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『WAR ウォー!!』の裏の裏<10>裏のはず?が表の人だったルトラ大佐

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「『WAR ウォー!!』の裏の裏」も、ついに最終回です。というわけで、これまで登場してこなかった人、この人を取り上げます。

Photo by R.T. Chawla

これ、誰なの? と思われた方も多いと思いますが、ルトラ大佐(アーシュトーシュ・ラーナー)の若い頃、20年ぐらい前の写真です。『WAR ウォー!!』のパンフレットをお求めになった方はお気づきだと思いますが、実は今回、ルトラ大佐の宣伝用写真は製作会社からのパッケージには入っていなかったようで、全然ないのです。重要な脇役なのに、それはないんじゃないの、と思ってしまいますが、今回のヴィジュアルはリティク・ローシャンとタイガー・シュロフ、そしてヴァーニー・カプールという美男美女だけに限られていたようで、ルトラ大佐はもちろん、RAWの敵となるイスラーム教過激派の面々もみんな無視でした。

Photo by Pradeep Bandekar

とは言え、アーシュトーシュ・ラーナーに関しては、彼のこれまでの経歴を知る者には、まあ、しょうがないか、と思えてしまう側面もあるのです。1967年11月10日、MP州ナルシンハプルに生まれたアーシュトーシュ・ラーナーは、大学を出たあとニューデリーの国立演劇学校に入学します。卒業後は当時のボンベイで舞台に立ったりしたあと、1996年にヒンディー語映画でデビューします。ニューシネマの監督ゴーヴィンド・ニハラーニーによる、『Sanshodhan(修正)』という作品の小さな役でしたが、以後少しずつ役がついてきて、2000年を迎える頃には年に数本の作品に出演するようになりました。ですが、そのほとんどが悪役だったのです。南インド映画界からも招かれて、テルグ語映画を中心にタミル語映画やカンナダ語映画にも出演しますが、それもほぼ悪役専門。というわけで、アーシュトーシュ・ラーナーが出てくると、絶対このキャラは悪い奴、とみんな思ってしまうのでした。

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

ところが今回は、RAWの責任者役で、カビール(リティク・ローシャン)とハーリド(タイガー・シュロフ)の上司ルトラ大佐という、まれに見るいい役を演じています。実は私、初見の時はこのルトラ大佐がどこかできっと裏切るに違いない、と思ってずっと見ていました。イスラーム教過激派の金が流れているインド人が4人いる、という中で、1人だけ正体がわからなかった人物がいましたが、「あ、これ絶対ルトラ大佐だわ」と思って見ていたほどです。それほど、アーシュトーシュ・ラーナーの悪役イメージは強かったのでした。

© Yash Raj Films Pvt. Ltd.

ところがご覧になっておわかりのように、ルトラ大佐は最後までいい人でした。しかも、物静かで考え深く、懐も深い理想の上司だったではありませんか。彼が裏切ったのは、アーシュトーシュ・ラーナーのこれまでのイメージだったのでした。というわけで、「憎いねェ、ルトラ大佐」となった次第です。

Photo by R.T. Chawla

実生活では、アーシュトーシュ・ラーナーは女優レーヌカー・シャハーネー(上写真)と結婚し、2人いる息子と共に幸せな家庭を築いています。レーヌカー・シャハーネーは、サルマーン・カーンとマードゥリー・ディークシトが共演した大ヒット映画『Hum Aap Ke Hain Koun...!(私はあなたの何?)』(1994)で、マードゥリー・ディークシトの姉の役を演じ、そのピュアな善良さで観客を魅了した女優です。ですので、アーシュトーシュ・ラーナーも実際にはとても誠実な人だと思うのですが、今回やっと実生活の自分と近い役をやれるようになったか、という感慨も抱いた『WAR ウォー!!』でした。今後、こういういい人役で出番が増えるのでは、と思いますので、注目していて下さいね。

さて、『WAR ウォー!!』の公開から4週間たち、そろそろ上映終了となるところも出てきたようです。ヒューマントラストシネマ渋谷は「終了未定」となっていますし、8月に入って新たに公開される所もあるので、公式サイトでご確認のうえ、今夏中にこの熱い物語をぜひぜひ楽しんで下さい。最後に予告編を付けておきます。

映画 『WAR ウォー!!』 日本版予告編 | Hrithik Roshan | Tiger Shroff | Vaani Kapoor | Siddharth Anand

 


インド映画DVD発売情報

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Periploさんから情報をいただきました。インド映画のDVDが発売になります。作品データは次の通りです。

『アクション!!』

アクション!! [DVD]

 2019年/インド/タミル語/151分/原題:Action
 監督:スンダル・C
 出演:ヴィシャール、タマンナー、アイシュワリヤー・レクシュミ(ラクシュミー)、ヨーギ・バーブ、アカンクシャ・プリ(アーカーンクシャー・プリー)
  発売元:キュリオスコープ
  販売元:アメイジングD.C.
 発売予定日:2020年11月4日

Action Tamil Film.jpg

ストーリー等は、こちらのアマゾン沼のページをご覧下さい。タマンナーは『バーフバリ 伝説誕生』(2015)と『バーフバリ 王の凱旋』(2017)ですっかり日本でもお馴染みですが、ヴィシャールの方は確か日本公開作やソフト化作はなかったはず。最近はちょっとおじさんっぽくなってしまいましたが、背が高くてすらりとした、タミル語映画界ではまれな(?)スマート青年として人気者でした。監督のスンダル・Cは、日本では『アルナーチャラム 踊るスーパースター』(1997)の監督として知られていますが、ラジニカーント主演作だけでなく、多くの映画を撮っている人気監督です。ヴィシャールとは相性がいいらしく、何本も一緒に仕事をしています。さて、どんな出来の作品なのか、楽しみですね。予告編を付けておきますが、タマンナーの美しいダンス姿も久々に見られそうで、期待が高まります。『サーホー』(2019)と『WAR ウォー!!』(2019)に続くインド・アクション路線、日本に定着するか? というところです。

Action Trailer I Vishal, Tamannaah I Hiphop Tamizha I Sundar.C I Official

 

今年も開催!<インディアンムービーウィーク 2020>

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毎年9月のお楽しみ<インディアンムービーウィーク(IMW)>が、今年も開催されます。前は<インディアン・シネマ・ウィーク(ICW)>と呼ばれていたこの映画祭は、配給会社SPACEBOXが主催するもので、ボリウッド映画だけでなく、広くインド全域から面白い作品を選んであります。宣伝をご担当の方からプレスリリース等をいただきましたので、ほぼそのまま掲載させていただきました。

話題のインド映画を上映する、「インディアンムービーウィーク 2020」
開催決定! 全ラインナップ発表&メインビジュアル公開!

昨年開催の第1回に続き、話題作を集めたインド映画祭「インディアンムービーウィーク2020」を開催することが決定し、全ラインナップが出揃いました。
年間の映画製作本数が 2000 本を超えるインド(※)。主要な地域言語ごとに映画産業があり、作風が異なり、スター俳優がいます。作り手たちの間では若干の越境もありますが、市場としては各言語圏の独立性が高く、複数の映画界が並立しているのがインド映画のユニークさです。
キネカ大森にて 9 月 11 日(金)より開幕するインディアンムービーウィーク2020 では、映画製作が盛んな5つの言語圏(ヒンディー、タミル、テルグ、マラヤーラム、カンナダ)のヒット作、注目作品 10 作品を日本語字幕付きで上映します。ほぼ全作品が日本初上映です。
IMW2020 の看板作品を挙げるならば、『伝説の女優 サーヴィトリ』(監督:ナーグ・アシュウィン)です。1950年代から 80年代にかけての「映画の都」マドラス(現在のチェンナイ)を舞台にした、実在の大女優サーヴィトリの一代記を情感豊かに描きます。物語は、意識不明で病院に搬送されたかつての大女優サーヴィトリ(キールティ・スレーシュ)の人生を、サマンタ・アッキネーニ(『マッキー』2012)演じる新聞記者が取材を通じて明かしていくという形で展開します。本作はタミル、テルグの2言語で製作され、ナーグ・アシュウィン監督の母語であるテルグ語のバージョンは、主要な映画賞を総ざらいしました。本作のヒットにより、アシュウィン監督は、プラバース(『バーフバリ』2015&17)とディーピカー・パードゥコーン(『パドマーワト 女神の誕生』2018)というビッグスター共演作の監督という大役をまかされることになりました。
また、メインビジュアルは各作品の本国版ポスターをコラージュして作成。様々な特色があふれるポスターデザインからも、インド映画の多様性が伝わってきます。見逃せない話題作を集めたインディアンムービーウィーク 2020 に、ぜひご期待ください。

※2018 年 4 月 1 日から 2019 年 3 月末日までに中央映画検定局の検閲を受けた長編劇映画作品は 55 言語2,446 作品。

[開催概要]
 キネカ大森 : 2020 年 9 月 11 日(金)~10 月 8 日(木)
 新宿ピカデリー : 2020 年 9 月 25 日(金)~(終了日未定) ほか全国順次開催予定
 主催:SPACEBOX
 公式サイト:https://imwjapan.com/ (8月14日プレオープン予定)
 公式Twitter: @imwjapan

上映作品(全 10 作)

『無職の大卒』(原題:VelaiillaPattadhari/ 2014 年/ タミル語)
 監督:ヴェールラージ
 出演:ダヌシュ、サムドラカニ、アマラ・ポール
 ※日本初上映

VIP movie poster.jpg

大学で土木工学を学んだラグヴァランは、花形のIT専攻でなかったばかりに職が見つからない。ようやくチャンスを掴むが、大手建設会社の御曹司と対決する。インド映画定番の「職のない若者」をダヌシュが好演した、爽やかで痛快な一作。

♫オマケ♫ このブログでのご紹介はこちら

Velai Illa Pattadhaari (VIP) - Official Trailer | Dhanush, Amala Paul | Anirudh

 

『ウイルス』(原題: Virus/ 2019 年/ マラヤーラム語)
 監督:アーシク・アブ
 出演:レーヴァティ、パールヴァティ、クンチャーコー・ボーバン
 ※日本語字幕版初上映

Virus Malayalam Movie.jpg

原因不明の高熱と嘔吐で病院に運び込まれた男性は、程なく死亡する。2018 年にケーララ州北部で発生したニパ・ウイルス感染症。原因究明と感染拡大防止に努めた対策本部、治療に当たった医療従事者らを描く群像ドラマ。

