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インド映画自主上映会:テルグ語映画『Bharat Ane Nenu』

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久しぶりに、インド映画自主上映会のお知らせをいただきました。Periploさん、いつもありがとうございます。今、日本で話題になっている『バーフバリ』と同じテルグ語の映画で、しかも監督はヒットメーカーのコラターラ・シヴァ。どんな映画を作った人なのかはあとでお話するとして、甘いマスクと立派なガタイの人気者、マヘーシュ・バーブが主演する『Bharat Ane Nenu』の基本情報をどうぞ。

『Bharat Ane Nenu(私、バラトは…)』

Bharat Ane Nenu poster.jpg

2018/テルグ語/167分/英語字幕
 監督:コラターラ・シヴァ
 主演:マヘーシュ・バーブ、キヤーラー・アドヴァーニー、プラカーシュ・ラージ
■料金:大人2,700円
■主催:インドエイガ・ドットコム   HP     予約

【上映1】
■日時:2018年4月21日(土)午後 3:30~
■会場:千葉県市川市、イオンシネマ市川妙典(アクセス
【上映2】
■日時:2018年4月22日(日)午後 1:30~
■会場:埼玉県川口市、スキップシティ(アクセス

予告編も付けておきましょう。

The Journey of Bharat | Mahesh Babu | Siva Koratala | DVV Entertainment | Bharat Ane Nenu Trailer

Periploさんによる、詳しい解説ページはこちらです。マヘーシュ・バーブは、昨年のゴールデン・ウィークに開催された「南インド映画」でヴェンカテーシュとのダブル主演作品『ジャスミンの花咲く家』(2013)が上映されたので、すでにお馴染みと言っていいでしょう。共演のキヤーラー・アドヴァーニーはこれまでヒンディー語映画に出演していた女優で、ヒンディー語Wikiの表記では「カーイラー・アードヴァーニー」になっていますが、これも昨秋のIFFJで上映された『M.S.ドーニー~語られざる物語~』(2016)でM.S.ドーニー選手の妻役を演じていました。さらに、プラカーシュ・ラージは日本にも熱心なファンがいる名脇役。見応えのありそうなキャストですね。

Mahesh Babu Bharath Ane Nenu Movie ULTRA HD Posters | Bharat Ane Nenu First Look WallPapers | Kiara AdvaniMahesh Babu Bharath Ane Nenu Movie ULTRA HD Posters | Bharat Ane Nenu First Look WallPapers | Kiara Advani

で、先ほど述べたコラターラ・シヴァ監督に戻るのですが、彼の監督作を並べてみると以下のようになります。

<コラターラ・シヴァ監督作品>
 2013 Mirchi(ミルチ、唐辛子)
    主演:プラバース、サティヤラージ、アヌシュカ・シェッティ

Mirchi Poster.jpg

 2015 Srimanthudu(金持ち)
    主演:マヘーシュ・バーブ、シュルティ・ハーサン
    ※テルグ語映画歴代興行収入第3位、つまり、『バーフバリ 王の凱旋』『バーフバリ 伝説誕生』2作に続くヒット作品

Srimanthudu poster.jpg


 2016 Janatha Garage(人民ガレージ)
    主演:モーハンラール、NTRジュニア、サマンサ・ルス・プラブ
    ※テルグ語映画歴代興行収入第8位

Janatha Garage poster.jpg

 2018 Bharat Ane Nenu(私、バラトは....)

『バーフバリ』の主要キャスト3人が揃って出演していた『Mirchi』、『バーフバリ』に続く歴代興収をあげた『Srimanthudu(金持ち)』と、コラターラ・シヴァ監督、まだ監督デビューして5年しか経たないというのに、ちょっとすごすぎますね。そんな監督が作った『Bharat Ane Nenu』、どうぞお楽しみに。




スペース・アーナンディ/インド映画連続講座:6月は「アイテム・ガールズ」

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インド映画連続講座は5月にもう一度「カージョル」のお話をしますが、それに続く6月のお知らせです。

§  §  §  §  §  §  §  §  §  §  §  §

スペース・アーナンディ/インド映画連続講座第Ⅱ期
「女優が輝くボリウッド映画の魅力」
<第5回>アイテム・ガールズ

 スペース・アーナンディでは、毎年1つのテーマで行う「インド映画連続講座」を開催中ですが、第Ⅱ期では女優を取り上げています。ディーピカー・パードゥコーン、プリヤンカー・チョープラー、アヌシュカー・シャルマー、カージョルと続いたあとの今回は、ちょっと珍しい試みとして、「アイテム・ガールズ」を取り上げます。
 「アイテム・ガールズ」とは、「アイテム・ナンバー」あるいは「アイテム・ソング」を演じる女優の総称です。「アイテム・ナンバー(ソング)」という呼称が定着したのは割と最近ですが、独立後映画が娯楽として大きな位置を占めるようになると、エンタメ要素として派手なソング&ダンスシーンが挿入されるようになりました。エロティックな要素も含むことから、清純なヒロイン役の主演女優ではなく、クラブのダンサー等を演じる脇役の女優が演じていました。それがいつの間にか「アイテム・ナンバー」と呼ばれるようになり、1990年代以降は主演女優やゲスト出演の著名女優が演じることも増えました。そんな歴史も辿りながら、歴代の「アイテム・ガールズ」と「アイテム・ナンバー」を見ていきます。

 なお、「女優が輝くボリウッド映画の魅力」では、講座と抱き合わせで「映画で学ぶヒンディー語塾」を開講します。一応順番に文法の要点を押さえていっていますが、毎回独立した内容なので、初めての方でも初心者の方でもノープロブレム。今回はヒンディー語の数字を取り上げますので、ぜひ30分の濃密なヒンディー語学習体験を味わって下さい。

 日時:2018年6月9日(土) 15:00~17:30 → このテーマは1回のみの開催です
 場所:スペース・アーナンディ(東急田園都市線高津駅<渋谷から各停で18分>下車1分)
 定員:20名
 講座料:¥2,500(含む資料&テキスト代)
 講師:松岡 環(まつおか たまき)

ご予約は、スペース・アーナンディのHP「受講申し込み」からどうぞ。ご予約下さった方には、ご予約確認と共に、スペース・アーナンディの地図をメール送付致します。床におザブトンをひいて座っていただく形になりますので、楽な服装でお越し下さい(申し訳ないのですが、スペースの関係上イス席はご用意できません。悪しからずご了承下さい)。皆様とお目にかかれるのを楽しみにしております。(松岡 環)

[講師紹介]
1949年兵庫県生まれ。麗澤大学、国士舘大学非常勤講師。大阪外大(現大阪大)でヒンディー語を学び、1976年からインド映画の紹介と研究を開始。1980年代にインド映画祭を何度か開催したほか、様々なインド映画の上映に協力している。『ムトゥ踊るマハラジャ』『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』『きっと、うまくいく』『pk』など、インド映画の字幕も多数担当。著書に、「アジア・映画の都/香港~インド・ムービーロード」(めこん/1997)、「インド映画完全ガイド」(世界文化社/2015/監修)など。

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上に付けた写真は、1950年代から1970年代まで、アイテム・ガールの女王的存在だったヘレンの伝記本です。今は、サルマーン・カーンの継母として、というかサルマーン・カーンの父の第二夫人として、時々映画に出たりもしながら静かな生活を送っているヘレンですが、かつてはその西洋人めいた容貌とセクシーな踊りとで観客を魅了しました。ヘレンの素晴らしいアイテム・ソングは数多くあるのですが、そのうちの一つ、『Don(ドン)』(1978)の中の「Yeh Mera Dil(この私の心は)」の画像を付けておきます。『DON 過去を消された男』(2006)のカリーナー・カプールと比べてみて下さいね。

Yeh Mera Dil - Helen - Amitabh Bachchan - Don - Bollywood SuperHit Item Songs [HD] - Asha Bhosle

ヘレンと同時代に活躍したのは、ジャヤシュリー・T、ビンドゥ、アルナー・イーラーニー、パドマー・カンナーら。ヒンドゥは『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』(2007)の後半に、新人女優の母カーミニー役で出てきたので、ああ、あの人、と顔を思い出す方も多いと思います。ところが1980年代に入ると、ヒロイン自身がそういったセクシーなダンスも担当するようになり、特にダンスの上手なマードゥリー・ディークシトなどは引っ張りだこに。マードゥリーの演じた中ではやはり『Tezaab(劇薬)』(1988)の「Ek Do Teen(1、2、3)」が印象に残っていますが、大ヒットしたこの曲は、最近も『Baghi(反逆者)2』(2018)の中で再び使われていました。あと、『Khalnayak(悪役)』(1993)の「Choli Ke Peeche Kya Hai(ブラウスの下には何がある)」も忘れがたいですね....。そう言えば、この映画ではシヴァガミ様ことラムヤ・クリシュナが、主題歌「Nayak Nahin Khalnayak Hai Tu(お前はヒーローじゃなくて悪役よ)」でアイテム・ガールとして、サンジャイ・ダットと踊っていたのでした。眼力の強さは、この時も今も少しも変わりません。

Nayak Nahi Khalnayak Hai Tu (MALE) - Khalnayak | Kavita Krishnamurthy & Vinod Rathod | Sanjay Dutt

やがて2000年代には、トップ女優たちがゲスト出演してアイテム・ナンバーを演じるのが普通になってきます。そんな中で、この人こそアイテム・ガールの代表、と言えるのは、マライカー・アローラー。『ディル・セ 心から』(1998)や『ダバング 大胆不敵』(2010)など、いくつものアイテム・ソングが、彼女の魅力で心弾むシーンとなって残っています。そんなこんなのアイテム・ナンバーをご紹介しながら、アイテム・ガールズの存在の変遷を辿っていきます。

なお、今回のポスタープレゼントは、アイテム・ガールやアイテム・ソングのシーンをフィーチャーしたポスターがないため、何と!『バーフバリ 伝説誕生』のインド版ポスターとなります。6月1日(金)には『バーフバリ 王の凱旋』の完全版が公開されることでもありますので、記念の特別プレゼントということで、「アイテム・筋肉ボーイズ」(^^;)のポスターとなりますがご了承下さい。


『ダンガル きっと、つよくなる』と劇場で再会&応援上映会アンコールのお知らせ

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『ダンガル きっと、つよくなる』を都内の劇場で見てきました。本当は、たくさん観客のと共にレディースデーに見たかったのですが、水曜日は残念ながら行けず、次の日のお昼の回になりました。少ないかなあ、と思っていたら、チケット売り場でまず「通路側のお席はほとんど埋まっていますのでご了承下さい」と言われ、ちょっとびっくり。結局、前から4番目の通路側の席しか取れなかったのですが、中に入ってみるとどの列の真ん中部分もある程度埋まっていて、嬉しくなりました。観客の年齢層は幅広く、30歳前後のプロレスが好きそうなガタイのいいお兄さんから、熟年世代のご夫婦や、シニア割引の効きそうな女性(私もそうです)の方まで。平日の昼間とあってか、女性のお一人様も結構いらしたようです。

(c)Aamir Khan Productions Private Limited and UTV Software Communications Limited 2016 

映画が始まっての観客の反応は、子供時代のシーンで何度か笑い声が起き、大人になってからのシーンでも、オムカルのトホホぶりとかで笑いが起きていました。また、レスリングの試合シーンは場内緊張、というか、私自身が手に汗握ってしまい、周りの反応など気にしている暇がありませんでしたが、同じベクトルが画面に向いている感じだったので、皆さん集中してご覧になっていたようです。で、緊張がほどけたエンドロール、確かにしゃくりあげるような流れ方ですね。これまでマスコミ試写とかで見ていた時はあまり気にならなかったのですが、大画面で前から4番目の席で見ると、流れ方が気になりました。涙腺はやはり、ギータが勝利してバビータがマットに上がった時に決壊。でも、以前見た時ほど涙は出なかったので、そのあとバビータがレフェリーに、「そろそろお姉さんから離れて下に降りなさい」と身振りでうながされているのがわかったりしました。試合シーンはどの場面も、ぐっと肩に力が入ってしまいますね。

(c)Aamir Khan Productions Private Limited and UTV Software Communications Limited 2016 

試合シーンで得点ポイントを挙げた時に、「ギータ、××、ナオミ××」とかいうアナウンスがよく出てきたと思いますが、字幕と点数ボードに数字が出ているので、ヒンディー語の数字を聞き取れるようになった方もいらっしゃるかと思います。ちょっとここで、ヒンディー語の数字0~6の発音を書いておきましょう。    

<ヒンディー語の数字>
  0 シューニャ
  1 エーク
  2 ドー
  3 ティーン
  4 チャール
  5 パーンチ
  6 チェー

というわけで、アナウンサーは「ギーター、ティーン、アンジェリーナ、シューニャ(ギーター3点、アンジェリーナ0点)」とか言っているわけですね。英語で「ゼロ」と言っている時もありましたが、基本ヒンディー語の数字でしゃべっています。この機会に、ぜひ憶えてみて下さい。

(c)Aamir Khan Productions Private Limited and UTV Software Communications Limited 2016 

ところで、幼いギータとバビータが体を作るために禁止された食べ物、パーニープーリーですが、銀座にあるインド料理店「ダルマサーガラ」から先日届いた案内ハガキによると、期間限定で食べられるようです。ハガキには「パニ プリ(ポテトとひよこ豆入りのミニプーリー、冷たいハーブスープ付き)」とあって、お値段も864円(税込み)とリーズナブル。ゴールデン・ウィークの3日間だけの特別料理みたいなので、「ダルマサーガラ」HPで提供される日にちをご確認の上、「♫ダンガル・ダンガル♫」と歌いながら食べにいらしてみて下さいね。

『ダンガル きっと、つよくなる』は5月に入ってから公開される映画館もたくさんあります。桜前線ならぬ「ダンガル」前線、あなたの街へも近づいていますよ。...と書いていたら、たった今、ギャガの方から「来週の金曜日に『ダンガル きっと、つよくなる』の応援上映2回目を実施致します! 明日よりチケット発売開始になりますので、ぜひ宜しくお願い致します!」とのメールが!! というわけでアドレスを付けて下さった公式サイトを覗いてみたら....おおぉ~~~、なお知らせが載っていました。とりあえず、ここに貼り付けてしまいます。「おおぉ~~~」の箇所は、赤字にしておきました。

★  ★  ★  ★  ★  ★  ★

★応援上映会“応援すればもっと、つよくなる” アンコール緊急決定!★

発声可能!コスプレOK!タンバリン・鈴の使用可能!
入場者特典として非売品プレスシートを特別にプレゼント!また、入場者の方の中から抽選で日本版サウンドトラックをプレゼント致します!
ギータ、バビータ姉妹の成長、父マハヴィルの挑戦をみんなで応援して奇跡の大逆転をいっしょにつかもう!

