン    6億2630万ルピー(10億208万円)
 7.ランビール・カプール   5億5330万ルピー(8億8528万円)
 8.アジャイ・デーウガン   4億8830万ルピー(7億8128万円)
 9.ヴァルン・ダワン     4億3500万ルピー(6億9600万円)
10.アミターブ・バッチャン  4億ルピー(6億4000万円)   (1ルピー=1.6円で計算)

A photograph of Hrithik Roshan smiling away from the cameraRanveer at filmfare (cropped).jpg

Ranbir Kapoor posing for the cameraAjay Devgn.jpg

Amitabh Bachchan December 2013.png

実は、昨年9月にも、ドル建てですが同様の記事をご紹介したことがあります。そのリストだけをここに再度アップしてみますと...。

1.シャー・ルク・カーン      3,800万ドル(41億8,000万円)
2.サルマーン・カーン       3,700万ドル(40億7,000万円)
3.アクシャイ・クマール      3,550万ドル(39億500万円)
4.アーミル・カーン        1,250万ドル(13億7,500万円)
5.リティク・ローシャン        1,150万ドル(12億6500万円)
6.ディーピカー・パードゥコーン   1,100万ドル(12億1,000万円)
7.ランヴィール・シン        1,000万ドル(11億円)
8.プリヤンカー・チョープラー    1,000万ドル(11億円)
9.アミターブ・バッチャン       900万ドル(9億9,000万円)
10.ランビール・カプール       850万ドル(9億3,500万円)

5位までの順位は同じ顔ぶれですが、何だか皆さん、今回のレポートではかなり収入額が減少していますね。それと、女優が1人も入っていないのはなぜ? まあ、こういう長者番付の数字は必ずしも正確とは言えないのですが、ボリウッド映画界自体が地盤沈下を始めているのでは、と少し心配になります。もっといい作品をたくさん作って、ボリウッドの栄光に影がささないよう、がんばって下さいね! まずは、今週末、6月29日(金)に公開されるラージクマール・ヒラニ監督作品『Sanju(サンジュー=サンジャイ・ダットの愛称)』に期待しましょう。予告編を付けておきます。

Sanju | Official Trailer | Ranbir Kapoor | Rajkumar Hirani | Releasing on 29th June

『きっと、うまくいく』(2009)や『PK(ピーケイ)』(2014)のヒラニ監督が今回取り上げたのは、俳優サンジャイ・ダットの伝記映画。ランビール・カプールがサンジュー=サンジャイ・ダットを、パレーシュ・ラワルが父である往年の人気男優で国会議員でもあったスニール・ダットを、マニーシャー・コイララが母で人気女優だったナルギスを演じます。ほかには、サンジャイ・ダットの親友の俳優クマール・ゴゥラブ(ラージェーンドル・クマールの息子で、のちにサンジャイ・ダットの妹と結婚)をヴィッキー・コゥシャルが演じ、同じ俳優仲間では、一時期サンジャイ・ダットと噂のあった女優で、現在は大富豪アニル・アンバーニー夫人となっているティーナー・ムニームをソーナム・カプールが、また、右に同じのマードゥリー・ディークシトをテレビで活躍しているカリシュマー・タンナーが演じます。そのほか、サンジャイ・ダット夫人のマーニャター・ダットにはディヤー・ミルザーが、そしてジャーナリスト役にはアヌシュカー・シャルマーが扮しています。これまでのヒラニ監督作とは趣きが違うので、さて、興収はどのくらい行くでしょうか....。ご覧になった方は、ぜひコメントでご感想をお寄せ下さい。


東南アジアに関する映画のお知らせ

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昨日は、久しぶりにのんびりと外出しました。行った先は阿佐ヶ谷で、ミニアターのラピュタ阿佐ヶ谷で行われている特集上映「鬼才・奇才・キ才 岡本喜八」の中の、下の作品を見に行ったのです。(せんきち様、情報をありがとうございました!)


なぜこの『月給泥棒』(1962)かというと、インドネシアを研究しておられる方から、「日本映画の中にインドネシア語が出てくる作品がある」とこの映画のことを教えていただいたからです。インドネシア語が登場する映画には市川崑監督の『ブンガワンソロ』(1951)があるのですが、それに対してこちらはどのくらい出てくるのかな、と楽しみにして見に行ったのでした。主人公(宝田明)は、クラウンカメラ社に勤務するサラリーマン。上司にはゴマをすり、女子社員は調子のいい言葉で味方に付け、クラブの美人ホステス(司葉子)もすぐに口説いてしまう調子のよすぎる男です。クラウンカメラのライバル会社であるオリバーカメラに、今度東南アジアの某国からダバール商事のホセ・ダゴン(ジェリー伊藤)というバイヤーが買い付けに訪れることを耳にした彼は、何とかその契約を自社でいただこうとあの手この手を繰り出しますが....というのがストーリーで、このダゴンという人物がスカルノ帽をかぶったインドネシア人に設定されている、というわけなのでした。


ジェリー伊藤は日本人なのですが、彫りの深い顔立ちとアメリカで生まれたということからこういう洋風の芸名を付けて、1960~80年代に活躍していた俳優です。今回は顔を浅黒いドーランで塗り、立ち居振る舞いも外国人らしくしていて、特にスカルノ帽(トルコ帽に似た、円錐形の先を切ったようなつばのない帽子です)をかぶるとなかなか様になっています。で、いつインドネシア語が出てくるかと楽しみにしていたのですが、宝田明が女装して彼の恋人と偽り、ホテルの部屋に入って彼を連れ出すというドタバタシーンにだけ、それも二言三言だけしか登場しませんでした。しかもこの宝田明の女装が、黄色いサリーを着た上に真っ赤なサテンのブルカ風のものをかぶるという珍妙な姿で、それまでのダゴンのセリフに「私、酒は飲みません」(で、ジュースが出てくる)といったイスラーム教徒の生活習慣を示唆するセリフがいくつかあっただけに、ここもせめてバジュクロン姿かサロン・クバヤ姿にしてくれるとよかったのになあ、と思ってしまいました。まあ、ホセ・ダゴンというネーミングにしても、フィリピン人風の「ホセ」が入っていたりして無国籍東南アジア風なので、致し方ありませんね。というわけで、「残念」部類に入る「アジアへのまなざし作品」でした。