Virus Official Trailer | Aashiq Abu | OPM Records

 

『浄め』(原題:Shuddhi/ 2017 年/ カンナダ語)
 監督:アーダルシュ. H. イーシュワラッパ
 出演:ニウェーディタ、ローレン・スパルターノ
 ※日本初上映

Shuddhi (film).jpg

インドを訪れた米国人女性が、バンガロールで拳銃を入手する。そこからマイソール、マンガロールと、一見ただの観光旅行にみえるその行程は、危険な使命を帯びた旅だった。インドに根深い「女性への暴力」の問題と向き合う一作。

♫オマケ♫ カーヴェーリ川長治さんのブログでのご紹介はこちら

Shuddhi - Official Trailer

 

『僕の名はパリエルム・ペルマール』(原題:Pariyerum Perumal/ 2018 年/ タミル語)
 監督:マーリ・セルヴァラージ
 出演:カディル、アーナンディ、ヨーギ・バーブ
 ※日本初上映

Pariyerum Perumal.jpg

弁護士を目指し法科大学に進学したパリエルム・ペルマール。ダリト(不可触民)出身の彼は、仲良くなった女子学生の親族から激しい差別を受ける。インド社会の暗部であるカースト問題を、圧倒的なリアリズムと幻想的表現で描いた名作。

Pariyerum Perumal Trailer | Kathir, Anandhi | Santhosh Narayanan | Pa Ranjith | Mari Selvaraj

 

『ジャパン・ロボット』(原題:Android Kunjappan Version 5.25/ 2019 年/ マラヤーラム語)
 監督:ラティーシュ・バーラクリシュナン・ポドゥヴァール
 出演:サウビン・シャーヒル、スラージ・ヴェニャーラムード
 ※日本初上映

Android Kunjappan Version 5.25.jpg

ケーララ州の片田舎にやってきた日本製ロボット。頑固老人の心はロボットの登場によって変化し、一人息子との関係も揺らぎ始める。着ぐるみ感満載のロボットなど脱力系コメディに見せかけ、鋭い皮肉を随所に散りばめる。

Android Kunjappan Version 5.25 | Official Trailer | Soubin Shahir | Ratheesh Balakrishnan Poduval

 

『お気楽探偵アトレヤ』(原題:Agent Sai Srinivasa Athreya/ 2019 年/ テルグ語)
 監督:スワループ R. S. J.
 出演:ナヴィーン・ポリシェッティ、シュルティ・シャルマー
 ※日本初上映

Agent Sai Srinivasa Athreya poster.jpg

探偵業を始めたアトレヤは、レイプ殺人事件を調査するうちに、線路脇で身元不明死体が多数見つかる別の怪事件に絡め取られ、自身が容疑者となる。『きっと、またあえる』にも登場のナヴィーン・ポリシェッティ主演のユーモア探偵映画。

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Agent Sai Srinivasa Athreya Theatrical Trailer | Naveen Polishetty | RahulYadavNakka | Swaroop RSJ

 

『結婚は慎重に!』(原題:Shubh Mangal ZyadaSaavdhan/ 2020 年/ ヒンディー語)
 監督:ヒテーシュ・ケワルヤー
 出演:アーユシュマーン・クラーナー、ジーテンドラ・クマール
 ※日本語字幕版初上映

密かに愛を育んでいたカールティクとアマン。アマンが妹の結婚式のため帰郷した時、二人の関係が彼の父に知られてしまう。両親に逆らえず、アマンは許嫁との結婚を承諾する。男性カップルの波乱を通じ、結婚と幸せについて疑問を投げる。

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Shubh Mangal Zyada Saavdhan Trailer | Ayushmann Khurrana, Neena G, Gajraj R, Jitu K|21 February 2020

 

『ビギル 勝利のホイッスル』(原題:Bigil/ 2019 年/ タミル語)
 監督:アトリ
 出演:ヴィジャイ、ナヤンターラ、ヨーギ・バーブ
 ※日本語字幕版初上映

Bigil poster.jpg

花形サッカー選手だったマイケルは、友人に代わり女子サッカー州代表チームの監督となり、全国大会に進出する。女性のエンパワーメントをテーマに据える一方、ヴィジャイのダンス、アクション、一人二役も盛り込み、見どころ満載。

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Bigil - Official Trailer | Thalapathy Vijay, Nayanthara | A.R Rahman | Atlee | AGS

 

『ストゥリー 女に呪われた町』(原題:Stree/ 2018 年/ ヒンディー語)
 監督:アマル・カウシュク
 出演:ラージクマール・ラーオ、シュラッダー・カプール
 ※日本初上映

祭りの季節になると女の幽霊(ストゥリー)が現れ、若い男性をさらうという伝説がある町。仕立て屋のヴィッキーはある日、謎めいた女性に出会う。その頃、ヴィッキーの友人が幽霊にさらわれる。都市伝説を基にした幽霊コメディ。

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Stree Official Trailer | Rajkummar Rao, Shraddha Kapoor, Dinesh Vijan, Raj&DK, Amar Kaushik | Aug 31

 

『伝説の女優 サーヴィトリ』(原題: Nadigaiyar Thilagam/ 2018 年/ タミル語)
 監督:ナーグ・アシュウィン
 出演:キールティ・スレーシュ、ドゥルカル・サルマーン、サマンタ・アッキネーニ
 ※日本初上映

1940年代末、女優になろうと「映画の都」マドラスにやって来た少女サーヴィトリ。小さな役を求めて奔走していた彼女は、数年の後に大スターとなっていた。実在の大女優の一代記。豪華絢爛なソングと古映画の再現シーンが見もの。

#NadigaiyarThilagam Teaser - Keerthy Suresh | Dulquer Salmaan | Samantha

 

♫新作ばかりではないとは言え、例年にも増して面白そうな作品が揃っていますね。こんな時に開催して下さるSPACEBOXさんの気持ちに応えるためにも、市松模様座席を毎回満員にしましょう! なお、『ウィルス』は、マスコミで話題になるかも知れないので、なるべくお早めにご覧下さい。

 

『きっと、またあえる』のコレに注目!<13>来場者プレゼントが待っている!!

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長らくお待たせしました~、のインド映画『きっと、またあえる』。会える日が、あと1週間に迫ってきました。そして、配給会社ファインフィルムズさんからは、嬉しいお知らせが届いています。何と、8月21日(金)からの封切り初週と、8月28日(金)からの2週目に、それぞれ入場者特典がある、とのこと。それは歌詞カード。下のような、表は場面写真、裏にローマナイズ歌詞とその読み方、そして日本語訳が書かれているというもので、使われている曲はそれそれ、エンディングに流れる豪華絢爛ソング「FIKAR NOT」(フィカル・ノット/心配するな)と、アニたちの青春の場面に寄り添う「WOH DIN」(ウォー・ディン/あの日々)です。

両方とも数量限定だそうなので、ぜひお早めに行ってゲットして下さいね。私も実物をまだ拝見していないため、どのぐらいの大きさなのかわかりませんが、手に持って歌える大きさなのでA5判ぐらいでしょうか(違っていたらゴメンナサイ)。両方の歌のシーン動画を付けておきます。どちらも、画面にローマナイズ歌詞が出てくるものを選んでみましたので、予習を兼ねてご覧下さい。

①「FIKAR NOT」(フィカル・ノット/心配するな)

     作詞:アミターブ・バッタチャーリヤ
  作曲:プリータム
  歌手:ナカーシュ・アジーズ、デーヴ・ネーギー、アントラー・ミトラー、アミト・ミシュラー、スリーラマ・チャンドラ、アミターブ・バッタチャーリヤ

LYRICAL: Fikar Not Video | Chhichhore | Nitesh Tiwari,Sushant,Shraddha | Pritam,Amitabh Bhattacharya

 

②「WOH DIN」(ウォー・ディン/あの日々)

  作詞:アミターブ・バッタチャーリヤ
  作曲:プリータム
  歌手:アリジート・シン

ARIJIT SINGH: Woh Din Lyrical | Chhichhore | Sushant, Shraddha | Pritam, Amitabh

 

というわけで、鋭い読者の方は、今回このブログで挿入歌紹介がほとんどなかったわけにお気づきになったと思います。歌詞カード作成に関しては、私もちょろっとお手伝いしたため、ブログには上記2曲の歌詞はアップしないようにしたのでした。歌をアップしたのは、かなり初期にこちらで「KHAIRIYAT」(カィリヤト/無事)の歌詞の一部を紹介しただけでしたね。そのうちに機会を見て、歌詞カード自体をご紹介できればと思います。配給会社のファインフィルムズさんは、プレス(マスコミ試写の時に配られる資料パンフ)のデザインもすごく凝っていたので、楽しみです。

それから、昨日の正午にアップした<インディアンムービーウィーク 2020>の上映作品はチェックしていただけましたでしょうか? そう、なんとなんと、『きっと、またあえる』出演者の主演作が2本、<IMW 2020>でも上映されるのです。1本目はアシッドことナヴィーン・ポリシェッティの主演作『お気楽探偵アトレヤ』(2019)。こちらの記事を書いた時にも触れましたが、彼が単独主演したテルグ語映画です。楽しみですね~。ナヴィーン・ポリシェッティは上の写真の一番右側ですが、顔をしっかり憶えていただくために、ソロの写真も出しておきます。役名は「アシッド」、キツーイ罵り言葉をポンポン言うため、ついたあだ名です。

もう1人、我らがヒロインであるマヤ役のシュラッダー・カプール主演作も上映されます。ラージクマール・ラーオとの共演作で、『ストゥリー 女に呪われた町』(2018)という、オフビート・ホラー映画とでも言えばいいのか個性的な作品です。本作のシュラッダー・カプールと、ぜひ見比べてみて下さい。

暑い、いや熱い夏に加えて、新型コロナウィルス対策や熱中症の心配と、苦難の2020年夏ですが、インド映画を見てストレスを発散し、免疫力を高めましょう! あなたの心にきっと響く、『きっと、またあえる』の公式サイトはこちらです。劇場をご確認の上、早めに席を押さえて下さいね。そうそう、歌詞カードをいち早くゲットなさった方は、ぜひご感想をコメントでお寄せ下さい。