【日時】4/27(金) 19:30の回
【会場】TOHOシネマズ 日比谷
【入場者特典】非売品プレスシート(全員)、 他抽選プレゼントも!

<料金>
通常料金
<チケット購入方法>
○4/21(土) 00: 00(4/20金24: 00)からTOHOシネマズのインターネットチケットvitにて発売します。
○4/21(土) 劇場オープン時から劇場窓口にて発売(※残席ある場合のみ)

<禁止事項・注意事項>
※タンバリン・鈴以外の楽器の使用は禁止です。
※座席の上に立ち上がる、登るなどの行為、スクリーン前の占拠、長時間のスタンディングなど、他の観客の観劇を妨害する行為はお断りします。
※上映中劇場内を走るなどの危険行為、他の観客へのヤジや妨害、前の座席を叩く、蹴る等、直接不快感を与える行為、性的な表現や差別的な表現を含む発声はおやめください。
※紙くず、飲食物をまき散らす等、劇場を汚す行為、顔以外へのペインティングは禁止です。
※鋭利な金属、固い突起などがついた衣装の着用、その他危険と判断される行為の禁止。
※当日スタッフの指示に従っていただけない場合は退場いただく場合がございます。
※お着替え場所のご用意はございません。お手洗い等でのお着替えはご遠慮ください。

協力:V8japan絶叫上映企画チーム twitter@V8japan

★  ★  ★  ★  ★  ★  ★

ギャガさん、「パンフ、ないのぉ(泣)」という声に応えて、ついにやってくれましたね。今回プレゼントされるのはマスコミ試写の時配られたプレスシートで、早い段階で作られたためちょっと間違いもあるのですが(それとも、訂正されてるのかな?)、あれがあれば映画鑑賞後の余韻に浸れます。今回だけの特別プレゼントだと思いますので、ほしい方はぜひ今回の応援上映にGo! チケット争奪戦に勝て! ♫ダンガル・ダンガル、ダンガル・ダンガル♫

 

 

マジッド・マジディ監督のインド映画『Beyond the Clouds』インドで公開

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マジッド・マジディと言えば、日本にもファンが多いイランの監督です。『運動靴と赤い金魚(原題:Baccheha-ye-Asmaan/英題:Children of Heaven)』(1997)や『太陽はぼくの瞳(原題:Rang-e-Khoda)』(1999)など、日本公開作も多いのですが、その彼がインド人俳優を使ってムンバイで撮影したインド映画『Beyond the Clouds(雲の彼方に)』が、昨日からインドで公開中です。マジッド・マジディはこの作品の前に、アジアフォーカス福岡国際映画際2016でも上映された『予言者ムハンマド』(2015)をイランとインドの合作で作っており、その流れから、『運動靴と赤い金魚』を元にしたインド映画を製作することになったのでは、と思われます。作品データは次の通りです。

Beyond The Clouds - Poster.jpg

『Beyond the Clouds(雲の彼方に)』
 2017年/ヒンディー語/120分
 監督:マジッド・マジディ
 主演:イシャーン・カッタル、マーラヴィカー・モーハナン、ゴゥタム・ゴース、タニシュター・チャテルジー

音楽は、『預言者ムハンマド』と同じくA.R.ラフマーン。下に予告編を付けておきますが、『運動靴と赤い金魚』とは、ちょっとストリーを変えてあるようです。また、キャスト表を見た時は別人かと思ったのですが、ベンガル語の映画監督で『渡河』(1984)などアート系作品をたくさん世に出しているゴゥタム・ゴース(1980年代に日本に彼の作品を紹介した時は「ゴータム・ゴース」と表記したのですが、「ゴゥタム・ゴース」に改めました)が俳優として出演しています。

Beyond The Clouds | New Trailer | Ishaan | Malavika | Majid Majidi | Releasing 20th April

『Beyond the Clouds』はそういったこと以外にも注目されています。それは、主演のイシャーン・カッタルがこのすぐ後、7月20日に公開される予定の『Dhadak(ダラク/鼓動)』にも主演しており、共演者が亡きシュリーデーヴィの長女ジャーンヴィー・カプールだからなのです。イシャーン・カッタルも大スターではないものの、父も母も俳優で、母が前の結婚で生んだ兄はあのシャーヒド・カプールという映画界とはつながりの深い人物です。ちょっとややこしいのですが、血縁関係はこうなっています。 

1975年 男優パンカジ・カプールと女優ニーリマー・アジームが結婚
1981年 シャーヒド・カプール誕生
1984年 パンカジ・カプールとニーリマー・アジームが離婚
1988年 パンカジ・カプールが女優スプリヤー・パータクと結婚
1990年 ニーリマー・アージムが俳優ラージェーシュ・カッタルと結婚
1995年 イシャーン・カッタル誕生
2001年 ニーリマー・アージムとラージェーシュ・カッタルが離婚

インドの映画界は、ボリウッドだけでなく、他の映画界もいろいろ人のつながりが複雑です。ともあれ、そのイシャーン・カッタルの本格的デビュー作が『Beyond the Clouds』であるため、マスコミの注目度も高い、というわけなのでした。なお、『Dhadak』もマラーティー語のヒット作『Sairat(野性的)』(2016)のリメイクだとかで、どうもボリウッド映画界は新味に欠ける映画作りが続くようです...。

Dhadak 2018 film.jpgDHADAK.png


これぞクール・ジャパン! シネマ歌舞伎『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』

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先週試写で、とっても素敵な日本映画を見せていただきました。松竹が作っている「シネマ歌舞伎」シリーズの最新作で、市川染五郎(撮影当時。現、松本幸四郎)の弥次さんと、市川猿之助の喜多さんが活躍する『東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ) 歌舞伎座捕物帖(こびきちょうなぞときばなし)』です。「シネマ歌舞伎」のシリーズは、2005年1月15日に公開された『野田版 鼠小僧』(演出:野田秀樹/出演:中村勘三郎、坂東三津五郎)から始まって、2018年1月13日に公開された第30弾『京鹿子娘五人道成寺/二人椀久』(出演:坂東玉三郎、中村勘九郎、中村七之助、ほか)まで、途中ちょっと間が空いたりしながらも、年2、3本のペースで作られ続けてきました。歌舞伎で上演されたすべての演目が「シネマ歌舞伎」になっているわけではないのですが、外部の演出家が起用された斬新な狂言を中心に、多くの演目がスクリーンに焼き付けられています。


今回「シネマ歌舞伎」化されたのは、2017年8月の歌舞伎座公演の『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』。つい、「昔の名前で呼んでます」になってしまうのですが、亀ちゃんと染ちゃんこと、市川猿之助と松本幸四郎が普段とは違うトボけた顔と演技を見せてくれる『東海道中膝栗毛』の第二弾で、その前年2016年8月の公演『東海道中膝栗毛(やじきた)』もシネマ歌舞伎化されています。まずは、出演者やおおまかなストーリーを知っていただくために、チラシを貼り付けてしまいましょう。

チラシでは字が小さくて見にくいかも知れないので、映画のデータとあらすじ等を付けておきます。

          

シネマ歌舞伎『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』

■2018年/110分
■製作・配給:松竹
■公開日:2018年6月9日(土)
■公開情報:東劇ほか全国56館で公開
■料金:一般当日2,100円/学生・小人1,500円
    特別鑑賞券(ムビチケカード 公開前日まで販売):1,800円
公式サイト 

■作品紹介
《口上》
歌舞伎座の夏芝居の風物詩として好評を博してきた『東海道中膝栗毛』。
平成二十八年歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」ではお伊勢参りの途中でラスベガスにまで行ってしまうという新たな弥次喜多の物語が上演され話題となり、翌年にはシネマ歌舞伎として公開されました。
そんなお馴染みの二人が活躍する今回の物語は歌舞伎座で殺人事件に巻き込まれていく推理劇!
弥次さん喜多さんのお騒がせコンビが奇想天外な謎に挑む、"やじきた"初のミステリーを映画館の大スクリーンでお楽しみください。

《あらすじ》
お伊勢参りから江戸へと戻った弥次郎兵衛と喜多八。
伊勢までの道中で一文無しとなった二人は、仕方なく歌舞伎座でのアルバイトを再開します。
劇場では連日大入り満員で芝居は大盛り上がり。
しかし、舞台裏では俳優の悪い噂が流れ不穏な空気が。
一方、弥次喜多の二人は相変わらずの失敗続き、怒られてばかりの日々。
そんなある日、舞台で殺人事件が発生! 弥次喜多の二人は犯人として疑われてしまい…

         

以前、「極付印度伝 マハーバーラタ戦記」の時には詳しい鑑賞レポートを書いたのですが、今回はそれはご覧になってのお楽しみ、ということで、ちょこちょこっとさわりだけ書いておきましょう。冒頭は、いなせな大道具係の棟梁(中村勘九郎)が出てきて、歌舞伎っぽく話が進むかと思いきや、前作で最後に花火に吹き飛ばされてボロボロの格好になった弥次さん(市川染五郎)と喜多さん(市川猿之助)が、歌舞伎座へと吹っ飛んで来ます。ここの宙乗りが、まず迫力満点。

©齋藤芳弘、松竹株式会社

続いて、旅姿の少年剣士2名(松本金太郎(現、市川染五郎)と市川團子)が登場すると、楽屋ネタがいろいろ出てきて笑わせてくれます。ご存じのとおり&現在の名前からもわかるように、松本金太郎は弥次さん役の市川染五郎(現、松本幸四郎)の息子で、もう一人の市川團子は市川中車、つまり香川照之の息子。喜多さん役の市川猿之助は、お父さんである市川中車の従弟にあたることから、これも親戚関係にあります。そういった関係が下敷きとなって、喜多さんがギャグをかましてくれるのです。この少年剣士2名は、その後も推理の冴えを見せてくれたりと結構出番があり、そのさわやかさで父親世代を喰ってしまっていました。そうそう、市川中車もエグいご面相の座元役で出演しているのですが、役名が何と「釜桐座衛門(かま・きりざえもん)」。これを同心らが「かまきり」と呼ぶもので、そのたびに「かま・きりざえもんにございます」と訂正する、というギャグも入ります。これも、某テレビ局の「香川照之の昆虫すごいぜ!」が元ネタなわけですね。「かまきり」なだけに、喰われるのも致し方なし、というところでしょうか。

©齋藤芳弘、松竹株式会社

そして、舞台上の歌舞伎座で通称「狐忠信」の舞台稽古が始まりますが、次から次へと人が死んでいき...というわけで、弥次さん喜多さんの二人が奉行所同心を助けて事件解決に乗り出します、というかそんなにカッコいいものではなくて、二人がわあわあ言っているうちにやがて容疑者は2人にしぼられます。そこで登場するのが、何とも意表を突く「どちらを取り調べまSHOW」というショー仕立てのイベント。チラシの裏面の一番上に出ている写真や下の写真がそうなのですが、AとBの小舞台に容疑者をそれぞれ立たせ、どっちを取り調べるかを客席の拍手で決めようというものです。このイベントを始め、いろいろ斬新なアイディアが出てくるのがこの演目の素晴らしいところで、これは構成を担当した杉原邦生のアイディアによるものではないかと思われます。それを市川猿之助が、もう一人の脚本家と共に脚本に仕立て、猿之助が演出も担当しています。

