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『WAR ウォー!!』の裏の裏<5>初日に歌おう!「シヴァ神万歳」

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皆様、お待たせしました!  インド映画『WAR ウォー!!』、いよいよ今日が初日です!! 思いっきり、『WAR ウォー!!』の世界を楽しんで下さい。まずは、ガンガンのアクションシーンが目玉ですね(新しい画像をたくさん頂きました~♥)。

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

ホントに、リティク・ローシャンとタイガー・シュロフだからこそできた、高度なアクションシーンが次から次へと現れます。口で説明するのももどかしいので、ともかくも目撃して下さい!

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

次は、アッと驚くストーリーです。ネタバレ厳禁、バラした人にはスナイパーの銃口が...というようなことは、RAW(インドの諜報組織。Research and Analysis Wingの略)のエージェントじゃないのでないんですが、心の中で袋だたきにしちゃいます。ハーリド(タイガー・シュロフ)の鉄槌↑が下るかも知れませんよ。

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

ところで主人公の2人ですが、左のカビール(リティク・ローシャン)はおそらくヒンドゥー教徒です。カビールという名前自体は中世の宗教改革者の名前から取られたもので、この宗教改革者はヒンドゥー教とイスラーム教両方の影響を受け、そしてシク教の祖グル・ナーナクに影響を与えたことから、この3つの宗教の信者のいずれもが名前として使っています。ですが、右のハーリド(タイガー・シュロフ)はハーリド・ラフマニ(ラフマーニー)がフルネームで、イスラーム教徒である事が明確なため、もう1人の主人公はヒンドゥー教徒と考えるのが妥当、というわけなんです。そして、この2人が、ヒンドゥー教のお祭りホーリーを思わせる祝祭の場で歌い踊るのが、「Jai Jai Shiv Shankar(ジャイ・ジャイ・シヴ・シャンカル/シヴァ神万歳)」という歌です。ホーリーは春が来た喜びを表す楽しいお祭りなので、宗教に関係なく、みんなが祝います。

今日はその歌「Jai  Jai Shiv Shankar」の歌詞をアップしておきましたので、劇場の大画面と一緒に、心の中で歌ってみて下さい(いつか、絶叫上映、応援上映ができる日が来て、みんなで歌えるといいですね)。

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

♬Jai Jai Shiv Shankar♬(作曲:ヴィシャール=シェーカル、作詞:クマール)

トー・アージ・ヤール・ガル・ペー・イェー・ボール・ドー
To aaj yaar ghar pe ye bol do
さて 今日は 友よ 家で これを 叫ぼう

アーエーンゲー・デール・セー・フィクレーン・サブ・チョール・ドー
Aayenge der se fiqre sab chhod do
やってきた やっと 悩みは 全部 捨ててしまえ

アージ・ハク・セー・アプネー・ヒサーブ・メーン
Aaj haq se apne hisaab mein
今日は 堂々と 自分の 考えで

ハム・ジョー・カルネー・チャレー・ガルティー・ウォー・ジョール・ドー
Hum jo karne chale ghalti wo jod lo
僕らは やりたい いたずらを やってみよう


トー・アージ・ヤール・クッチュ・ラムホーン・ケー・リエ
To aaj yaar kuch lamho ke liye
さて 今日は 友よ しばらくの間

ビグリー・ラーホーン・ペー・トゥム・パイローン・コー・モール・ドー
Bigdi raahon pe tum pairo ko mod do
いけない道に 君は 足を向けてしまえ

アージ・ハク・セー・ドゥニヤー・コー・ブール・ケー
Aaj haq se duniya ko bhool ke
今日は 堂々と 世間を 忘れて

ジトネー・ハィン・カーイデー・ウォ-・サーレー・トール・ドー
Jitne hain qaayde wo saare tod do
いくら 規則があっても それを全部 破ってしまえ

ホー・クレー・グラウンド・メーン・アーケー
Ho khulle ground mein aake
広い グラウンドに 来て

ウーンチェー・サウンド・バジャーケー
Uccha sound bajaake
大きな 音を 出して

レッド・ワーラー・カラー・ラガーケー
Red wala color lagaake
赤い色を 付け合って

ナーチェーンゲー・ヒーロー・バン・カル
Nachenge hero ban kar
踊ろう ヒーローになって


ホー・ジャイ・ジャイ・シヴ・シャンカル
Ho Jai Jai Shiv Shankar
おお 万歳 シヴァ神

アージ・ムード・ハィ・バヤンカル
Aaj mood hai bhayankar
今日は 気分が 荒ぶる

ラング・ウルネー・ドー
Rang udne do  (2度くり返し))
色を まき散らせ

ハム・アーエー・バン・タン・カル
Hum aaye bann-thann kar
僕らは やってきた 着飾って

キ・ムード・ハィ・バヤンカル
Ki mood hai bhayankar
今日は 気分が 荒ぶる

ラング・ウルネー・ドー
Rang udne do  (2度くり返し))
色を まき散らせ

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

ドゥン・ケー・ギーレー・ギーレー・スル・スン・ケー
Dhun ke geele geele sur sun ke
メロディーの 潤いある音を 聞いて

バーリー・バーリー・ヤハーン・ジャム・ケー
Baari baari yahaan jam ke
次々と ここに 集まって

アージャー・デーシー・カマル・ペー・トゥム・ケー・ウチャール・デー
Aaja desi kamar pe thumke uchaal de
おいで 伝統的なビートで 叫ぼう

ホー・サーレー・シャルマーナー・アージ・チャル・ケー
Ho saare sharmaana aaj chhad ke
さて どんな羞恥心も 今日は お払い箱にして

ザラー・ザラー・ナシャー・カルケー
Zara zara nasha kar ke
少しずつ 酔っ払って

ジトニー・ビー・ハィ・シャラム・ディル・セー・ニカール・デー
Jitni bhi hai sharam dil se nikal de
ほんの少しの 恥じらいも 心から追い払え

アプニー・ヒー・シャルトーン・ペー・ナーチナー
Apni hi sharton pe nachna
自分の やり方で 踊ればいい

アージ・ランゴーン・セー・コーイー・ナヒーン・バチュナー
Aaj rangon se koi nahi bachna
今日は 色粉から 誰も 逃げられない

スバハ・タク・アブ・ナヒーン・タクナー・レー・ホー
Subah tak ab nahi thakna re ho
朝まで 疲れては いけないんだ


ホー・ドー・ドー・ラウンド・ラガー・ケー
Ho do do round laga ke
さて いくつかの ラウンドを やって

ソゥ・ソゥ・パウンド・ウラー・ケー
Sau saur pound uda ke
何百ポンドも まき散らして

ホー・ヴィラーヤティー・バーング・チャラー・ケー
Ho vilaiyti bhang chadha ke
さて 洋物の大麻を 飲んで

ナーチェーンゲー・ヒーロー・バン・カル
Nachange hero ban kar
踊ろう ヒーローになって


ホー・ジャイ・ジャイ・シヴ・シャンカル
Ho Jai Jai Shiv Shankar
おお 万歳 シヴァ神

アージ・ムード・ハィ・バヤンカル
Aaj mood hai bhayankar
今日は 気分が 荒ぶる

ラング・ウルネー・ドー
Rang udne do  (2度くり返し))
色を まき散らせ

ハム・アーエー・バン・タン・カル
Hum aaye bann-thann kar
僕らは やってきた 着飾って

キ・ムード・ハィ・バヤンカル
Ki mood hai bhayankar
今日は 気分が 荒ぶる

ラング・ウルネー・ドー
Rang udne do  (2度くり返し))
色を まき散らせ

Jai Jai Shivshankar - Full Song | War | Hrithik Roshan, Tiger Shroff | Vishal & Shekhar, Benny Dayal

 

『WAR ウォー!!』の公式サイトはこちらです。さあ、お近くの映画館をチェックしてGO!

 


『WAR ウォー!!』の裏の裏<6>「♬Jai Jai Shiv Shankar」には元歌?が

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昨日の『WAR ウォー!!』公開初日、全国でたくさんの方がこの映画をた~っぷりと楽しまれたようです。公式ツイッターを見ていると、熱い感想が続々と上がっています。ネタバレ3歩手前(笑)のツイートもありますが、がまんして口チャック! よろしくお願いします。明日の日曜日も、お天気がいまひとつですが、映画館で『WAR ウォー!!』を楽しんで下さいね。

昨日の記事で、「Jai Jai Shiv Shankar(ジャイ・ジャイ・シヴ・シャンカル/シヴァ神万歳)」の歌の歌詞をアップしておきましたが、皆さん歌えるようになりましたか? ちょっと早口なので難しいかも知れませんが、サビの部分、「ジャイ・ジャイ・シヴ・シャンカル/アージ・ムード・ハィ・バヤンカル/ラング・ウルネー・ドー/ラング・ウルネー・ドー」はすぐ歌えると思いますので、ぜひ憶えて歌って下さい。逐語訳は、「ジャイ(万歳)・ジャイ・シヴ(シヴァ神)・シャンカル(シヴァ神の別名)/アージ(今日)・ムード(英語の「ムード」)・ハィ(~だ)・バヤンカル(荒ぶっている、恐ろしい)/ラング(色、色粉)・ウルネー(飛ばす)・ドー(~してやれ)/ラング・ウルネー・ドー」です。藤井美佳さんの字幕は「シヴァ神万歳/気分はワイルド/色めき立つ」だったかな、来週映画館に見に行くので、ちゃんと確認しておきますね。

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

ところでこの歌ですが、全く同じタイトルの歌が1978年のヒットソングにあるんです。証拠は下のとおり。これは、1960~1980年代に出ていた「○○年のヒット曲」というLPレコードのシリーズのうち、1974年版のジャケットから取った写真です。右下の字、小さいですが「JAI JAI SHIV SHANKAR」と読めるでしょう? その下が映画のタイトルで、『AAP KI KASAM(アープ・キー・カサム/あなたに誓って)』と読めます。

『AAP KI KASAM』は1974年5月3日に封切られたヒンディー語映画で、主演はラージェーシュ・カンナー(写真右)とムムターズ(同左)、そしてサンジーヴ・クマール、監督はJ.オーム・プラカーシュで、プロデューサーも兼ねていました。というか、それまでプロデューサーとして数本の映画を作ったJ.オーム・プラカーシュが、初めて監督に転進したのがこの『AAP KI KASAM』だったのです。そして、この映画は「JAI JAI SHIV SHANKAR」の曲のヒットで、その年の興行収入第9位に食い込むという快挙を成し遂げました。歌詞、メロディーとも『WAR ウォー!!』の曲とは違っていて、こんな曲でした。

Jai Jai Shiv Shankar | Lata Mangeshkar, Kishore Kumar | Aap Ki Kasam | Rajesh Khanna

 

何だか、いかにも1970年代の曲、という感じですね。で、どうして同じタイトルの曲が『WAR ウォー!!』のために作られたかというと、監督&プロデューサーのJ.オーム・プラカーシュは、リティク・ローシャンのお母さんの父親、つまりリティクの母方の祖父なのです。それで、昔の有名なヒット曲と同じタイトルの曲がヴィシャール=シェーカルによって作られたわけですが、残念ながらJ.オーム・プラカーシュは、『WAR ウォー!!』が公開される2019年10月2日の少し前、8月7日に亡くなってしまいました。享年93だったのでお年に不足はないとも言えますが、こうして『WAR ウォー!!』の「Jai Jai Shiv Shankar」はよけいにJ.オーム・プラカーシュへのトリビュートとなったのでした。

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

『WAR ウォー!!』にはもう1曲、「Ghungroo(グングルー/足鈴)」という曲が使ってありますが、実はこちらにもちょっとした裏話があります。それはまた、来週、ということで、皆さん、『WAR ウォー!!』へGO! 何度おかわりしても新しい発見がある映画なので、どんどんおかわりして下さいね。そうそう、最後に、シヴァ神様に「新型コロナウィルスの感染者増加が止まりますように」とお祈りしておこうと思います。シヴァ神様、シャンカル様、どうかよろしくお願いします!

 

『きっと、またあえる』のコレに注目!<10>舞踊監督はまたもやボスコ&シーザー!