<画像クレジット>

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『グンジャン・サクセナ』インドで話題沸騰中

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先日、こちらでご紹介し、8月12日(水)に日本とインドで同時配信されたヒンディー語映画『グンジャン・サクセナ ー夢にはばたいてー』。同時配信って、時差が3時間半ある日本とインドでは、12日(水)になるのが早い日本の方が早く見られるのでは、と思ったりしたのですが、これは時間も日印同時でした。つまり、インドでは午後3時にリリースされ、それに合わせて日本では午後6時半に解禁になったのです。まあ、そらそうですわな(苦笑)。

グンジャン・サクセナ -夢にはばたいて-

というわけで、12日の夜、早速見てみました。まずはストーリーを、簡単に書いておきましょう。まだ小さかった1984年に、飛行機のコックピットに入れてもらったグンジャン・サクセナ(成長後:ジャーンヴィー・カプール)は、その時から一途にパイロットになる夢をはぐくんでいました。兄アンシュマン(成長後:アンガド・ベーディー)は「女にパイロットは無理だ」と言いますが、軍人である父(パンカジ・トリパーティー)は、「男であれ女であれ、操縦席に座ったらパイロットだ」とグンジャンを励ましてくれます。グンジャンは当初デリーのパイロット養成学校に入るつもりでしたが、規則の改正やら授業料のアップやらで、何度も願書提出の機会を奪われてしまいます。意気消沈しているグンジャンに父が渡してくれたのは、インド空軍が初めて女性パイロットを採用する、という新聞の広告でした。父のほか、兄もすでに陸軍の軍人として勤務していたので、今度はスムーズに受験まで行ったのですが、合格が決まった直後の身体検査で、グンジャンは体重超過に加えて、身長が1㎝足りないと言われてしまいます....。

Gunjan Saxena poster.jpg

これをどう乗り越えたのかは映画を見てのお楽しみですが、映画は事実にフィクションをうまく取り混ぜて、グンジャンの軍人生活描写に突入します。男ばかりの空軍部隊生活に、女性が加わることになったため、当初からグンジャンはいろんな困難に直面しっぱなし。まず、女性用トイレがない! そして、女性用更衣室がない! そのため、ヘリ訓練の集合時間に間に合わず、グンジャンは訓練を受けさせてもらえないなど、不利な状況が続きます。何とか工夫で乗り切り、男子新兵と互角になろうとするグンジャンでしたが、狭いヘリの操縦席で女性と並んで座るのは...と嫌がる兵士も多く、指導員となる兵士は口実を駆使してグンジャンの担当からはずれようとします。そのため飛行時間が極端に少なくなり、このままではパイロット失格に。指導教官のディリープ(ヴィニート・クマール・シン)も男性兵士たちの味方で、グンジャンは孤立してしまいます。そんな彼女に救いの手を差し伸べたのは、厳しい上官ゴゥタム・シンハー(マーナウ・ヴィジュ)でした。ゴゥタムにヘリ操縦術や地理の読み方をたたき込まれたグンジャンは、ぐんぐん力を付けていき、1999年のインドとパキスタン間で起きたカールギルでの衝突で、ヘリでの出動を命じられるまでになります...。

見る前に心配だったのは、ここのところのインド映画、特にヒンディー語映画でよく見られる、露骨な愛国心の発露映画ではないか、ということでした。新型コロナウィルスの感染拡大で劇場公開ができなくなり、Netflixでの配信による公開となったものの、配信開始の8月12日(水)はインドの独立記念日8月15日(土)に非常に接近しています。というわけで警戒心もあらわに見たのですが、反対に、感心させられる点が多々ある作品でした。まず、主人公グンジャンのインド空軍志願が、「とにかくパイロットになりたい」という希望を実現させるための手段であること。これに関しては劇中でグンジャンに、「空を飛びたいだけなんて、こんな志望動機でいいのかしら? これって、国を裏切ってる?」と言わせています。言った相手は軍人である父で、これに対して父はしばらく考えてから、「国のために誠実に働けば、裏切りにはならないよ」と答えます。さらに続けて父はいいセリフを言うのですが、ここはこれまで威勢のいい愛国映画を作ってきた映画人たちに聞かせたいセリフでした。

また、原題の副題にあるように、グンジャン・サクセナという女性軍人は、1999年のカールギルでの印パ衝突で活躍した女性パイロットとして知られている人ですが、そのシーンでも、最近の愛国映画が久しく忘れていた表現を聞くことができました。それは、「敵(ドゥシュマン)」という単語です。前線であるシュリーナガル空軍基地に送られたグンジャンらの部隊メンバーに対し、指揮官のディリープが状況を話す場面での彼のセリフは「敵は管理ラインを越え、侵入した」で、この後も一貫してディリープは「敵」を使い、「パキスタン」という国名は出しません。これは、1990年代になるまでほとんどのヒンディー語映画が守っていた約束事で、はっきりわかっている印パ軍事衝突のシーンでも、相手を「敵」としか呼ばなかったのでした。インド映画の検閲条項にある「16.外国との友好関係を損なわないこと」に基づき、具体的な国名を挙げるのを避けたやり方がずっと続いていたのです。本作でも直後のテレビニュースのシーンでは「パキスタンが...」と国名が繰り返されるのですが、最近の映画ではあからさまに反パキスタン思想が横行しているのを考えると、配慮した表現だと驚いたのでした。

そのほか、本作ではグンジャンの父親の公平なものの見方が、いろんなシーンで観客の心に響きます。多くはグンジャンを諭しているシーンなのですが、演じているパンカジ・トリパーティーの物静かな言い方がまた素晴らしく、女性差別にしろ愛国心にしろ、ヒステリックにならずに観客に考えさせる方向に持って行く、説得力のある演技でした。事前に読んだ映画評で、パンカジ・トリパーティーの評価が高かったのも大納得でしたが、「『グンジャン・サクセナ』の忘れられない7つのセリフ」と題するこんな記事までアップされていて、パンカジ・トリパーティーも、そして監督・脚本のシャラン・シャルマーも嬉しかったのではないかと思います。

しかしインドでのリリース後、いろんな批判も出ています。実際に空軍の女性パイロットだった人が「あんな差別はなかった。映画は誇張しすぎて事実をねじ曲げている」と批判したり、「グンジャン・サクセナはカールギルで活躍した唯一の女性パイロットではないし、また、最初に偵察飛行を命じられた女性パイロットでもない」という指摘があったりしました。それに対しては、グンジャン・サクセナ本人(上写真左)がその批判に答える形の記事が出て、「唯一の女性パイロットだとか、最初に飛んだ女性パイロットだとか言っていないし、これはカールギル事件のドキュメンタリー映画でもありません。女性差別も、私はここに描かれているよりもっと強い鉄の意志をもって臨まないといけないほどのものでした」と述べ、また別の記事では、映画製作の過程で自分も現場に足を運んだことや、相談相手になったことを明かしています。

映画評の星取りは、おおむね★3つ~4つという結果でベタ褒めではありませんが、久々にいろんな論争も喚起して話題となった『グンジャン・サクセナ ー夢にはばたいてー』でした。兄アンシュマン役を演じたアンガド・ベーディーも、これまでは美人女優ネーハー・ドゥピアーとデキ婚をした元モデルの男優、というぐらいの認知度だったのが、本作で一気に注目度が上がりました。ジャーンヴィー・カプールも、本格的な女優への一歩を踏み出したと評価されたようで、今後の活躍が期待されています。いろいろ小さな欠点もある作品(例えば腕相撲シーンのわざとらしさや、音楽の使い方の甘さetcc.)ですが日本語字幕(あ、カタカナ表記ですが、空軍基地のある地名Udhampurは「ユーダンプール」ではなくて「ウダム(orン)プル」、人名「シェカール」は「シェーカル」が正しいです)で見られるこの機会に、ぜひご覧になっておいて下さい。インド版予告編を付けておきます。

GUNJAN SAXENA: The Kargil Girl | Official Trailer | Netflix India

 

『きっと、またあえる』のコレに注目!<14>劇場用パンフの場面写真が豊富すぎる~!

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インド映画『きっと、またあえる』、いよいよいよいよいよいよ明後日、8月21日(金)から公開です。なんべん「いよいよ」を言えば気が済むんだ! ですが、これだけ待たされると、あと2回ぐらいは言いたくなってしまいます。いらっしゃる劇場はもうお決まりですか? そろそろ、初日のお席が埋まり始めていますよ。ご来場者プレゼントの歌詞カード(↓封切り週と第2週にそれぞれ1種ずつ配布)をゲットするためにも、お早めに劇場にいらして下さいね。

上の歌詞カード、本日初めて実物を拝見したのですが、予想通りA5判サイズだったものの、予想を上回る立派さでした。大判ポスカとしてこのままピンアップしたいぐらいステキです。すぐにインド映画ファンのビンテージアイテムとなって、どこかの○○オクで売りに出されるのでは、なんて心配をしたくなるほどです。黄色と草色、両方ともぜひゲットして揃えて下さいね(オカワリは2週目になってすぐ行きましょう!)。それにしても表面のレイアウトは、6月14日に亡くなったスシャント・シン・ラージプートに「きっと、またあえる」と言っているようにも見えて、ちょっと泣けてきます。昨日のニュースでは、インドの最高裁が彼の死亡事件の捜査をCBI(中央捜査局)に命じたとかで、謎は深まるばかり。せめて、『きっと、またあえる』での彼の演技に拍手を送って、いい俳優さんだったことを偲びましょう。

そして、劇場用パンフも、執筆させていただいた関係で本日頂戴しました。スキャンしたら水色がずいぶん派手になってしまったのですが、実際にはもっと淡い水色です、ごめんなさい。下の場面写真から採った空なので、こういう色合い↓だと思っていて下さいね。

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しかし、驚くべきは中に使ってある場面写真の豊富さで、これまでチラシや公式サイトでは見たことのないものがわんさか掲載されています。数えてみると、カットアウトにしてあるものを除いて54枚もありました。歌詞カードにある歌「WOH DIN」じゃないですが、「♪懐かしいアルバムに」なっちゃってますよ、この劇場用パンフ。これで700円とはお買い得! おまけに、ニテーシュ・ティワーリー監督のインタビューページには、監督自身がIIT(インド工科大学)ボンベイ校の学生だった時代の写真まで使われているし、もうびっくりです。どれが監督か顔を見てもわからないんですが、そう言えばメイキング動画に、この頃の大学同級生が登場するのがありましたっけ。『きっと、またあえる』と同じで、皆さんお腹が出ていたり、額が後退していたりで、昔のオレ@IITはいまいずこ状態でした。

Chhichhore | Character Making Of | Nitesh Tiwari | Sajid Nadiadwala | Sushant | Shraddha

劇場用パンフにはほかに、高倉嘉男さんによるインド名門大学での生活解説があったりと、映画を見てから読み浸れる読み物がいろいろ載せられています。ぜひお求め下さいね。

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新しいチラシ(右)もいただきました。これまでインド映画講座でお配りしたのは、修正ラベル貼りのもの(真ん中のチラシ)でしたが、22日の講座からはきれいなチラシをお配りします。長い長い待機時間でしたね、『きっと、またあえる』さん。8月21日(金)からはスクリーンに飛び出して、私たち観客を勇気づけて下さい、「負け犬」の皆さん。私も、大好きなセクサとラギーに逢いに、シネマート新宿のスクリーン1になるべく早く行く予定です~♥♥♥。

 

『きっと、またあえる』のコレに注目!<15>明日の初日に向けて監督メッセージ到着!