©齋藤芳弘、松竹株式会社

実際の歌舞伎座の舞台も素晴らしかったのだろうと思いますが、「シネマ歌舞伎」のいいところは、様々な映画的処理で舞台をさらに立体的に見せられるところ。今回も、舞台真下からのあおりの構図で撮られたカットがあったり、ロングショットとアップとをうまく使って芝居のリズムを加速させるなど、映像ならではの処理で楽しみが倍加していました。これまでにも「シネマ歌舞伎」は、『連獅子/らくだ』(2008年/「連獅子」監督:山田洋次/出演:中村勘三郎、中村勘太郎、中村七之助、「らくだ」演出:榎本滋民/出演:中村勘三郎、坂東三津五郎)、『海神別荘』(2012年/演出:戌井市郎、坂東玉三郎/出演:坂東玉三郎、市川海老蔵)等々何本か見てきたのですが、『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』は一番映像化に向いている演目では、と思いました。宙乗りの撮り方にもう一工夫あれば、さらに迫力が増したと思います。と言っても、歌舞伎座でドローンを使うわけにもいきませんが...。

©齋藤芳弘、松竹株式会社

「シネマ歌舞伎」はいくつかDVD化されているものもあります。また、松竹の方にうかがったところによると、海外での上映も、全部ではないものの、何本かが英語字幕で上映されているとか。いやいや、これこそまさに「クール・ジャパン」を発信するのにはドンピシャの素材です。「これがカブキ?!」と海外の人々を驚かせるに違いありません。英語字幕付きDVDを販売して下さったら、海外の映画人へのおみやげに絶対買っていきますとも(その時は、もち、リージョンフリーでお願いします)。海外の衛星放送テレビとかにも売れるコンテンツではないでしょうか。前述の「極付印度伝 マハーバーラタ戦記」なら、インドに売れますよ、絶対。

©齋藤芳弘、松竹株式会社

とまあ、あれこれ妄想が広がってしまった『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』でしたが、6月9日(土)から全国公開です。ご興味がおありの方、ぜひご覧になってみて下さいね。


『バーフバリ』のS.S.ラージャマウリ監督ついに来日!(上)

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『バーフバリ 伝説誕生』(2015)と『バーフバリ 王の凱旋』(2017)の、S.S.ラージャマウリ監督とショーブ・ヤーララガッダ・プロデユーサーが来日しました。すでに公式ツイッターでどんどん滞在中のご様子が報告されていますが、本日は新宿ピカデリーで『バーフバリ 王の凱旋』(インターナショナル版)の絶叫上映が2回行われ、1回目終了後と2回目の始まる前に、お二人が舞台挨拶を行いました。その様子が取材陣にも公開されましたので、勇んで行ってきました。本日は、その時のご報告です。


絶叫上映は満席で、最後まで大盛り上がり。ただ、この国際版はエンドロールが非常に短いため、余韻に浸る間もなくすぐにイベントの準備です。マイクテストあたりから、会場にはもう、抑えきれない興奮が漂っていました。では、舞台挨拶の全記録をどうぞ。 

MC:八雲ふみねさん

 

MC:盛り上がってますかー、皆さん。今、上映の最後の方だけ見たのですが、いやー、すごいですね、鳴り物とかが。ということで、今日もたっぷりと皆さんに王を称えていただきました。その熱い声がついにインドまで届きました!(歓声)今日、こちらの会場には、インドから駆けつけて下さいましたこの映画の創造神がお越し下さっています。みんなでさらに称えて参りましょう!(歓声)皆さん、もう準備は整ってますよね? それではさっそくお呼び致しましょう。12月29日の公開から間もなく4ヶ月に及ぶロングランとなります。そして、来る6月1日からは、<完全版>の公開も控えて(歓声)さらに話題沸騰の大ヒット作、『バーフバリ 王の凱旋』の生みの親、S.S.ラージャマウリ監督、そしてプロデューサーのショーブ・ヤーララガッダさんです。どうぞ大きな拍手でお迎え下さい!(大歓声、主題歌が流れる中、お二人が登場)

 

MC:通訳は松下由美さんです、よろしくお願いします。それではまずお二人より、ひと言ずつご挨拶をお願いします。 

監督:インドから”ナマステ”、”コンバンハ”は日本から(大歓声)。ここ、日本にいるなんて、本当に夢みたいな気分です。私はツイッターで、こういった絶叫上映の映像を何度か見ましたが、実際にここに来て、皆さんと一緒に皆さんの絶叫を体験してすごく楽しかったです。心から、御礼を言います(大歓声)。

 

プロデューサー:こんばんは、日本、こんばんは、東京! ここにこられてとても嬉しいです。私もツイッターの映像を全部見ていて、それをリツイートしたりしていました(笑)。それを体験できて、びっくりしましたし、素敵だなあと思いました。本当にありがとう!(歓声)

 

MC:皆様にお願いですが、本日、撮影はOKですけれども、ここからはフラッシュの撮影はご遠慮願います。それでは、まず、監督に伺いたいのですが、この『バーフバリ』二部作、私たちは大好きなんですが、この企画の発端について、まずはお聞かせいただけますか? 

監督:難しい質問ですね。というのも、答えがすごーく長くなってしまうからです(笑)。この中の何人の方がご存じかは知りませんが、私の父が本作のストーリーを書いたのです。父は本作のキャラクター、シヴァガミ、カッタッパ、バラーラデーヴァ、そしてバーフバリを作り上げ、私にそれぞれのキャラクターについて話して聞かせてくれました。そのキャラクターがいずれも非常に強烈だったので、私はそれを元にして映画を作ったわけです。

 

MC:こんなに壮大なストーリーになるとは、最初から思ってらっしましたか? もともとこれは、二部作としてのプロジェクトだったのでしょうか? 

監督:ストーリーの全体を聞いた時から、これは長い映画になるな、とは思いました。映画の尺が長くなることがわかったので、二部作にしないといけないと思ったのです。でもその時は、2作の完成までに5年もかかるとは思いませんでしたし(笑い)、さらには製作費が45億ルピーもかかるとは思いませんでした。もし、映画を作る前にこれがわかっていたら、プロデュ-サーは製作を開始しなかったでしょうし、私に映画を撮るお金を1ルピーだってくれなかったと思います(笑)。

 

MC:いやー、でも、期待に違わず素晴らしい作品になりましたよね、皆さん(歓声)。では、続いてショーブさんに伺いたいのですが、2作で43億ルピー、約73.5億円、これはインド映画史上最大ということなんですが、それだけの資金を集めるのは相当ご苦労もあったでしょうね。 

プロデュ-サー:1作目に投資してもらうのが難しかったですね。2作目はずっと楽でした。1作目はハイダラーバードにある大きな撮影所、ほとんどの映画を支援してくれているラモージー・フィルム・シティという撮影所が多額の投資をしてくれました。クレジットでセットを使わせてくれ、家具等の大道具も準備してくれたんです。そのほか、個人投資家からも出資してもらい、またプリセール(映画の権利を映画の完成前に売ること)でも資金を得ました。それができたのも、監督するのがラージャマウリ監督であり、主演がプラバースだからです。二人ともすでに有名で実力もあると知られていたので、映画の権利を買ってもらいやすかったのです。

 

MC:皆さんの期待も大きかった、ということですね。本当に役者さんたちが魅力的で、きれいで、素敵なお芝居を披露していらっしゃるんですが、キャスティングはどのように決めていかれたのでしょう? 

監督:今おっしゃったように魅力的な俳優たちばかりですし、一大プロジェクトになるわけで、私はちょっと一計を案じました。主演俳優たちそれぞれにストーリーを語り聞かせる時は、その役柄の視点から語って聞かせたんです。そうすると聞いている方は、この映画の主人公は自分なのだ、と思ってしまいます(笑)。そして、いざ映画が公開される時になって、主演俳優たちは全員の役柄がわかるわけですが、それまでは自分が騙されているとは全く思わなかったんですね(笑)。

 

MC:監督、さすがですねえ(笑)。でも、それぞれのキャラクターが確立しているので、全員が主役というのも確かに、さもありなん、ですよね。思わぬところにご苦労があったんですね。日本ではこのように、絶叫上映と言うことでまだまだ盛り上がっていて、監督とプロデュ-サーには本日ご覧いただきましたが、インドで実際に上映された時には、観客の皆さんの盛り上がりはどんな感じだったのでしょう? 

監督:インドでは大多数の人にとって、映画は社会的な娯楽の中心的存在です。ですから映画が公開された時には、観客はものすごく騒いで、台詞も全然聞こえないぐらいです(笑)。彼らはいろんなもの、スパゲティなどを空中に投げ上げますから、何も見えなくなります(笑)。映画料金に高いお金を払うのに、何も見えないし、何も聞こえないということになるのです(笑)。インドの観客はいろいろ叫ぶのですが、聞いていて何を叫んでいるのか全然わかりません(笑)。ところが日本では、初めて私も見たのですが、大きな音が出ているのに全部統一が取れているのです。こういうのは人生で初めてで、御礼を言いたい気持ちです(歓声)。

 

MC:インドまで届いていたんですね。ショーブさんにうかがいたいのですが、インドでは日本みたいに、キャラクターになりきってコスプレしているお客様とかはいらっしゃるんですか? 

プロデューサー:ノー(笑)。こうやってたくさんの方がキャラクターになりきってらっしゃるのを見るのは素晴らしいですね。インドでは、コミコン(コミケのようなもの)で見られるぐらいで、映画館ではまず、見たことはありませんね(笑)。

 

MC:日本独自の文化でしょうか。監督に最後にうかがいます。6月1日から公開される完全版の、見どころをぜひうかがいたのですが。 

監督:はい、そうですね。インターナショナル版とこれから公開される<完全版>は、私にとっては、どちらかを選べと言われるととっても困ってしまう存在です。例えば、息子さんと娘さんのどひらが好きですか、と聞かれるようなものですね。どちらもいい子ですからね。ここにいらっしゃる皆さんのほとんどは、すでにインターナショナル版を楽しまれたと思いますが、これから公開される<完全版>は、それぞれの感情をさらに引き延ばしてくれる、という感じです。楽しいと思ったところはさらに長くなり、キャラクターの強烈さもさらに長く感じることになるでしょう。インターナショナル版と同じくらい、楽しんでいただけることは確かです(歓声)。

 

MC:ファンの皆さんからは続編がみたい、という話があるんですが、その辺はいかがでしょう? 

監督:(笑いながら)そうですねぇ。私たちが『バーフバリ』の製作を始めた時は、偉大なストーリーだから映画にしよう、と思って始めたのです。その時までに自分たちは一種狂気のようなものに捉えられていました。この映画を作らなくちゃ、と夢中になっていたのです。ですが、2本の映画が成功し、皆さんが我々にたくさんの愛情と支持を下さってみると、かつての狂気は消え失せてしまい、我々はごくごく当たり前の人間に戻りました。ですので、次の映画を始めるためには、優れたストーリーが必要なんですね。

 

MC:いいストーリーが浮かぶことを期待しています。 

監督:ありがとう。

 

MC:ありがとうございます。それではここからはフォト・セッションに移らせていただきますが、V8Japanマヒシュマティ特別応援団の皆さん、どうぞステージに起こし下さい。

 (すごいですねー、コスプレの皆さん。監督もプロデューサーも、とっても嬉しそうです)

MC:では、最後に監督から、もうひと言メッセージを頂戴したく思います。

 

監督:皆さんを置いてこの場を去りたくないですね。もう一度言いますが、たくさんの支持と愛情をありがとうございました。我々は外国を訪れると、贈り物やら思い出深い瞬間を持ち帰る訳ですが、今回は皆さんの愛情と思い出を持って、帰国したいと思います。本当にありがとう(歓声)。

(と、ここで何と監督がセルフィーを!)


(お茶目な方ですね~。でも、きっと、監督のツイッターとかにこの会場の様子がアップされたに違いありません)


こうして楽しかった20分あまりの舞台挨拶はあっという間に終了しました。聞くところによると、本日は10社ほどの媒体のインタビューを受け、その後の2回の舞台挨拶と、本当にハードスケジュールだったのでした。(つづく)

 

『バーフバリ』のS.S.ラージャマウリ監督ついに来日!(下)

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さて、舞台挨拶を終えたS.S.ラージャマウリ監督とショーブ・ヤーララガッダ・プロデューサーは控え室へと引き上げてきます。新宿ピカデリーには、ちょっと狭いけどきれいな控え室が複数あって、すぐそばにはトイレも備え付けられているなど、ゲストにとってはありがたい設計になっています。私は今回、配給会社のツインさん、宣伝を担当している祭屋さん、そして宣伝隊長の江戸木純さんにご無理をお願いして、どうしても聞きたいいくつかの質問を監督にさせていただくために、控え室にお邪魔したのでした。休憩時間に申し訳ない、と思いつつうかがったら、監督はオフィシャル写真撮影の真っ最中。場所が狭かったのでオフィシャルのカメラマンが苦労して撮影していたのですが、『バーフバリ 王の凱旋』のポスターと一緒に撮ろうとすると、どうしても天井光がポスターに反射してうまくいきません。すると、困っているカメラマンに監督が、「私がこうやってポスターを傾けてるから」と、天井光を遮断できるようにポスターパネルを少し前倒しにして下さいました。さすが、レフ板を使い慣れている監督、と感心しつつ、気さくな方だなあ、とますます尊敬の念が強くなりました。以下はそんな監督にうかがった、直撃「『バーフバリ』の隅をつつく」インタビューです。オフィシャルの舞台挨拶写真と、『バーフバリ 王の凱旋』のスチールと共にどうぞ。

©TWIN

Q:監督は小さい頃、神話のマンガ本をよく読んでいた、とうかがいましたが、それは「Amar Chitra Katha(アマル・チットラ・カター/不滅の絵物語↓)」シリーズですか?