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現在公開中のインド映画『WAR ウォー!!』はもうご覧になりましたよね? あの映画のソング&ダンスシーンに、ハートをぶち抜かれた方も多いはず。私の予測では、99%の人が「Jai Jai Shiv Shankar(ジャイ・シヴ・シャンカル/シヴァ神万歳)」と「Ghungroo(グングルー/足鈴)」のシーンに魂を持って行かれたと予測しています(残りの1%は、ダンスにあまり興味がない方ですよね)。前者はこちらでご紹介し、後者も間もなく取り上げる予定なのですが、『WAR ウォー!!』のダンス監督はボスコ・マーティスとシーザー・ゴンサルベスの2人で、実はこの2人、8月21日(金)に公開予定の『きっと、またあえる』の振付も担当しているんです。何という偶然、というか、それほど現在引っ張りだこのダンス監督デュオというわけですね。2人の紹介はこちらでも簡単に記述しておきましたが、現在45歳のボスコと47歳のシーザーのキャリアはすでに20年、ボリウッド映画だけでなく、タミル語映画などインド中の映画界からお声がかかって仕事をしています。日本公開作では、『アルターフ 復讐の名のもとに』(2000)、『きっと、うまくいく』(2009)、『スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え! No.1 !!』(2012)、『エージェント・ヴィノッド 最強のスパイ』(2012)、『マッスル 踊る稲妻』(2015)、『ロボット2.0』(2018)などがありますので、発売ソフトで彼らの振付をぜひ振り返ってみて下さいね。

下はWikiから取った写真で、2012年のものだそうです。左がボスコ、右がシーザーです。

今回、『きっと、またあえる』では、本格的なソング&ダンスシーンとしてはエンドロールの「Fikar Not(フィカル・ノット/心配するな)」が目玉なのですが、これがまあ、実に実に大変なシーンなのです。何せ、現在では中年である主人公たち7人が踊るだけでなく、学生時代の若い頃の7人も登場して一緒に踊りの輪に入るわけで、いくらCGを使うと言っても、撮影の難しさはハンパではありません。それを見事にやり終えた一番の功労者が、ダンス監督のボスコ&シーザーだったのです。では、まずは完成したシーンを見ていただき、その後にメイキングシーンを見ていただきましょう。

「Fikar Not(フィカル・ノット/心配するな)」

Full Song: Fikar Not | Chhichhore | Nitesh Tiwari | Sushant, Shraddha | Pritam | Amitabh

 

同上メイキング・シーン

Making Of Fikar Not Video | Chhichhore |Nitesh Tiwari,Sushant,Shraddha | Pritam,Amitabh Bhattacharya

 

ボスコとシーザーにニテーシュ・ティワーリー監督、そしてプロデューサーのサージド・ナーディヤードワーラーの顔も見えますね。下の動画の中で、本番以前にダンススタジオでリハーサルしているシーンも垣間見られますが、実はそのさらに前には、俳優の代わりにダンサーたちを使って、ボスコとシーザーが振り付けを考えていく動画もYouTubeには上がっています。ダンスの振り付け、特に群舞が入ると大変なんですが、加えてCG合成シーンも入れるという、三重苦のソング&ダンス・シーンだったようです。だからこそ、とても楽しいシーンになっていて、一瞬で消えてしまうのがもったいないぐらいです。今はこういう風に、YouTubeで何度も見られるからいいですね。皆さんも劇場でご覧になったあとで、また見たい!ときっと思われると思います。

では、8月21日(金)の封切りをお楽しみに。この「『きっと、またあえる』のコレに注目!」シリーズも、公開当日までまだまだ続きま~す。最後に予告編を付けておきますが、公式サイトもぜひご訪問下さい。

映画『きっと、またあえる』予告編

 

『WAR ウォー!!』大画面&odessa上映で見てきました~!

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『WAR ウォー!!』上映中の首都圏の映画館、どこに見に行こうかとお迷いの方もあるかと思います。私は、「ヒューマントラストシネマ渋谷のオデッサ上映がいいですよ」と推薦されて、「オデッサ上映???」と首をかしげながら今日出かけてきました。「オデッサ」というと、思い出すのは『戦艦ポチョムキン』(1925)のオデッサの町のシーンか、『オデッサ・ファイル』(1974)ぐらいで、あのウクライナの黒海沿岸の町が映画館とどう関わるのか、謎でした。

で、上映中のホールを横目にチケット売り場に行き、「『WAR ウォー!!』の夜の回を」と言うと、「音響が大きめなんですが、いいですか?」と確認されました。チケット売り場の方は親切にも簡単な説明をして下さり、「お嫌な方もいらっしゃるので」とのことで、前もって確認して下さったようでした。その後、映画館のサイトを見たら、「オデッサ」の由来と共に、新しく開発されたスピーカーシステムのことが解説されていました。スピーカーは前に設置されているとのことで、前の席ほど音響効果が強いようです。で、ちょっとびびって、後ろの方の席にしました。

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

後ろの方の席でもオデッサ効果は抜群で、アクションシーンはもちろんのこと、音楽シーンやBGMが流れる場面でも床下が揺れる感じがしたり、音が渦巻くような気分にさせられたりと、すごく気持ちよかったです。一度、ぜひお試し下さい。

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

ただ惜しむらくは、ヒュートラさんのスクリーン位置が低めであることで、前の席の人の頭が動くと一瞬字幕が見えなくなることがありました。市松模様システムの席アケ形式なのですが、ヒュートラさんの席は元々が半席分ずれていて、どうしても前の人と重なってしまうのです。これからいらっしゃる方は、条件のいいお席をお選び下さい。それと、オデッサ音響を堪能なさるには、前の方のお席がいいのでは、と思います。あの音体験、もう一度この身に浴びてみたいです。

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

今回大画面で見て、アクション・シーンの細かな演出にいろいろ気づきました。上のシーンの少し前、砕氷船内部でリティクがすごくカッコいいことをしていたり、イラクのシーンでは「それ、笑いを取りに行ってるの?」という演出があったり(オ・セヨンの仕業か?)....という具合に、パンフに書くのでDVDをお借りして何度も見ているのですが、やはり大画面ならではの発見でした。

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

あと、タイガー・シュロフ扮するハーリドが最初にアクションを見せるマルタ島のシーン、「BANGER!!!」の記事では「ワンカットでは」と書いたのですが、ある方のツイートだとそう見せている撮り方なのだとか。というわけで、目を皿のようにして見ていたのですが、つなぎ目わからず...。あの柱が真ん中に入ってくる所が、つなぎ目なのかなあ。タイガー・シュロフならワンカット・アクションもできると思うのだけれど、相手あってのアクションですからね。どなたか、答えをご存じの方はお教え下さい。

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

そのほか、『タイガー・バレット』(2018)でタイガー君がやっていたバク転二丁拳銃撃ちを、この映画ではリティク・ローシャンがやってくれるし、アクションも細かく見るとあれこれうんちくを傾けたくなります。とにかく見ているとアッという間に終わってしまう感じがするのが『WAR ウォー!!』なので、何度も見たくなって困ります。まだご覧になっていない方は、ぜひお早めに劇場へお運び下さい。公式サイトの劇場案内はこちらです。うーむ、川崎チネチッタもよさげですね...。

 

よしだ まさし著「熱中! フィリピン映画」大推薦!!

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日本で一番フィリピン映画に詳しいのでは、と思われるよしだ まさしさんから、ご高著「GUIDEBOOK OF PHILIPPINE MOVIES  熱中! フィリピン映画」をいただきました。ありがとうございます! 先日、よしださんのブログでこの本の出版を知り、「一部買います!」とメールしたら、「献本として送らせていただきました。明日ぐらいには届くのではないかと思います」というお返事をいただき、楽しみにして待っていたのでした。で、今日、この本が届いたので早速拝見、まだつまみ読みですが面白い! まずは表紙画像を付けておきます。

A4判124ページで頒価は送料込み1,000円という自費出版ですが、中身がとっても充実しています。目次を見て戴きましょう。

CONTENTS

 はじめに___________ 4

フィリピン映画興収ベスト10___________ 6
フィリピンの映画人:キャシー・ガルシア・モリーナ__________ 29
フィリピンの映画人:ウェン・V・デラマス__________ 45
デラマス映画祭企画案__________ 51
スーパーヒロイン登場:Darna__________ 55
フィリピン版ヒロイックファンタジー:Ang Panday__________ 64
フィリピン映画を観る方法__________ 71
イベントレポート:【Miss Granny】上映会__________ 84
フィリピン映画:人名の読み方__________ 97
フィリピン映画アラカルト_________ 101
フィリピン映画レポート_________ 119

フィリピン映画豆知識:製作本数____________ 44
:家族________________ 63
:ラブチーム__________ 70
:アスワン___________ 100

あとがき_________ 121

上は、裏表紙のヴィジュアルです。フィリピン映画の現在の製作本数は、この本によるとWiki情報として、2019年は123本が製作されています。そのうちの、フィリピン人が一般的に見ている映画が、本書では取り上げられており、従ってラヴ・ディアス監督論やブリランテ・メンドーサ監督の作品紹介などを期待して本書をひもとくと、残念ながらうっちゃりを食らわされます。その代わり、P.6からの「フィリピン映画歴代興収ベスト10」に多くの作品が登場している人気監督2人、キャシー・ガルシア・モリーナ監督(3本)とウェン・V・デラマス監督(3本)には、詳しい紹介ページが割かれています。ウェン・V・デラマス監督は、残念ながら2016年に49歳で亡くなっているのですが、現在48歳の女性監督キャシー・ガルシア・モリーナはまだまだ快進撃中。本の表紙に大きく載せられているポスターは、モリーナ監督の『The Hows of Us』(2018)で、これが歴代興収第2位の作品です。そして、興収第1位の作品はと言うと、何と! 偶然こちらでご紹介したモリーナ監督の『Hello, Love, Goodbye』(2019)なのでした。私もフィリピン映画と少々のご縁があるのかも。

上の写真は、よしださんが付録(?)として入れて下さったものですが、この映画『My Fairy Tail Love Story』(2018)のペルシ・インタラン監督と、『ダイ・ビューティフル』(2016)のジュン・ロブレス・ラナ監督のサインが入っているポスター画像です。よしださんはフィリピン映画人のサイン・コレクターでもあり、映画祭でゲストが来日しているとわかると、関連する作品のポスターをポスカに印刷して持参し、監督や俳優のサインをもらってしまうのです。作品のセレクションがマニアックだったり、ツボを得ていたりするため、どの映画人も驚きながらサインをしてくれるらしく、フィリピン映画界では、「あのやたらフィリピン映画に詳しいおじさん」として有名であるとかないとか。そんなよしださんが上梓したこの「熱中! フィリピン映画」、とっても面白いですし、読み通すとフィリピンの映画と映画人に急速接近できるスグレモノです。

ご希望の方は、こちらのサイトからよしださんにお申し込み下さい。毎年、フィリピン映画をよく上映してくれる映画祭、アジア・フォーカス福岡国際映画祭と東京国際映画祭、今年は開催されるのでしょうか。グッドニュースが聞こえてくるよう、願っています。最後に、『My Fairy Tail Love Story』の予告編を付けておきます。なるほど~、これでFairy TaleじゃなくてFairy Tailなのね~。本書の「フィリピン映画アラカルト」にストーリーや解説があるので、ぜひどうぞ。

MY FAIRY TAIL LOVE STORY (2018) Official Trailer

 

配信で公開されるインド映画はいくら稼ぐのか

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昨日見たインド版Yahoo!のニュースの中に、興味深いニュースがありました。「10 Bollywood films sold to OTT platforms for insane amount of money(配信メディアにとんでもない値段で売られたボリウッド映画10本)」というニュースで、映画館がいまだに休館状態のため、OTT(”Over-The-Top”の略で、インターネットを通じて音声や動画などを提供する、通信事業者以外の企業のこと)媒体を使って映画をリリース(公開)することにしたボリウッド映画界が、いくらでそれらの媒体に作品を売ったか、という値段が具体的に出ているものでした。もともとは「MENSXP」というサイトが配信し、それを「Yahoo Lifestyle」というサイトが権利料が高い順に並べ替え、画像も取り替えて紹介してあるのですが、なかなか興味深い数字がでているので、今後の資料として訳出しておきます。

インドは3月24日(火)から5月31日(日)までという、2ヶ月以上のロックダウン(都市封鎖)を実施したのですが、その効果があまり出ないうちに解除したため、その後も新規感染者数は増え続け、現在の感染者数は124万人という数になっています。増え方も一向に衰えない急カーブ状態で、アメリカ、ブラジルに続く第3位となって早2週間経ちました。ロックダウン当初から映画館はすべて休館になったのですが、ロックダウン解除となったあとも休館は続き、3月末以降、新作映画の公開はストップしたままです。これにじれた映画製作者が、少しでも製作費用を回収しようと打ち出したのが動画配信サービスを使って映画を公開する方法で、確かマヘーシュ・バット監督の『Sadak 2(サラク 2/路上 2)』が言い出しっぺではなかったかと思います。その後追随する製作者が現れ、ポポッポーさんのブログでも紹介されていたので、映画館再開はずっと先、という読みだろうか、と思いながら拝見したのでした。今回は、ボリウッド映画の目玉作品が続々と動画配信サービスに売り渡されたので特集記事になった、という経緯のようです。まずは、10本のラインアップを見てみましょう。

配信媒体による公開作品(1ルピー=約1.5円)

1.『Laxmmi Bomb(ラクシュミー爆弾)』
   監督:ラーガヴァ・ローレンス/主演:アクシャイ・クマール
         配信元:ディズニー+ホットスター  
   権利料:Rs. 125 Crore(12億5千万ルピー)

Laxmi Bomb Official | Akshay Kumar, Kiara Advani | Laxmi Bomb Trailer | Laxmi Bomb Teaser | LUB

 

2.『Bhuj: The Pride of India(ブジ:インドの誇り)』
   監督:アビシェーク・ドゥダィヤー/主演:アジャイ・デーウガン
         配信元:ディズニー+ホットスター 
   権利料:Rs. 110 Crore(11億ルピー)

Bhuj The Pride Of India Official Trailer | Ajay Devgn | Sanjay Dutt | Bhuj Official Trailer

 

3.『Sadak 2(路上 2)』
    監督:マヘーシュ・バット/主演:アーリアー・バット
       配信元:ディズニー+ホットスター
    権利料:Rs. 70 Crore(7億ルピー)

(公式予告編がYouTubeにアップされていないようです)

 

4.『Gulabo Sitabo(グラーボーとシーターボー)』
    監督:シュージト・サルカール/主演:アミターブ・バッチャン、アーユシュマーン・クラーナー
       配信元:アマゾン・プライム・ビデオ 
    権利料:Rs. 65 Crore(6億5千万ルピー)

Gulabo Sitabo - Official Trailer | Amitabh Bachchan, Ayushmann Khurrana | Shoojit, Juhi | June 12

 

5.『Gunjan Saxena: The Kargil Girl(グンジャン・サクセーナー:カールギルの少女)』
    監督:シャラン・シャルマー/主演:ジャーンヴィー・カプール
       配信元:ネットフリックス
    権利料:Rs. 50 Crore(5億ルピー)

Introducing Gunjan Saxena: The Kargil Girl | Janhvi Kapoor | A Netflix Original Film | Netflix India

 

6.『Shakuntala Devi: Human Computer(シャクンタラー・デーヴィー:人間コンピュータ)』
    監督:アヌ・メーナン/主演:ヴィディヤー・バーラン
       配信元:アマゾン・プライム・ビデオ 
    権利料:Rs. 40 Crore(4億ルピー)