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『きっと、またあえる』の初日が明日に迫りましたが、ニテーシュ・ティワーリー監督からメッセージが届きました。おそらく、これまでに届いたインド映画人の作品公開向けメッセージでは、最長のものだと思います。『WAR ウォー!!』のリティク・ローシャンの時も「こんなに長くしゃべってくれてる!」と思ったのですが、あれが35秒で、ニテーシュ・ティワーリー監督のは何と2分25秒! まずはご覧下さい。

映画『きっと、またあえる』ティワーリー監督より「笑いと感動に溢れた映画」/コメント映像

 

誠実なお人柄そのままの語り口で、語られるエピソードも心温まるものばかりですね。日本語できちんとタイトルを繰り返して言って下さっているし、素晴らしいです。メッセージにあった2年前の日本旅行は、まったくのプライベートだったのでしょうか。前監督作『ダンガル きっと、つよくなる』(2016)の日本公開は2018年4月6日でしたが、その時にはゲストは誰も呼ばれなかったし(代わって、吉田沙保里さんとか日本のレスリング界の皆さんが、宣伝に関わって下さったのでした)、奥様のアシュヴィニー・アイヤル・ティワーリー監督の映画『ニュー・クラスメート』(2015)がSKIPシティ国際Dシネマ映画祭で上映されたのは2016年6月でしたし(この時も監督は来日できなくて、プロデューサーがゲストでした)、どうも映画とは関係なく日本の旅を楽しまれたようです。今回もこんな状況でなかったら、ティワーリー監督は喜んで来て下さったと思うのですが、コロナ禍が返す返すも残念です。日本での反応次第では、インドのメディアが取り上げてくれると思いますので、明日はぜひ上映劇場にお運び下さい。

コロナ禍の日本の映画館でインド映画が上映される、というのは、インドの人々の間で注目を集めるようで、『WAR ウォー!!』はこちらこちらで取り上げられていました。インドではまだ映画館は休館したままのため、「日本じゃ映画館がもう営業しているぞ!」というのをアピールする目的もあるのかも知れません。インドでの公開予定作品一覧を見ると、配信の予定が入っているのが8月中にリリースされる作品までなので、もしかしたら9月1日から映画館再開なのかも。「インドでヒットした『Chhichhore(チチョーレー/お気楽者)』、日本でも多くの観客を集める!」という記事が出るといいですねー。

 

またもや! インド映画DVD発売情報

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先日、タミル語映画『アクション!!』のDVD発売情報をお知らせしましたが、またまたタミル語映画のDVD発売情報が寄せられました。今回教えて下さったのは、印度映画広報委員会さんです。発売用のリリース情報からピックアップしてお知らせします。

『キケンな誘拐』(DVD)
  2013年/インド/タミル語/133分/原題:SOODHU KAVVUM
 監督:ナラン・クマラサーミ
 出演:ヴィジャイ・セードゥパティ、アショーク・セルヴァン、ラメーシュ・ティラク、ボビー・シンハー、カルナーカラン、サンチター・シェッティ
 発売元:フルモテルモ
 販売元:ハピネット・メディアマーケティング
 発売日:2020年12月2日

インディアンシネマウィーク2017で上映された作品で、再上映希望が多く寄せられた作品だとか。そのほかの詳しい情報は、アマゾン沼のこちらまで。この作品の監督は、2015年に出版された「インド映画完全ガイド」(世界文化社)の中(P.127)で、「TVの映画監督発掘番組『未来の監督』の初代優勝者で、『SOODHU KAVVUM(悪事我が身に返る)』(13)が高い評価を受けたナラン・クマラサーミなど、今後注目すべき若手監督も育っている」と紹介された気鋭の監督です。このナラン・クマラサーミ監督、ヴィジャイ・セードゥパティと相性がいいらしく、監督として、脚本家として、時には俳優として、ヴィジャイ・セードゥパティと一緒に仕事をしています。そんな注目の1作ですので、この機会にぜひご覧下さい。予告編を付けておきます。

ICW Japan'2017「キケンな誘拐」日本語字幕付き予告映像

 


アジアフォーカス・福岡国際映画祭2020が開催されます

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情報リリースを今か、今かと待っていたアジアフォーカス・福岡国際映画祭。昨日、広報が送られてきました。困難な状況の中での開催ですので、今年はゲストを呼ばないなどいろいろ制約があるようです。とはいえ、よくぞ開催を決断して下さった、と拍手パチパチ。まだ、上映作品個々の情報が出ていないのと、今日はインド映画講座でちょっと忙しいため、事務局が送って下さった広報資料をそのまま貼り付けます。上映作品紹介は後日公式サイトに掲載されると思いますので、心せく方は毎日チェックしてみて下さいね。

上映スケジュール、拡大して見てみて下さいね。インド映画はマラヤーラム語映画『ジャッリカットゥ』で、こちらに英語版Wiki紹介ページがあります。元々はこの映画の舞台となったケーララ州の隣、タミルナードゥ州でポンガル(毎年1月13日前後に祝われるタミルの正月)の時などに行われていた牛追い行事(というか競技)のことなのですが、この映画では競技ではなくてマジで牛追いが行われる現場が描かれています。クライマックスでは、どうやって撮ったんだ!?というシーンの連続で、ものすごい迫力で人々が迫ってきます。一種異様な作品なので、日本でこれを配給しようという配給会社はまずないだろう...と思われる作品でもあります。というわけで、普段ならGO TO FUKUOKAをお勧めするのですが、それができなくて残念無念...。とりあえず、予告編を付けておきます。

Jallikattu Official Trailer | Lijo Jose Pellissery | Chemban Vinod | Antony Varghese

 

Netflix『クラス'83』も見てみました

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『グンジャン・サクセナ』と同様に、インドと日本でNetflix同時配信されたヒンディー語映画『クラス'83』も見てみました。原作というか同名のノンフィクション本「The Class of 83:The Punishers of Mumbai Police」があり、それをベースにしてストーリーが組み立てられたようです。映画のデータは下の通りです。

クラス

『クラス '83』
2020年/インド/ヒンディー語/98分/原題:Class of '83
  監督:アトゥル・シャバルワール
  主演:ボビー・デーオール、アヌープ・ソーニー
 インドでの配信:2020年8月21日(金)午後3時
 日本での配信:2020年8月21日(金)午後6時30分

Class of '83 film poster.jpg

マハーラーシュトラ州のムンバイから北東へ190キロ。地方都市ナーシクにある警察官養成所では、1983年度に新たに入った新人たちが訓練を受けていました。ところが教官のうち1人だけ、いつまで経っても講義に顔を見せない人物がいます。学部長のヴィジャイ・シン(ボビー・デーオール)でした。仲良くなった新入生ヴァルデ(ヒテーシュ・ボージラージ)、シュクラ(ブーペーンドラ・ジャーダーワト)、アスラム(サミール・パラーンジペー)、ジャーダウ(字幕はジャダフ/ニナード・マハージャニー)そしてスルヴェ(プリトヴィク・プラタープ)の5人は、いたずら心を起こしてシン学部長の寝込みを襲いますが、見事に返り討ちに遭ってしまいます。シンはボンベイ(当時の名称)で勤務していた1981年に最愛の妻を病気で亡くしたのですが、その手術の日にマフィアのカールセーカル(字幕はカルセカル)逮捕という任務に赴いたため、妻の死に目に遭えなかったのでした。それが心の傷となり、息子ローハン(字幕はロハン)や妻の兄(?)の州首相パートカル(字幕はパトカール)との間にも溝が出来て、シンは左遷に近い形で警察学校勤務となったのでした。

シンは、ヴァルデら5人が成績は最下位であること、個人的な背景が何もないことを知ると、彼ら5人を育てて、警察組織の中に送り込もうとします。警察内部や政治家とのつながりがあれば、その人間たちは公平な警察官にはまずなれないため、しがらみのない彼ら5人に希望を託したのです。こうして5人はシンに鍛えられ、1983年度のクラスとして卒業していき、ボンベイ警察署に配備されます。その頃、警官が勝手に犯罪者を殺せる条例が作られ始め、ヴァルデらはマフィアに資金を提供しているパターン人一味を見つけ、彼らを追ってその中のボスを殺し、上司には正当防衛だったと説明します。やがてシュクラとヴァルデは、マフィアのボスのカールセーカルとナーヤク(字幕はナイク)からそれぞれ裏金を受け取るようになり、5人はどんどん深みにハマっていきます。警察庁長官は、彼らを抑えるために、シンをボンベイ警察に呼び戻すことにしました...。