監督:そうです。

Q:読んだ本で、題名を憶えていらっしゃるものがありますか?

監督:私は全冊、出版された物は残らず読んでいます。クリシュナの物語、ラーマの物語などなど、全部読んだんです。合計で400冊ぐらいになるでしょうか。

Q:ええっ、400冊も! すごいですね!

監督:そう、400冊ぜ~んぶ読んだんです。今でも全冊、家に揃ってますよ。

Q:お父様(V.ヴィジャエーンドラ・プラサード)が買って、お与えになったんですか?

監督:父が図書館に連れて行ってくれたんです。子供時代は小さな町に住んでいたのですが、そこに地域の図書館があって、「アマル・チットラ・カター」が全冊揃っていました。そこで読み始めて、大きくなってから自分で買えるようになると、全冊買いそろえました。

(ここで、監督は新宿ピカデリーにプレゼントするポスターにサイン。2枚ありましたので、そのうち皆さんのお目にとまることがあるでしょう)

Q:最近のインドではグラフィック・ノベル(劇画調のコミック本)が流行ってますが、『バーフバリ』をお作りになる時に参照なさったものとかがありますか? 例えば衣装なんかで。

監督:いや、ないですね。むしろ、衣装は「アマル・チットラ・カター」を参考にしました。あの本にはどんな衣装でも載っているので、いろいろ参考にさせてもらいました。グラフィック・ノベルは最近になって少しずつ増えてきてはいますが、画調が西洋っぽいものがほとんどです。だから、あまり参考にはなりませんでした。

©ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED.

Q:『バーフバリ 伝説誕生』には、「マハーバーラタ」とシヴァ神の影響が見て取れます。そして『~王の凱旋』では、「ラーマーヤナ」とヴィシュヌ神の影響が出てきていますね。クンタラ国がヴィシュヌ信仰の国として描かれていますが、これは最初からそのような設定になっていたのでしょうか?

監督:マヒシュマティ王国を最初にデザインした時は、非常に厳しい、厳格な政治が行われている軍事国家、というイメージで始めました。そういう国が信仰する神としては、シヴァ神だろうと思ったのです。だから、シヴァ神の姿がいろいろ出てきたわけですね。次にクンタラ国のデザインを考えた時は、そこにはハッピーな人たちが住んでいる、とイメージしました。平和を愛する人々がいる国なので、神様はクリシュナ神がぴったりだと思ったのです。それで、どの部分もそういうイメージで作り上げました。

Q:なるほど。実は日本の観客には、クマラ・ヴァルマのキャラがすごく人気があるんですよ。

監督:アッハッハ。

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Q:彼は腕っ節は弱いのですが、心やさしくて、面白いですよね。

監督:それも「マハーバーラタ」が下敷きになっています。
(注:調べてみると、「マハーバーラタ」の最後の戦争時に、パーンダヴァの5王子側について殺されることになる王が「クマーラ」という名前のようです)

Q:『~伝説誕生』が完成した時点では、『~王の凱旋』はどのくらい完成していたのですか?

監督:30%ぐらいですね。3割ぐらいが撮影済みでした。

Q:それで、『~伝説誕生』のラストにいくつかのシーンを使われたわけですね。『~伝説誕生』では、実にユニークな部族「カーラケーヤ」が出てきますが、その言語がクリック音の入るもので、あれも独特です。あの部族のアイディアは、一体どこから得られたのですか?

監督:カーラケーヤはですね...(と少し考えて)、バーフバリとバラーラデーヴァはものすごーく強いでしょう? この2人が誰かと戦うとすると、その相手は外見からして、もっと強そうでないといけないわけです。それで私は、衣装デザインを担当した妻(ラマー・ラージャマウリ)に、怪物的な外見のものをデザインしてみてくれ、と頼んだんです。バーフバリとバラーラデーヴァよりももっと強そうな存在を頼む、と言ってね。それで彼女がカーラケーヤをデザインして、ああいう格好にしました。カーラケーヤ族はこんな存在ですから、彼らがテルグ語やタミル語をしゃべるのは全然そぐわない。そう思って私は、タミル語のセリフ作家であるカールキに、彼らの言葉を作り出してくれ、と依頼しました。で、彼が作り出してくれたのがあの言語だった、というわけです。

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Q:キャラとして強烈で素晴らしいですね。それから、さっきの舞台挨拶でインターナショナル版のお話が出ましたが、このヴァージョンの編集は監督ご自身でおやりになったのですか?

監督:そうです。もちろん編集担当者がいて、技術的には彼(コーターギリ・ヴェンカテーシュワラ・ラーオ)がやったわけですが、指示はすべて私が出しました。

Q:えーっと、『~伝説誕生』のインターナショナル版では、エンドロールの途中から音楽がなくなって、無音になっちゃったんですが...。

監督:え? あ、ああ~(と笑い出す)。

Q:『~王の凱旋』のインターナショナル版は、エンドロールがすっごく短かったですし、見てる私たちは戸惑っちゃいました。

監督:(笑いながら)オーケー、オーケー。今度は<完全版>が公開されるから、ね。

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Q:監督はどの作品でもインターナショナル版をお作りになるんですか?

監督:いやいや、『バーフバリ』が初めてですよ。『マッキー』も、言語によって編集を少し変えましたけどね。

Q:『マッキー』の配給会社の人が、ヒンディー語版はコメディシーンが切ってあって、少し短くなっているから買った、と言っていました。

監督:そうです、少し短いですね。

Q:次にお作りになる作品もきっと大作だと思うのですが、またインターナショナル版と両方できる可能性がありますね。

監督:まあ、その時にならないとわかりませんが、今度はどの人にも同じヴァージョンを見てもらえるようにできたら、と思っています。まだ、次のプロジェクトは始まったばかりですけどね。

Q:最後にもう一つだけ。『~伝説誕生』でスディープが登場したので、きっと『~王の凱旋』でも出てくるのでは、と我々は期待していたんですが。

監督:(ちょっと苦笑いしつつ)そうなんですよ、出てもらいたい気持ちはあったんですが、ちょうどいい場面がなくて、おまけに全編がとても長くなってしまったので、あきらめました。スディープに登場してもらうには、それなりの素晴らしいシーンがないとダメですよね、単なるカメオではなくて。だから実現しなかったのです。

Q:お疲れのところ、本当にありがとうございました!


©TWIN

本当に些末な質問に、丁寧に答えていただきありがとうございました、ラージャマウリ監督。明日はチネチッタ川崎での絶叫上映ですね。皆さん、どうぞたっぷりと楽しんで下さい。そうそう、本日<完全版>の予告編もアップされました。

「バーフバリ 王の凱旋<完全版>」予告編

6月1日(金)まで、指折り数えて待ちましょうね!


TUFS Cinema<南アジア映画特集>はインド映画『あるがままに』

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今年も東京外国語大学で、TUFS Cinema<南アジア映画特集>が開催されます。日本初上映作品が日本語字幕付きで、かつ無料で見られるこの催し、今年の上映作品はインドのマラーティー語映画『あるがままに(原題:AstuーSo be it!)』(2013)です。主催者からお知らせをいただきましたので、情報をそのまま貼り付けます。

 

上映日
6月9日(土)14:00開映(13:30開場)

『あるがままに Astu: So be it!』

©Gauurikaa Films

インド/2013年/マラーティー語/123分/日本語・英語字幕付き
監督:スミットラー・バーヴェー
         スニール・スクタンカル
製作:シーラー・ラーオ
   モーハン・アーガーシェー
脚本:スミットラー・バーヴェー
出演:モーハン・アーガーシェー・・・・・シャストリ博士
   イラーワティー・ハルシェー・・・・イラ
   アディティ・クルカルニー・・・・・シュウェタ
   ミリンダ・ソーマン・・・・・・・・マーダヴ
   アムルター・スバーシュ・・・・・・チャンナンマ
   ナチケート・プールナパートレー・・ アンタ(象使い)
   オーム・ブトカル・・・・・・・・・ラーム
   イラー・バーテー・・・・・・・・・グプテ教授
音楽:サーケート・カーネートカル
撮影:ミリンダ・ゾーグ
編集:モーヒト・ターカルカル
【解説 大東文化大学教授 石田英明】

 

©Gauurikaa Films

場所:東京外国語大学 アゴラ・グローバル プロメテウス・ホール
入場無料/先着順/申込不要 定員501名
主催:東京外国語大学 共催:東京外国語大学拠点南アジア研究センター(FINDAS)
協力:Gauurikaa Films/Dr. Mohan Agashe/Ms. Kyoko Dan/ Ms. Meenakshi Shedde / Dr. Mizuho Matsuo / Prof. Hideaki Ishida

 

©Gauurikaa Films

【あらすじ】
父が忽然と姿を消した....。
町の雑踏を悠然と歩く美しい象。一人の老人が、その象に心を奪われ、ひたすらにあとを追う。象使いは見知らぬ老人を追い払おうとするが、老人は少年のように無邪気にほほ笑むばかりで、そばを離れようとしない。困り果てた象使いは、妻の待つ川辺のテントに老人を連れて帰る。老人は、安住の地を見つけたかのように、象のそばで安らぐのであった...。
舞台は西インドのマハーラーシュトラ州プネー。古典文学と哲学の権威シャストリ博士は、かつて東洋学研究所の長であった。二人の娘はそれぞれ独立し、博士は自宅で書生と暮らしていたが、アルツハイマー型認知症の兆候が現れ、記憶が失われつつある。娘夫婦が同居を試みるも、育児と介護の両立はたやすいことではなかった。父が姿を消したのは、そんなある日のことである。
偶然が引き合わせた二つの家族。誰にでも等しく訪れる老い。父の不在で立ち現れてきたものとは....。
2013年 インド国家映画賞脚本賞受賞作。

©Gauurikaa Films

[お問い合わせ]
東京外国語大学 総務企画課広報係
〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1
Tel:042-330-5150(土日祝をのぞく9:00~17:00)

南アジア映画特集Facebook/TUFS Cinemaウェブサイト/東京外国語大学ウェブサイト

[イベント情報などの配信]
TUFS Cinema上映会情報は、Facebook/Twitterでも配信しています。
TUFS Cinemaファンの皆さま、ぜひフォローしてください。

 

[交通アクセス]
◉ JR 中央線
 「武蔵境」駅のりかえ西武多摩川線「多磨」駅下車徒歩5 分
 (JR 新宿駅から約40 分)
◉京王電鉄
 「飛田給」駅北口より多磨駅行き京王バスにて約10 分
 「東京外国語大学前」下車 

©Gauurikaa Films

TUFS CINEMAとは / ABOUT TUFS CINEMA
東京外国語大学が不定期に開催する世界諸地域の映画の上映会。上映やトーク企画を通して世界諸地域の社会・歴史・文化などの理解を深めることを目的として開催しています。
世界には多様な言語・文化・民族・宗教・社会があり、さまざまな「暮らし」があります。そして、多くの社会問題も存在します。それらを共有し、理解を深め、ともに考えていく機会になればと思います。


主役のシャストリ博士を演じるモーハン・アーガーシェーは、1947年7月23日生まれの70歳。あと1ヶ月足らずでインドが独立する、という日に、現在のマハーラーシュトラ州プネーの南方にある町ボールで生まれた彼は、プネーの医科大を出て精神医学の学位を取ります。その大学生時代に演劇に目覚め、卒業後精神科の医師として活躍すると同時に、舞台俳優、やがては映画俳優としても実績を積んでいくようになった変わりダネです。映画デビューは1974年のマラーティー語映画『Samna』で、のちにマラーティー語映画界を代表する監督となるジャッバル・パテール監督のデビュー作でした。続いて出演したのが、当時ニューシネマの旗手的存在だったシャーム・ベネガル監督の『夜の終わり(Nishant)』(1975)で、以後、日本でも上映された『ミュージカル女優(Bhumika)』(1977)等、シャーム・ベネガル監督作品によく出演しています。また、サタジット・レイ監督の『遠い道(Sadgati)』(1981)や国際共同製作作品『ガンジー』(1982)にも出演、演技力の確かな得がたい俳優として、マラーティー語映画、ヒンディー語映画を中心に100本近い作品に出演し続けてきました。娯楽作品にもよく顔を出していて、1996年のシャー・ルク・カーン、アニル・カプールらの主演作『Trimurti(三神像)』では、フィルムフェア誌の「最優秀悪役賞」にノミネートされたりしています。モーハン・アーガーシェーの演技を、ぜひお楽しみ下さい。

©Gauurikaa Films

監督のスミットラ・バーヴェーとスニール・スクタンカルは、マラーティー語の映画と舞台で活躍する監督・演出家で、1995年の監督第1作『姉妹(Doghi)』は1997年のあいち国際女性映画祭で上映されたこともあります。スミットラ・バーヴェー(女性)は1943年1月12日生まれの75歳、スニール・スクタンカル(男性)は1966年5月31日生まれの51歳。すでに長編劇映画だけで14本の作品を共同監督しています。

最後に現地版の予告編を付けておきます。6月9日(土)は、東京外大キャンパスでお目にかかりましょう!

