確か、前に来たのが2009年なので、16年ぶりにハイダラーバードに来ています。前は、どうしても一度ラモージ・フィルム・シティを見てみたくて、元NFDCの事務局長だった友人に頼んで、ムンバイの映画検定局支所長からハイダラーバードの映画検定局支所長に紹介してもらい、「いいよ、車さえあなたが手配してくれれば、フィルムシティに頼んでガイドを付けてあちこち見てまわるようにしてあげるから」というお言葉を受けて、コネ使いまくりの大名?見学をしたのでした。しかし、フツーに行くならどうやればいいのか――それをチェックするための、16年ぶりのハイダラーバードなのでした。
で、16年前に来て、ユニークな作りが気に入ったAmrutha Castle Hotel(アムルタ・キャッスル・ホテル)に泊まってみました。外見が西洋のお城みたいなホテルで、中も中央吹き抜けの周りに部屋があるという、よくインドでこんなの作ったな、というホテルです。でも、車を手配してくれたデスクの人や、皆さん親切だったし、朝食の食堂には確かアイスがあって、食べ放題だった憶えがあり、私の中では「もう一度泊まりたいホテル」だったのです。来てみると、外見は昔のままでした。が....。
5階の部屋を割り当てられたのですが、暗くてかび臭く、特にバスルームは木の扉はカビまみれ、何だか牢獄みたいです。長いテーブルの上には、プラスチックのお盆とグラスが2個だけ。その下は冷蔵庫スペースだったらしきあとがあるものの、冷蔵庫は見当たりません。クローゼットには、ハンガーがぽつんと一つだけ。えー、昔と全然違うじゃん!
5階には屋上に出るとプールがあって、お子さんたちが泳いでいます。あとで写真を撮りに行ってみると、濡れた着物がベンチに干してありました。そして、一夜明けて行ってみると、このプールは鳩さんたちの絶好の水飲み場だとわかりました。フンなんかしてないのかしら? お子さんたち泳いでも大丈夫だった?
朝食はまずまずのラインアップで、このほか2,3種類がならべてあるのでノープロブレム。結構インド人のご家族連れが泊まっていて、1泊8千円ぐらいと安いこともあり、部屋はふさがっているようです。しかし、このメンテがゼロってどうしたの? たまたま廊下で行き合った、オリッサ州出身というボーイさんたちの上司にあたるアビマニュさんに話を聞くと、コロナ禍の時のロックダウンで、すっかりホテルの経営が左前になってしまったんだそうです。メンテも行き届かないのは承知だけど予算がない、従業員も不足だとわかってるけど予算がない、というわけで、ないないづくし。シンデレラ城はホーンテッドマンションみたくなってしまったのでした。部屋の扉もユニークで、各室名前がついているのですが、それも埃を被っている今では、監獄の扉みたいに見えてきます。
このアビマニュさんとフロントのお兄さんに頼み込んで、部屋を変えてもらいました。従業員の人は、みんな親切でいい人ばかりなんですけどねえ。今は2階の部屋にいるのですが、窓の鍵が閉まらない、入り口ドアのロックの留め金がなくなってる等々、DIYで何か買ってきて直しましょうか、と言いたくなるようなお部屋です。まあ、前より広くて明るくて、その点は快適になったのですが。
そんなこんなでバタバタしていて、今日はプラサードという前回行った映画館を再訪して1本映画を見ただけでした。このホテルとプラサードがこんなに近かったとは。フセイン湖に向かってホテルから歩いても行けるところだったとは、全然気がつきませんでした。今はモールがいっぱいできて、シネコンもそれぞれ入っているようですが、16年前はハイデラバード随一のマルチプレックスだったんですけどね。
この映画『Chhaava』の話はまた今度でも。明日はツアーに乗っかって、ラモージ・フィルム・シティに行ってきます! フセイン湖の眺めはこちらです。