前半はなかなかに緊張感があり、ストーリーに引き込まれたのですが、後半の若手警官たちのパートになると、脚本がちょっとお座なりになってしまい、面白みが薄れます。この5人には新人俳優や1、2度映画に出ただけの若手俳優を起用してあるため、顔を見分けるのが難しく、また彼ら自身の個性もほとんど出ていないことも加わって、人物を追うのが難しかったことも面白くない一因でした。おそらく時間制限があり、はしょった部分が多かったのではと思いますが、2時間ぐらいの作品にして後半もじっくり描いてあれば、と残念でした。ただ感心したのは、当時の映像や写真を使って、1981~1988年のボンベイをなるべく当時のままに画面によみがえらせようとしている点です。30数年前と現在とで一番違っているのは道路を走っている車で、アンバサダーやパドミニというずんぐりむっくりした車が道路を埋め尽くしていた1983年は、マルチスズキや日本車、韓国車、そして欧米の車が幅をきかせている現在とは、まったく様相が違います。それが一瞬でも昔の映像でよみがえり、当時の雰囲気がよく出ていました。映画の中で、以前は大規模な紡績工場だった敷地にマフィアが目を付ける、というエピソードが出てきますが、このあと90年代になると、経済発展でそういった敷地がショッピングモールや高層マンションに生まれ変わっていき、今のムンバイへと変貌していくことになります。

というわけで少し不満の残る作品でしたが、インドでの映画評では、スターを使用せず撮り方もシンプルにしたというので「ミニマリズム」と評価して星3.5を与えたこちらを最高に、多くの映画評が星3つを進呈していました。ボビー・デーオールの本格的復帰も歓迎されているようで、今後主演作が増えるかも知れません。予告編は以前付けたので、メイキング映像を下に付けておきます。シャー・ルク・カーンが登場しているのは、製作が彼の会社レッド・チリー・エンターテインメントだからです。『グンジャン・サクセナ』ほど物議を醸さず、従って話題にもならず、という『クラス'83』でしたが、配信での封切りとしては、ひとまず成功だったのではないでしょうか。

Behind the Scenes: Class of '83 ft. Bobby Deol & Shah Rukh Khan | Netflix India

 

<余談>

日本でも、ディズニープラスの配信が始まる、というので、もしかして、インドと同時封切りでインド映画の新作も見られるのでは、と、宣伝が来たのを機会に質問を送ってみました。すると、きちんと回答が来ました。

質問(大意)「インドでは、ディズニープラスがスターTV系列のホットスターと一緒になって、現在も休館中の映画館に代わり、新作映画を配信しています。Netflixではインドと日本で同時配信され、新作のインド映画が日本でも見られるのですが、御社でもそのような利点があるのでしょうか?」

回答(要点のみ)「本件につきまして、ディズニープラスは、ディズニー、ピクサー、スター・ウォーズ、マーベル、ナショナルジオグラフィックの5つのブランド全てがそろう唯一のディズニー公式動画&エンタテインメントサービスです。ご期待にそえず申し訳ございませんが、ご了承くださいますようお願いいたします」

うーむ、そうか、アメリカ以外の映画を配信する予定はありません、ということですね。でも、誠意ある回答を下さっただけ、ありがたいです。そんなわけで、こちらで紹介した『Laxmmi Bomb』や『Bhuj』などは見られませんが、Netflixのものは可能性がある、ということで、来月もあるかも、と期待しておきましょう。インドの映画館は、「ダシャヘラーの時までには再開する」という噂があるので、10月25日に始まる今年のダシャヘラー前、10月半ばには開くのではと思います。さて、9月リリースを予定している作品の配信化はあるのでしょうか。ネトフリ配信による公開になることを期待して待つことにしましょう。

 

 

 

アジアフォーカス・福岡国際映画祭2020上映作品・アジア映画一覧

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アジアフォーカス・福岡国際映画祭2020の上映作品の詳細が、チラシの形でアップされました。こちらです。予告編等を付けた形で、下にまとめてみました。キャスト名でカタカナ表記が不明のものは、ローマナイズのママにしてあります。お許し下さい。

アジアフォーカス・福岡国際映画祭2020上映作品
[アジアの新作・話題作]

『土曜の午後に』

Saturday Afternoon.jpg

 2019年/バングラデシュ、ドイツ/ベンガル語/86分/原題:Shonibar Bikel/英語題:Saturday Afternoon
 監督:モストファ・サルワル・ファルキ
 出演:Zahid Hasan、Tisha、Mamunur Rashid、Iresh Zaker

 

『明日から幸せな人になろう』

春暖花开

 2019年/中国、ドイツ、セルビア/中国語/60分/原題:春暖花開/英語題:From Tomorrow On, I Will
 監督:イヴァン・マルコヴィッチ、呉林峰(ウー・リンフォン)
 出演:魏如光(ウェイ・ルーグァン)

From Tomorrow on, I will trailer

 

『三人姉妹の物語』

A Tale of Three Sisters.jpg

 2019年/トルコ、ドイツ、オランダ、ギリシャ/トルコ語/107分/原題:A Tale of Three Sisters
 監督:エミン・アルベル
 出演:Cemre Ebuzziya、Ece Yüksel、Helin Kandemir、Müfit Kayacan

A TALE OF THREE SISTERS - Officiële Nederlandse trailer

 

『ジャッリカットゥ』

JallikkattuFirstLook.jpg

 2019年/インド/マラヤーラム語/91分/原題:Jallikattu
 監督:リジョー・ジョーズ・ペッリシェーリ
 出演:アントニ・ヴァルギース、チェンバン・ヴィノード・ジョーズ、サーブモーン・アブドゥサマド、ジャーファル・イドゥッキ、シャーンティ・バーラクリシュナン

Jallikattu Official Trailer | Lijo Jose Pellissery | Chemban Vinod | Antony Varghese

 

『マリアム』

Mariam Poster

 2019年/カザフスタン、ドイツ/カザフ語/75分/原題:Mariam
 監督:シャリパ・ウラズバエヴァ
 出演:メルエルト・サブシノヴァ、アルマス・ベクティバエフ、ハムザ・コクセベク、エディゲ・アフメト
※第15回大阪アジアン映画祭(2020)で上映

OAFF2020『マリアム / Mariam』予告編 Trailer

 

『昨夜、あなたが微笑んでいた』

Last Night I Saw You Smiling Poster 

   2019年/カンボジア、フランス/カンボジア語/78分/原題:Last Night I Saw You Smiling/ドキュメンタリー
 監督:ニアン・カヴィッチ
※第20回東京フィルメックス(2019)で上映

Last Night I Saw You Smiling - Trailer | IFFR 2019

 

『樹上の家』

Nhà Cây Poster

 2019年/ベトナム、シンガポール、ドイツ、フランス、中国/ベトナム語/84分/原題:NHÀ CÂY//英語題:The Tree House
 監督:チューン・ミン・クイ

The Tree House Trailer | SGIFF 2019

 

『犯罪現場』

A Witness out of the Blue.jpg

 2019年/香港/広東語/104分/原題:犯罪現場/英語題:The Witness Out of the Blue
 監督:馮志強(フォン・チーチアン)
 出演:古天樂(ルイス・クー)、張繼聰(ルイス・チョン)、宣萱(ジェシカ・ヘスター)

《犯罪現場》(A Witness Out of the Blue) 電影預告 - Movie6 識電影 | 讓你認識更多電影的平台

 

[アノーチャ・スウィーチャーゴーンポン監督特集]

『クラビ、2562』

Krabi, 2562 Poster

 2019年/タイ/タイ語、英語/93分/原題:Krabi, 2526
 監督:ベン・リヴァース、アノーチャ・スウィーチャーゴーンポン
※第12回恵比寿映像祭(2020)で上映

Krabi 2562 - Trailer

 

『ありふれた話』

Jao nok krajok Poster

 2009年/タイ/タイ語/82分/原題:Jao nok krajok/英語題:Mundane History
 監督:アノーチャ・スウィーチャーゴーンポン
 出演:Arkaney Cherkam、Paramej Noiam、Anchana Ponpitakthepkij

"Mundane History" (Official Trailer)

 

『暗くなるまでには』
 2016年/タイ、オランダ、フランス、カタール/タイ語/105分/原題:By the Time It Gets Dark
 監督:アノーチャ・スウィーチャーゴーンポン

By The Time It Gets Dark Trailer | SGIFF 2016

 

「アノーチャ・ショートフィルム傑作選」
 監督:アノーチャ・スウィーチャーゴーンポン
 

[その他 特別上映/福岡アジア文化賞受賞監督作品]

『世紀の光』

ポスター画像

 2006/タイ/タイ語/105分/原題:Sang sattawat
 監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
 出演:ナンタラット・サワッディクン、ジャールチャイ・イアムアラーム、ソーポン・プーカノック

『世紀の光』予告編

 

映画祭の開催期間は9月20日(日)~24日(木)の5日間です。公式サイトはこちらです。福岡の皆さんは、3連休中はアジア映画三昧でいいですね。上記作品のほかに、福岡ゆかりの作品等が上映されますので、当日ぜひお運び下さい。例年と実施方法が変化していますので、その点もご注意下さいね。

 

ブータン映画が来年公開されます~『ブータン 山の教室』

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久々に、ブータン映画が一般公開されます。タイトルは、『ブータン 山の教室』といい、来年、2021年4月3日(土)から、岩波ホールその他で全国順次公開となる予定です。まずは、映画の基本データをどうぞ。

『ブータン 山の教室』
 2019年/ブータン/ゾンカ語/110分/原題:/英語題:Lunana: A Yak in the Classroom
 監督・脚本:パオ・チョニン・ドルジ
  出演:シェラップ・ドルジ、ウゲン・ノルブ・へンドゥップ、ケルドン・ハモ・グルン、ペム・ザム 他
  配給:ドマ
※2021年4月3日(土)より、岩波ホール他にて全国順次公開

<物語>若い教員ウゲンは、ブータンで最も僻地にあるルナナ村の学校に行くように命じられる。「オーストラリアに行きミュージシャンになりたい」という夢を抱きながらも、渋々ルナナ村に行くことに。1週間以上かけ巡りついた村には、「勉強したい」と真っすぐな瞳で彼の到着を待つ子どもたちがいた。電気もトイレットペーパーもない土地での生活に不安を拭えなかったウゲンだが、村の人々と過ごすうちに自分の居場所を見つけていく。

©2019 ALL RIGHTS RESERVED.