Astu - So Be It | Official Trailer | Dr. Mohan Agashe, Amruta Subhash

 



インド映画自主上映会:テルグ語映画『Naa Peru Surya Naa Illu India 』

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Periploさんから、「ちょっと急な話なのですが」と今週末のテルグ語映画上映情報をいただきました。『バーフバリ 王の凱旋』の大ヒットもあって、テルグ語映画人気が高まっているのかも知れませんね。詳細は下の通りです。

Naa Peru Surya Na Illu India Poster

『Naa Peru Surya Naa Illu India (我が名はスーリヤ、母国はインド)』
2018/テルグ語/168分/英語字幕
 監督:ヴァッカンタム・ヴァムシー
 主演:アッル・アルジュン、アヌ・インマーヌウェール 、ボーマン・イーラーニー(イラニ)、アルジュン・サルジャー
■日時:2018年5月6日(日)午後 1:00~
■会場:埼玉県川口市、スキップシティ アクセス
■料金:大人2,500円
■主催:インドエイガドットコム HP

予告編を付けておきます。

Naa Peru Surya Naa Illu India Trailer | Allu Arjun, Anu Emmanuel, Vakkantham Vamsi

Periploさんの詳しい解説サイトはこちらです。お知らせメールにも、「NTRジュニアのように古典もこなすタイプではなく、モダンダンス一筋で大人気のアッル・アルジュンの1年ぶりの主演作です」というコメントが付いていましたが、Periploさんのイチオシはこの↓プロモ映像だとか。今回は音楽をボリウッド映画『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』(2007)、『ラ・ワン』(2011)等でお馴染みのヴィシャール=シェーカルが担当しているとのことで、アッル・アルジュンのさらにキレッキレのダンスが見られるようです。

Iraga Iraga Video Song | Naa Peru Surya Naa Illu India Video Songs | Allu Arjun, Anu Emannuel

ちょっと短いのが残念ですね。曲だけならYouTubeで聞けますので、ヴィシャール=シェーカルのファンの方はぜひいろいろトライしてみて下さい。


ところでこの作品、脇を固めるおじさんたちも豪華で、『きっと、うまくいく』(2009)のウィルス学長役ボーマン・イーラーニー(『きっと~』の時は音引きを取った「イラニ」表記でした。この人はパールシー教徒なので、「イランの人=イーラーニー」という姓なのです)のほか、何だかお久しぶり~のアルジュン・サルジャーも割と重要な役で出るようです。予告編を見ると面変わりしてしまっていますが、以前は「アルジュン」という名前で知られ、1990年代にはS.シャンカル監督作のタミル語映画『Mudhalvan(州首相)』(1999)などで堂々の主役を張っていた人で、出演作は150本以上という大ベテランです。また、大物サラトクマールも出演とのことで、アッル・アルジュンよりも貫禄あるおじさんたちに目移りしてしまうかも。

Allu Arjun in Naa Peru Surya Na Illu India (2018)

肝心のアッル・アルジュンは、ご承知のように映画人一家の生まれ。プロデューサーである父の妹(多分。お姉さんかも知れません)がテルグ語映画界の超大物俳優であり政治家でもあるチランジーヴィの妻なので、チランジーヴィの弟である男優パワン・カリャーンや、チランジーヴィの息子の人気男優ラーム・チャランとも縁続きというわけです。上のポスターの写真ではコワモテのアッル・アルジュンですが、目がぽやぽや~っとしているところがいかにもいい人っぽくて、好感度高し、といったところ。今年はラーム・チャランが3月30日公開の『Rangasthalam(舞台)』で大ヒットを飛ばし、20億ルピー(34億円)の興収をあげて、テルグ語映画歴代興収第3位に食い込み、また4月20日公開のマヘーシュ・バーブ主演作で、日本でも4月に自主上映された『Bharat Ane Nenu(私、バラトは…)』も12億5千万ルピーの興収をすでに叩き出しているという、ヒット作量産の年になりそうです。アッル・アルジュンの『 Naa Peru Surya Naa Illu India (我が名はスーリヤ、母国はインド)』もその仲間入りが果たせるかどうか、ぜひ確かめてみて下さい。


目撃!中国インディペンデント・ドキュメンタリー趙亮監督作品『悲兮魔黙』

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専修大学の土屋先生からお知らせをいただきました。中国の趙亮(チャオ・リャン)監督のドキュメンタリー映画上映のお知らせです。土屋先生によると、「すごい映像なので、ぜひご参加いただければ幸いです。監督本人も参加の予定です」とのこと。いつもですと日本語字幕が付いているのですが、その点もちょっと変わった上映会になる模様です。いただいた情報を貼り付けておきます。

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目撃!中国インディペンデント・ドキュメンタリー 第5回

趙亮監督作品『悲兮魔黙』(2015年、95 分)

内モンゴルでおこなわれている採鉱の情景を記録した驚くべき作品。まるで地獄の底をみつめるようなカメラは、採鉱によるすさまじい環境汚染と、地元遊牧民の生活の破壊、そして鉱山労働者の健康障害などを淡々と撮っています。その一方で、画面からは事実の記録だけでなく、芸術的な境地をも感じさせられます。

 日時:2018年5月13日(日)15:00~16:40上映、16:50~18:00 監督との交流
 場所:専修大学神田校舎301教室(九段下・神保町)
 主催:専修大学視覚文化研究会、土屋昌明研究室、時代映像研究会
 問合せ:tuwuchangming@yahoo.co.jp
 参加無料、予約不要
【監督】赵亮(1971年-)《悲兮魔兽》(Behemoth)La Biennale di Venezia - Venezia 72. Venice 2015 Line-Up: 'Equals' With Kristen Stewart, 'Beasts Of No Nation,' 'The Danish Girl,' More. Indiewire. [30 July 2015].など海外の映画祭で多数の賞を獲得。
*監督の希望により、日本語字幕無し。字幕の日本語はペーパーで当日配布の予定。

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YouTubeで予告編を見つけたのですが、趙亮監督が作った予告編ではなく、上映を行うにあたって映画祭の主催者が作ったものではないかと思われます。予備知識なしに本編をご覧になる方がよいのでは、と思われますので、どうしてもご覧になりたい方は、英語題名「Behemoth(ベヒモス。旧約聖書に出てくる怪獣のこと)」と「trailer」で検索してみて下さい。ただならぬ迫力を感じさせる映像です。


韓国映画『名もなき野良犬の輪舞(ロンド)』明日から公開!

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ギリギリになってしまいましたが、韓国映画の力作『名もなき野良犬の輪舞(ロンド)』が明日から劇場で公開となります。ソル・ギョングとイム・シワンが真正面からぶつかり合う、ハードなフィルム・ノワールの本作は、2人の熱演のほかにも見どころが多く、かなりスタイリッシュな作品となっています。まずは、作品のデータをどうぞ。


『名もなき野良犬の輪舞(ロンド)』 公式サイト 
2017年/韓国/韓国語/120分/原題:불한당(不汗党)/英題:The Merciless
 監督:ビョン・ソンヒョン
 主演:ソル・ギョング、イム・シワン、キム・ヒウォン、チョン・ヘジン、イ・ギョンヨン
 提供:ツイン、Hulu
 配給:ツイン
※5月5日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー

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出所した若い男ヒョンス(イム・シワン)を刑務所の門前で出迎えたのは、真っ赤なオープンカーに乗った中年男ジェホ(ソル・ギョング)でした。そして、2人を遠巻きにするヤクザたちの集団--ジェホはそのヤクザたちを率いる、コ社長(イ・ギョンヨン)の麻薬密売組織のナンバー2だったのですが、そんなジェホにヒョンスはタメ口で話しかけます。3年前に刑務所で知り合った2人は、以来様々な出来事を経て、年齢も20歳以上の差がありながら対等な関係になっていたのでした。

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刑務所でジェホがヒョンスに目を付けたのは、なまっちろい青二才のくせに、平手打ちケンカの賭け試合で大力の相手に挑んでみたりする、肝っ玉の据わり加減のせいでした。刑務所でタバコの闇流しを一手に仕切っていたジェホでしたが、そこに新しい囚人として大物ヤクザ(ホ・ジュノ/特別出演)が入ってきてその特権を奪ったため、刑務所内でのジェホの地位は低下、反撃に出ようとしていたところだったのです。やがて大物ヤクザを始末したジェホはヒョンスも取り込み、2人の間には友情というか兄弟愛のようなものが芽生えてきます。それが固い絆となったのは、ヒョンスの母親が交通事故で亡くなり、葬儀にも参列できなかった時に、ジェホが裏から手を回してヒョンスを一時出所させてくれた時でした。戻ってきたヒョンスはジェホに、「兄貴、俺は警察の人間なんだ」と告白します。ヒョンスは女性チーム長のチョン主任(チョン・ヘジン)の指揮下、麻薬密売組織殲滅のために刑務所に潜入していたのでした。

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それを聞いたジェホは、2人で麻薬密売組織を乗っ取ることを考えます。こうして、先に出所したジェホがヒョンスの出所を迎えに来た、というわけなのでした。コ社長に引き合わされたヒョンスは、組織の中ですぐに頭角を現していきますが、それを苦々しく見ていたのは、コ社長の甥で常務のビョンガプ(キム・ヒウォン)でした。ビョンガプは前々から、ジェホがナンバー2の地位を占めているのを苦々しく思っていたのでした。こうして、警察も含めたそれぞれの思惑が交錯しながら、物語は沸点へと突き進んでいきます...。

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映画の冒頭、あるチンピラが釜山港の岸壁で、魚料理を食べています。料理に手を出さすに立っている男と何やら面倒くさい魚論議を始めたかと思うと、立っている方の男、ビョンガプが相手を撃ち殺します。撃ち殺された男は誰だったのか、そしてなぜ撃ち殺されたのかは、物語の進行に従って謎が解けていくのですが、こうしたミステリー要素も随所に挟みながら、異質な存在であるジェホとヒョンスが結びつき、さらには破綻するまでが描かれていきます。どの人物も一筋縄ではいかず、それぞれの人物別に一編の映画を作ってもいいぐらいで、特にソル・ギョングが演じるジェホはつかみどころがありません。残虐かと思うと心優しく、大胆かと思うと小心で、見ている方はとまどうこともしばしば。複雑な人物像を作ろうとするあまり、脚本が少し凝りすぎたかな、という気もします。

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特にジェホの残虐さが発揮されるのは、ホ・ジュノ演じる新来の大物を刑務所の食堂で料理する場面。ヒリヒリするような拷問が続くのです。ホ・ジュノの映画出演は久しぶりだなあ(調べてみたら、2010年の『黒く濁る村』のちょい役以来のようです。テレビドラマでは2016年の「ビューティフル・マインド~愛が起こした奇跡~」や2017年の「仮面の王 イ・ソン」に出演しているので、そろそろ本格復帰なのかも知れません)とか思っていたら、思わず顔をそむけたくなるシーンが続き、震えがきてしまいました。

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イム・シワンが演じるヒョンスも見どころシーンの多い役で、潜入捜査官になりたての頃のりゅうちぇるのような格好から、刑務所時代の少年のようなたたずまい、そして出所後にいっぱしのヤクザになった図太い表情など、様々な顔を見せてくれます。『弁護人』(2013)、『戦場のメロディ』(2015)、『ワンライン/5人の詐欺師たち』(2017)、さらに本作と、映画俳優としてもしっかりと基礎固めをして兵役に就いたイム・シワン。特に、ソル・ギョングとがっぷり四つに組んだ本作は、彼の中で大きな足跡を残しているに違いありません。来年4月の除隊後が楽しみですね。

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あと2日残ったゴールデン・ウィーク、どうぞ韓国映画でお楽しみ下さい。


シンポジウム&上映<喪失の中の祈りと覚悟~映画が映す東南アジアの内戦・テロと震災・津波>

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国際交流基金アジアセンターの方から、ご案内をいただきました。珍しいインドネシア映画等の上映のお知らせと、シンポジウムです。

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国際交流基金アジアセンター×混成アジア映画研究会Presents:
シンポジウム・上映会<第2弾>インドネシア映画『天国への長い道』ほか1本上映
~特別ゲストとしてインドネシア・ロケの新作が公開となる深田晃司監督の登壇決定~

国際交流基金アジアセンターでは、アジア地域文化研究者の方々と共に、映画を通した東南アジア文化の研究を行っております。本年もその研究成果発表として、<喪失の中の祈りと覚悟~映画が映す東南アジアの内戦・テロと震災・津波>と題した、シンポジウムと参考作品の上映会を以下のとおり行います。参考作品として取り上げる映画『天国への長い道』、『ベアトリスの戦争』はこれまで日本での上映機会が大変少なかった作品ですが、今回は地域研究者による新たな日本語字幕と解説にてご覧いただける貴重な機会となっております。
入場無料、予約不要、出入自由となっております。ぜひこの機会にご参加くださいませ。

◇シンポジウム・上映会概要◇
「喪失の中の祈りと覚悟~映画が映す東南アジアの内戦・テロと震災・津波~」
 【日時】2018年5月18日(金)13:45~20:30(開場 13:15)
 【会場】国際交流基金 ホール[さくら]
     ※入場無料 (予約不要) 定員100名
   ※映画は日本語・英語字幕あり、シンポジウムは日本語のみ
 【登壇者】 
   スピーカー:西 芳実(京都大学東南アジア地域研究研究所准教授)
         亀山 恵理子(奈良県立大学地域創造学部准教授)
   特別ゲスト:深田 晃司(映画監督)
   モデレーター:山本博之(京都大学東南アジア地域研究研究所准教授)
 【プログラム】
   13:45 開会ご挨拶・当日のご案内
   14:00 参考上映 
       『天国への長い道』(2006年/115分/英題:Long Road to Heaven)
         監督:エニソン・シナロ
   16:15 シンポジウム
        「語りえぬ痛みを分かち合う-テロの語りへの挑戦」西 芳実
       「紛争はいかに語り継がれるのか-女たちの経験」亀山 恵理子
   16:55 パネルディスカッション・Q&A
   18:40 参考上映 
       『ベアトリスの戦争』(2013年/101分/英題:Beatriz's War/原題:)
         監督:ルイギ・アキスト、ベティ・レイス
 【主催】混成アジア映画研究会、国際交流基金アジアセンター
 【協力】京都大学東南アジア地域研究研究所
 【プログラム等詳細】http://jfac.jp/culture/events/events-e-konsei-asia-2018/
 【お問い合わせ】アジアセンター文化事業第1チーム(担当:山野): jfac_film@jpf.go.jp

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上映作品に関する情報は、上のチラシを拡大してご覧下さい。ご参考までに、『天国への長い道』のWiki記事と、『ベアトリスの戦争』のWiki記事を付けておきます。『ベアトリスの戦争』は東ティモール映画のようで、映画の公式サイトにも使ってあるタイトル『A Guerra da Beatriz』がポルトガル語原題のようです。どちらもなかなか目にすることのない貴重な作品ですので、この機会にぜひどうぞ。


夏もアジア映画の秀作・力作が続々公開!