この日は、岡本喜八監督のファンのほかラピュタの固定ファンも結構いらしたようで、昼間の時間帯なのに7割の入り。その中に、中国語を話している台湾の方らしき年輩のカップルがいらして、宝田明のファンで見にいらしたのかな、とか想像してしまいました。岡本喜八監督作品の宝田明は、監督のリズミカルな演出によって水を得た魚のようにくるくると動き回っており、とってもチャーミングでした。BGMに一部『ウェストサイド物語』(1961)からパクったフレーズがあって、ははぁ、直前に見たのが印象に残っていたのね、と思ったりして、1960年代の空気を感じました。宮口精二を始めとする多彩な脇役ももったいないような使い方で、見ていて楽しかったです。

このほか、開場を待っている間にラピュタで見つけたチラシで、ミャンマーを舞台にした日本映画が2本、公開されることを知りました。1本は、昨年の東京国際映画際<アジアの未来>部門で見事作品賞を獲得した、藤元明緒監督の日本・ミャンマー合作作品『僕の帰る場所』です。昨年のTIFFレポートのこちらで取り上げてありますので、ご覧になってみて下さい。公式サイトはこちらです。

とてもいい作品だったので、ポレポレ東中野での1館公開ではちょっともったいない気がしますが、今は劇場ブッキングがすごく大変だと聞いていますので、ポレポレ東中野で好発進して、他の首都圏各地の映画館に広がっていくことを願っています。藤元監督、宣伝担当の佐々木さん、がんばって下さい! 予告編を付けておきます。

『僕の帰る場所』予告編 | Passage of Life - Trailer


もう1本、チラシをゲットしてきたのは次の作品です。川端潤監督によるドキュメンタリー映画のようで、間もなく公開が始まる『マンダレー スター-ミャンマー民俗音楽への旅-』です。マンダレーはミャンマーのちょうど中央部にある町で、そこの音楽シーンがいろいろ納められているようです。公式サイトはこちらです。

マンダレーと言えば、思い出すのが、インド映画『きっと、うまくいく』(2009)でこの地名が叫ばれるシーン。皆様、憶えてらっしゃるでしょうか。字数が少なくて字幕には「マンダレー」と出せず、「ビルマ産」となっていますが、ルビーのネックレスに関しての会話でした。マンダレーは翡翠で有名だそうですが、ルビーも採れるのかしら? それはさておき、『マンダレー スター』も予告編を付けておきます。ミャンマーにもぜひご注目下さい。

映画『マンダレースター -ミャンマー民族音楽への旅-』予告編


 

『バーフバリ 王の凱旋』にまたまたゲストが凱旋来日!

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ツインさんの『バーフバリ 王の凱旋』旋風、止まるところを知りません。すでに公式ツイッター等でご存じだと思いますが、何と今回はクマラ・ヴァルマ役のスッバラージュが来日するとのこと。マジでーーーーーっ! という感じですね。舞台挨拶は次の通り行われます。


©ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED. 

超・緊急決定! 【クマラ・ヴァルマ、ジャイホー!】

「バーフバリ 王の凱旋 完全版」クマラ・ヴァルマ役スッバラージュ氏 来日舞台挨拶付 絶叫上映開催! 

『バーフバリ 王の凱旋 完全版』が日本で大ヒットとなり、ファンの熱い想いが届いたインドからクマラ・ヴァルマ=スッバラージュ氏の来日舞台挨拶が緊急結願!
小心者の真の勇気を称えよ!今がその時だ! 

登壇者(予定):
スッバラージュ(クマラ・ヴァルマ役)
※登壇者は予告無く変更になることがございますのであらかじめご了承ください。 

[川崎チネチッタ]詳細はこちら 

日時:6/28(木)16:00の回上映後(19:00~19:30予定)
        20:00の回上映前(20:00~20:30予定) 

※20:00の回は終了時刻が23:00を過ぎるため、条例により18歳未満のお客様は保護者同伴でもご入場いただけません。 

●チネット(インターネット販売) → 6/26(火)AM 0:00(=6/25(月) 24:00)より 


[新宿ピカデリー]詳細はこちら 

【6月29日(金)】
「バーフバリ 王の凱旋 完全版」舞台挨拶絶叫上映(1回目)
シアター1(606席)
開場:15:45
開演:16:00(前説・注意事項+本編167分)
上映終了後舞台挨拶:19:00~(19:30頃終了予定) 

「バーフバリ 王の凱旋」舞台挨拶絶叫上映(2回目)
シアター1(606席)
開場:19:55
開演:20:10 上映開始前舞台挨拶
(前説・注意事項+本編167分)(23:40頃終了予定)
※2回目の上映は条例に基づき18歳未満の方はご入場いただけません 

●インターネット先行販売:6月26日(火)0:00-~(=6月25日(月)24:00~)

(両劇場さんの公式サイトからコピペしたので、表記の不統一がありますが、お許し下さい)


「グッズはお求めいただけましたかな?」

インターネットでのチケット発売が明日午前0時というか本日午後12時というか、とにかく真夜中からなので、こちらも緊急のお知らせです。よい思い出をいっぱい持ってインドに帰っていただけるよう、皆さん劇場へGO!