Shakuntala Devi - Official Trailer | Vidya Balan, Sanya Malhotra | Amazon Prime Video | July 31

 

7.『Dil Bechara(哀れな心)』
    監督:ムケーシュ・チャーブラー/主演:スシャント・シン・ラージプート
       配信元:ディズニー+ホットスター 
    権利料:Rs. 40 Crore(4億ルピー)

Dil Bechara | Official Trailer | Sushant Singh Rajput | Sanjana Sanghi | Mukesh Chhabra | AR Rahman

 

8.『The Big Bull(巨大雄牛)』
    監督:クーキー・グラーティー/主演:アビシェーク・バッチャン
        配信元:ディズニー+ホットスター 
    権利料:Rs. 40 Crore(4億ルピー)

The Big Bull | Official Trailer | Abhishek Bachchan | Ajay Devgn | An Unreal Story | Kookie Gulati

 

9.『Khuda Haafiz(さようなら)』
    監督:ファールーク・カビール/主演:ヴィドゥユト・ジャームワール
       配信元:ディズニー+ホットスター 
     権利料:Rs. 10 Crore(1億ルピー)

Khuda Hafiz Official Trailer | Disney Hotstar VIP | Vidyut Jammwal | Shivaleeka Oberoi | Khuda Hafiz

 

10.『Lootcase(ルートケース、略奪ケース)』
    監督:ラージェーシュ・クリシャン/主演:クナール・ケームー
       配信元:ディズニー+ホットスター 
    権利料:Rs. 10 Crore(1億ルピー)

Lootcase | Official Trailer | Kunal | Gajraj | Vijay | Dir: Rajesh Krishnan | Releasing: 31st July

 

現在のところ判明している作品のうち、有名スターが主演しているものを10本集めた、という感じですが、配信元としてはディズニー+ホットスターが10本中7本を占めるのが目に付きます。ホットスターは衛星放送チャンネルのスター・インディア(その元は香港発の衛星放送スターTV)が始めた配信媒体で、昨年スター・インディアがディズニーの子会社になったため、ディズニー+ホットスターという名称になったものです。あとは日本でもお馴染みのアマゾン・プライムとネットフリックスですが、他にも衛星テレビ放送系や映画製作会社系などたくさんある配信媒体の中で、この3社がずば抜けて力を持っています。3社とも独自に映画製作も行っており、従来の映画製作会社にとってはその意味でも脅威でしょう。

この配信権利料ですが、『Laxmmi Bomb(ラクシュミー爆弾)』の12億5千万ルピーと『Bhuj: The Pride of India(ブジ:インドの誇り)』の11億ルピーは、どのくらい「とんでもない高値」なのでしょうか。例えば、それぞれの主演俳優、アクシャイ・クマールとアジャイ・デーウガンの、直近のヒット作2作と比べてみますと...。

アクシャイ・クマール主演作
 『Good Newwz(グッドニュース)』(2019)
  製作費:Rs. 60 Crore(6億ルピー)
  全世界興行収入:Rs. 318 Crore(31億8千万ルピー)
アクシャイ・クマール主演作
 『Mission Mangal(火星探査計画)』(2019)
  製作費:Rs. 32 Crore(3億2千万ルピー)
  全世界興行収入:Rs. 290 Crore(29億ルピー)

Good Newwz film poster.jpgMission Mangal.jpg

アジャイ・デーウガン主演作
 『Tanhaji(ターンハージー)』(2020)
  製作費:Rs. 150 Crore(15億ルピー)
  全世界興行収入:Rs. 367 Crore(36億7千万ルピー)
アジャイ・デーウガン主演作
 『Total Dhamaal(大騒ぎ総集編)』(2019)
  製作費:Rs. 100 Crore(10億ルピー)
  全世界興行収入:Rs. 228 Crore(22億8千万ルピー)

Tanaji film poster.jpgTotal Dhamaal poster.jpg

本来得られるであろう興収から見ると配信権利料は半分以下ですが、製作費だけならほぼ回収できる額と言えます。これで、ネット配信の期間を半年とかに設定し、その後衛星テレビ局に権利を売れば儲けが出るわけで、従来の映画ビジネスと比べても、まずまずの収入となります。映画館が再開しても、この「配信ファースト」の公開方法はなくならないかも知れません。

ともあれ、映画館という祝祭の場が大好きなインド人にとって、映画館に行けない今は大変に張り合いがない毎日でしょう。早く感染者数増加が鈍り、映画館も再開されることを願っています。日本もこれ以上感染者数が増加していくと大変なので、大好きな映画の場を守るためにも、さらに気を引き締めていきましょう。

 

『WAR ウォー!!』の裏の裏<7>上映2週目に歌おう!「♬Ghungroo(グングルー)」

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4連休、いかがお過ごしですか? 私はせいぜい近所のBOOKOFFに出かけるぐらいで(片道30分ちょいなので、いい運動になる)、あとは東京都民でもないのにStay Homeしています。今日出かけて目に付いたのはマスクをしていない大人の人で、若い人から老人世代まで、男女ともにちらほら目に付きます。休日なので公道をランニングしている人も多く、この暑さだと運動用マスクでも大変か、と思うものの、荒い息ですれ違われるとやっぱりコワい。マスク装着率が落ちているのも、感染拡大につながっているのかも知れません。

てな恐怖心を振り払うためには、やっぱりインド映画のゴキゲンなソング&ダンスシーンが一番効果的。公開中の『WAR ウォー!!』のこの歌など最適で、パソコンの奥からバカンス気分を運んできてくれます。

Ghungroo Song | War | Hrithik Roshan, Vaani Kapoor | Vishal & Shekhar |ft| Arijit Singh | Shilpa Rao

 

せめてこの歌のサビの部分だけでも一緒に歌って、暑さも新型コロナも忘れましょう。下の歌詞は、映画の画面で使われたものなので、上のPR用動画より長くなっています。

♬Ghungroo Song♬ 

キューン・ラムヘーン・カラーブ・カレーン
Kyun lamhe kharab karein
どうして 時間を 無駄に できようか

アー・ガルティー・ベーヒサーブ・カレーン
Aa ghalti behisab karein
さあ 過ちを 盛大に 犯そう

ドー・パル・キー・ジョー・ニーンド・ウリー
Do pal ki jo neend udi
一瞬の 眠りは 消え去った

アー・プーレー・サーレー・カーブ・カレーン
Aa poore saare khaab karein
さあ いっぱい 夢を 見よう


キャー・カルネー・ハィ・ウムローン・ケー・ワーデー
Kya karne hai umron ke waade
どうするんだ 一生の 誓いなど

イェー・ジョー・ラフテー・ハィン・ラフネー・デー・アーデー
Ye jo rehte hain rehne de aadhe
この 存在するものは そのままにしておいて

ドー・バール・ナヒーン・エーク・バール・サヒー
Do baar nahi ik baar sahi
2度目は ないんだ 1度で十分

エーク・ラート・キー・カル・レー・トゥー・ヤーリー
Ik raat ki kar le tu yaari
一晩だけ 示してほしい 君の愛を

スバハ・タク・マーン・ケー・メーリー・バート
Subah tak maan ke meri baat
朝まで 従って 僕の 言うことに

トゥ-・アイセー・ゾール・セー・ナーチー・アージ
Tu aise zor se naachi aaj
君は こんな風に 激しく 踊った 今日

キ・グングルー・トゥート・ガエー
Ki ghungroo toot gaye
だから 足鈴が 壊れてしまった

キ・グングルー・トゥート・ガエー
Ki ghungroo toot gaye
だから 足鈴が 壊れてしまった

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

チョール・ケー・サーレー・シャルム・アゥル・ラージ
Chhod ke saare sharm aur laaj
捨てて 全ての 羞恥と恥じらいを

マィン・アィセー・ゾール・セー・ナーチー・アージ
Main aise zor se naachi aaj
私は こんな風に 激しく踊ったの 今日

キ・グングルー・トゥート・ガエー
Ki ghungroo toot gaye
だから 足鈴が 壊れてしまった

キ・グングルー・トゥート・ガエー
Ki ghungroo toot gaye
だから 足鈴が 壊れてしまった

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

イシュク・ハィ・アージ・バス・カル・カルナー・ビー・ナヒーン
Ishq hai aaj bas kal karna bhi nahi
熱い恋があるのは 今日 明日には(恋など)できない

ディル・メーン・タハルナー・トー・ハィ
Dil mein theherna to hai
心に とどまってほしいのよ

パル・ウタルナー・ビー・ナヒーン
Par utarna bhi nahi
なのに 降りてきてもくれない

ミトナー・ビー・ハィ・クッチュ・デール・ケー・リエー
Mitna bhi hai kuchh der ke liye
消してしまうわ しばらくたてば

プーリー・ウマル・トゥムペー・マルナー・ビー・ナヒーン
Puri umar tumpe marna bhi nahi
一生 あなたに 恋してるわけじゃない


キャー・カルネー・ハィ・ウムローン・ケー・ワーデー
Kya karne hai umron ke waade
どうするのよ 一生の 誓いなど

イェー・ジョー・ラフテー・ハィン・ラフネー・デー・アーデー
Ye jo rehte hain rehne de aadhe
この 存在するものは そのままにしておいて

ドー・バール・ナヒーン・エーク・バール・サヒー
Do baar nahi ik baar sahi
2度目は ないの 1度で十分

エーク・ラート・キー・カル・レー・トゥー・ヤーリー
Ik raat ki kar le tu yaari
一晩だけ 示してほしい あなたの愛を

スバハ・タク・マーン・ケー・メーリー・バート
Subah tak maan ke meri baat
朝まで 従って 私の 言うことに

トゥ-・アイセー・ゾール・セー・ナーチェー・アージ
Tu aise zor se naache aaj
あなたは こんな風に 激しく 踊った 今日

キ・グングルー・トゥート・ガエー
Ki ghungroo toot gaye
だから 足鈴が 壊れてしまった

キ・グングルー・トゥート・ガエー
Ki ghungroo toot gaye
だから 足鈴が 壊れてしまった

キ・グングルー・トゥート・ガエー
Ki ghungroo toot gaye
だから 足鈴が 壊れてしまった

トゥート・ガエー
Toot gaye....
壊れてしまった

と、とても意味深な歌なのですが、「グングルー」は上写真のような、インドの伝統舞踊を踊る時に足首に付ける鈴です。伝統舞踊を踊る人=舞踊手ではあるものの、映画の中で「グングルー」から連想されるのは、踊りを踊ってお金を稼ぐ人、つまり、踊り子が浮かんできます。踊り子は娼家に暮らし、客の前で踊りという芸を見せながら、客とベッドインもする存在として、インド映画の中ではこれまでたびたび描かれてきました。踊り子がヒロインの場合は必ず彼女の真心や清廉な志が描かれるのですが、ここで踊るナイナも、高級クラブの花形ダンサーでありながら、カビールに真心を捧げ、彼の愛国心に共鳴する誇り高いインド人として描かれています。上の場面では、途中から登場するクラブシーンの振り付けが見事ですが、演じたヴァーニー・カプールは本当に大変だったようです。最後にメイキングシーンを付けておきますので、映画館でご覧になる時は、ぜひヴァーニー・カプールの努力を思い出して下さいね。

Vaani vs Dance | Ghungroo Song | War | Hrithik Roshan | Vaani Kapoor | Arijit Singh | Shilpa Rao

 

絶賛上映中の『WAR ウォー!!』、2週目に入りましたので、まだの方は公式サイトをご参照の上、映画館に「チャレーン!(行きましょう!)」。

<よけいなひと言>ところでヴァーニー・カプール、このソング&ダンス・シーンでリティク・ローシャンと踊っている時、赤いロングドレス姿になったら足元がミスマッチな○○に。よいのか、それで? 何か理由があったのかとインド版Yahoo!でググってみたのですが、インド人の皆さん、そんな細かいところまで見てないらしく、反応ゼロ。それぐらい難しいステップだった、という証拠かも知れません。

 

香港電影新聞 ①『追龍』日本公開中! ②香港国際電影節取消

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香港映画関連のお知らせを相乗りさせたいので、こんなタイトルにしました。「新聞(サンマン)」は広東語で「ニュース」のことです。余談ながら、日本語の「新聞」は「報紙(ポゥジ)」となります。

①香港映画『追龍』昨日より公開中!