英語タイトルに使われているルナナというのは、上記<物語>でもわかるように村の名前で、ブータンの最北部、中央のちょっと西寄りにあるガサ県にあります。日本語版Wikiのガサ県で、地図を確認してみて下さい。中国との国境にも近く、ガサ県北部は中国との係争地になっているとかで、その係争地より少し南に位置するのがルナナです。首都のティンプーや、それに次ぐ都会のプンツォリン、パロといった街から比べると、とてものどかな農村地帯なのですが、そこに主人公である都会の青年教師ウゲン(シェラップ・ドルジ)が赴任するように命じられ、赴任してみると...というお話のようです。英語タイトル通り、教室にはヤク(高原に住むウシ科の動物)がいて子供たちと一緒に授業を受けることになったり、電気が来なかったり屋外のトイレでウゲンが困ったりと、海外版予告編を見るとありがちな「田舎の先生」像が登場します。

2020台北電影節|亞洲稜鏡|不丹是教室 Lunana: A Yak in the Classroom

本作は、すでにプサンやロンドン、バンクーバー、台北などの映画祭で上映されているのですが、台北映画祭の予告編が一番わかりやすかったので、それを付けてみました。これまでいろんなアジアの国で描かれてきた、「都会からやって来た田舎の先生」ですが、今回のブータン映画はまた違った趣があるようで、楽しみです。日本語のタイトルは、「ルナナ」という地名が日本ではまったくと言っていいほど知られていないことから、ブータン映画であることをまずわかってもらうために、『ブータン 山の教室』となったのでは、と思われます。日本版予告編ももう少しするとできてくると思いますので、またご紹介しますね。

Lunana: A Yak in the Classroom Poster 

ブータンの言語はゾンカ語なのですが、ゾンカ語の文字が入ったポスターがありましたので、これもコピペしておきます。原題は何と言うのでしょうね?(字幕のゾンカ語監修をおやりになった、西田文信先生にうかがってみたいです) ブータン映画では、以前『ザ・カップ~夢のアンテナ』(1999)というケンツェ・ノルブ監督の作品が公開されていますが、ブータン大使館による紹介記事によると、本作のパオ・チョニン・ドルジ監督はケンツェ・ノルブ監督の教え子のようです。ケンツェ・ノルブ監督は高僧の身分でもあるので、「ケンツェ・リンポチェ」と書かれているんですね。このあたりのことも、今後映画の宣伝が本格的になれば、いろいろわかってくることと思います。「国民総生産量」ならぬ「国民総幸福量(GNH)」という考え方を広めたブータン。そんなブータン情報も盛り込みながら、この先『ブータン 山の教室』を紹介していけたらと思いますので、お楽しみに。

 

『きっと、またあえる』2週目突入! これまでに書いた記事のまとめページ

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本日より2週目に突入したインド映画『きっと、またあえる』。2週目の歌詞カードはゲットなさいましたでしょうか? 明日と9月12日(土)にあるスペース・アーナンディ/インド映画講座では、配給会社さんのご厚意で、それぞれの日1枚ずつではありますが、2週目の歌詞カードプレゼントを実施します。先週の講座では、左の1週目歌詞カードだったのですが、今回は右の2週目歌詞カードです。ジャンケンの腕を磨いてお越し下さいね。

こんな特別プレゼントがいただけたのも、この約半年間にわたって、ブログに15本の紹介記事を書いてきたから。長丁場だったなあ、と我ながら感心しますが、『きっと、またあえる』に関しては、バラエティに富む主人公たちなど、書くテーマがいっぱいあって、長期連載となった次第です。映画が公開されてから、ちょこちょこいろんな記事を覗きに来て下さる方が増えているのですが、あちこちご覧いただくのは大変、というわけで記事一覧を作ってみました。全体を統括するタイトルは、「『きっと、またあえる』のコレに注目!」です。それぞれ、日付のところをクリックしていただければ、該当記事に飛ぶようにしてあります。

<番外>インド映画公開情報!『CHHICHHORE(原題)』が来ます!!(2019.11.22

    
『きっと、またあえる』のコレに注目!
<1>予告編来ましたぁ!!(2020.3.25


<2>”きっと、またあとであえる”(2020.4.6

  
<3>主演カップル初顔合わせ(2020.4.11

  
<4>愛しのセクサ(2020.4.17

  

<5>敵(かたき)役ラギーの身の上(2020.4.23


<6>渋いぜ、デレク兄貴~♥(2020.5.18


<7>悪態野郎アシッドはテルグの人気者(2020.5.26

<8>あと2人のキャラ紹介~「へべれけ」とラーガヴ(2020.6.15

  
<9>ニテーシュ・ティワーリー監督の手腕に驚け!(2020.7.8


<10>舞踊監督はまたもやボスコ&シーザー!(2020.7.19

  
<11>味のある脇役たちにも注目~☆(2020.7.26


<12>1992年のインドって?(2020.8.8)

  
<13>来場者プレゼントが待っている!(2020.8.15)


<14>劇場用パンフの場面写真が豊富すぎる!(2020.8.19)


<15>明日の初日に向けて監督のメッセージ到着!(2020.8.20

映画『きっと、またあえる』ティワーリー監督より「笑いと感動に溢れた映画」/コメント映像

 

あれれ、こうしてまとめてみたら、マミーの紹介がないような....。「中国で上映された時は”マミー”をミイラと訳されて、”木乃伊”と書かれていた」と書いたような記憶があるのですが...。来週、今抱えている急ぎの仕事が一段落したら、きちんとチェックしてみますね。でないと、チコちゃんじゃない、マミーのお父さんに叱られる!(あのお父さんも好き♥ しっかり子離れできてるし) 『きっと、またあえる』の公式サイトはこちらです。まだご覧になっていない方は、お急ぎGoTo映画館!

<画像クレジット>

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<インディアンムービーウィーク(IMW)2020>の予告編ができていました~♥

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仕事に追われていたら、いつの間にか<インディアンムービーウィーク2020>の予告編がYouTubeにアップされていました。それ、はやく言ってよ! ですが、とりあえず貼り付けておきます。

「インディアンムービーウィーク2020」予告編

 

昨年より洗練度もアップし、全作品見たくなる作りの予告編ですね。このブログでの作品紹介はこちらにありますが、上映スケジュール等はIMWの公式ツイッターをどうぞ。とか書いているうちに時間だ、あ゛~、仕事に行かなきゃ(汗)。今日も暑い、いや熱い1日ですが、皆様、お気を付けてお過ごし下さい。インド映画講座の皆様、バード・メーン・ミレーンゲー(बाद में मिलेंगे/あとでね~)!

スペース・アーナンディ/インド映画連続講座第Ⅳ期<5>「通過儀礼を知る!」

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スペース・アーナンディ/インド映画連続講座第Ⅳ期の最後の講座テーマは「通過儀礼を知る!」です。実は3月・4月・5月と休んでいたリアル講座を6月末に再開する時、「冬になったら感染拡大の第二波が来るかも。10月中に、とにかく予定していた講座を終えてしまおう」とスケジュールを決めてしまったのですが、予想に反して第二波は前倒しで襲来。7月半ばから今に至るまで、大変な状況が続いています。この間、いろんな感染予防対策をして講座を続けて来ましたが、毎回大変な思いをしてお越し下さった皆様には、本当に何と御礼を申し上げていいかわかりません。それに勇気づけられて、リアル講座をあと3回、やってしまうことにしました。今回はちょっと新しい試みもしてみますので、よろしければお運び下さい。

スペース・アーナンディ/インド映画連続講座第Ⅳ期

「映画で知る! インド人の生活」

<第5回>通過儀礼を知る!~インド人の人生を彩る儀式

     

Photo by Pradeep Bandekar   

 スペース・アーナンディ「インド映画連続講座」は、定員を約半分に制限し、感染予防策を徹底させながら実施を続けています。今期第Ⅳ期の最終テーマは、祭りと共にインド人にとっての一大イベント、結婚式等を取り上げる、「通過儀礼を知る!」です。
 「通過儀礼」と聞くと何やら大袈裟ですが、人が生まれてから死ぬまでの間に経験する、節目節目の儀式のことを言います。ヒンドゥー教徒の場合は生まれる前から始まり、大人になる儀式とも言える入門式や成女式を経て、人生最大のハイライトである結婚式、そして人生の最後に天に昇るための葬式と遺灰の散布、というのが大まかな通過儀礼となります。ほかにもキリスト教の洗礼や、イスラーム教の赤ちゃんの耳にコーラン(クルアーン)の章句をささやく儀式など、通過儀礼は多くが家庭内やコミュニティ内で祝われます。映画に登場するのは、結婚式、ついで葬式が多いですが、映画の場面では一瞬ということが多いため、儀礼の詳細を知ることは、特に外国人にはなかなか困難です。
 今回は、『インディラ』(1995)、『パッドマン 5億人の女性を救った男』(2018)、『ミモラ 心のままに』(1999)、『ガンジスに還る』(2016)などいくつかの映画に表れた例を見ながら、結婚式とお葬式、そして成女式を中心に、各宗教による違い、地方地方による違いなどを見てみたいと思います。また、日本人の若い映像作家田中三紗子さんが撮った短編ドキュメンタリー『ジャスミンウェディング』(約30分)も、参考映像としてお見せしたいと思います。マハーラーシュトラ州プネーに住むごく普通のご家庭の、どちらかというと地味な結婚式なのですが、様々な儀式が見られるうえ、お二人と両家庭の暖かな結び付きによる結婚式の様子がよくわかって、優れたドキュメントとなっています。どうぞお楽しみに。
 なお、メインの講座と抱き合わせで開催してきた「映画で学ぶヒンディー語塾」は、発声を避けるために、関連ヒンディー語語彙集のような形にしています。実際の発音をその場でしていただけなくて残念ですが、この機会に語彙をいっぱい増やして下さい。

 日時:2020年 9月26日(土) 15:00~17:30  (お好きな回をお選び下さい)
                           10月10日(土) 15:00~17:30 
                           10月17日(土) 15:00~17:30 
 場所:スペース・アーナンディ(東急田園都市線高津駅<渋谷から各停18分>下車1分)
 定員:11名
 講座料:¥2,500(含む資料&テキスト代)
 講師:松岡 環(まつおか たまき)

 今回も、①定員は約半分、ソーシャル・ディスタンスを確保する、②参加者はマスク着用、手の消毒も徹底する、③会場は消毒を励行、換気も徹底する、④その他、できうる限りの感染予防策を取る、という点に注意して実施しますが、感染がいまだ終息しないので、状況次第では中止のご連絡をするかも知れません。その点、悪しからずご了承下さい。
 ご予約は、スペース・アーナンディのHP「受講申し込み」からどうぞ。ご予約下さった方には、ご予約確認と共に、スペース・アーナンディの地図をメール送付致します。床におザブトンをひいて座っていただく形になりますので、楽な服装でお越し下さい(申し訳ないのですが、スペースの関係上イス席はご用意できません。悪しからずご了承下さい)。
 皆様とお目にかかれるのを楽しみにしております。