 

『バーフバリ 王の凱旋』クマラ・ヴァルマ役スッバラージュ舞台挨拶(予告編)

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新宿ピカデリーであった、『バーフバリ 王の凱旋』の絶叫上映に行ってきました。ゲストとして来日したクマラ・ヴァルマ役スッバラージュの姿を拝みたかったからです。写真をいっぱい撮ってきましたので、本日はレポートの予告編として写真だけアップします。

クマラ・ヴァルマの扮装で舞台に登場したスッバラージュ。


深々と頭を下げてご挨拶。


クマラ・ヴァルマ姿の全身写真。公式ツイッターの現代青年姿とは全然違う雰囲気ですね。

すごく背が高いです。通訳の松下さんとの身長差30㎝ぐらい?


司会者が本日の行動についていろいろツッコみます。本日は「ロマンスカーで箱根へ」の旅をし、帰りには乗りたかった新幹線に乗れて大満足だった模様。


会場は「クマラ・ヴァルマの色」と指定された緑色のサイリウム↙でいっぱい。


司会者がファンの皆様から寄せられた質問を次々と聞いていきますが、クマラ・ヴァルマとデーヴァセーナの感情の機微についての質問が続き、ちょっと答えにくそう。


でも、クマラ・ヴァルマになり切って答えてくれるスッバラージュ。いい人ですね~。


やっと、ご自分の演技に関する質問が出て、答えにも力が入ります。「私の演技に関してはほとんどが監督の演出によるものですが、1つだけ自分がその場で考えたものがあります。アドリブなのは、あの”GO!”の場面です」


「こんな風に視線を送って....」


「でもって、GO!」(会場大ウケ!!)


というような、とっても楽しいQ&Aでした。


クマラ・ヴァルマのファンの皆様、レポート完成まで今しばしお待ち下さいませ~~~(と、私の代わりに謝ってくれるスッバラージュ。眼福、眼福❤)。<つづく>


『バーフバリ 王の凱旋』クマラ・ヴァルマ役スッバラージュ舞台挨拶

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さて、前回の予告編に引き続き、6月29日@新宿ピカデリーでの舞台挨拶のレポートです。この日の絶叫上映は、クマラ・ヴァルマ役のスッバラージュの舞台挨拶がある、というわけで、ネット予約は開始直後の6月26日午前零時過ぎから「しばらくお待ち下さい」状態に。待ち番号が4桁で出てちょっとあせりましたが、零時15分ぐらいに無事取れました。その時点で、真ん中ゾーンはほぼ埋まっている状態でした。そして、当日を前にしてチケットは完売に。


絶叫上映では、最初に仕切り担当のV8J絶叫上映企画チームの皆さんが前説をやって下さるのですが、最初に行った時よりも前説がすっごくスムーズになっていて、この間の年月の流れ(ちょっと大げさ?)を感じました。それと、今回は「黙って見ててもいいんですよ~」と何度か繰り返して下さる配慮にも感謝。私のように、椅子に沈んでいたい人間もいるので、ありがたかったです。


V8Jの皆さんのコスプレも、毎回のことながら凄いですね。上はデーヴァセーナ2態なんですが、火桶を頭に乗せてらっしゃるデーヴァセーナ<現在>役の方は、囚われ人の髪型の上、きっと火桶を紐とかで頭にくくってらっしゃるからこのロングヘアなんでしょうね。暑いでしょうし、お疲れ様です~。


絶叫上映の参加者も回を追う毎に進化しているらしく、今回は、色が変わるサイリウムを使っての、場面毎の躍動色が違う表現が見事。タンバリンのリズム刻みと共に、すごいパフォーマンス! と感心しました。そして、上映が終わるといよいよゲストの登場です。V8Jの皆さんもホール内に入ってこられたのですが、階段の所で立ちっぱなしで見ておられました(お疲れ様です~)。上はピンがぼけてしまったのですが、カッタッパ発見!で思わず撮った1枚です。


さてさて、司会者が上手に会場を乗せてくれて、いよいよクマラ・ヴァルマ役のスッバラージュ登場です。「私が呼ぶより、みんなで呼びましょうか? ”スッブ!”で読んで下さいね」と司会者がうながし、「スッブ!」「うわー!」「ありがとう!」「カワイイ!」の大歓声の中、スッバラージュが姿を現しました。


通訳は松下由美さんです。司会者「こうやってファンの皆さんに会えて、どんなお気持ちですか?」


スッブ「本当に、私は幸せ者だと思います。本当に、本当にありがとうございます」


司会者「ほんとにカワイイですね」 スッブ「そう言われると、生まれたての赤ん坊になった気分です(笑)」通訳の松下さんとの身長差のため、彼女が訳してくれる司会者の言葉を聞こうとすると、スッバラージュは身をかがめなくてはなりません。そのしぐさが、実に「カワイイ」ので、会場はまた盛り上がります。


司会者「昨日は日本のファンと初めて触れ合い、今日も触れ合っているわけですが、昨日の夜はゆっくり眠れましたか?」 スッブ「皆さんとお話ができて、愛情をいっぱいいただいて、昨日はもう私の人生の中で最高の日でした。ですから、その思いを抱いていては、眠るなんてことはできなかったですね(会場大騒ぎ)」 スッブ「ありがとう、ありがとう。こんなに愛情をたくさん浴びてしまっては、眠ることなんてできませんから」

司会者「皆さん、彼のツイッターのフォロワーですよね?」 スッブ「ああ、そうだったのですか。実際に訪問して下さる皆さんに、今こうして会っているわけですね。日本のフォロワーの方が急に増えた時には、最初、何が起こっているのかわかりませんでした(笑)。これで、やっとわかりました」