こちらのブログでは1ヶ月も前にご紹介してしまったので、お忘れかも知れませんが、いろんな意味で興味深い作品『追龍』が昨日、7月24日(金)に封切られました。こちらにも書きましたが、興味深いのは劉徳華(アンディ・ラウ)と甄子丹(ドニー・イェン)の初共演作であること、戦後香港の裏社会の大物リー・ロックと「跛豪」をダブル主人公にしていること、王晶(バリー・ウォン)の共同監督を務める關智耀(ジェイソン・クワン)が撮影監督としてすでに著名であり、かつマレーシア映画『Puteri Gunung Ledang(レダン山の王女)』(2004)で撮影監督デビューをしている人であること等々で、これに比べれば、2017年香港映画興行収入第4位なんてのは「ま、それぐらいは行くわよね」です。

実は、『追龍』の配給会社はインターフィルムさんで、インド映画『WAR ウォー!!』の配給協力会社なんですね。私は『WAR ウォー!!』のお手伝いをちょろっとやったため、インターフィルムの方がご親切にも『追龍』の新しいチラシやパンフ、上写真のようなポスカ等を送ってきて下さった、というわけなのでした。お気遣い、すみません~。上のポスカは香港版ポスターの1つのようで、パンフの中にはほかにもカッコいいポスターが紹介してあります。パンフに評論をお書きになったのは紀平重成さんで、「香港警察への冷ややかなる眼差し 正義なき時代を活写する実録映画」というタイトルのこのご文章は必見です。王晶監督も、ここまで深読みしてもらえば、胸を張りたくなるでしょう(^^)。

そして、アンディ・ラウからの結構長いメッセージも届いています。『WAR ウォー!!』のリティク・ローシャンとタイガー・シュロフのメッセージといい、インターフィルムさんはメッセージ獲得がお上手です。機嫌良くしゃべってくれてる華仔(ワーチャイ/アンディ・ラウのこと)も、サービス精神旺盛ですね。続けて予告編も出てきますので、ご覧になって下さい。

映画『追龍』コメント動画(アンディ・ラウ)

 

あれ、ちょっと字幕がおかしい気が。「ドニー・イェン氏との合作作品」となってますが、「合作(ハプチョク)」は日本語ではやはり「共演」と言わないと変ですね。「日本と香港の合作映画(今は”国際共同製作映画”と言うのが普通ですが)」というような時にしか「合作」は使いませんから。あと、「終於有機会合作(チョンイ・ヤゥゲィウィ・ハプチョク)」と聞こえる箇所は、「やっと共演する機会ができて」とかの意味だと思うのですが、「最後に合作するよい機会で」になっているし。「最後」って、華仔、引退しちゃうの?! とファンが心配しますよ。香港側が付けてきた日本語字幕かも知れませんね。ま、華仔の語りが長く聞けたから、ラッキー!としましょう。というわけで、アンディ・ラウも「映画館で会いましょう!」と言っていますので、公式サイトでお近くの映画館をご確認の上、お出かけ下さい。

②第44回香港国際映画祭は中止となりました

以前、こちらでお知らせした、時期を遅らせて8月開催となる予定の第44回香港国際映画祭ですが、2、3日前にこんなお知らせが来ました。

香港も、新型コロナウィルスの感染者がまた増加中で、本日は新規感染者数が133名となり、ここ2、3日ずっと記録更新しています。133名中海外からの帰国者は7名とかで、126人が香港で感染した人となり、不安が広がっているため、映画祭の事務局も中止の判断をしたのでしょう。仕方がないですね。国安法のこともあるし、映画祭自体も今後どうなっていくのか心配です....。

 


『きっと、またあえる』のコレに注目!<11>味のある脇役たちにも注目~✨

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7月もあとわずか、今週の土曜日はもう8月1日です。そして、その3週間後の8月21日(金)は、インド映画『きっと、またあえる』の初日です! 長かったですねー、この日が来るまで。このブログで初めてご紹介したのが、昨年の11月22日のこちらの記事。その時は「2020年4月公開予定」となっており、その後2月20日のこちらの記事でお伝えしたように公開日が4月24日(金)に決まり、そして...というわけで、『きっと、またあえる』という絶妙のタイトルを合言葉に、待ち続けた緊急事態宣言経由の約5ヶ月でした。その間に「『きっと、またあえる』のコレに注目!」というタイトルでたくさん記事を書いてきましたが、このシリーズ、まだまだ続きます(笑)。そんなに書くことあるの? と言われそうですが、この映画、探せば探すほど、トピックスが見つかるんですね~。というわけで、本日はダシがよく出ている、味な脇役3人のお話です。

ここに挙げる3人は、配給会社のファインフィルムズさんが当初からプレス(公開前のマスコミ試写で、参加者への配付資料となる印刷物)の「CHARACTER/CAST PROFILE」に載せていらした3人で、こ、こんなチョー脇役まで紹介してあるとは、何て丁寧なプレスなんだ! とその時は感心しながらもちょっとあきれたのでした(スミマセン)。で、たまたま最近、そのうちの1人が出演している映画をYouTubeで見で、しかもそれがとてもいい役だったので、顔と名前を紹介しておこう、と思った次第です。前置きが長くなりましたが、プレスには「キャラクターが大渋滞!? いい味出している脇の人」という枠でくくられている3人に、今日はスポットライトを当ててみましょう。その前に、ストーリーをご存じない方は公式サイトを先に読んでおいて下さいね。

1.寮生の”モヤシ”(ランジャン・ラージ)

上のメガネ姿のやせっぽち男子、モヤシ君の主な出番は2箇所あります。まず最初、新入生のアニ(スシャント・シン・ラージプート)やマミー(トゥシャール・パーンデー)たちが寮の上級生セクサ(ヴァルン・シャルマ)やアシッド(ナヴィーン・ポリシェッティ)に呼び出され、しごかれる場面。夜の中庭に呼び出された新入生たちは、上級生が命じることを演じなければなりません。アニが命じられたのは「ポールダンス」。セミヌードの美女たちが、金属のポールにからまりながら踊るアレですね。その時セクサから、「お前はポールの役だ」と命じられたのがモヤシ君だったのです。というわけで両手を上げてポールのように突っ立つモヤシ君に、アニはどうやってからみながらセクシーなダンスを見せていくのか、というのが見せ場になっています。

もう一つの出番は結構長くて、各寮対抗で行われるGC(ゼネラル・チャンピオンシップ)での場面です。上の写真でアニの隣にいるマミーも結構細いのですが、さらにやせっぽちのモヤシ君は何と現体重が44㎏。それをさらに痩せさせて、42㎏級で重量挙げにエントリーし、優勝をさらおうという作戦が進行します。モヤシ君、2㎏の減量に耐えられるのか、そして、ひょろひょろの体で重量挙げなどできるのか...。まあ、対抗馬がいなければ不戦勝で優勝になるのですが、そうはイカの天ぷらで、当日とんでもないことが起きてしまいます。この場面、乞うご期待!です。(体重42㎏とは、まことにもってうらやましい...)

モヤシを演じているランジャン・ラージは、1993年生まれ。ビハール州のパトナ出身で、何と自身もインド工科大学ボンベイ校の学生だったことがあるとか。在学中に演劇に夢中になり、大学を中退して俳優の道に入ってしまったそうで、2014年に小さな役で映画デビューし、以後、映画とテレビの両方で活躍しています。特にテレビドラマの『Kota Factory(コーターの工場)』(2019)では、主役級の出演者として、このインド工科大コーター校を巡るモノクロ・ドラマの人気に貢献しています。興味のある方は、こちらでチラ見してみて下さい。下のポスターでは、左端がランジャン・ラージです。

Kota Factory poster.jpg

私がYouTubeで見た映画は、アーユシュマーン・クラーナーが主演する『Bala(バーラー)』(2019)で、ランジャン・ラージは若はげに悩む主人公バーラーをそっと慰め、力になろうとする近所の男の子を演じていて、唯一と言っていいほど好もしいキャラクターでした。で、この映画にリンクを張ろうと思ったら、あらら、YouTubeから消えています。違法アップロードだったのかも知れません(DFM Moviesというクレジットがあって、きちんとした配信かと思ったのですが...)。いずれにしてもランジャン・ラージ、どんどん活躍の場が増えているようです。『きっと、またあえる』をご覧になる時は、ぜひ注目して下さいね。

 

2.入寮受付のメガネのおじさん(サーナンド・ヴァルマ)

アニが入学した時、学生課みたいな窓口に行って寮を割り当ててもらうのですが、その入寮申請受付担当者がこのおじさん。憧れの工科大に入ってウキウキしていたアニの膨らんだ胸に針を刺し、プシューとしぼませてしまうのがおじさんの毒のひと言なんですね。福々しいお顔というか、くいだおれの人形「くいだおれ太郎」みたいな顔しているくせに、なかなかにいぢわるな人なんですよ。アニが彼の言にどう翻弄されるかはご覧になってのお楽しみですが、最後にこのおじさんをギャフンと言わせて卒業してもよかったかな~、という気もします。演じているサーナンド・ヴァルマは、ビハール州のパトナ出身で、映画とテレビ両方で活躍する俳優です。2010年頃から出演を始め、2014年にはラーニー・ムケルジー主演作『女戦士』にも出演。まだ役名のない役が多いようですが、『きっと、またあえる』では結構強烈な印象を残します。

 

3.カバディのコーチ、実は寮の食堂のコック(ナルニーシュ・ニール)

アニが入った寮H4はメシがまずいので有名なんですが、そのメシをまずく作っている(?)のがこのコックさんで、向上心などこれっぽっちもない、無愛想なおじさんです。そこを見込んで、アニたちは彼をカバディのコーチに任命します。カバディというのはインドの国技であるスポーツで、ドッジボールのボールの代わりに選手が敵の陣地に乗り込む、というか、「カバディ、カバディ」とずっと唱えながら攻撃をし、相手側にタッチすると点が入るというゲームです。詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。で、相手チームをビビらすために、恐そうなコーチが大きな声で命令を発している、というフリをこのコックさんにさせると、何とまあ効果満点、このこけおどしで勝利をおさめるのです。コックさんは、まずい料理のレシピを怒ったようにどなっているだけなんですが、そのはったりが効くから面白いですねー。青学の原監督みたいに、胴上げされてしまいます。

演じているナルニーシュ・ニールは、1984年10月13日生まれの35歳。『きっと、またあえる』では老けメークしてますがまだ若く、UP州の出身で、ラクナウの演劇学校で学んだ本格派。2010年頃から映画やテレビに出始め、映画では『ライース』(2017)や『マニカルニカ ジャーンシーの女王』(2019)などにも出演しています(『マニカルニカ』のDVDを見直したら、最初の方でマニカルニカが虎を倒す野外のシーンに、村人として出演していました)。

という風に、味のある脇役も揃っていますので、『きっと、またあえる』にもどうぞご期待下さい。最後に予告編を付けておきます。

映画『きっと、またあえる』予告編

<画像クレジット>

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「イスラーム映画祭5」名古屋と神戸の上映日程決定!

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東京での上映は3月中に何とか無事終了したものの、あとの2会場での上映がなかなか決まらなかった「イスラーム映画祭5」。このほど、8月には名古屋で、9月には神戸で開催されるスケジュールが決まりました。スケジュールの詳細は公式ツイッターでチラシ画像をご確認いただければと思いますが、開催期間と、上映される作品の一覧を付けておきます。

イスラーム映画祭5 /2020年 公式サイト(作品の内容紹介はこちらでどうぞ)
 8月22日(土)~8月28日(金) 名古屋シネマテーク(公式サイト
 9月19日(土)~9月25日(金)   神戸・元町映画館(公式サイト

[上映作品]
『アル・リサーラ/ザ・メッセージ』(日本初公開)
  1976-2018年/リビア=モロッコ=エジプト=サウジアラビア/アラビア語、英語/207分/原題:Al-Risâlah/英題:The Message/アラブ・バージョン〈デジタル・リマスター〉
 監督:ムスタファ・アッカド

『銃か、落書きか』(日本初公開)
 2016年/スペイン/スペイン語、ハサニーヤ語、英語/52分/原題:Rifles or Graffiti/英題:Rifles or Graffiti/ドキュメンタリー映画
 監督:ジョルディ・オリオラ・フォルク

『ゲスト:アレッポ・トゥ・イスタンブール』(日本初公開)
 2017年/トルコ=ヨルダン/アラビア語、トルコ語、ロシア語/89分/原題:The Guest: Aleppo to Istanbul/英題:The Guest: Aleppo to Istanbul
 監督:アンダチュ・ハズネダルオール

『ガザ・サーフ・クラブ』(日本初公開)
 2016年/ドイツ/アラビア語、英語、ハワイ語/87分/原題:Gaza Surf Club/英題:Gaza Surf Club/ドキュメンタリー映画
 監督:フィリップ・グナート、ミッキー・ヤーミン

『ハラール・ラブ (アンド・セックス)』(東京・名古屋・神戸初公開)
 2015年/レバノン、ドイツ/アラビア語/91分/原題:Halal Love (and Sex)/英題:Halal Love (and Sex)
 監督:アサド・フラドカール

『ベイルート - ブエノス・アイレス - ベイルート』(劇場初公開)
 2012年/アルゼンチン/スペイン語、アラビア語、英語/84分/原題:Beirut Buenos Aires Beirut/英題:Beirut Buenos Aires Beirut
 監督:グレイス・スピネリ、エルナン・ブロン

『ラグレットの夏』
 1996年/チュニジア、フランス、ベルギー/アラビア語、フランス語、イタリア語/89分/原題:Un été à La Goulette/英題:A Summer in La Goulette
 監督:フェリッド・ブーゲディール

『イクロ2 わたしの宇宙(そら)』(日本初公開)
 2019年/インドネシア/インドネシア語、アラビア語、英語/101分/原題:Iqro: My Universe/英題:Iqro: My Universe
 監督:イクバル・アルファジリ

『神に誓って』(イスラーム映画祭2015)
 2007年/パキスタン/ウルドゥー語、英語、パンジャブ語、アラビア語、パシュトウ語/168分(ブルーレイ)/原題 : Khuda Kay Liye/英題 : In the name of god
 監督 : ショエーブ・マンスール / Shoaib Mansoor

『私たちはどこに行くの?』(イスラーム映画祭2/2017)
 2011年/フランス、レバノン、エジプト、イタリア/アラビア語、ロシア語、英語/102分(ブルーレイ)/原題 : Et maintenant on va où?/英題 : Where do we go now?
 監督 : ナディーン・ラバキ / Nadine Labaki

『アブ、アダムの息子』(イスラーム映画祭3/2018)
 2011年/インド/マラヤーラム語/101分/原題:Adaminte Makan Abu/英題:Abu, Son of Adam
 監督:サリーム・アフマド

『花嫁と角砂糖』(イスラーム映画祭3/2018)
 2011年/イラン/ペルシャ語/114分/原題:Yek Habbeh Qand/英題:A Cube of Sugar
監督:レザ・ミルキャリミ

『わたしはヌジューム、10歳で離婚した』(イスラーム映画祭4/2019)
 2015年/イエメン、UAE、フランス/アラビア語/99分/原題:Ana Nojoom bent alasherah wamotalagah/英題:I am Nojoom, Age 10 and Divorced
 監督:ハディージャ・アル=サラーミー