 

 

毎度の言い訳ながら、配信用の動画がまだ完成していません。9月中には「食文化」、10月中には「祭り」、そして12月には「通過儀礼」を完成させて見ていただけるよう、がんばりたいと思っています。とはいえ、こういう講義内容ならFilmora9よりパワポの方がいいのでは、というアドバイスを受けて、これから「初めてのパワポ動画」に取り組まねばならず、さらには、YouTubeにある予告編を配信に使える動画に変換せねばならず....(予告編は映画の版権に抵触しないそうです)、と問題山積エベレスト級。まあ、千里の道も一歩から。好きなインド映画のことですから、楽しみながらやりたいと思います。皆様も、新型コロナや残暑、そして台風にも負けず、明日からの楽しい9月をお過ごし下さい。

 


『きっと、またあえる』を大スクリーンで見てきました&<追加>マミーの素顔

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昨日の映画の日、シネマート新宿で『きっと、またあえる』を見てきました。大きなスクリーン1での上映時間に合わせて行ったので、大満足の「やっと、またあえた」でした。最後の方のバスケ試合シーンとか、オーラスのソング&ダンスシーンとかは、やっぱりこれぐらいの大画面で見ると満足感が違いますね~。たっぷりと楽しんできました。

特に昨日は、隣の席がパク・ソジュンだった↓ので、ここは梨泰院(イテウォン)? と心の中で盛り上がりました。シネマート新宿さん、この座席塞ぎ、毎月ヴァージョンが変わるのでしょうか? ちょうど今は、パク・ソジュン主演の『ディヴァイン・フューリー/使者』が、『きっと、またあえる』を挟んでスクリーン1で上映中だったのでした。昼と夜みたいに違う映画が、時間替わりで上映されているんですね。

 

韓国映画はほかにも、クォン・サンウの『鬼手』、マ・ドンソクの『悪人伝』と、何と3本も上映中なんですよ。『悪人伝』など、もう1ヶ月以上のロングランではないでしょうか。インド映画もこういう時代が早く来てほしいものですが、昨日の入りは、映画の日ということもあって結構多かったものの、満員とはいかず少々残念。でも、金・土・日は皆さんお運び下さったようで、来場者プレゼントの歌詞カードはきれいになくなっていました。

さて、この間アップした『きっと、またあえる』関連記事のまとめを読み直してみて、「マミー」ことスンダル君を演じたトゥシャール・パンデーのご紹介をやっぱり忘れていたことを確認ました。「マミー」の本名が「スンダル(美しい)」君だというのは昨日見て知ったのですが、今、英語版Wikiを見たら、役名のフルネームが書いてありました。スンダル・シュリーワースタウ、おお、カーヤスタ・カーストかな? しかし英語版Wiki「Chhichhore」は、以前はこんな役名フルネームは載せていなかったのに、公開後1年ぐらい経っても情報を更新してくれるのですね。こんなに努力して情報発信しているのなら、Wikiへの寄付もまたしないといけないかなあ(ちょうど、また「寄付のお願い」が来ている...)。というわけでせっかくわかったフルネーム、この際主要人物全員分を載せておきましょう。ついでに、個々人の顔写真も付けておきます。

アニ:アニルッド・パタク(パータク)

俳優:スシャント・シン・ラージプート

マヤ:マヤ(マーヤー)・シャルマー

俳優:シュラッダー・カプール

セクサ:グルミート・シン・ディッローン(パンジャーブ州の人かな?)

俳優:ヴァルン・シャルマ

デレク:デレク・デスーザ(ゴア出身?)

俳優:ターヒル・ラージ・バシン

アシッド:ヒマーンシュ・デーシュムク(地元マハーラーシュトラ州の人みたいです)

俳優:ナヴィーン・ポリシェッティ

マミー:スンダル・シュリーワースタウ

俳優:トゥシャール・パーンデー

へべれけ(ベーウラー):サーヒル・アワスティー

俳優:サハルシュ・クマール・シュクラ

ラギー:ラグヴィール・チャールカル(or チャルカル? 聞いたことのない姓です)

俳優:プラティーク・バッバル

というふうに、姓がわかると出身地や所属するカーストがわかることも多く、利点もあれば欠点もあります。それはさておき、「マミー」を演じたトゥシャール・パーンデーですが、情けないマザコン青年かと思えば、女子寮前でのシーンのように妙にしゃっきりするところもあるという、なかなか難しい役どころを上手に演じていました。それもそのはずで、パンフにもあるように、インドの演劇学校の名門であるデリーの国立演劇学校(National School of Drama/略称NSD)とロンドン国際演劇学校(London International School of Performing Arts)の両方で演技の勉強をした逸材なのです。『きっと、またあえる』では外見も性格も情けない役でしたが、出演作を見直してみると、『ピンク』(2016)では問題を起こした青年たちの一人で、結構ふてぶてしい顔で登場していたのでした。

今回も、YouTubeにアップされている『きっと、またあえる』のプロモーション映像をいろいろとチェックしてみたら、トゥシャール・パーンデーが毎回、カッコいいファッションの別人28号姿で登場しているのを見てびっくり。たとえば、下のようなプロモ映像です。

Team Chhichhore Reveal Their Tinder Bios To Shraddha Kapoor’s Phone Addiction | Sushant Singh Rajput

デレク以外の負け犬5人が出演していますが、マミーことトゥシャール・パーンデーは、このまま渋谷の街に放ってもいいような若者姿ですね。これ以外のプロモ活動でも、こじゃれたスーツだったりとなかなかにオサレです。ご覧になりたい方は、「Chhichhore promotion」とかYouTubeに入れて検索してみて下さい。いろんな動画が出てきます。トゥシャール・パーンデーは生年月日が不明なのですが、まだ30歳そこそこ、という感じでしょうか。今後いろんな作品で姿を見かけるようになるのでは、と思いますので、チェックしていて下さいね。

というわけで、長期連載だった『きっと、またあえる』紹介はこれにてひとまず打ち止めです。でも、いつか、どこかで、『きっと、またあえる』! これからご覧になる方は、出演者1人1人と親しくなって下さいね。公式サイトはこちらです。

<画像クレジット>

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オマケがいっぱい! 『SAAHO/サーホー』の円盤到着♥♥♥

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『バーフバリ』ことプラバースの主演作『SAAHO/サーホー』のブルーレイとDVDが、無事我が家に来臨しました。スクリーンでは4度見たのですが、まだ見ないと謎が解けないところがあるので、後日じ~っくり見直す予定です。

 

それよりもとびきり嬉しいのが、今回のソフトに付いているいろんなオマケです。まず、ポストカードが3枚。何が嬉しいって、大判ポスカなんですよ。そのため、上写真でおわかりのように、ブルーレイのパッケージもDVDと同じ大きさになっています。ほぼB6判の大きさのポスカなので、普通のブルーレイパッケージだと入らないんですよね。

しかも上の3枚、あまり見たことのないデザインのヴィジュアルばかりでしょう? 本当に、ツインさんはファン心理をよくご存じですね。もちろん円盤のデザインも、初めて目にするカッコいいプラバースとシュラッダー・カプールになっています。そして、ポスカに付随して、何と「SAAHO」のワッペンまで。銀色の刺繍ですが、これは針でもってチクチクどこかに縫い付けるんですかね。今一番活躍しているお買い物用マイ・バッグに....は、ちともったいないか。

これらの特典は初回発売限定みたいなので、ファンは即お求め下さい。ご注文はアマゾン沼のこちらか、またはツインさんの直接通販サイトでどうぞ。おや、ツインさんのサイトで買うと、もう一つオマケが付いてくるみたいですよ。このプレスシート、まだ残っているのかな? パンフレットとはまた違う編集で、薄いですがレアものの『SAAHO/サーホー』グッズです。これをいただいて、新宿ピカデリーでプレミア上映を見た時のことを思い出します。あれが3回目で、やっと映画の各パーツが頭の中でカチッとはまってきたんですが、初めて見た友人のライターさん(複数)からは、「この映画、面白いじゃな~い!!」と言われ、初見でもわかる人にはわかるのか...と落ち込んだのでした。くぅ~、新型コロナウィルスの感染拡大さえなければ、緊急事態宣言で映画館が休館にさえならなければ...(涙)。気を取り直して次!

そうなんです、まだオマケがあるんですよ。それはもちろん特典映像。DVD、ブルーレイとも、オリジナル特報/オリジナル予告編、日本版特報/日本版予告編に加えて、メイキング、そしてプラバースから日本のファンへのメッセージ7連発!が入っています。メイキングは上写真の「ジェットマン」など興味深い現場エピソードがいっぱい収録されて約9分。プラバースの姿も見えるどころか、彼自身の口から製作エピソードがいろいろ聞けるという、実に貴重なメイキングです。本編を見て、そしてまたこのメイキングを見て、あらためて本編を確かめる、ということをやれば、自分も『SAAHO/サーホー』の製作に関わったような気分になれる、非常に上手な編集のメイキングでもあります。

そして、さらっと言ってしまいましたが、公開前にいろいろ違うヴァージョンが出てきて、同じシチュエーションで撮っているようだけど、プラバースにこんなにも様々なセリフを言わせたなんてすご~い、と思わせてくれた日本のファンへのメッセージが、すべて収録されてます! いやいや、これは非常に貴重です。おお、ここではこんな日本語を、とか、聞き比べるといくつも発見があって、この2、3分のメッセージ集だけでも、いっぱい楽しめてしまいます。1本のメッセージをもらうだけでも大変なのに、一度に7本、それも数ヶ月先のソフト発売用のものまで撮ってしまうとは! このメッセージのメイキングも付けてほしかったです、ツイン様。

とまあ、本編と同じくらい面白い特典映像が付いているスグレモノのソフト『SAAHO/サーホー』、永久保存版としてあなたのお手元にもぜひどうぞ。最後に、久々に予告編を付けておきますね。

バーフバリ俳優プラバース主演!映画『サーホー』予告編

 