司会者「なので、皆さん、今日は彼が箱根に行ったことは知ってますね?(歓声)箱根はいかがでしたか?」 スッブ「よかったですよ。日本のことはいろいろ聞いていて、行ってみたいなとはずっと思っていたんですが、休暇とかで訪れることができたらなあ、と思っていました。それが、皆さんが愛によって、私をここまで呼び寄せてくれました(歓声)。それはもう、身に余る幸せというか、自分の人生で今、ここにいられることをとても感謝しています。ありがとう(歓声)。そして来たかった理由の一つが、日本の新幹線に乗ることなんですね。今日、その夢が叶いました」


司会者「箱根にロマンスカーで行き、新幹線にも乗った、ということですね?」 スッブ「箱根にロマンスカーで行って、帰りに新幹線に乗ったのです」 司会者「富士山は見られたのでしょうか?」 スッブ「富士山はぼんやり見えていましたが、箱根は曇りで霧がかっていて、はっきりとは見られませんでした。だから、もう一度、桜の花が咲く頃に訪れようと思います(歓声)。その時には富士山も見たいし、京都も訪れたいですね。来年の3月か4月に戻ってきたいです(歓声)」 司会者「また、私たちと会って下さいね」 スッブ「もちろんですとも。ファンの皆さんの愛こそが、一番私にとって大事なものです。ツイッターで”日本に来ます”というのを皆さん、読んで下さったんですよね(歓声)」


司会者「皆さんからのご質問がたくさん寄せられています。まず最初は、”クマラはデーヴァセーナと結婚したかったのでしょうか?” そもそも、クマラとデーヴァセーナっていとこじゃないって聞いたんですが」 スッブ「インドでは伝統的に、結婚できる関係というのが交差いとこ(opposite cousinと聞こえましたが、普通はcross cousin。本人が男性なら、父方の伯母/叔母の娘=父の姉妹の娘、あるいは母方の伯父/叔父の娘=母の兄弟の娘がこれに当たる)なんですね。平行いとこ(direct cousin 父と同じ性別である兄弟、母の姉妹、の子供たち)は結婚できません。デーヴァセーナは私(クマラ)の交差従妹なんです。だから私は彼女を愛していたわけですが、でも...、プラバースが彼女を愛してしまって(爆笑)、ラーナーも愛してしまうし(爆笑)、ああなっちゃったんです(大爆笑)」


司会者「それに付随した質問が来ていまして、”バーフバリとデーヴァセーナが結婚した時、クマラは正直、どう思ったのでしょうか?”(大騒ぎ)」 スッブ「いやいや、違いますよ(笑)、私は自己を犠牲にしましたから。2人の結婚を見て、私も幸せでした」 司会者「またまた付随する質問ですが(笑)、”息子マヘンドラが生まれるのを、クマラも楽しみにしてたのでしょうか?”」 スッブ「もちろんです。何も含むところはなく、とても嬉しかったです」


司会者「次は、”『バーフバリ』の出演者の中で、特に仲のいい方はいらっしゃいますか?”」 スッブ「プラバースとラーナー、そしてアヌシュカとは、10年来のいい友人です。とても仲がよくて、よく会ってはふざけ合ったりしています」 司会者「プラバースさんには、来日することを話されましたか?」 スッブ「はい、もちろんです」 司会者「プラバースさんは何と?」 スッブ「”がんばって。君は日本ではスターなんだから。楽しんできてね”と言われました(歓声)」 司会者「こんなにたくさんの人が来ていたことを伝えて下さいね」 スッブ「もちろんです。今回のこの作品の成功というのは、プラバースさんに負っている面が強いと私は思っています。ですから、皆さんのこの愛もぜひ、間接的にではありますが、私が彼にお伝えしておきます。”バーフバリ・ジャイ・ホー”」(歓声「バーフバリ・ジャイ・ホー、クマラ・ヴァルマ・ジャイ・ホー」の声)

司会者「日本でクマラ・ヴァルマが人気だと聞いた時は、どうでしたか?」 スッブ「正直言うと、ショックを受けました。本当にショックで、信じられませんでした(笑)。日本という国で、まさかそんな風に自分が受け止められているとは、思いも寄りませんでした。本当にありがたいです」 司会者「素晴らしい演技のたまものですよね」 スッブ「私は自分の仕事をきちんとやっただけです。演技をしている時にはこれでいいのかな、と思っていたのですが、今、あの演技でよかったのだ、と確信することができました。今回皆さんとお目にかかったことによって、私はエネルギーをもらい、今は自分の中でエネルギーが満タンになったと感じています。今後も、いつも満点の演技ができるよう、一生皆さんを楽しませることができるよう、死ぬまで演じていくつもりです(大歓声)」

司会者「今回の映画の中で、アドリブでやられたシーンとかはあったのでしょうか?」 スッブ「現場では監督が展開を見ていていろいろ指示を出して下さいます。(すみません、このあと周囲の歓声がすごくて録音が聞き取れず...)馬車に乗って行く時に”GO!”と言うのですが、セリフのタイミングが合わなくて、あそこは私がアドリブでやったらOKになりました(大歓声)」ここのスッバラージュのポーズ写真は、昨日の記事をご覧下さい。大ウケに受けたので、気のいいスッバラージュはアンコールに応え、会場のどの角度からも見えるよう、ぐるっと半円を描きながら二度三度と「GO!」のポースをしてくれました。

で、時間が来てしまいました。スッブ「皆さんを愛しています。また、日本に帰ってきます、100%お約束します。本当にありがとう」


スッブ「私の役が気に入って下さった時には、ぜひ知らせて下さい。スワンボートに乗って、やってきますから」


ここでスッバラージュ、自分のスマホを取り出して、会場を写そうとします。会場は大騒ぎ!