名古屋会場では各作品1回ずつの上映となりますので、お見逃しなく。神戸会場では、新しい作品は2回上映されるものが多いですが、上映時間が毎日細かく変わりますので、こちらもお気を付けて。

イスラーム教世界では、今月末、7月31日(金)が「イード・アル・アドハー」となります。断食明けのお祭りと並ぶ大祭で、「犠牲祭」と呼んだりもしますが、その日本語名称をきらう人もいるようです。ちょうどいい機会なので、イスラーム教を広く、そして深く知るためにも、ぜひこの映画祭の作品をご覧になって下さい。イスラーム映画祭の歩みを辿った、こんなパンフレットも出版されています。

映画祭の5年間の歩みを記録したもので、上映作品紹介のほか、安宅直子さんによる「宗教の交差路、南インドケーララ州とマラヤーラム語映画」等、それぞれの地域の専門家による解説もある貴重なパンフレットです。この機会に、ぜひお求め下さい。

間もなく梅雨も明けそうです。初めて経験する「マスクの夏」ですが、夏バテしないよう気をつけてお過ごし下さい。

 

『WAR ウォー!!』の裏の裏<8>リティク・ローシャン裏話(上)

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『WAR ウォー!!』のW主演となるリティク・ローシャンとタイガー・シュロフ。ただ、映画をすでにご覧になった方はお気づきのように、やはりキャリアも長く人気も高いリティク・ローシャンの方が、ちょっぴりいい役になっているのですね。それはもう、先輩・後輩の宿命でしょう。

そのリティク・ローシャンは、今年1月でデビュー丸20年。その前に子役で出演していた時代があるので、実質的なキャリアはもっと長くて丸40年になります。1974年生まれですから、6歳の時から映画に出ていたのですが、それというのも、リティクの母方の祖父は著名なプロデューサー兼監督のJ.オーム・プラカーシュだったため、自分の作品に孫を引っ張り出した、というわけだったのです。祖父の監督作も含めて、子役のリティクが出演した映画は5本。ジテーンダルとリーナー・ローイ主演の『Aasha(アーシャー)』(1980)、父ラーケーシュ・ローシャンとリシ・カプール主演の『Aap Ke Deewane(あなたに夢中)』(1980)、ダルメーンダルとヘーマー・マーリニー主演の『Aas Paas(近くに)』(1981)、パンジャービー語映画『Aasra Pyar Da(愛の避難所)』(1983)、そしてラジニカーントと共演し、父のラーケーシュ・ローシャンやシュリーデーヴィーも出演した『Bhagwan Dada(バグワーン親分)』(1986)と、子役としても活躍しました。そんな子役のリティクを見てみたい? そこはやはりボリウッド映画界だけあって、以上の出演作をまとめた動画がちゃんとありました。

Hrithik Roshan's Childhood Movie Scenes | Unseen Films of Hrithik Roshan | Bollywood Josh

 

その後、父ラーケーシュ・ローシャンが次第に二枚目俳優から監督兼プロデューサーにシフトしていったため、その下で助監督というか父の助手を何作か経験したあと、こちらでもお伝えしたように、2000年に『Kaho Naa...Pyar Hai(言ってくれ、愛していると)』で一人前の俳優としてのデビューを飾ったリティク・ローシャン。これ1作でたちまち人気者になったわけがわかる、ソング&ダンスシーンを付けておきます。

Ek Pal Ka Jeena - Kaho Naa Pyaar Hai

 

このリティク・ローシャンの20年のキャリアには、「裏話」と言いたくなる事件が3つあるのですが、その前に彼のフィルモグラフィーをアップしておきましょう。特にステキなソング&ダンスシーンのあるものは、それも付けておきます...とは言っても、全部付けるとものすごく長くなるので、厳選してアップしておきますね。なお、製作年の次に※印があるのは、リティクがフィルムフェア賞主演男優賞を受賞した作品です。

<リティク・ローシャン・フィルモグラフィー>

『Kaho Naa...Pyar Hai(言ってくれ、愛していると)』(2000)※
『Fiza(フィザー)』(2000)
『アルターフ 復讐の名のもとに』(2000)~DVD発売

Bumbro - Full Video HD | Mission Kashmir | Hrithik Roshan | Preity Zinta | Sanjay Dutt


『Yaadein(思い出)』(2001)
『家族の四季 愛すれど遠く離れて』(2001)~オールスターキャストの大ヒット作。日本公開、DVD発売

Bole Chudiyan Full Video - K3G|Amitabh, Shah Rukh, Kajol, Kareena, Hrithik|Udit Narayan


『Aap Mujhe Achche Lagne Lage(君のことが好きになりそう)』(2002)
『Na Tum Jaano Na Hum(君も知らない、僕も知らない)』(2002)
『Mujhse Dosti Karoge!(僕と友達になる?)』(2002)
『Main Prem Ki Diwani Hoon(僕は恋に夢中)』(2003)
『Koi... Mil Gaya(何かと出会った)』(2003)※ ~インド版『ET』で大ヒット
『Lakshya(目標)』(2004)

Main Aisa Kyun Hoon Full Video - Lakshya|Hrithik Roshan, Preity Zinta|Shaan|Javed Akhtar


『Krrish(クリシュ)』(2006)~『Koi... Mil Gaya(何かと出会った)』の続編でこれもヒット。香港の程小東(チン・シウトン)監督が振り付けたワイヤー・アクションがすばらしい。
『Dhoom 2(騒ぎ2)』(2006)※~YRFの『Dhoom』シリーズで一番の大ヒット

Dil Laga Na - Full Song | Dhoom:2 | Hrithik Roshan | Aishwarya Rai


『I See You(ではまた)』(2006)~歌のシーン特別出演
『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』(2007)~映画賞入り待ちシーンに特別出演。日本公開、DVD発売
『Jodhaa Akbar(ジョーダーとアクバル)』(2008)※~初の歴史劇
『Krazzy 4(クレージー4)』(2008)~歌のシーンに特別出演
『チャンスをつかめ!』(2009)~東京国際映画祭2009で上映
『カイト』(2010)~大阪アジアン映画祭2011で上映

Fire Kites Song | Hrithik Roshan, Kangna Ranaut


『Guzaarish(願い)』(2010)
『人生は一度だけ』(2011)~ラテンビート映画祭2011で上映
『闇の帝王DON ベルリン強奪作戦』(2011)~パーティーシーンに特別出演。日本公開、DVD発売
『火の道』(2012)~東京国際映画祭2012で上映
『Main Krishna Hoon(私はクリシュナ)』(2013)~自身の役でカメオ出演
『クリッシュ(原題は"Krrish 3")』(2013)~『Koi... Mil Gaya(何かと出会った)』と『Krrish(クリシュ)』の続編なので、原題に”3”が入っている。日本公開、DVD発売
『バン・バン!』(2014)~IFFJ2015で上映

Tu Meri Full Video | BANG BANG! | Hrithik Roshan & Katrina Kaif | Vishal Shekhar | Dance Party Song


『Hey Bro(ヘイ、兄弟)』(2015)~歌のシーンに特別出演
『Mohenjo Daro(モヘンジョ・ダロ)』(2016)
『Kaabil(ふさわしい人)』(2017)

Mon Amour Song (Full Video) | Kaabil | Hrithik Roshan, Yami Gautam | Vishal Dadlani | Rajesh Roshan


『Hrudayantar(心臓移植)』(2017/マラーティー語映画)~自身の役でカメオ出演
『Super 30(スーパー30)』(2019)
『WAR ウォー!!』(2019) ~日本公開

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

うう、なるべく少なく...と思っていたのに、こんなにソング&ダンス・シーンが多くなってしまいました。「裏話」の方は、次回(下)をお待ち下さい。(つづく)

 

『WAR ウォー!!』の裏の裏<8>リティク・ローシャン裏話(下)

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前回の続きです。前回ご紹介したとおり、リティク・ローシャンのフィルモグラフィーには華々しいヒット作が何作も含まれています。スターとしての人気から言っても、3人のカーン(アーミル、シャー・ルク、サルマーン)に肉薄する位置にいるリティクですが、しかしながらこの20年の間には、「裏話」と言えるようなショッキングな出来事も起きていたのでした。

①父ラーケーシュ・ローシャン、ムンバイ・マフィアに撃たれて重傷を負う

リティクの父ラーケーシュ・ローシャン(1949.9.6~)は、著名なェスラージ演奏家兼作曲家ローシャン(1917~1967)の息子に生まれ、映画界に入って、1970&80年代の人気二枚目スターとして、ボンベイのヒンディー語映画界(当時はまだ「ボリウッド」とは呼ばれていなかった)で活躍していました。ラーケーシュの弟ラージェーシュ・ローシャンも兄の後を追うように作曲家として映画界入りし、上のLPジャケットからもわかるように、ラーケーシュ・ローシャンが立ち上げた映画会社Film Kraftの作品を中心に作曲の腕を振るっていました。この映画『Aap Ke Deewane(あなたに夢中)』(1980)は前回、リティクが子役で出ていた作品として紹介しましたが、製作会社Film Kraftによる第1作だったのです。主演は、左側が先日亡くなったリシ・カプール、右がラーケーシュ・ローシャン、そして間にいるのがティーナー・ムニームで、彼女は今、アンバーニー財閥の弟の方、アニル・アンバーニーの夫人におさまっています。

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Film Kraftは当初小さな製作会社でしたが、1987年からラーケーシュ・ローシャンが監督業にも進出し、1990年代にシャー・ルク・カーンの主演作を作るようになると、次第にヒット作が出て大手会社に成長していきます。特に、シャー・ルク・カーンとサルマーン・カーンが共演した『カランとアルジュン』(1995/上の中)はその年の興収第2位となり、ラーケーシュ・ローシャンは監督兼プロデューサーとして一挙に注目されるようになりました。すると、魔の手が伸びてきます。ムンバイ(1995年にボンベイから呼称変更)のマフィアたちから「上がりをよこせ」、つまりみかじめ料=保護費を出せ、と言われるようになるのです。その裏には、右翼政党ともからむムンバイ闇事情があるのですが、それは長くなるので置いておいて、映画人がお金の提供を断ると襲われるという事件も起きるようになります。中でも世の中を震撼させたのは、音楽カセット会社から映画製作に参入したTシリーズの社長、グルシャン・クマールが1997年8月12日に射殺された事件でした。お金を要求するムンバイ・マフィアからの恐喝電話が複数回あったのを無視していたグルシャン・クマールは、日課のシヴァ寺院への参拝時に、16発もの銃弾に撃たれて死亡しました。

そしてラーケーシュ・ローシャンも、2000年1月21日、オフィスの近くでマフィアに狙撃されたのでした。撃たれたのは左腕と胸で命に別状はなかったのですが、衝撃的だったのはニュース等で、「ラーケーシュ・ローシャンは死なない程度に撃たれた」という報道がなされたことでした。つまり、目的は殺害ではなく見せしめだったのです。上の写真は、2000年1月にムンバイのジュフー海岸通りで撮った写真ですが、リティク・ローシャンのデビュー作『Kaho Naa...Pyar Hai(言ってくれ、愛していると)』の封切りが1月14日で、そのちょうど1週間後に起きた狙撃事件でした。これにより、リティクは一時、映画界からの引退を決意したそうで、そうなっていればデビューと同時に引退という、伝説上の人物になっていたかも知れません。父ラーケーシュ・ローシャンはその後元気になって、リティクを主演に数々のヒット作を放っていきますが、この狙撃事件は今でも忘れられない、リティクのデビュー早々の出来事でした。

 

②結婚と離婚

リティク・ローシャンはデビューしてすぐ、2000年の12月20日に結婚式を挙げます。お相手は4年越しの恋人スザンヌ・カーン(1978.10.26~)。名前からもわかるようにイスラーム教徒で、一方リティクはヒンドゥー教徒という、異なる宗教間の結婚でした。当時は結婚式のビデオを撮るのが大流行だった時代ですが、リティクとスザンヌの結婚式も友人たちが撮っていて、それが後日、シミー・ガレーワールのトーク番組にゲスト出演した時に取り上げられました。下はその一部です。

Hrithik and Suzanne (Khan) Roshan Wedding Video

 

スザンヌ・カーンとの結婚は、異宗教間の結婚というだけでなく、別の意味でも話題になりました。スザンヌの父も、サンジャイ・カーンという1970年代の有名俳優だったのです。また、サンジャイ・カーンの弟フィローズ・カーンはさらに有名なスターで、のちには両方の息子たち――サンジャイ・カーンの息子ザーイード・カーンとフィローズ・カーンの息子ファルディーン・カーン――も俳優としてデビューします。スザンヌの弟ザーイード・カーンは、『Main Hoon Na(僕がいるだろ)』(2004)でシャー・ルク・カーンと共演するなど、一時期は人気俳優でした。スザンヌとリティクには息子が2人生まれ、スザンヌは実家の母や姉たちの影響を受けてインテリア・デザイナーとしても働くなど、幸せな家庭を築いていました。

Kites Official Poster.jpg

ところが上の映画『カイト』(2010)で、リティクはメキシコの女優バーバラ・モリ(日系の女性らしい)と共演したのがきっかけで不倫関係になり、家庭に波風が立ってしまいます。『カイト』にも出演したカングナー・ラーナーウトとはその後『クリッシュ』(2013)でも共演するのですが、彼女とも関係があったようで、後日リティクがカングナーをサイバー・ストーカー容疑で訴えるなど、かなりこじれました。一連の不倫騒動のせいでスザンヌは実家に帰ってしまい、2013年12月からの正式別居を経て、2014年11月にスザンヌはリティクと離婚してしまいます。2人の息子たち――2006年生まれのリハーンと2008年生まれのリダーンはスザンヌが育てていますが、子煩悩なリティクは離婚後も子供たちと食事に行ったりして、いい感じのお付き合いが今も続いているようです。今年のコロナ禍でロックダウン中も、息子のバースデーを4人で祝う下のような動画がアップされていました。

Hrithik Roshan Celebrates Son Hrihaan's Birthday @Home with Family:Wife Suzanne & Kids

 

冒頭部分以外は、ロックダウン中のファンにメッセージを伝えるリティクの動画2本となっていますが、リティクはロックダウン中積極的にファンに語りかけたスターの1人で、ファンたちは大いに励まされたことと思います。生真面目な語りのメッセージと、たまにピアノ演奏をしたりする地味な動画でしたが、リティク・クラスの大物としてはとても真摯な動画で、好感が持てました。

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

 

③大コケ映画『Mohenjo Daro(モヘンジョ・ダロ)』

リティク・ローシャンの主演映画は、デビュー作『Kaho Naa...Pyar Hai(言ってくれ、愛していると)』がその年の興収第2位だったことに始まって、主演作のほとんどが10位までにランクイン、ランクインしなかったものも製作費をしっかりと回収する好成績を上げたものばかりでした。ところがその中に、1作だけ「Flop(失敗作)」となったものがあります。2016年8月封切りの『Mohenjo Daro(モヘンジョ・ダロ)』で、監督は、『Jodha Akbar(ジョーダーとアクバル)』(2008)でリティクに大ヒットとフィルムフェア賞主演男優賞をもたらしたアーシュトーシュ・ゴーワーリーカル。アーミル・カーン主演の『ラガーン』(2001)の監督でもあります。大規模なモヘンジョ・ダロのセットを組み、大洪水シーンを出現させるなどして製作費は12億ルピー(約18億円)もかかったのに、興収はやっと10億8千万ルピー。リティクの相手役はプージャー・ヘーグデーで、タミル語やテルグ語映画出演の経験はあるものの、ボリウッド映画は初出演、ということで、興行の責任はリティクの肩にかかっていたのでした。

A man is holding a trident.