インド映画ファンでなくても必見! DVD『ウスタード・ホテル』

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インド映画のソフトが続々発売されている、というのは、この間もお伝えした通りです。公開作品のソフト化以外にも、DVDスルー作品と言って、公開されないけれど日本版DVDになって発売される、という作品も年に何本かあります。そしてここ数年、在日インド人の方が開催する映画祭からも、ソフト化作品が出るようになりました。今回ご紹介する『ウスタード・ホテル』は、「インディアンムービーウィーク2019」で上映された作品です。2012年製作のマラヤーラム語映画なのですが、少々前の作品でもこの映画祭で上映されるだけのことはある、と観客をうならせた名作でした。公開作となってもいいぐらいの質の高い作品なので、DVD化された機会に、少し詳しくご紹介したいと思います。まずは、映画のデータからどうぞ。

『ウスタード・ホテル』
 2012年/インド/マラヤーラム語/151分/原題:Ustad Hotel
 監督:アンワル・ラシード
  出演:ドゥルカル・サルマーン、ニティヤ・メーノーン、ティラカン、シッディク、マームッコーヤ
<DVD発売データ>
  提供:SPACEBOX
 発売元:フルモテルモ
   販売元:ハピネット・メディアマーケティング
 発売日:2020年9月2日

Ustad Hotel (2012) - Poster.jpg

物語は、主人公のファイジことファイザルが生まれる前から始まります。ここは南西インドケーララ州のカリカット。商売人のラザク(シッディク)は新婚の妻が妊娠したので大喜び。彼の夢は生まれた息子に「ファイザル」という名前を付け、「ファイジ」と愛称で呼びながら大きくし、ゆくゆくは息子と共に自分の事業を広げていくことでした。でも、生まれたのは女の子。それも4人続けて女の子が誕生してしまいます。ラザクは5人目を妊娠している妻を置いてドバイに働きに行き、その留守に妻は待望の男の子を出産するものの、続けての妊娠と出産で体を壊し、亡くなってしまいました。妻の死後、ラザクは5人の子供たちを連れてドバイで暮らすようになり、事業も大成功、やがて成長したファイジ(ドゥルカル・サルマーン)を残して姉たちは結婚してしまいます。MBAを取るために海外留学を、と強いる父に対し、ファイジは海外に行ったものの、シェフになる勉強をして、父がカリカットに建てた豪邸に帰国することに。ところがそれを告げるヒマもあらばこそ、ファイジは大金持ちで家柄のよい娘シャハーナ(ニティヤ・メーノーン)とお見合いをさせられてしまいます。ファイジがシェフ志望とわかってこのお見合いはおじゃんになるのですが、その時相手側の親族から聞こえてきた言葉が、「やっぱりコックの息子だからな」「料理人の家系じゃ無理だ」というものでした。これこそ父ラザクが一番気にしていた言葉で、ラザクの父はカリカットの海岸で「ウスタード・ホテル」という食堂を営む料理人カリーム(ティラカン)だったのです。父とケンカしたファイジは祖父カリームのもとへ行き、西洋世界で有名シェフになりたいという夢を抱いたまま、そこを手伝うことになります。店の支配人的存在ウンマル(マームッコーヤ)ら従業員に接し、「ウスタード・ホテル」名物のビリヤニ(炊き込みご飯)や祖父が淹れてくれるスレイマニ・ティー(ブラック・ティー)を飲んで暮らすうちに、ファイジの心はいろいろ揺れていきますが....。

「ホテル」はインドでは、「宿屋」のことも意味しますが、「食堂、レストラン」もまた「ホテル」と呼ばれます。そんなわけで「○○ホテル」は町のあちこちにあり、ニューデリーではコンノートプレイスにあるカケダ・ホテルなども、おいしい庶民の味を提供するレストランとして知られています。「ウスタード」は元々ペルシア語で、「師匠、先生、親方」といった意味になります。というわけで、「ウスタード・ホテル」は「シェフの食堂」といったようなネーミングになるわけですね。

本作の主人公は、祖父のカリームです。最初の部分ではシルエットとかでチラと出てくるだけですが、ファイジがウスタード・ホテルに行ってからは、作品の芯となるカリームが大きな存在感を発揮し、物語がぐっと面白くなります。演じているのは、1935年生まれで、撮影当時すでに75歳を過ぎていたベテラン俳優のティラカンですが、そのチャーミングさは見る人を引きつけずにはおきません。脚本もよかったのでしょうが、この俳優ティラカンなしでは本作は成立しなかったと思われるぐらい、存在感とその豊かな表情で観客を魅了します。残念ながら、『ウスタード・ホテル』が公開された2012年6月29日からしばらくして、同年の9月24日に77歳で亡くなってしまうのですが、このおじいさんのいるあの海辺の食堂に行ってみたい!と思った人が、世界中にいっぱいいたに違いありません。生涯に約300本の作品に出演した、大ベテランでした。

そして、ドゥルカル・サルマーンとニティヤ・メーノーンという人気カップルも、安定の演技を見せてくれます。ドゥルカル・サルマーンはマラヤーラム語映画の大物俳優マンムーティの息子で、日本でも主演作『チャーリー』(2015)が公開されていますが、『ウスタード・ホテル』は彼のデビュー2作目となります。母語のマラヤーラム語映画を中心に、タミル語、テルグ語、ヒンディー語などの作品にも出ていますが、ヒンディー語映画ではいまだブレイクならず。まあ、まだ34歳なので、全インド的スターになるまでがんばってもらいましょう。ニティヤ・メーノーンは彼よりも早く、2006年にデビューしており、バンガロール生まれなのですが母語はマラヤーラム語で、マラヤーラム語映画だけでなく、タミル語、カンナダ語、テルグ語と南インドの諸言語の映画に引っ張りだこ。昨年は、ヒンディー語映画『Mission Mangal(火星探査計画)』にも出演していました。この二人の共演作は、日本でも2015年の第28回東京国際映画祭で上映された『OK Darling』(2015)などがあるのですが、マニラトナム監督作品だったのに日本公開までには至っておらず、ちょっと残念です。まずは『ウスタード・ホテル』で、二人の魅力を知ってみて下さい。

あと、インドの食文化に興味のある人には、思わず前のめりになってしまうようなシーンがいっぱいあります。ファイジが修行していたパン作りのあのパンは、ケーララでは何と呼ばれているのでしょう? 登場人物の名前からわかるように、主人公たちはムスリム(イスラーム教徒)なのですが、アラブ世界と距離的にも(海を隔ててお隣さん)心情的にも近いカリカットのムスリム・コミュニティの描写も興味深く、この1本からいろんな世界が広がっていく秀作です。安宅直子さんの上手な字幕で、ぜひ楽しんで下さいね。最後に、予告編を付けておきます。そうそう、アマゾン沼の通販サイトはこちらです。ティラカン演じる祖父カリームのラストシーンも、見る者に勇気を与えてくれてステキですよ~。

ウスタード・ホテル 予告編

 

 

タイ映画『ハッピー・オールド・イヤー』公開決定!

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今年3月の大阪アジアン映画祭でグランプリを受賞したタイ映画、『ハッピー・オールド・イヤー』の日本公開が決まりました。先日試写状をいただいたもので、主演は皆様お馴染みの『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017)でリンを演じたチュティモン・ジョンジャルーンスックジン。まずは試写状から、日本版ヴィジュアルと映画のデータ、そして解説文をどうぞ。

『ハッピー・オールド・イヤー』
 2019年/タイ/タイ語/113分/原題:ฮาวทูทิ้ง..ทิ้งอย่างไรไม่ให้เหลือเธอ /英語題:Happy Old Year
 監督:ナワポン・タムロンラタナリット
   出演:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン、サニー・スワンメーターノン、サリカー・サートシンスパー、ティラワット・ゴーサワン、アパシリ・チャンタラッサミー
   配給:ザジフィルムズ
※2020年12月11日(金)よりシネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

©GDH 559 Co. Ltd.

上の画像は、大阪アジアン映画祭の広報用にいただいたものです。詳しくはまた作品を試写で拝見してからご紹介しますが、タイ映画ファンの皆様のために、まずは第一報ということで。下に、英語字幕版の予告編も付けておきます。

OAFF2020『ハッピー・オールド・イヤー / Happy Old Year』予告編 Trailer

 

主人公の家は、ヤワラートの北あたりですかねー。タイも毎夏行っていたので、すごく行きたいです。シリントン王女の推進する農村援助プロジェクトの店で調達していた素肌クリームも、あと1本になってしまいました。行けない分、せめて映画でタイを旅したいものです。皆様も、楽しみにしてお待ち下さい。

 

タイ映画がもう1本!『THE CAVE(ザ・ケイブ) サッカー少年救出までの18日間』

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タイ映画の公開作品がもう1本あったのを忘れていました。2週間ほど前に試写状をいただいたのに、アメリカ映画だと思ってご紹介を怠っていました、すみません。昨日『ハッピー・オールド・イヤー』をご紹介して、あれ、もう1本、実話に基づくタイ関係の映画があったけど、確かアメリカ映画だったよな、と調べてみたら、タイとアメリカの国際共同製作作品でした。この映画、『THE CAVE(ザ・ケイブ) サッカー少年救出までの18日間』もまだ拝見していないのですが、映画の基本データと試写状にあったご案内だけでもまずどうぞ。

『THE CAVE(ザ・ケイブ) サッカー少年救出までの18日間』  公式サイト
 2019年/タイ・アメリカ/英語・タイ語/104分/原題:นางนอน (Nang Non)/英語題:The Cave
 監督・脚本・製作:トム・ウォーラー
   出演:ジム・ウォーニー、エクワット・ニラトボラパンヤー、ジェームズ・エドワード・ホーリー、ノパドル・ニヨムカ
   配給:コムストック・グループ+WOWOW
   配給協力:REGENTS
※11月13日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開

こちらは、皆さんのご記憶にもまだ新しい事件が元になっています。2018年6月に起こった、サッカーチームのコーチと少年たち12人が洞窟(ケイブ)内に閉じこめられた事件で、事件に関する日本語版Wikiもありますので、あの時のことをぜひ思い出してみて下さい。残念ながら、救出に当たったダイバー1人の命が失われましたが、コーチと少年たちは奇跡的に全員無事で救出されました。それがどんな救出作戦だったのか、この映画でつぶさに見ることができるようです。海外版の予告編を付けておきます。

‘The Cave’ full trailer for Thai cave rescue movie

 

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