これを最後に、スッバラージュは舞台を降りました。スッバラージュ、大歓声の中、姿を消します。


お疲れ様でした! また別の作品で、日本に来て下さいね。最後にカワイイ”おじぎ”姿をもう1枚。公式ツイッターでは「アリガトウゴザイマシタ」とおじぎをして下さる姿が見られます。さあ、皆さんからのおみやげ持って、インドへ”GO!”

『バーフバリ 王の凱旋』<完全版>、まだまだ絶賛上映中です。公式サイトをご覧の上、二度、三度と足をお運び下さい。 

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2018のアジア映画2本をお見逃しなく!

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今年も、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭が開催されます。毎年、意欲的な作品が集まるこの映画祭ですが、今年は香港国際映画祭で見て感動した韓国映画『最後の息子』と、フィリピン、韓国の共同製作である『ブリス、マイ・スウィート・ホーム』という2本のアジア映画が上映されます。映画祭の公式サイトはこちら、簡単なご紹介は以下の通りです。

『最後の息子』 作品紹介

2017/韓国/韓国語/124分/英題:Last Child/原題:살아남은 아이
監督:シン・ドンソク
出演:チェ・ムソン、キム・ヨジン、ソン・ユビン
上映:7.15(日) 11:00 @映像ホール/7.17(火) 20:30 @MOVIX川口/ 7.18(水) 17:00 @多目的ホール

『最後の息子(Last Child)』予告編 /SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2018国際コンペティションノミネート作品


『ブリス、マイ・スウィート・ホーム』 作品紹介

2017/フィリピン、韓国/フィリピノ語/74分/ドキュメンタリー/原題:God BLISS Our Home
監督:ナウルズ・パギドボン
上映:7.14(土) 17:00 @多目的ホール/7.17(火) 18:30 @MOVIX川口/7.18(水) 14:30 @映像ホール

『ブリス、マイ・スウィート・ホーム(God BLISS Our Home)』 予告編 /SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2018国際コンペティションノミネート作品


『最後の息子』のソン・ユビン、赤丸大推薦の有望株です。『隻眼の虎』(2015)の時から、ぐっと大人になりました。ブログの以前の記事もご参照の上、ぜひSKIP CITYまでお出かけ下さい。

 


七夕はヒョンビンと共に『スウィンダラーズ』で

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明日は七夕。ですが、日本列島は軒並みお天気が今ひとつのようです。こんな時はぜひ映画館へ。明日から公開される韓国映画『スウィンダラーズ』は、韓国映画がお得意とするコンゲームもので、ダマしダマされのジェットコースター的ストーリー展開で楽しませてくれます。特にオチがこれまでにない「スカッと!コリア」仕様になっており、「庶民をなめるんじゃねぇ!!」と溜飲が下がります。まずは、データからどうぞ。


『スウィンダラーズ』 公式サイト
2017年/韓国/韓国語/116分/原題:꾼
 監督:チャン・チャンウォン
 主演:ヒョンビン、ユ・ジテ、ペ・ソンウ、パク・ソンウン、ナナ、アン・セハ
 配給:クロックワークス
※7月7日(土)よりシネマート新宿ほか全国ロードショー

© 2017 showbox  and DOODOONG PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.

冒頭、投資詐欺に遭った人々が、その窓口となった男性を責め、男性は責任を感じて自殺する、という事件が登場します。ダマされる方が悪いとは言え、詐欺事件は多くの被害者ばかりか、時には犠牲者をも生み出していくのです。その後何年かたって、この事件の首謀者で、逃亡していた希代の詐欺師チャン・ドゥチルが死亡した、というニュースが流れます。しかしながら、亡き父(チョン・ジニョン/ゲスト出演)が凄腕の書類偽造専門家で、自分は詐欺師しか欺さないという信条を持つファン・ジソン(ヒョンビン)は、ドゥチョルは死んでいないと確信します。やがて、ドゥチョルを追う彼の事件の担当検事パク・ヒス(ユ・ジテ)や、詐欺師仲間のコ・ソクトン(ペ・ソンウ)、機器の専門家キム課長(アン・セハ)、美しい顔と肉体を武器に詐欺を働くチュンジャ(ナナ)と共に、ジソンはドゥチョルの行方を追っていきます。

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その追跡の中で、ドゥチョルの右腕と言われているクァク・スンゴン(パク・ソンウン)が浮かび上がってきました。ジソンはカジノの経営者という仮面をかぶり、投資をつのる形でスンゴンに接触していきます。チュンジャを使っての美人局(つつもたせ)作戦などあの手この手でスンゴンを責め立て、ドゥチョルが隠匿している財産を金に換えるにはジソンのカジノしかない、と思わせるのです。やがて巨額の隠し財産を引き受けて現金化してやると見せかけ、それをごっそりいただく作戦が開始されますが、検事パク・ヒスの動きが何やら怪しくなってきます。最後に笑うのは、いったい誰なのでしょうか....。

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いやはや、ストーリーを書こうとしてみると、物語中に詐欺の小ネタや大ネタがいっぱい埋められていることに気づき、もう一度見て、「ここが詐欺」「ここも詐欺」とマーカーで色を付けたくなってしまいます。ジソンの亡き父のエピソードも、最後にはアッと驚く事実が掘り出されて、観客も見事に欺されていたことがわかるなど、コンゲームの対象は観客にまで及んでいます。こんな複雑な脚本を書いたのは、監督のチャン・チャンウォン。長い間イ・ジュニク監督のもとで修業を積んだそうで、これが監督デビュー作だというから驚きです。『王の男』(2005)あたりから参加し、『ラジオスター』(2006)や『あなたは遠いところに』(2008)等の演出部で力を蓄えつつ、『楽しき人生』(2007)や『平壌城[原題]』(2011)では助監督としてイ・ジュニク監督に仕えた、というのですが、作風が全然違ってやしませんか? 『ビッグ・スウィンドル』(2004)のチェ・ドンフン監督の間違いでは? と思ってしまったほどです。