本作は私も封切り時にマレーシアで見たのですが、こちらの紹介記事で”「全然ダメだろ!」映画”と書いています(笑)。後日読んだインドでの映画評では、歴史的事実と違う描写がある、というようなことも批判の的になっていましたので、リティクの責任と言うよりも監督&脚本の責任ではあるのですが、リティクの俳優人生中の汚点となりました。しかし、これに懲りたのか、以後はしっかり作品を選んでいるようで、特に昨年は『Super 30(スーパーな30人)』という、教育者を主人公にした地味な実録映画にも主演しています。『Super 30』は興収トップ10には及ばず第15位でしたが、20億9千万ルピーという立派な興収を上げました。本作、私も未見なので見てみたいです。

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

 

というわけで、リティク・ローシャンの知られたくない過去(?)をご紹介しましたが、2019年は『WAR ウォー!!』が興収トップに輝き、リティクの時代はまだまだこれから、という印象を与えてくれました。でも、その陰ではものすごい肉体改造も行われたようで、確かに『WAR ウォー!!』のリティクを見た時には、あまりにもそげた頬にドキッとしたものです。その謎は、最近下の動画を発見して解けました。

Hrithik Roshan’s Transformation | The other side of Kabir | The HRX Story

 

『WAR ウォー!!』の後も、この時鍛え上げた肉体をキープしているらしいリティク。上映中の『WAR ウォー!!』でもう一度あの素晴らしい肉体と演技を見て、次の作品に期待をつなぎたいと思います。

 

『WAR ウォー!!』の裏の裏<9>タイガー・シュロフの裏...は無い!

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インド映画『WAR ウォー!!』も、公開3週目に入りました。土曜日のインド映画講座に来て下さった方がおっしゃっていたのですが、川崎チネチッタでの上映は、大スクリーンでしかも<LIVEサウンド×RGBレーザー>なので、すっごく見応えがあったとのこと。私も、もう1回映画館で見たいです~。ただし、明日8月3日(月)は、川崎チネチッタは終日休館ですのでお気を付け下さい。

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

ところで、『WAR ウォー!!』の裏の裏を読んできたこのシリーズも、そろそろ終わりが近くなりました。最終回は<10>なので、今回はその一歩手前です。で、リティクに続きタイガー・シュロフの裏話を、と思ってあれこれ記事を探したのですが、まー、ゴシップが少ない少ない。ガールフレンドは4年前から『タイガー・バレット』(2018)で共演したディシャー・パタニー(「パターニー」と「パータニー」の両方の表記が混在)だし、浮いた噂も出てきません。そのほかに身辺のトラブルと言えば、①小学生の時、スターの子だということでいじめに遭った、②母親の初プロデュース作品(2000年?)が公開前にネット上にリークされ、結果経済的に大損失となり、バンドラのフラットを売却して近くのカールにある狭いフラットに引っ越さざるを得なくなった、③『フライング・ジャット』(2016)でシク教の聖なるシンボル「カンダー」をスーパーマンの「S」字のように使ったため、シク教徒の人たちから反発を受けた、ぐらいしか、捜しても出てきません。

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

まあいまだに、「アクション」と「ダンス」だけの俳優、のような評価を受けているのが問題と言えば問題なんですが、『タイガー・バレット』や本作『WAR ウォー!!』の演技で、少しは演技力の証明ができたかな、というところです。タイガー君の今後に期待しましょう。ただし『Baaghi 3(反逆者3)』(2020)は、リテーシュ・デーシュムクとの兄弟愛シーンもコメディ部分も全然面白くなく、全体的に脚本が悪くて演技力発揮の見せ場もなかったので、今後はいい脚本を選ぶ眼を持つことが肝要かも知れませんね。

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

というわけで、あとはメイキング映像でも楽しんでいただこうと思ったのですが、なぜかYouTube動画のgooブログへの貼り付けができなくなってしまいました。というわけで、こちら(バイクのチェイスシーン)とかこちら(雪上のカーチェイス)をクリックして、メイキング映像を見てみて下さいね。ちょっと面白いMVもあったりしたので、ご紹介できず残念ですが、またの機会ということでお許し下さい。

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

そうそう、ちょっと余談ですが、あるブログでとてもお上手な本作の紹介文を読んでいたら、タイガー・シュロフの役名「ハーリド」は「ハリード」に聞こえる、という一文がありました。当初、マスコミ配布されたストーリーでは「ハリード」となっていたため、それによる混乱もあるのかも知れませんね。最初に書かれていた「ハリード」が間違っている、と言って「ハーリド」に直してもらったのは私のしわざなのですが、これはローマナイズ表記「Khalid」を見れば「ハーリド」だということが一目瞭然なのです。アラビア語表記では「خالد」となり、「永遠の」というような意味になって、ポピュラーなよくある名前です。「Khalid」というローマナイズ表記を「ハリード」と読む人はまずおらず、藤井美佳さんの字幕は最初から「ハーリド」になっていました。これが「Kharid」ですと、「ハリド」または「ハリード/خريد」という名前も存在します(どちらも「貞節」「純潔」というような意味です)が、あまり一般的な名前ではないようです。特にペルシャ語では「Kharid/ハリード/خريد」は「買い物」になるため、イランではこの名前の人はいないのでは、と思います(イヤだよね、「買い物」君は)。いずれにせよ、本作の名前は「Khalid」なので、「ハーリド」と呼んで下さいね。(インド人の場合、「カーリド」と書いてもOKなのですが、本作ではもう1人の名前が「カビール」なので、まぎらわしいため藤井さんが配慮して「ハーリド」にしたのだと思います。今回の字幕も素晴らしく、賞賛の声がツイッターなどにも多数上がっていました)というわけで、カビールVS.ハーリド、まだご覧になっていない方は映画館にお急ぎ下さい! 公式サイトはこちらです。

 

コメントへの回答

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本日、コメントをいただいたのですが、小さなコメント欄では答えにくいご質問だったので、記事にしました。

[ご質問]

インド映画の上映祭について 
IMW・インド大映画祭(IDE)など、劇場未公開のインド映画を日本語字幕付きで上映してくださる催しが何個かありますが、主催者は誰なのでしょうか。また、何年ほどの歴史があるのでしょうか。自分で調べてみてもよくわからなかったのでコメントした次第でございます。
また、ICWやIFFJという映画祭も数年前まであったようですが、もう開催しないのでしょうか。またこれらの主催者は誰なのでしょうか。

大変恐縮ながら、cinetama様の手で情報を整理していただきたいのです。
よろしくお願いいたします。

* * * * * * * * * * *

[回答]

というわけで、「情報を整理」(笑)致しました。下記のものは、いずれもチラシが手元にあったから主催者名が判明したもので、これ以外のものは、お問い合わせの文中にあるものでも私にはわかりません。ご容赦いただければ幸いです。

①IFFJ(インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン)
・2012年より開始
・2013年第2回のチラシによると;
  プロデューサー:スレッシュ・ターティ(ターティー・メディア株式会社)
  事務局運営:ターティ・メディア株式会社/合同会社インド総合研究所
・2014年(第3回)、2915年(第4回)、2016年(第5回)、2017年(第6回)
  主催:インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン○○○○実行委員会   (○の箇所は西暦年号)
・2018年(第7回)~主催者名は明記なし

②南インド映画祭2017
  主催:南インド映画祭2017実行委員会

③ICW(インディアンシネマウィーク)
・2017年、2018年
  主催:インディアンシネマウィーク○○○○実行委員会
      (○の箇所は西暦年号)

④IMW(インディアン・ムービー・ウィーク)
・インディアンムービーウィーク2019
  主催:SPACEBOX

③のICWと④のIMWは名称が変わっただけ、と聞いたことがありますので、③も映画配給会社のSPACEBOXの主催だったようです。また、②も同様だと聞いたことがありますので、『パドマーワト 女神の誕生』(2018)や『盲目のメロディ』(2018)、『バジュランギおじさんと、小さな迷子』(2015)等最近たくさんのインド映画を配給して下さっているSPACEBOXが、映画祭の方でも力を発揮して下さっていると言えます。今年はこんな状況ですが、IMW2020が開催されるといいですね。

 

『プレーム兄貴、王になる』円盤来ました

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『プレーム兄貴、王になる』(2015)のブルーレイとDVDが届きました。ジャケットの裏面もなかなかステキなデザインなので、DVDは両面をアップしておきます。

さて、今回の特典は? 残念ながら映像特典は日本版予告編のみでしたが、今回もポストカードが3種類、ブルーレイにもDVDにも入っています。また、ジャケットの内側の画像や、円盤表面の画像も替えてあるなど、ニクいね、ハピネット(販売元。それとも、発売元フルモテルモのデザインかしら?)、と肘でグイグイしたくなる出来です。ポスカもどうぞご覧下さい。

 

最近は、ブルーレイやDVD等ソフト市場がどんどん収縮している、というのが業界の常識なのですが、それでも出して下さるのはありがたいですね。インド映画ファンの方は、ぜひ今のうちにお求めになっておいて下さい。アマゾン沼でのご購入ページはこちらです。YouTubeの「共有」の中にgooブログのコマンドがなくなってしまったため、貼り付けができないのですが、こちらにソング&ダンスシーンが付いた増量予告編がありますので、ご覧になってみて下さい。この『プレーム兄貴、王になる』のように、ソング&ダンスシーンがた~っぷり入っている作品は、ソフト化の時に「ソング・チャプター」をぜひ設けてほしいものです。そうすると、ノンストップMV利用ができて、嬉しいんですけどね。とか言いつのっているうちに、インド映画のソング&ダンスシーンは少なくなり、そんな必要もなくなりつつあります....。

 

 


本日より修羅場本因坊戦開始! クォン・サンウ主演『鬼手(キシュ)』

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現在、将棋の藤井聡太棋聖の王位戦に注目が集まっていますが、少し前、6月から7月にかけては、囲碁の本因坊戦での井山裕太九段が注目の的でした。「本因坊文(もん)裕」という号を持つ井山裕太九段は、こちらでもわかるようにここ10年ぐらい、多くのタイトル戦に勝ち抜いて一時代を画してきました。中国が発祥の地である囲碁は、日本以外に韓国や台湾でも人気が高く、かつて韓国の趙治勲(チョ・チフン)や上海生まれで台湾育ちの林海峰らが来日して、いくつものタイトルを奪ったことをご存じの方も多いかと思います。ああいう静かな対局も高度なエンタテインメントなのですが、今回韓国からやってきたのは、「闘碁」と言ってもいいような力わざの囲碁勝負の映画。劇中で主人公が「早く打て!」と叱られるシーンがあるのですが、本当に、盤面に碁石が飛んでいくような印象を受ける対局シーンがいくつも登場します。まさにアクション碁とでも言えばいいのか、碁石を武器に人の肉体が闘っているような囲碁映画です。ではまずは、作品のデータをどうぞ。

『鬼手(キシュ)』 公式サイト     
 2019/韓国/韓国語/106分/原題:신의한수:귀수편/英題:THE DIVINE MOVE 2: THE WRATHFUL
 監督:リ・ゴン
 出演:クォン・サンウ、キム・ヒウォン、キム・ソンギュン、ホ・ソンテ、ウ・ドファン
 配給:ツイン
※8月7日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国で順次公開中

ⓒ 2019 CJ ENM CORPORATION, MAYS ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED

お話は、1988年から始まります。少年グィスと姉スヨンは、父が自殺し、母も彼らを捨てて去ったため、囲碁のプロ棋士ファン・ドギョン(チョン・インギョム)の家に住み込み、こき使われる毎日を送っていました。時たまドギョンは、父に囲碁を習っていたグィスの相手をしてくれるものの、容赦なくグィスを攻めては完膚なきまでにたたきのめします。反対にドギョンはスヨンにはやさしかったのですが、それは下心があったからでした。そして、体も心も傷ついたスヨンは自らの命を絶ち、スヨンの形見のお財布を握りしめたグィスは、ドギョンの家を飛び出して列車でソウルへと向かいます。ソウルに着くと碁会所に行き、小銭から賭け碁を始めたグィスは大人たちをすべて負かしますが、そんなグィスをじっと見ていた男がいました。それは一匹狼の棋士ホ・イルド(キム・ソンギュン)でした。かつて長城の占い師(ウォン・ヒョンジン)と賭け碁で戦い、左手を切り落とされたイルドは、グィスの才能を見抜き、彼を山寺に連れて行って鍛え上げます。