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何だか5月とは思えぬ寒い日が続きましたね。風邪を引いてしまったようでちょっとヘタっていますが、ここのところ面白そうなアジア映画の試写のご案内を次々といただいていて、風邪引いてる場合じゃない! という感じです。後日、試写を拝見してから詳しいご紹介をしようと思いますが、まずはこの夏、こんな作品が見られますよ~、というご案内だけしておこうと思います。 

『人間機械』


2016年/インド・ドイツ・フィンランド/ドキュメンタリー映画/ヒンディー語/71分/原題:Machines
 監督:ラーフル・ジャイン
 配給:アイ・ヴィー・シー
 配給協力:ノーム
※7月ユーロスペースほか全国順次公開

以前からご紹介している、インドの見応えのあるドキュメンタリー映画です。昨年の、山形国際ドキュメンタリー映画祭のコンペ部門で上映されました。海外版の予告編を付けておきます。配給会社のアイ・ヴィー・シーは、かなり早い時期にサタジット・レイ監督の「オプー三部作」(『大地のうた』『大河のうた』『大樹のうた』)のVHSビデオ発売をしてくれた会社です。ご恩があるから応援しなくては!

Machines Trailer #1 (2017) | Movieclips Indie



『ポップ・アイ』 公式サイト


2017年/シンガポール・タイ/タイ語/102分/原題:Pop Aye
 監督:カーステン・タン
 主演:ポン、タネート・ワラークンヌクロ、ペンパック・シリクン、チャイワット・カムディ、ユコントーン・スックキッジャー、ナロン・ポンパープ
 配給:トレノバ
※8月ユーロスペースほか全国順次ロードショー

昨年の東京国際映画祭で上映された作品で、「ポン」は出演者ならぬ出演”象”。下の海外版予告編でもおわかりのように、かなりの芸達者象です。出演”者”の方のタネート・ワラークンヌクロは、アジアフォーカス・福岡国際映画際で好評を博したタイ映画『頭脳ゲーム』にヒロインの父親役で出演していた人。本業はミュージシャンだとか。配給会社トレノバは、昨年インド映画の『裁き』を配給・公開してくれたところで、とってもお世話になったので応援しなくちゃ!

Pop Aye – Official Trailer  

 

『V.I.P. 修羅の獣たち』 公式サイト 


2017年/韓国/韓国語/128分/原題: 브이아이피
 監督:パク・フンジョン
 主演:チャン・ドンゴン、キム・ミョンミン、パク・ヒスン、イ・ジョンソク、ピーター・ストーメア
 配給:クロックワークス
※6月16日(土)よりシネマート新宿ほか全国ロードショー

このチャン・ドンゴン主演作に続き、イ・ビョンホン主演作『天命の城』も1週間遅れで公開されるという、トップスター戦いの夏となりました。また、パク・ヒスンは『天命の城』でも重要な役を演じており、パク・ヒスンの夏とも言えそうです。『観相師』や『君に泳げ!』のイ・ジョンソクも久しぶりに出演、『新しき世界』のパク・フンジョン監督の楽しみな作品です。

韓国映画『V.I.P. 修羅の獣たち』予告

 

『天命の城』 公式サイト 


2017年/韓国/韓国語/139分/原題:남한산성(南漢山城)
 監督:ファン・ドンヒョク
 主演:イ・ビョンホン、キム・ユンソク、パク・ヘイル、コ・ス
 提供:ツイン、Hulu
 配給:ツイン
※6月22日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー

『バーフバリ』の配給会社ツインは、韓国映画『新感染 ファイナル・エキスプレス』を作夏ヒットさせた会社でもあります。今夏の目玉作品は本作で、豪華キャストが歴史上の大事件をつぶさに再現してくれます。『バーフバリ』でお世話になっているから、6月1日公開の『バーフバリ 王の凱旋』<完全版>ともども『天命の城』を応援するべし!  1636年真冬の4ヶ月が舞台なので、見ているだけでも涼しくなる作品です。

『天命の城』(6.22(金)TOHOシネマズシャンテ他全国ロードショー!)


『スウィンダラーズ』


2017年/韓国/韓国語/116分/原題:꾼
 監督:チャン・チャンウォン
 主演:ヒョンビン、ユ・ジテ、ペ・ソンウ、パク・ソンウン、ナナ、アン・セハ
 配給:クロックワークス
※7月7日(土)よりシネマート新宿ほか全国ロードショー

昨年の韓国映画興収第7位だった『天命の城』に続き、第8位の『クン』が『スウィンダラーズ』というかっこいいタイトルになって登場。ヒョンビンは昨年は『コンフィデンシャル 共助』も第2位となり、大活躍でしたね。この作品、今春CX機内でちらっと見たのですが、欺し欺されのすごいコンゲームだったような。試写でしっかり拝見して、ご紹介しますのでお楽しみに。

疑いと駆け引きの連続! 『スウィンダラーズ』 予告


今年の夏も、熱いアジア映画が皆さんを待っています!


「爆音映画祭 in 109シネマズ名古屋<3回目>」でも『バーフバリ』2作上映!

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ローソンMVエンタテイメントからいただいたお知らせです。「爆音映画祭 in 109シネマズ名古屋<3回目>」と銘打って、最新作『グレイテスト・ショーマン』はじめ9本の作品が、6月21日(木)~24日(日)の4日間限定で上映されます。その中に、『バーフバリ 伝説誕生』と『バーフバリ 王の凱旋』もラインアップされていて、欧米&日本のヒット作と共に『バーフバリ』2作が吠えまくるという珍しい企画です。お近くの方はぜひ、ということで、その簡単なご紹介をしておきます。

爆音映画祭in109シネマズ名古屋
■会場:109シネマズ名古屋(愛知県名古屋市中村区平池町4丁目60-14 マーケットスクエアささしま2F TEL:0570-052-109)
■期間:2018年6月21日(木)、22日(金)、23日(土)、24日(日)≪4日間限定≫
■内容:『グレイテスト・ショーマン』、『レ・ミゼラブル』、『ラ・ラ・ランド』、『ベイビー・ドライバー』、『キングスマン』、『キングスマン:ゴールデン・サークル』、『バーフバリ 伝説誕生』、『バーフバリ 王の凱旋』、『ガールズ&パンツァー最終章 第1話』
■料金:各作品によって異なる ※詳細は公式サイトにて
■チケット発売:109シネマズ名古屋WEB販売 5月15日(火)0:00より   
       109シネマズ名古屋劇場窓口販売 5月15日(火)劇場営業開始時間より(但し各回、残席がある場合のみ)

■企画:株式会社東急レクリエーション、株式会社ローソンHMVエンタテイメント
■特別協力:株式会社boid


『グレイテスト・ショーマン』©2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

『レ・ミゼラブル』©Universal Pictures

『ラ・ラ・ランド』 ©2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

『ベイビー・ドライバー』

『キングスマン』©2015 Twentieth Century Fox Film Corporation

『キングスマン:ゴールデン・サークル』©2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

『バーフバリ 伝説誕生』©ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED.

『バーフバリ 王の凱旋』©ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED.

『ガールズ&パンツァー 最終章』第1話 ©GIRLS und PANZER Finale Projekt

何と、『バーフバリ』が『ガルパン』と 並ぶとは、カッタッパもびっくり、というところでしょうか。『グレイテスト・ショーマン』や『ラ・ラ・ランド』と見比べてみるのも面白そうですね。名古屋近辺の皆様、チケットの予約はお早めに。

実は、「イオンシネマ ユーカリが丘さよなら映画祭<ライブ音響上映>」というのも5月24日(木)~27日(日)の4日間限定で企画されていて、上記のプログラムとほぼ同じ作品が上映される予定だったのですが、なぜか「諸般の事情により、開催の見送りが決定致しました。本上映を楽しみにしていただいたお客様には、大変申し訳ございませんが、何卒ご了承下さいませ」というお知らせが。あら、残念! 実はユーカリが丘という所は前から行きたいと思っていた場所だったので、この機会にちょっと遠出を、と考えていたのでした。なぜ行きたい場所だったのかって? それは...モノレールが走っているから。高架鉄ちゃんの私としては、前々から一度は行ってみたかったのです。新交通システム「山万ユーカリが丘線」と言うのだそうで、公式サイトはこちらです。『バーフバリ』と一石二鳥、はちょっと甘かったみたいですが、後日絶対乗りに行きます!

 

舞台劇から香港映画へー『29歳問題』

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今回もギリギリのお知らせですが、5月19日(土)から香港映画『29歳問題』の公開が始まります。昨年3月の大阪アジアン映画祭で上映され、観客賞を受賞した作品で、こういうフツーの香港の若者たちが主人公になった映画の公開はずいぶん久しぶりのような気がします。で、「29歳問題」って何? と言われそうですが。それにお答えする前に、まずは映画の基本データをどうぞ。

© 2017 China 3D Digital Entertainment Limited

『29歳問題』 公式サイト 
2017年/香港/広東語/111分/原題:29+1/英題:A Taxi Driver
 監督・脚本:彭秀慧(キーレン・パン)
 主演::周秀娜(クリッシー・チャウ)、鄭欣宜(ジョイス・チェン)、蔡瀚億(ベビージョン・チョイ)、楊尚斌(ベン・ヨン)、金燕玲(エレイン・ジン)、林海峰(ジャン・ラム)、葛民輝(エリック・コット)
 提供:ポリゴンマジック
 配給:ザジフィルムズ、ポリゴンマジック
※5月19日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー

 

© 2017 China 3D Digital Entertainment Limited

映画は、2005年の3月のある日、林若君(ラム・ヨックワン)、英名クリスティー(クリッシー・チャウ)が目覚めるシーンから始まります。目覚まし時計が6:29から6:30になったところでベルが鳴り出し、それをバーンとたたきつけるようにして止めるクリスティー。朝は出勤まで大忙しなのは、どこのOLも変わりません。気分をアゲて、お肌のケアももちろん忘れずに、服はどれ? バッグと靴のコーデは? とやっていると壁に水がしみ出していて、壁紙が無残にはがれた所を見つけるし、エレベーターは故障していて、12階から階段で降りる羽目になるし。途中で出会った大家さん(ジャン・ラム)に文句を言いつつ出勤してみれば、自分より若い同僚たちの間で浮いてる感があるのもちょっとイタいクリスティー。とはいえ、やり手の女性社長(エレイン・ジン)に認められ、クリスティーは昇進を果たします。このように仕事は順調ではあるのですが、恋人の楊子豪(ヨン・チーホウ/ベン・ヨン)との関係がちょっとぎくしゃくしているのと、一人暮らしの父親が認知症になりかけているのが気がかりと言えば気がかりです。

© 2017 China 3D Digital Entertainment Limited

ところが、突然大家さんから出て行ってほしいと言われ、追い立てをくらう羽目になってしまいます。ちょうど会社で大きなイベントがあったり、父親が入院したりして次の住まいを探す時間もないまま、クリスティーは大家さんが紹介してくれた、1ヶ月間留守にする間部屋を貸す、という女性の住居に住むことに。古いビルにあるその部屋の住人は、レトロなレコード店で働く黄天樂(ウォン・ティンロ/ジョイス・チェン)という、偶然クリスティーと同じ誕生日の女性でした。ティンロは留守を守ってくれる人のためにビデオメッセージと日記を残しており、それを見ながらクリスティーはティンロのことを少しずつ知っていきます。ちょっとぽっちゃりしていていつも笑顔のティンロには、友達以上恋人未満の親友張漢明(チョン・ホンミン/ベビージョン・チョイ)がいて、部屋には二人のインスタント写真がいっぱい貼ってあります。ティンロは歌手の張國榮(レスリー・チャン)の大ファンで、今回1ヶ月間留守にしているのも、レスリーが1989年に出演したテレビの単発ドラマ「日落巴黎(パリの日没)」に憧れてパリ旅行に行くためでした。ティンロという見知らぬ女性の姿に自分を重ねるうちに、クリスティーは徐々に今の自分を見つめ直していくことになります...。