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一方、チャン・チャンウォン監督のトンデモ脚本によく応えて、出演者たちの演技とアンサンブルも見事です。ヒョンビンは街のチンピラという格好で姿を現したあと、カジノのオーナーに変身、髪をきれいになでつけたスーツ姿は別人28号で、それだけで怪しい臭いがプンプンしてきます。方やユ・ジテは、髪を七三に分けた三つ揃い姿はお堅い検事様(コムサニム)そのものなのですが、途中から軌道がどんどんズレてきます。とはいえ、「いい人」ユ・ジテには体から発散する悪の香りがちょい薄めで、そのあたりが本作の弱点かも知れません。

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それを補って余りあるのが、上写真前列の個性的な脇役3人、左からペ・ソンウ、アン・セハ、そしてナナ。これにパク・ソンウンが加わって、脇役の布陣は完璧です。ことにペ・ソンウとパク・ソンウンは、最近様々な作品で印象に残る役を演じており、だんだんとオ・ダルスやユ・ヘジンのレベルに近づいてきたような気がします。パク・ソンウンは、以前は「セノビー石井に似た人」と憶えていたのですが、最近は『華麗なるリベンジ』(2016)等でたびたび顔を見るようになり、名前を憶えてしまいました。今回は、ワイングラス片手に女性を口説く(というか口説かれる)かっこいいシーンもあり、一段と印象に残ります。アン・セハも、細面の多い男優陣の中で、1人四角形の顔にメガネという個性的な風貌のため印象に残り、なかなかの儲け役。女性グループ「アフタースクール」のメンバーであるナナもがんばっていて、チャーミングなシーンをいろいろ演出してくれています。

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韓国では、昨2017年の観客動員数第8位となった作品です。ヒョンビンにとっては、観客動員数第2位の『コンフィデンシャル 共助』と共に、主演作が2本もトップ10入りした記念すべき年となったわけですが、『コンフィデンシャル 共助』の北朝鮮から来たコワモテ警官がいかにもヒョンビンらしい役柄だとすれば、『スウィンダラーズ』の方はその殻を見事に破った作品と言えます。ファンの方もファンでない方も必見の本作、ぜひ劇場でご覧下さい。最後に予告編を付けておきます。明日の七夕は、皆様の彦星ヒョンビンとのデートをお楽しみ下さい!

あなたも必ず騙される! 『スウィンダラーズ』 予告



「異世界語入門~転生したけど日本語が通じなかった~」のスゴい世界

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初めて読みました、ライノベ。タイトルは「異世界語入門~転生したけど日本語が通じなかった~」で、著者はFafs F. Sashimiという、いかにもライノベ的な著者名の中でも異彩を放つ名前の人です。え、「ライノベ」がわからない? ひょっとして「ラノベ」派の方でしょうか。このどちらも「ライトノベル」の略称で、主として青少年向けに出ている、キラキラした表紙イラストに象徴されるキャラクター重視の小説です。まずは、「異世界語入門~転生したけど日本語が通じなかった~」の表紙を見ていただきましょう。


主人公は、ノート片手にペンを持ってうなっている八ヶ崎翠(やつがざき・せん)。異世界に転生したものの、周りの人が話す言語がまったくわからず、出会った人の助けを借りて徐々にその国の言語リバライン語を習得していきます。それを助けてくれるのが、彼の隣に描かれている白銀色の長髪の美少女シャリヤ。「ミ エス アレス シャリヤ、シャリヤスティ」というのが翠が初めて耳に捉えたリバライン語の文章で、そのあと文中では、リバライン語はその言語の固有文字で書き表されていきます。その文字は著者が作り上げたアルファベットらしく、一部キリル文字に似ていたりしますが、世界のどこにも存在しないような文字もたくさん混じっています。こうして、異世界で暮らして言語を習得していく翠の7日間が描かれるのですが、この異世界は対立する2勢力間の緊張状態が続いていて、翠もだんだんとその争いに巻き込まれていきます...。

ライノベ特有の表現も時々出現して、初体験の私などは面食らったりするものの、この「言語習得」の過程が実にスリリングで面白いのです。1日が終わる毎に、語学学習本の「この課のまとめ」みたいなものが出現し、翠になり切って言語学習すれば面白さも倍加するという仕掛けです。音声例がないのが残念ですが、リバライン語はローマ字のような音の並びと考えればいいようで、一部に付いているカタカナルビを参考にして、実際に声に出して学習することも可能です。そのリバライン語の文字が本書の帯についていますので、その画像も付けておきましょう。


リバライン語の右手に立つのが、ヒンゲンファール・ヴァラー・リーサという名前の図書館司書のお姉さんで、「ヒンヴァリー」と呼ばれることを好み、後半部分で重要な役割を果たします。とはいえ主人公は翠とシャリアのカップルと言ってよく、毎日最後に翠の「学習のまとめ」と共に、「Ex.1 sideシャリア」といったシャリア側から見たその日の記録も登場します。銃撃やら逃亡といった事件もいろいろ起こるのですが、何と言っても読ませるのは異世界言語習得の過程で繰り出される様々な翠のスキルです。さらに、翠自身の知識と、翠が地球で親しかった「インド先輩」というインドから関西に引っ越してきた人が傾けるうんちくとが随所で披瀝されていて、言語(学)好き、インド好き、アジア好きにはたまりません。言語マニアの方には、絶対に見逃せない1冊です。