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こうしてグィスは、イルドと組んで賭け碁勝負をしていきますが、落ち目の工場主に勝った時などは後味の悪い思いを味わい、おまけにその工場主が子供の眼前で自殺したとあっては、グィスには耐えられませんでした。しかし、グィスの読み通り打てば勝てると知っているイルドは、さらにプサンの雑草(ホ・ソンテ)と呼ばれる昔なじみのプロ棋士に闘いを挑みます。見事に勝ったものの、後をつけられたイルドとグィスはプサンの雑草とその手下に狙われ、グィスに「分け前だ」と預金通帳を渡した直後にイルドは命を落とします。その後山寺に戻ったグィスは、囲碁の腕と体とを鍛え上げ、一人前の大人に成長します。やがて下山したグィス(クォン・サンウ)は、イルドから聞いていた彼の知人トン(キム・ヒウォン)のもとへ。トンは賭け碁の試合の仲介者としてお金を稼いでいる調子のいい男で、こうしてグィスはトンと共に、イルドの仇を討つために賭け碁の世界へと飛び込んでいきます....。

ⓒ 2019 CJ ENM CORPORATION, MAYS ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED

この後には、驚くような舞台がグィスに用意されており、占い師、雑草、ファン・ドギョンに対する復讐がけれん味たっぷりに描かれます。その間には、クォン・サンウの身体能力を見せつけるような、碁盤からは離れたアクションシーンも挟まれていて、見どころ切れ目なしという感じ。さらに加えて、グィスを工場経営者だった父の仇と付け狙うウェトリ(ウ・ドファン)の動きも加わり、あっという間の106分でした。ただ、ユニークな要素が盛りだくさんなエンタメ大作とはいえ、クォン・サンウは終始物静かで、碁盤に向かう時はもちろん、苛烈なアクション・シーンでも寡黙なまま。山寺でたくましい体に鍛え上げるシーンで登場して以降、セリフ数も少なく、表情もほとんど変化なしという、これまでのクォン・サンウ作品にはなかった役に挑んでいます。いつもの笑顔も捨てているわけですが、これがなかなかに魅力的で、今回も悪魔的な役柄を見事に演じているウ・ドファンと共に、観客を魅了すること間違いなしでしょう。

ⓒ 2019 CJ ENM CORPORATION, MAYS ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED

ご存じの方も多いと思いますが、本作『鬼手』はチョン・ウソン主演の『神の一手』(2014)のスピンオフ作品です。本作の原題「신의한수:귀수편」のうち「신의한수」は『神の一手』の原題で、日本語タイトルは直訳と言っていいものでした。今回はそれに「귀수편」が副題として付いているわけですが、「귀수편」は「鬼手の変(本能寺の変、という意味での”変”です)」とでも訳せばいいのでしょうか。英語題名も、「THE DIVINE MOVE 」が『神の一手』の英語題なのでそれに「2」を付け、さらに「THE WRATHFUL(激怒編?)」というサブタイトルを付けた、という形です。『神の一手』はチョン・ウソンとアン・ソンギら仲間たちとが力を合わせる戦いでしたが、今回はクォン・サンウ扮するグィスの孤独な戦いとなっています。とはいえ、前作にもコミカルなパートを担う賭け碁勝負アレンジャーのキム・イングォンがいたように、本作でもキム・ヒウォンが同様の役柄でいい味出しています。

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それにしても、囲碁勝負のシーンの石の置き方の速いこと速いこと。最初に書いたように、まさに「碁石が飛ぶ」という感じです。これは、演じる俳優たちも大変だったことでしょう。あと、ある勝負でどちらもが透明な碁石を使うシーンがあるのですが、立ち会っているトンが「どっちが勝ったんだ?」とつぶやいていましたから、区別がつかない碁石だったのでは、と思います。一瞬白黒の碁石に変わるシーンも出てきたので、見る人が見ればわかるのかも知れませんが、囲碁と遠い世界にいる私などには、前作よりもさらにわかりにくい碁盤の目でした。

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韓国では、盤面を人生に例えるのか、劇中の要所要所に囲碁用語とその解説が登場します。例えば、「世事棋一局 世の中は一局の囲碁勝負と同じだという意味」とか、「アタリ あと一手打てば相手の石を取れる状態」、「シチョウ 相手の石をアタリになるように追い続ける手」といった具合です。こういった画面をしっかり味わうには、鑑賞二度目にでもならないととても無理で、本作もオカワリを要求される作品と言えそうです。とはいえ、二度目に見ても断然面白い! リ・ゴン監督は、これが初の長編映画とのことですが、「企画段階から、どうすればリアリティを損なわず、囲碁とアクションが取り込めるか」を重要なテーマとして取り組んだとのことで、監督デビューとは思えない底力を発揮しています。この調子だと、「THE DIVINE MOVE3」もあるかも、と思わせる作品ですので、ぜひお見逃しなく! 3連休は修羅場本因坊で暑さを忘れましょう! 予告編はこちら、それからこちらには「全員濃すぎる!キャラクター映像」もありますので、予習用にどうぞ。

 

『きっと、またあえる』のコレに注目!<12>1992年のインドって?

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いよいよ、本格的な暑さになってきた日本。インドは暑さのピークは過ぎたのですが、今度は雨期の大雨により各地で甚大な被害が起きています。ムンバイも、腰あたりまで浸水した地区が出てきたりして、電車も止まったりと、日常生活が大変そうです。COVID-19はいまだに感染者数が増加するばかりですし、いつもの年にも増して、厳しい雨期ではないかと思います。

さて、そんなムンバイですが、まだボンベイと呼ばれていた頃の、1992年のムンバイが描かれるのが、8月21日(金)から公開の『きっと、またあえる』(2019)です。しかし、28年前というのはビミョーな古さの過去で、どんな世の中だったかすっかり忘れてはいないけれど、懐かしく思い出したりも特にはしない、というところではないでしょうか。『きっと、またあえる』では、1992年のパートは基本的に大学の構内だけでお話が進展していきますので、大学生活での思い出はてんこ盛りですが、校門を出た世間の当時の様子はほとんど出てきません。それでも、監督自身が当時大学生活を送った中で、印象に残っていたらしい「1992年もの」がいくつか登場しています。今回は、そのあたりをチェックしてみましょう。

1.ロングスカート

ヒロインのマヤ(シュラッダー・カプール)が初登場するシーンはとても印象的です。カールの効いたセミロング・ヘアにヘアバンド、そして、柔らかな素材のロングスカート。上の画像ではよくわかりませんが、こちらの歌のシーン「♬Khairiyat (元気)」で見ていただくと、その魅力がよくわかります。この、くるぶしの少し上のスカートで思い出したのが、1993年にニューデリーで撮った下の写真。当時、「ニューデリーの原宿」みたいな一画だったサウス・エクステンションで撮ったものです。上のマヤのスカートはプリーツスカートですが、下の若い女性のスカートは腰で切り替え線が入っているギャザースカートと、デザインに小さな違いはありますが、インド女性がスカートをはいて街を平気で歩いている! というのに驚いて、パチリした憶えがあります。

インド経済は、1991年が大きな転換点となって、外国企業が一斉に参入し、ライフスタイルが変わりました。ファッションも、それまで若い女性は洋服と言ってもせいぜいジーンズかパンツ姿だったのが、こうして足が見えるスカートをはくようになったのです。右の女性は伝統衣裳のサルワール・カミーズで、この頃からファッショナブルな伝統衣裳(サルワール・カミーズやクルター・パジャマといった、丈長のオーバーブラウスとズボンを組み合わせ、スカーフを付けた三点セットが人気)を作って売る「ブティック」が街のあちこちにでき始めます。下の写真は、ニューデリーのアルチュナー・シネマという映画館だったところが、ファッションビルに変身した様子です。『きっと、またあえる』のマヤも、そういった変化に敏感な女の子で、この時のスカート姿になったのでしょう。もちろんお話が進行すると、サルワール・カミーズ姿などでも登場してくれます。

2.ストライプ・シャツ

一方、男性側の服装はどうかと言うと、私は気がつかなかったのですが、当時ストライプ柄、特に横ストライプ柄が流行ったみたいなんですね。『きっと、またあえる』の主人公アニ(スシャント・シン・ラージプート)は、横シマのシャツをいろいろと着せられています。

う~ん、しかし横シマの服って、そんなに流行していたかなあ? むしろ、隣のマミー(トゥシャール・パーンデー)が来ているようなチェック柄シャツが人気だったのでは、と思いますがねえ。しかし、アニは、とっかえひっかえ横シマ姿で登場します。もしかして、ニテーシュ・ティワーリー監督自身が「横シマ青年」だったのでしょうか。あるいは、地方の町であるマディヤ・プラデーシュ州イタールシー出身の監督は、大都会ボンベイの大学に来てオシャレな横シマ青年たちを目にし、当時うらやましいと思いながらも着られなかったのかも知れません。1992年の仇をこの映画で取った、というところかも知れませんね。

前述のように、1991年のインド国民会議派政権による経済政策の転換は、「ブティック」をたくさん誕生させたのですが、もちろん男性向けのブティックもいっぱいできていきます。下の写真はこれもニューデリーですが、1993年の夏には、紳士服やスポーツウェア、時計などのブティックが林立するようになっていました。

まあでも、一番無難なオシャレはチェック柄シャツで、無地のYシャツが多い勤め人とはちょっと違うぞ、というのを大学生たちは見せていたのでは、と思います。アニのチェック柄シャツ姿も、メインビジュアルに登場していますし、(下に続く)

オールドデリーの映画館で公開中のシャー・ルク・カーン主演作『Maya Memsaab(マーヤー奥様)』(1993年7月公開)に急ぐお兄さんも、チェックシャツでキメています。

3.清涼飲料

さて、ここで問題です。あなたが子供の頃、こういう暑い夏に一番よく飲んでいた、あるいは飲みたいと思った清涼飲料(メーカーが作ったもの)は何ですか? 私の記憶で、戦後日本の清涼飲料人気史が辿れると思うので(?)、書いてみましょう。ラムネ → サイダー → カルピス → バヤリース・オレンジ → ファンタ → スプライト....といった感じでしょうか。これにコーラが入る方も多いと思いますが、今の若い人はあれこれある中から選ぶ、という感じなので、こういう記憶が存在するのは1980年代ぐらいまでかも知れませんね。

インドの場合、清涼飲料に関する記憶は、1992年を境にがらっと変わります。1991年の経済政策転換前は、インドは「スワデーシュ(自国製品愛用)」を推進し、自動車等の重工業製品はもちろん、飲み物等の日常生活品もすべてが自国製でした。コカコーラも一度、独立直後に入ってきたことはあったのですが、1970年代に追い出され、それを販売していた会社が代わって売り出したのが、「Campa Cola(キャンパコーラ)」や「Campa Orange(キャンパオレンジ)」でした。あるいは別の会社は、やはりコーラのコピー飲料である「Thums Up(サムズアップ)」やオレンジ飲料の「Gold Spot(ゴールドスポット)」、さらには「Limca(リムカ)」という、柑橘類のフレーバーで不透明な液体のドリンクを作り、大人気となりました。『きっと、またあえる』では、上写真の大学構内にある屋外コーヒーショップで、アニとマヤが語らうシーンにキャンパコーラとゴールドスポットが登場します。(下の写真はWikiより)

Campa-cola-orange-advertisement-indrajal-comics-india.jpg 

今では、コカコーラとペプシが幅をきかせていますが、ちょうど1993年9月に行った時、街角にこんなドリンク屋台ができていて驚きました。その頃から、ペプシやコカコーラは映画館などにも進出していき、ビン飲料ではなくてサーバーから紙コップに注ぐ方式が一般化しました。飲み物からわかる時代感覚インド版、ちょっと注目してみて下さいね。

2つの時代が丁寧に描かれるので、インド現代史を知る窓口にもなってくれる『きっと、またあえる』。公式サイトはこちらです。8月21日(金)に、ぜひ、劇場でご覧になってみて下さいね。予告編も付けておきます。

映画『きっと、またあえる』予告編

 

<※印画像クレジット>

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あなたはもう修羅場本因坊戦『鬼手(キシュ)』を見たか?~アップされた動画がすごい!