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元になったのは、本作のキーレン・パン監督が作・演出を担当し、主役を演じて2005年に舞台に乗せた演劇「29+1」。この舞台劇でキーレン・パン監督は主役の2人を一人で演じ、男優2人を相手に29歳女子の本音を表現して大喝采を博しました。元々キーレン・パン監督は、湾仔にある香港演藝学院の表演学科を卒業後、1979年設立という歴史を持つ商業演劇の「忠英劇団」で活躍してきたそうで、その後2005年には「キーレン・パン・プロダクション」を設立、様々な舞台を手がけています。その一方で、2006年に彭浩翔(パン・ホーチョン)監督の『イザベラ』の脚本を共同執筆し、映画界とも縁ができます。その後もちょい役でいくつかの映画に出たあと、今回自身の舞台劇を映画化するにあたって、初監督に挑戦した、というわけなのでした。

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2018年春現在ですでに100回以上上演されているという「29+1」の映画化は、キーレン・パン監督にとって、やりやすい面とやりにくい面があったことでしょう。しかし前半は、アップテンポで次々とクリスティーの身に起こる事件をたたみかけていき、後半はティンロの部屋で様々に思いを巡らせるクリスティーと、フラッシュバックで登場するティンロをうまくからませて、二人の29歳女性がどのように人生を選び取っていくのかを見せます。後半には舞台を思わせる場面転換シーンもあり、このあたりは評価が分かれるところでしょうが、あえて映画の文法を無視して舞台劇の手法を取り入れた監督の勇気は評価すべきで、こういったことから香港電影金像奨の新人監督賞も獲得したのでしょう。また、クリスティー役のクリッシー・チャウの広東語が目の覚めるようなクリアな発音で、これも舞台劇の影響を感じる一因となっています。余談ですが、YouTubeにアップされているキーレン・パン監督、クリッシー・チャウ、そしてジョイス・チェン3人一緒のインタビューを見てみたところ、クリッシー・チャウのしゃべり方はフツーの香港女性のしゃべり方に戻っている一方、キーレン・パン監督のしゃべり方は映画中のクリスティーそのもので、なるほど、監督の指導で劇中ではあのクリスティーの明確なしゃべり方になったんだな、と納得しました。

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かたや、ジョイス・チェンはインタビューでも劇中のティンロそのまま。お母さんゆずりなのか声の出し方がしっかりしていて、こちらも広東語がよくわかります。ジョイスは2008年に亡くなった「肥姐」こと沈殿霞(リディア・サム)と「秋官」こと鄭少秋(アダム・チェン)の娘で、1歳になるかならないうちに両親が離婚し、その後母の肥姐に育てられました。歌手、俳優、司会者として活躍した母の様々な才能を、体型も含めて受け継いでいるようで、ジョイスが出てくると画面がなごみます。キャラクター設定としてはちょっと不思議ちゃん系女子なのですが、それが不自然にまったく思えない、素晴らしい演技を見せてくれます。ジョイスの演技を助けるのが、ボーイフレンド役のベビージョン・チョイで、童顔が役柄にぴったりハマり、後半パートをさらに心地のいいものにしてくれます。キャスティングの勝利ですね。

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キャスティングと言えば、脇に味のある有名人が出ているのも本作の見どころです。クリスティーが最初に住んでいた部屋の大家はジャン・ラムが、そして引っ越す時のタクシー運転手はエリック・コットが演じているのですが、この二人が「軟硬天使」というユニットを組んでいたことは、1980~90年代に香港映画に夢中になった方はよくご存じでしょう。アルバムを出したり、DJをしたり、映画でも活躍したりと、芸能人というよりは香港文化人として才能を発揮している二人。どちらも50歳代になってしまいましたが、相変わらずちょっとトンがった、いい味を出しています。また、ジョイスがバイトしているレコード店の店長として、「阿丹」こと鄭丹瑞(ローレンス・チェン)が出演。この人も、監督、俳優、脚本家、司会、DJ、作家等々マルチに活躍している人で、香港文化人と言っていい人です。劇中では自虐ネタ(?)を飛ばしたりしていますが、彼を知っている香港人なら大笑いするところですね。あともう一人、意外な人も出てくる(何と、電車の中で!)のですが、それはご覧になってのお楽しみ。そうそう、黎明(レオン・ライ)もサカナにされています。

 

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そして、忘れてはならないのが歌手であり俳優であったレスリー・チャンの間接的な出演。ストーリーに書いたようにティンロが大ファンで、パリに出かけて行くほど夢中になった彼のドラマが「日落巴黎(パリの日没)」、1989年の4月23日に香港の人気テレビ局TVBで放送された単発の音楽ドラマです。下は、多分レスリーのコンサート@香港で買ったグッズだと思うのですが、「日落巴黎」の”飛び出すレスリー”カードです。

カードを開けると....

ドラマの共演は張蔓玉(マギー・チャン)と鍾楚紅(チェリー・チョン)で、この二人の名前も映画の中に登場します。「日落巴黎」はレスリーを巡るこの二人との関係にレスリーの曲をちりばめた音楽ドラマ、というわけですが、その中から「由零開始」の曲が『29歳問題』では使われています。実はこのブログの第1回記事のタイトルが「由零開始」だったことからもおわかりのように、レスリー・ファンにとっては忘れられない曲の一つなのですが、この映画ではぴったりの使われ方がされていました。キーレン・パン監督もレスリー・ファンなのかな、と思ったものの、レスリーが亡くなってまだ2年しか経っていない2005年の描き方に少々違和感を覚えるところもあるので、ノスタルジアのアイコンとしてレスリーを登場させたのでしょう。

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とはいえ、ノスタルジア満載の過去にとらわれた作品ではなく、今日の香港、いや、香港だけではない世界中の若い女性の生き方に訴えかけてくる、しっかりしたメッセージ性を持つ作品です。最初に戻りますが、「29歳問題」とは、大台に乗る直前の不安定な心情が引き寄せる、様々なトラブルを指します。「30歳、何がめでたい」とばかりに、その直前であれやこれや考えこみ。落ち込んでしまう29歳というお年頃。それを乗り越え、自分らしく生きていくためにはどうすればいいのか。その本質がつかめれば、29歳問題だけでなく、39歳問題も、49歳問題も、59歳問題も(これ、結構、応えますよ~)怖くない。介護も病気も失恋も失職も、何にだって立ち向かえる。明確な答えが出てめでたしめでたしという結論にはなっていませんが、見る人に考えることをうながし、困難に立ち向かう勇気を与えてくれるのは確か。最後に予告編を付けておきますので、特に女性の皆さんはぜひどうぞ。

『29歳問題』予告編

 

 


友人が....<その1>「映画で知るインド」@朝日カルチャー横浜

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私の友人にはいろいろ活躍している人が多いのですが、今回はちょっとまとめてご紹介を。一人目は、来日してもう20年以上になるでしょうか、知り合ってから20年ぐらい経つインド人女性モニカさんです。昔、吉祥寺でやっていたインド映画の上映会@わが家に来てくれたのがきっかけで、知り合った人です。現在のモニカさんは、国分寺市の自宅でヒンディー語を教えているほか、カルチャーセンターなどでヒンディー語や英語を教えています。モニカさんとは年に2、3回会っては、英語混じりのヒンディー語であれこれおしゃべりするのが楽しみで、時々連絡を取り合っています。先日も久しぶりに会って、まったりとお茶をしながらおしゃべりを楽しんだのですが、その時彼女が教えてくれたのが、来週の土曜日に横浜の朝日カルチャーセンターでやる下の講座。おお、インド映画ファンにはぴったり、と思ったので、彼女のHPからチラシ画像をコピペしてご紹介する次第です。『きっと、うまくいく』(2009)の短い2シーンを取り上げて、インド人の考え方やインドの文化について解説するつもり、と言っていましたので、この映画がお好きな方には面白い講座になるのでは、と思います。

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上のチラシにはモニカさんの顔写真がなかったため、彼女からもらった顔写真画像を付けておきます。こんな、かわいい感じの人ですが、北インドの中央部にあるラクナウ出身なので、ヒンディー語の発音はとてもきれいです。この間会った時も、何か、ヒンディー語のテキストの吹き込みをしたとか言っていました。

上記でHPを覗いて下さった方は、ヒンディー語教室の案内もすでに見て下さったのでは、と思いますが、少人数、時にはマンツーマンでのレッスンにしてはリーズナブルな謝礼となっています。最初は生徒さんは女性だけだったようですが、今は男性もOKでレッスンにいらしているとか。あと、集中コースというか、速成コースというか、インドに赴任なさる方や、ご主人の関係でインドで暮らす方、あるいはインドで働こうという女性の方(最近増えているんですよ~。ちょうど30年前の香港みたいです)というように、毎日ヒンディー語を使う生活をなさる予定の方に向けての、集中レッスンも引き受けているそうです。ただ、がんばり屋さんの彼女はずーっとがんばってきたため、ここのところ体調のすぐれない時もあるそうで、そういう時はレッスン日時を変更してもらうかも知れない、反対に、受講生の方のご都合による変更にも対応しますので、ご希望をいろいろ言って下さい、と言っていました。

実は彼女は会話のテキストも完成させていて、市販本として出版されるはずだったのですが、この出版不況のあおりを喰って予定していた出版社がダメになってしまい、貴重な原稿というかすでに版下になったものが彼女の手元に眠っています。私もちょっと見せてもらってアドバイスしたりした本で、これが市販されるとそのまま会話のテキストに使えていいのになあ、と残念に思っています。「インド映画がヒットしたら、どこかの出版社から声がかかるわよ」と言ったりしたのですが、『バーフバリ』のヒットでは、テルグ語だから関係ないかしらん....。ご興味がおありの出版社様、おいでになりましたらぜひ、このブログへのコメントの形でご連絡下さい。

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Kajol (Photo by R.T. Chawra)

ヒンディー語と言えば、今日もスペース・アーナンディのインド映画連続講座第Ⅱ期「女優が輝くボリウッド映画の魅力」でカージョルの話をしてきたのですが、いいご質問がいろいろ出て、最後の30分間の「ヒンディー語塾」が駆け足になってしまいました。ヒンディー語を教えるのはとても勉強になってありがたいのですが、2年間で文法も一通りやったので、今度は映画の中の会話を使ってお互いに会話してもらったり、どんどんバリエーションを作ってもらったりしようかなあ、と考えているところです。「映画で学ぶヒンディー語塾」と銘打ってますし、その方がいいかも知れませんね。

そう言えば今日の受講者の方からのご質問に、びっくりするようなものがありました。今日の「ヒンディー語塾」は後置詞の説明で、後置詞「ko」の時に「私に、私を=mujh ko/ムジュ・コー=mujhe/ムジェー」という説明をしたのですが、授業終了後こんな質問が出たのです。「YouTubeでスターのインタビューをよく見るのですが、ナワーズッディーン・シッディーキーは質問が英語であっても、必ずヒンディー語で答えるんです。で、答える時の最初によく”ムジェー・ラグター・ハイ”って言うんですが、”ムジェー”は今日の説明でわかったんですけど、あとはどういう意味ですか?」この方はヒンディー語は全然勉強したことがないそうで、よくこれだけ音を正確に聞き取れるなあ、と感心してしまいました。「mujhe lagta hai」は「私が思うに」「私の考えでは」「私の感じたところでは」というような意味で、このあとに接続詞の「ki/キ」が付いてその後に別の文が続くのですが、英語の「I think」と同じようによく使われます。やっぱり、「♫いっぱい聞いて♫」(あのCFでは「聞けて」でしたが)が語学上達への近道なのですね。ヒンディー語をものにしたい、とお考えの方、ぜひヒンディー語映画をいっぱい見て、ヒンディー語講座にも通って、がんばって下さいね! 

最後にPRをちょっと。スペース・アーナンディのインド映画連続講座第Ⅱ期「女優が輝くボリウッド映画の魅力」の次回は6月2日(土)で、「アイテム・ガールズ」を取り上げます。あと3席だけ空いていますので、ご興味がおありの方はこちらの記事をご参照の上、お申し込み下さい。そこにも書いたように、この時のポスタープレゼントは「アイテム・筋肉ボーイズ」こと、『バーフバリ 伝説誕生』のインド版ポスターとなります。シヴドゥとバラーラデーヴァ各1枚&アマレンドラ・バーフバリ+バラーラデーヴァそろい踏みが1枚の計3枚の予定です。お楽しみに~~~。

 

友人が....<その2>「東南アジアのポピュラーカルチャー」

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「東南アジアのポピュラーカルチャー」というご本をいただきました。2ヶ月ほど前に出た本なのですが、紹介して下さる方があって、編著者の福岡まどか先生が送ってきて下さったのです。私の知っている方々がたくさん寄稿してらして、うっかりとチェックしていなかったことを悔やみました。福岡先生、ご恵存ありがとうございました!