実はこの本、著者から頂戴したのですが、なぜそんなことになったかと言うと、著者のお父様が私のインド研究者仲間なんですね。本書を読めば、「もしかして、あの先生??」という推察が働く方もインド映画ファンの中にはいらっしゃるかと思いますが、その息子さん、現在は関西の大学の学部学生なんです。この言語能力と知識力なら、大学院生か、もしかしたら言語学者のタマゴかしら、と思ってしまうほどなのですが、そう思うのは私だけではないようで、ご本人によると、「”本当に学部生なのか?”という言葉はよく色んなところで聞かされます」とのこと。こういうユニークな本のせいか、7月5日の発売以来早くも話題になっているようで、アマゾン沼での売り上げも好調とのことです。日本語の文章も達者で、時々ギャグもカマしてあってすらすらと楽しく読めます。ラストの部分がちょっと弱い感じもするものの、そう思うのは私がライノベのオキテを知らないからかも知れません。

この本を読みながら思い出したのは、前回の芥川賞受賞作である石井遊佳の「百年泥」。チェンナイつながりからの連想かも知れませんが、同じく言語に関連する内容ということでも頭の隅でチラチラしました。Fafs F. Sashimiの「異世界語入門~転生したけど日本語が通じなかった~」はあれほど饒舌ではありませんが、やがて豊かな言語世界を切り開いてくれる芽を内包している気がします。新しい小説誕生の瞬間を目にするためにも、ぜひ読んでみて下さいね。

<追記>おお、すでにウィキの記事まである! すごい人気なんですね。

 

ラオス初の女性監督マティ・ドゥーによる新感覚ホラー『Dearest Sister』上映&トークセッション

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国際交流基金アジアセンターの方から、お知らせをいただきました。メールで届いたお知らせをそのまま貼り付けます。


◇◆7月20日(金) 開催!ラオス初の女性監督マティ・ドゥーによる新感覚ホラー『Dearest Sister』上映&トークセッション◇◆ 
ゲストに「空族」の富田克也監督、相澤虎之助監督が登壇!

国際交流基金アジアセンターでは、ラオスから同国初の女性映画監督、マティー・ドゥー氏を招聘し、監督作品『Dearest Sister』の上映・監督トークイベントを開催いたします。
本作は初めてのラオス代表映画として2017年アカデミー外国語映画賞にも出品された話題作で、今回は新たな日本語字幕による特別上映となります。
作品では、ホラー的な演出の中にラオス社会が持つ課題や女性から見た現代ラオス社会の一面がリアリティを持って描き出されています。
当日のトークイベントでは、同氏がコ・プロデューサーとして制作にかかわった映画『バンコクナイツ』を制作した富田克也監督、脚本の相澤虎之助氏にもご登壇いただき、お話いただきます。
また、関連企画として映画美学校では“アジアにおけるホラー映画の潮流”と題し、マティー・ドゥー監督と篠崎誠監督による特別講義も行います。
20日(金)のイベントは入場無料、予約不要です。
ぜひこの機会に、お楽しみください。

■開催概要
『Dearest Sister』特別上映&トークセッション(入場無料|予約不要)
【日時】2018年7月20日(金)18:30~20:30(開場 18:00)
【会場】国際交流基金 ホール[さくら]
    ※定員130名
    ※映画は日本語・英語字幕あり、トークセッションは日本語で進行
【登壇者】
 マティー・ドゥー氏(『Dearest Sister』監督、『バンコクナイツ』コ・プロデューサー)
 富田克也氏(映画監督)
 相澤虎之助氏(映画監督、脚本家)
【プログラム】
 18:30 映画『Dearest Sister』上映(2016年、101分、監督:マティー・ドゥー)
 20:30 トークセッション
【主催】 国際交流基金アジアセンター
【プログラム等詳細】 HP
【お問い合わせ】アジアセンター文化事業第1チーム(担当:谷元、山野)03-5369-6140

■関連企画:「映画美学校マスタークラス」(特別講義|要予約)
映画美学校では、映画制作を志す方に向けて、マティー・ドゥー監督と篠崎誠監督による特別講義を行います。詳細・予約お申込みは映画美学校ホームページからお願いいたします。 
(概要)
7月25日(水)映画美学校 “アジアにおけるホラー映画の潮流”
 19:00 映画『Dearest Sister』上映(2016年、101分、監督:マティー・ドゥー)
 21:00 講義 マティー・ドゥー氏(映画監督)、篠崎誠氏(映画監督、立教大学教授)

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予告編を付けておきます。珍しいラオス映画、ぜひ7月20日のイベントにどうぞ。

Dearest Sister (Trailer) - A Shudder Exclusive


S.S.ラージャマウリ監督作『マガディーラ 勇者転生』8月31日(金)公開決定!

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テルグ語映画『マガディーラ 勇者転生』が、何と!8月31日(金)から公開されます。これは、『バーフバリ』2部作以前の2009年にS.S.ラージャマウリ監督が作って大ヒットさせた作品で、テルグ語映画歴代興収の第7位という成績を残しており、2015年に『バーフバリ 伝説誕生』が抜くまでは、テルグ語映画歴代興収第1位の座に長らく座り続けた人気作です。ツインさんが配給することは5月頃から決まっていた(そのため、「ユリイカ」の「バーフバリ特集号」などではすべてこの邦題で言及されています)のですが、それにしても8月末公開とはチョー早業ですね。インド映画ファンにとっては嬉しい限りです。とはいえ、まだ実際に作品を拝見していないので、宣伝担当の祭屋さんが配信して下さった文をそのまま掲載しておきます。

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まだまだ吹き荒れる怒涛の<バーフバリ旋風>、
さらなる熱狂と興奮のクライマックス!
『バーフバリ』スタッフ総結集で贈る、
もう一つの愛と復讐のスペクタクル・アドベンチャー!