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一昨日初日を迎えた『鬼手(キシュ)』、すでに劇場でご覧になった方も多いかと思います。こちらの拙ブログ紹介記事では、ブラウザの不具合で予告編等を貼り付けることができなかったのですが、その後goo事務局に相談を送ったところとても丁寧に答えて下さり、別の方法での貼り付けが可能になりました(goo事務局様、ありがとうございました)。というわけで、再度『鬼手(キシュ)』のデータと、予告編等のアップされた動画をご紹介します。

ⓒ 2019 CJ ENM CORPORATION, MAYS ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED

『鬼手(キシュ)』 公式サイト     
 2019/韓国/韓国語/106分/原題:신의한수:귀수편/英題:THE DIVINE MOVE 2: THE WRATHFUL
 監督:リ・ゴン
 出演:クォン・サンウ、キム・ヒウォン、キム・ソンギュン、ホ・ソンテ、ウ・ドファン
 配給:ツイン
※8月7日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国で順次公開中

囲碁×アクション!クォン・サンウ主演『鬼手(キシュ)』予告編

 

そして、こちらが登場キャラ紹介の動画です。主人公グィス(クォン・サンウ)、その師となったイルド(キム・ソンギュン)、イルドの知人で彼亡き後グィスとコンビを組むトン(えー、”糞”という意味だったとは。あ、演じているのはキム・ヒウォン)、グィスが復讐の対象とする釜山の雑草(ホ・ソンテ)と長城の占い師(ウォン・ヒョンジョン)、そして、グィスを親の仇と付け狙うウェトリ(ウ・ドファン)。ちょっと順番は違いますが、この6人が登場しますので、じっくりご覧になってキャラの特長をつかんで下さい。

映画『鬼手(キシュ)』キャラクター映像

 

さらに、上のキャラを演じた俳優たちや、監督、脚本家、製作者、アクション監督、撮影監督などにもインタビューしたメイキング映像もアップされています。これは面白い! クォン・サンウの素顔もよくわかりますし、現場の雰囲気やアクションの工夫等々、映画製作の裏側をいっぱい見ることができます。まだ本編をご覧になっていない方は、これを見ると即、映画館に行きたくなってしまうことでしょう。

クォン・サンウのインタビュー&メイキングも!『鬼手(キシュ)』特別映像

 

な~るほど、クォン・サンウの腹筋の割れ方は「碁盤」と呼ばれているんですか~(それほど細かくはないと思うぞ)。そしてそして、まだあるんですよ~。クォン・サンウとホ・ソンテの挨拶+クォン・サンウのバキバキ腹筋入りの予告編。ツインさんは、ホントに太っ腹! いつもたくさんの動画を公開までにアップして下さいますね。

クォン・サンウのバキバキ腹筋!映画『鬼手』キャストメッセージ動画+本編映像

 

これらのピックアップ映像だけでも、本作の凄さがわかろうかというものですが、ラスト近くのグィス(クォン・サンウ)とウェトリ(ウ・ドファン)の死闘もすさまじいです。イケメン2人を血みどろにするなんてもったいなさすぎる!! キム・チョルジュン・アクション監督! 

ⓒ 2019 CJ ENM CORPORATION, MAYS ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED

この死闘のあと、グィスがまっ白いスーツ姿で登場するのは、せめてものファンサービスなんでしょうか。でも、薄汚れたブルゾン姿の方が決まっていましたよ、クォン・サンウ兄貴。先日、8月5日(水)で44歳になったクォン・サンウ、チョン・ウソンに負けない風格が出てきましたね。

ⓒ 2019 CJ ENM CORPORATION, MAYS ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED

では、大きなスクリーンでたっぷりと、修羅場の囲碁勝負の数々をお楽しみ下さい。

 

スペース・アーナンディ/インド映画連続講座第Ⅳ期<4>祭りを知る!

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スペース・アーナンディで開催しているインド映画連続講座の第Ⅳ期は、「映画で知る! インド人の生活」シリーズです。前回の「<3>食文化を知る!」は無事に3回開催することができ、お運び下さった皆様に対しては、本当に心からありがたく思った次第です。のちほどお伝えするように、現在動画配信の準備もしつつあるのですが、私の能力ではま~だまだ時間がかかりそうです。というわけで、以前7月1日の記事でお伝えしたように、「<4>祭りを知る!」も定員を半分にし、あらゆる感染予防策を取った上で、予定通り実施致します。

          

スペース・アーナンディ/インド映画連続講座第Ⅳ期
「映画で知る! インド人の生活」
<第4回>祭りを知る!~映画に描かれた祭りの数々

       

  スペース・アーナンディの「インド映画連続講座」<第4回>は、インド人が映画と同じぐらい熱くなるイベント「祭り」を取り上げた、「祭りを知る!」です。
 「祭り」は日本でも、宗教が背景にあって開催されることが多いのですが、インドの祭りも大多数は宗教に基づいています。ヒンドゥー教、イスラーム教、キリスト教、シク教、仏教、ジャイナ教等々、多様な宗教が信仰されているインドなので、毎月どころか、毎日どこかで何らかの祭りがある、と言っても過言ではありません。昔から祭りはインドの人々にとって、大いに楽しみにして待つ人生の娯楽の一つでした。
 そんな祭りは、インド映画の中にもたびたび登場しています。
 『パッドマン 5億人の女性を救った男』(2018)では、ついこの間インドで祝われたばかりの「ラクシャー・バンダン」、『あなたの名前を呼べたなら』(2018)では、マハーラーシュトラ州で盛大に祝われる「ガネーシャ・チャトゥルティ」、『バジュランギおじさんと小さな迷子』(2015)では、映画的なハデハデ演出が施されていた「ハヌマーン・ジャヤンティ」、『女神は二度微笑む』(2013)では、サスペンスの重要な舞台となった「ドゥルガー・プージャー」等々、ヒンドゥー教関連が多いのですが、多くの映画の中に祭りのシーンが登場します。そんな祭りのシーンは、実は時代によっても人気の変遷が見られます。また、祭りに託して映画を作る側のメッセージを盛り込むことも多いので、描かれている祭りがどういうものなのかを知っておくのは重要です。今回の講座で、大まかではありますが、インドの年間の祭りを見てみましょう。
 なお、メインの講座と抱き合わせで開催してきた「映画で学ぶヒンディー語塾」は、発声を避けるために、関連ヒンディー語語彙集のような形にしています。実際の発音をその場でしていただけなくて残念ですが、この機会にお祭り関連用語の語彙を増やして下さい。

                                   

 日時:2020年 8月22日(土) 15:00~17:30  
                        8月29日(土) 15:00~17:30 
                        9月12日(土) 15:00~17:30 (お好きな回をお選び下さい)
 場所:スペース・アーナンディ(東急田園都市線高津駅
                <渋谷から各停18分>下車1分)
 定員:11名
 講座料:¥2,500(含む資料&テキスト代)
 講師:松岡 環(まつおか たまき)

 今回も、①定員は約半分にし、ソーシャル・ディスタンスを確保する、②参加者はマスクを着用し、手の消毒も徹底する、③会場は消毒を励行、換気も徹底する、④その他、できうる限りの感染予防策を取る、という点に留意して実施しますが、感染者数が7月半ばから大幅増加傾向にあるので、状況をよく見極めて実施する予定です。
 ご予約は、スペース・アーナンディのHP「受講申し込み」からどうぞ。ご予約下さった方には、ご予約確認と共に、スペース・アーナンディの地図をメール送付致します。床におザブトンをひいて座っていただく形になりますので、楽な服装でお越し下さい(申し訳ないのですが、スペースの関係上イス席はご用意できません。悪しからずご了承下さい)。
 皆様とお目にかかれるのを楽しみにしております。

          

現在公開中のインド映画『WAR ウォー!!』(2019)のソング&ダンスシーン「Jai Jai Shiv Shankar」も春の祭り「ホーリー」を模していますし、『バーフバリ 王の凱旋』(2017)の冒頭シーンも、「ダシャヘラー」を思わせるシーンになっている(あ、そう言えば、ラーナー・ダッグバーティの結婚式の記事が今日配信されていましたね。おめでとうございます!)など、挙げるとキリがありません。せっかくなので、「Jai Jai Shiv Shankar(ジャイ・ジャイ・シヴ・シャンカル/シヴァ神万歳)」を貼り付けておきましょう。

Jai Jai Shivshankar - Full Song | War | Hrithik Roshan, Tiger Shroff | Vishal & Shekhar, Benny Dayal

 

ところで、配信動画制作の進捗状況なのですが、Windowsフォトで自分がしゃべる動画を撮り、それをFilmora 9に取り込んでタイトルやレジュメ、写真などを重ね、10分余りのパイロット版を作ってみたら、何とか見られるものになりました。問題は、一度目にできたことでも、またやろうとすると「どうやるんだっけ?」となかなかこのボロ頭が学習してくれないことで、今、2時間の本編に取り組んでいるのですが、ま~だまだ時間がかかりそうです。9月になる頃には何とかできあがると思いますので、今しばらくお待ち下さいね。

北インドの安い定食。プーリーとじゃがいも炒めカレー。

食文化関係の写真は、ここ20年ぐらいは割と撮っているのですが、その前は本当にまったくと言っていいほど撮っていなくて、あの時のあの写真があればなあ...と思うことしきりです。ぺこぱじゃないですが、「時を戻そう」ができたらいいのに~、とため息が出ます。配信に使うからには、Wikiからちょっと拝借、というわけにもいかず、膨大な過去の写真と現在格闘中です。というわけで、今しばらくご辛抱下さいね。まずは、リアルな講座でお待ちしておりますので、よろしくお願い致します。

南インドで食べた安い定食。グレービーだけのカレーと、ライス&パラーター。

 

Netflix日本でもインド映画を同時リリース

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Netflixからお知らせメールが来て、「『グンジャン・サクセナ -夢にはばたいて-』8月12日水曜日配信開始」とあり、びっくりしました。これまでもインド映画の新作が配信開始ということで案内が来たことはあったものの、カタカナ表記が違っていたり(『ブーブル(原題:Bulbbul)』は正しくは『ブルブル』。今考えると、日本語の”ブルブル(震える)”と間違えられないようにという配慮かも知れませんが、ホラー映画だし『ブルブル』でもよかったのでは? なお、ブルブルはヒロインの名前です)してあまり乗れなかったのですが、今度はこちらでも取り上げた作品なので一挙に注目してしまい、インドも日本も同時配信開始なんだなあ、と感慨深くメールを読みました。下は、それに添付されてきた画像です。

グンジャン・サクセナ -夢にはばたいて-

ほかにも、前述のブログ記事「配信で公開されるインド映画はいくら稼ぐのか」では取り上げなかったのですが、インドでも最近話題となった次のような作品が日本でもリリースされます&されています。この3作品、私も未見なのですが、データを付けて簡単に紹介しておきましょう。

間もなく配信 クラス '83 配信中 孤独の夜

 

『グンジャン・サクセナ -夢にはばたいて-』
2020年/インド/ヒンディー語/?分/原題:Gunjan Saxena : The Kargil Girl
   監督:シャラン・シャルマー
 主演:ジャーンヴィー・カプール、パンカジ・トリパーティー、アンガド・ベーディー
 インドでの配信日:2020年8月12日(水)
 日本での配信日:2020年8月12日(水)

GUNJAN SAXENA: The Kargil Girl | Official Trailer | Netflix India

<ちょっとひと言>

実在のインド軍女性パイロットを主人公にした物語。1999年のカールギルでの軍事衝突事件時に活躍した女性で、そのため原題の副題が「カールギル・ガール」となっています。ジャーンヴィー・カプールは、ご存じの方も多いと思いますが、『マダム・イン・ニューヨーク』(2012)の主演女優シュリーデーヴィー(シュリデヴィ)の長女です。1997年生まれの23歳で、2018年2月に母を亡くした時はデビュー作『Dhadak(鼓動)』の公開直前でした。『Dhadak』の演技はまずまずの合格点で、その後、Netflix配信のオムニバス映画『Ghost Stories(幽霊物語)』(2020)のゾーヤー・アクタル監督作品に出演、介護人として奇妙な家にやってきた娘の役を無難にこなしていました。『グンジャン・サクセナ』でも、ノーメークに近い顔で軍隊の女性パイロット役をがんばって演じています。この間見たネットの映画評では、父親役のパンカジ・トリパーティーが誉めてあったので、楽しみです。

 

『クラス '83』
2020年/インド/ヒンディー語/?分/原題:Class of '83
  監督:アトゥル・シャバルワール
 主演:ボビー・デーオール、アヌープ・ソーニー
 インドでの配信日:2020年8月21日(金)
 日本での配信日:2020年8月21日(金)

Class of ’83 | Official Trailer | Bobby Deol | Netflix India

<ちょっとひと言>

1983年の、ボンベイ(当時)の警察学校が舞台なので、原題が「1983年のクラス」となっているようです。主役のボビー・デーオール(デオル)は、1960・70年代の人気俳優ダルメーンドルの次男。長男は『ガダル~憎しみを越えた絆~』(2001)などの俳優サニー・デーオール(デオル)で、1983年にデビューした兄に続き、1995年にデビューしたボビーもたちまち人気者となりました。特に1998年の『Soldier(ソルジャー)』は大ヒット、トップスターになるかと思われたのですが、2000年代に入ると徐々に失速し、近年はほとんど映画に出ていませんでした。しかし、2018年の『Race 3(レース3)』からまた復活、本作では51歳という実年齢に近い役で、渋い演技を見せてくれそうです。

 

『孤独の夜』
2020年/インド/ヒンディー語/149分/原題:Raat Akeli Hai
  監督:ハニー・トレーハン
 主演:ナワーズッディーン・シッディーキー、ラーディカー・アープテー、ティグマーンシュ・ドゥーリヤー
 インドでの配信日:2020年7月31日(金)
 日本での配信日:(配信中)

Raat Akeli Hai | Official Trailer | Nawazuddin Siddiqui, Radhika Apte, Honey Trehan | Netflix India

<ちょっとひと言>

本作の配信サイトでは、「ナワーズッディーン・シッディーキー、ラーディカー・アープテー」という正確な人名表記が使ってあり、ちょっと感動しました。日本で公開された作品のスタッフ&キャスト名表記は、きちんとチェックなさっているのですね、ネトフリさん。簡単なようですが、これができるだけでも拍手パチパチです。願わくば、初めて出てくる名前もなるべく正確に表記してほしいのですが、本作の配信サイトにあった「カリッド・ティアブジ(Khalid Tyabji)」は「カーリド(or ハーリド)・タィヤブジー」だというのを調べるには、やはりヒンディー語(またはウルドゥ語)の知識がないとダメなので、ぜひ、それができる人を1人、日本のネトフリで雇っていただければ嬉しいです。ネトフリのインド映画はヒンディー語のものだけではないのですが、とりあえず一番数が多くて、今後も映画、ドラマともに配信作品数が増えると思うため、ぜひお願い致します。

さあ、では明日は『グンジャン・サクセナ』を見ることにしましょう。インドとの同時配信なんて、ちょっとワクワクしますね♥。

 

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