こちらに版元スタイルノート社の非常に詳しい紹介ページがあります。そこから目次を下にコピペさせていただきました。この目次をご覧になっただけで、東南アジアの映画好き、音楽好き、舞踊好きは血が騒ぐことと思います。

 

「東南アジアのポピュラーカルチャー ―アイデンティティ・国家・グローバル化」
 (2018年3月26日/スタイルノート/478ページ/4,000円+税) 

<目次>
はじめに(福岡まどか) 

序章:東南アジアのポピュラーカルチャー 〜アイデンティティ・国家・グローバル化〜(福岡まどか) 

■第1部 せめぎあう価値観の中で
 第1章:タイ映画・テレビドラマ・CM・MVにみる報恩の規範 〜美徳か抑圧か、「親孝行」という名のもとに〜(平松秀樹)
 第2章:シンガポールにおける政府対映画製作者間の「現実主義的相互依存/対立関係」(盛田茂)
 第3章:農村のポピュラー文化 〜グローバル化と伝統文化保存・復興運動のはざま〜(馬場雄司)
 第4章:国民映画から遠く離れて 〜越僑監督ヴィクター・ヴーのフィルムにおけるベトナム映画の脱却と継承〜(坂川直也)
 〔コラム1〕コスプレとイスラームの結びつき(ウィンダ・スチ・プラティウィ)
 〔コラム2〕テレビと悪行(井上さゆり)
 〔コラム3〕インドネシア映画にみられる「未開な地方」の商品化(小池誠)
 〔コラム4〕タイ映画にみるお化けの描き方(津村文彦)
 〔コラム5〕ポップカルチャーとしてのイレズミ(津村文彦)
 〔コラム6〕イスラーム・ファッション・デザイナー(福岡正太)
 〔コラム7〕タイ映画にみられる日本のイメージ(平松秀樹) 

■第2部 メディアに描かれる自画像
 第5章:フィリピン・インディペンデント映画の黄金時代 〜映画を通した自画像の再構築〜(鈴木勉)
 第6章:インドネシア映画に描かれた宗教と結婚をめぐる葛藤(小池誠)
 第7章:フィリピンのゲイ・コメディ映画に投影された家族のかたち 〜ウェン・デラマス監督の『美女と親友』を中心に〜(山本博之)
 第8章:スンダ音楽の「モダン」の始まり 〜ラジオと伝統音楽〜(福岡正太)
 〔コラム8〕愛国歌と西洋音楽 〜インドネシアの国民的作曲家イスマイル・マルズキ〜(福岡まどか)
 〔コラム9〕ミャンマーの国立芸術学校と国立芸術文化大学(井上さゆり)
 〔コラム10〕さまざまな制約と検閲がつくる物語の余白(山本博之)
 〔コラム11〕インドネシア映画におけるジェンダー表現と検閲システム(福岡まどか)
 〔コラム12〕映画を通して広まった音楽 〜マレーシア音楽・映画の父P・ラムリー〜(福岡まどか)
 〔コラム13〕シンガポールにおける「ナショナル」なインド舞踊の発展(竹村嘉晃) 

■第3部 近代化・グローバル化社会における文化実践
 第9章:メディアから生まれるポピュラー音楽 〜ミャンマーの流行歌謡とレコード産業〜(井上さゆり)
 第10章:インドネシア・インディーズ音楽の夜明けと成熟(金悠進)
 第11章:人形は航空券を買うことができるか? 〜タイのルークテープ人形にみるブームの生成と収束〜(津村文彦)
 第12章:越境するモーラム歌謡の現状 〜魅せる、聴かせる、繋がる〜(平田晶子)
 第13章:「ラヤール・タンチャップ」の現在 〜変容するインドネシア野外映画上映の「場」〜(竹下愛)
 〔コラム14〕東南アジア映画で増す、韓国CJグループの影響(坂川直也)
 〔コラム15〕ステージからモスクへ?(金悠進)
 〔コラム16〕アセアンのラーマヤナ・フェスティバル(平松秀樹)
 〔コラム17〕変化する各地のカプ・ルー(馬場雄司)
 〔コラム18〕スマホは複数持ち(井上さゆり)
 〔コラム19〕IT化が進む農村社会(馬場雄司)
 〔コラム20〕「ラテ風味」のイワン・ファルス 〜インドネシアのカリスマプロテストソングシンガーの現在〜(竹下愛)
 〔現地レポート〕東南アジアのトコ・カセット(カセット店toko.kaset)訪問記(丸橋基) 

あとがき(福岡正太)
執筆者紹介

 

タイの絵はがきより。「ラーマーヤナ」の戦いのシーン

「アセアンのラーマーヤナ・フェスティバル」というコラムが最後の方にありますが、もう20年ぐらい前、友人で映像ジャーナリストの瀬川正仁さんが取材した、ラーマーヤナ・フェスティバルの映像を見せてもらったことがあります。カンボジアからも参加している劇団があって驚いたのですが、「ラーマーヤナ」の影響は東南アジアのほぼ全域に広がっているようでした。映画以外にもいろんな文化的側面を知ることができる1冊ですので、ぜひお手元にお備え下さい。最初に挙げた版元のサイトで注文できますので、どうぞよろしく。


友人が....<その3>HAPA HAPA@西荻窪

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第3弾は、西荻窪からです。10年来の友人である岡崎優子さんから、「HAPA HAPA(ハパハパ)」というお店を開いた、というご案内をいただいたので、行ってみました。「HAPA HAPA」というのはケニアやタンザニアで使われている言語スワヒリ語で「ここ、ここ」という意味だそうで、世界中から様々な民芸品を集めたギャラリーショップになります。本格的なオープンは6月3日(日)からですが、その前にプレオープンとして5月12日(土)~27日(日)まで開店している、というので、覗きに行ってみたのでした。

場所は、JR西荻窪駅南口を出て商店街を少し歩けばすぐの所です。西武信用金庫(何と、5月16日に強盗事件があったのだとか。こちらのニュースとかで詳細がわかります)を左に見て、その前の信号を南に渡ると2,3軒先の左側にお店が見えます。まだ看板は出ていないのですが、かなり間口の広いお店で、以前は飲食店だったそうです。プレオープンでは、キリムとトライバルラグの展示を中心に、様々な民芸品が展示してありました。下写真の中央が岡崎さんです。


キリム(Kilim)に関しては、こちらのWikiの解説を見ていただきたいのですが、実物は様々な模様、様々な大きさのものがあって面白く、その模様と暖かな手触りに魅せられてしまいました。


お店には、解説書も置いてありました。岩立フォークテキスタイル・ミュージアムの「インド 木版更紗」展のチラシも見えます。


入り口にいるキリンさんは、岡崎さんのご両親がやっていらした民芸品店にいたものだそうで、まるでこのお店のために作られたかのように、サイズがぴったり。お店の守り獣といったところで、サバンナの風を運んできてくれます。


キリムのほかにも、いろんな小物やアクセサリーも展示されていました。

岡崎さんは、実は2年前まで「キネマ旬報」の編集者として活躍していた人で、今もフリーで編集やライターの仕事を継続してやりながら、ずっと考えていたこのお店をオープンさせたものです。「キネ旬」時代は、ご自身がインドに行ったこともあり、インド映画も大好きなことから、インド映画紹介に関してはいろいろと骨折って下さったのでした。おかげさまで岡崎さんと一緒に、『マダム・イン・ニューヨーク』で来日したシュリデヴィや、『チェイス!』で来日したアーミル・カーンのインタビューをさせてもらったり、インド映画特集を何度か組んでもらったりと、大変お世話になったのです。


上は、シュリデヴィにインタビューした時の岡崎さんとシュリデヴィですが、前日の記者会見の時に岡崎さんが真っ先に質問したのがとても印象に残っていたらしく、会うなりシュリデヴィが「あなた、昨日の記者会見で質問して下さった方ね」と岡崎さんに言ったのが印象的でした。この日も岡崎さんはインドの民族衣装クルター姿で、もちろん前日も別のクルター姿だったため、シュリデヴィはよく憶えていたようです。2014年5月30日のことですから、ほぼ、丸4年前ですね。インド映画ファンの方は、お店にいらしたらぜひいろいろ聞いてみて下さい。下は、記者会見時のシュリデヴィです。

ちょっと便乗してPRしてしまいますが、スペース・アーナンディのインド映画連続講座第Ⅱ期「女優が輝くボリウッド映画の魅力」では、7月と9月にこのシリーズの最終回として、「シュリデヴィ」のお話を予定しています。まだ日にちが確定していないため、詳細発表は6月2日(土)の「アイテム・ガールズ」が終わってからとなりますが、昨年の今頃1年間の予定を立てた時には、まさか彼女が今年2月24日に亡くなるとは思いもよりませんでした。先日岡崎さんとも思い出話をしたのですが、来日時にも好印象を残してくれたスターで、今後の活躍も期待されていただけに、考えるたびにため息が出てしまいます。2回の講座では、彼女のご冥福を祈りながらお話することにします...。


では、西荻窪の「HAPA HAPA」ではこんな民族衣装もお待ちしていますので、ぜひ立ち寄ってみて下さいね~。

 

『バーフバリ』オフィシャルグッズが出ました!

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すでに公式ツイッター等で告知されていますが、『バーフバリ』のオフィシャルグッズが発売されることになりました。画像をいただきましたので、1つずつご紹介していきましょう。お値段はすべて、税抜きです。

●トレーディング缶バッジ(全11種) ¥300

(注)黒丸にXは「SECRET」だそうですが、絶対にアヴァンティカだよね? ね? ね?

©ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED.

「私以外の誰の缶バッジを作るだと?」

タマンナーの演じるアヴァンティカは、できればこの↓麗しきお姿の缶バッジがほしいです。

©ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED.

●アクリルストラップA、B 各¥650

どちらも「ジャイ! マヒシュマティ!」ポーズですね。

●クリアファイルセットA ¥600

●クリアファイルセットB ¥600

これは、AセットもBセットも両方とも”買い”でしょう。実は5月16日に宣伝隊長殿に「クリアーファイルとかもあったら、絶対買います! と、ツインさんにお伝え下さい」とメールしたところだったので、私としてはまさに「願いは叶う」なのでした。

●耐水シール ¥500

マヒシュマティ王国のパスポート・カバーにしたいデザインですね。

●マスキングテープ ¥500


●Tシャツ(S/M/L) ¥2,500

Tシャツは1種類だけなのねー。こんなにあるんです、インド版オフィシャルグッズ。そしてTシャツだけでも、ほら、こんなに。ネットでしか買えないのが残念ですが、送料出せば日本にも送ってくれるようですよ。しっかし、『バーフバリ』貧乏しそうだわ~。

●サコッシュ ¥1,500


というわけで、こんなグッズがあなたのお財布を狙っています。とは言っても、『バーフバリ 王の凱旋』<完全版>が公開される全劇場での販売ではなく、グッズの取り扱いがない劇場もありますので、ご注意下さいね。そのうち、公式サイトの劇場一覧に、「ポスター販売」のように「グッズ販売」と出して下さるのでは、と期待しています。このほか、分厚い<完全版>パンフレット(何と、オキテ破りの全48ページ!)もお待ちしていますので、財布を握りしめてお早めに劇場へ! 


友人が....<その4>今年も嬉しいカンヌのおみやげ

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今年も、カンヌ映画祭から戻った石坂健治さんがデータ本「MARCHÉ DU FILM」を送ってきて下さいました。毎年、本当にありがとうございます。このデータのおかげで、アジア映画の動向がよくわかります。


今年のデータを加えた、3年間データは次の通りです。(画像になっていますので、拡大してご覧下さい)


まず目を引くのは、中国の「観客動員数:16億2,000万人」という大幅な増加と、韓国の製作本数というか公開本数の右肩上がりのすごさと、インド映画の「自国映画占有率:93.0%」という奇跡の回復です。中国は10年前まで400本台だった年間製作本数が2010年あたりから急カーブを描いて増加、現在じりじりと1,000本に近づいているのですが、観客動員数も2017年は驚異的に増加し、インドの20億人前後という数に迫りつつあります。製作本数はまず抜かれないと思いますが、観客動員数はそのうち中国がインドを抜いてアジア第1位になるかも知れません。

韓国は、10年前までは100本台だった韓国映画公開本数が、2014、2015年には232本と増加傾向になり、あとは上記のようにホップ・ステップ・ジャンプで500本に迫ってきました。現在のアジアでは、「できのいい映画度」は一番高いと思われる韓国なので、まだまだ伸びるかも知れません。

そして、インドの自国映画占有率、つまり、全興行収入に占める自国映画が稼ぎ出した興行収入の割合は、何とまた90%超えに戻しました。昨年は『バーフバリ 王の凱旋』が4月にインドで公開され、日本以上のブームを巻き起こしたせいかも知れません。「知れません」ばっかりなのですが、このあたりを分析すると、各国映画界動向の核心に迫れそうです。アジア映画好きの若い皆さん、アジア映画研究の道に踏み込んでみませんか?


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