 昨年末12月29日の公開以来、≪今映画館で上映されている映画で間違いなく一番面白い!映画≫として、噂が噂を呼び観客が主人公バーフバリの名前を叫ぶ《絶叫上映》も話題となって、半年を超えて驚異のロングラン・ヒット中の奇跡の映画『バーフバリ 王の凱旋』。S.S.ラージャマウリ監督の来日に続く6月1日公開の<完全版>も大好評で、クマラ・ヴァルマ役のスッバラージュ氏の緊急来日なども話題となり、既に全国興収2億2000万円を突破して現在も絶賛続映中。日本中に吹き荒れる“バーフバリ旋風”はとどまるところを知りません。
 その熱狂と興奮を受け、ついに『バーフバリ』2部作誕生の原点として、日本公開が待望されていたS.S.ラージャマウリ監督の傑作『マガディーラ 勇者転生』の劇場公開が決定いたしました。この映画は、2009年に4億ルピー(約6億万4000万円)という当時テルグ語映画史上最高の製作費を投じて製作され、本国では1000日を超えるロングランを記録した大ヒット作で、400年の時を越えた“運命の恋”がスケールの大きなアクションと共に描かれます。『バーフバリ』の原点ともいうべき史劇スペクタクルの見せ場も数多く、歌と踊りが満載の<マサラ・ムービー>としての楽しさも存分に味わえる傑作として高い評価を獲得、今も圧倒的な人気を誇るテルグ映画史上屈指の1本です。
 主演は、“スーパースター”ラジニカーントと並ぶ南インド映画界の伝説“メガスター”チランジーヴィの息子で、これが日本初登場となるテルグ映画のトップスター、ラーム・チャラン。ヒロインは『バードシャー テルグの皇帝』のカージャル・アグルワール、他に『あなたがいてこそ』のスニール、『ムトゥ 踊るマハラジャ』のサラット・バーブなどが出演。“メガスター”チランジーヴィのカメオ出演&迫力のダンスも必見です。
 監督・脚本のラージャマウリ始め、原案、撮影、音楽、編集などスタッフはほぼ全て『バーフバリ』2部作と同じチーム。4月の来日時、日本のファンの熱狂ぶりに感動したラージャマウリ監督は彼の代表作の1本でもある本作の日本上映を熱望、ラージャマウリ監督が帰国直後自ら再編集を行ったディレクターズ・カット国際版での上映となります。

『マガディーラ 勇者転生』
 2009年/インド/テルグ語/原題:MAGADHEERA/字幕翻訳:藤井美佳/日本語字幕監修:山田桂子
 
【物語】1609年、ウダイガル王国。近衛軍の伝説的戦士バイラヴァは、国王の娘ミトラ姫と愛し合っていたが、王国とミトラ姫を我が物にしようと企む軍司令官ラナデーヴの邪悪な陰謀により、非業の死を遂げる。400年後のハイデラバード、バイラヴァはバイクレーサーのハルシャという若者に生まれ変わっていた。ハルシャはある日、町で偶然にある女性の手に触れた途端、脳裏に前世の記憶が甦るが、その女性を見失ってしまう。やがてハルシャはミトラ姫の生まれ変わりインドゥと運命の再会を遂げるが、かつて二人の仲を裂いたラナデーヴも、インドゥの従兄弟ラグヴィールとして生まれ変わっており、再び悪逆非道な罠を仕掛けてくる…。

 監督・脚本:S.S.ラージャマウリ
 製作:アッル・アラヴィンド、B.V.S.N.プラサド 
 撮影:K.K.センティル・クマール 
 音楽:M.M.キーラヴァーニ
 出演:ラーム・チャラン、カージャル・アグルワール、スリハリ、デヴ・ギル、スニール、サラット・バーブ
 配給:ツイン

※8月31日(金)より新宿ピカデリー、なんばパークスシネマほか、全国順次ロードショー!

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YouTubeにはいろいろ予告編がアップされているようですが、日本版予告編ができるまでのつなぎとして、そのうちの1本を貼り付けておきます。ラージャマウリ監督、ここでも首落としのテクを使っていますね。でも、これなら「G」で大丈夫かと...。

Magadheera Official Second Teaser- Ram Charan Teja, Kajal Aggarwal, Srihari, Sarath Babu

 

HAPA HAPA@西荻でビーズとカンガ展

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以前にもご紹介しました、元「キネマ旬報」編集部岡崎さんのお店HAPA HAPA、今度はビーズとカンガ展です。うっかりしていてご紹介が遅れましたが、すでに昨日から、アフリカの様々なビーズ装飾品と、東アフリカで人々が身にまとっている原色の布カンガの展覧会が始まっています。ご案内のハガキの画像を付けておきましょう。

カンガに関しては、こちらこちらのサイトが詳しいので、予備知識を仕入れてぜひHAPA HAPAに現物を見に行って下さい。実はこのカンガ、インド西部グジャラート州の繊維工場で作られ、輸出されている製品もあるのだとかで、詳しく知りたい方はこちらの金谷美和先生の論文を読んで下さいね。そして、そういったグジャラートの繊維工場の実態を教えてくれるのが、7月21日(土)から公開のインドのドキュメンタリー映画『人間機械』(2017)。カンガらしい布は出てきませんが、サリー用の布やレースなど、布が生まれる現場がつぶさに見られます。こちらは来週、ぜひ映画館にお運び下さい。新しいチラシができましたので、貼り付けておきます。作品の公式サイトはこちらです。

 

 

 

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