暑中お見舞い申し上げます。本当に、見舞ってほしい!と思うような、酷暑・猛暑・炎熱暑ですね。というわけで、今回はクールな数字の話題を書いてみることにしました。
今年もまた、石坂健治さんからカンヌ国際映画祭のおみやげをいただきました。世界中の映画データが載っている小冊子「MARCHE DU FILM: Focus 2013」です。今年は予備の冊子が手に入らなかったとのことで、わざわざコピーして送って下さるというありがたさ。だいぶ前に送っていただいたのでもっと早くデータを整備したかったのですが、なかなかヒマがなく、やっと一覧表にできた次第です。2年前にいただいた小冊子までさかのぼってまとめたデータ「アジア映画製作本数」の一覧は下の通りです。
さて、気になるのは、昨年のインド映画製作本数ですね。ところが、2013年ももう半年過ぎたというのに、インド中央検定委員会(Central Board of Film Certification=CBFC)の公式サイトには、まだ2012年の検定通過本数が出てきません。2011年の報告書に「(new)」と書かれたまま、もう1年以上ほったらかし。経済発展しても、インドのお役所仕事は昔のままですねー。
実は3月に南インド映画商業会議所(The South Indian Film Chamber of Commerce)に行った時、「今年はインド映画100年でいろいろセレモニーがあるから、CBFCの発表はずっとあとになると思うよ」と言われていたのでした。それで、例年のようにここが発行する機関誌で、製作本数が掲載された号が出たら送ってもらうよう頼んできたのですが、そちらは4月末にちゃんと届きました。この機関誌で発表される本数は、毎年CBFCの発表とわずかですが違ってくるのが常なので、CBFCの発表を待っていた次第です。でも、もう限界なので、南インド映画商業会議所の機関誌「映画会議所ジャーナル(Journal of the Film Chamber)」2013年4月号のデータを発表してしまいます。
と、その前に、2012年のナンバーワンヒットはこの映画でした。皆さん、すでにご覧になってますよね? 『タイガー 伝説のスパイ』です。まだの方は、上映している映画館をこちらの公式サイトで確認して、夏休みを兼ねて見に行って下さいませ〜。どうです、このバカンスっぽい雰囲気。ピッタリでしょ?
2012 YASH RAJ FILMS PVT. LTD.
2012年インド映画言語別製作本数(検定通過本数)
タミル語 262本
テルグ語 256本
ヒンディー語 221本
マラヤーラム語 185本
カンナダ語 128本
ベンガル語 123本
マラーティー語 123本
ボージプリー語 87本
グジャラーティー語 72本
オリヤー語 30本
パンジャービー語 26本
チャッティースガリー語 20本
アッサム語 11本
英語 10本
他は一桁、計35言語 1602本
タミル語とテルグ語の本数が多いのは、吹替版が入っているためだ、とよく言われるので、ついでに両言語の映画の吹替作品本数を書いておきます。こちらは、検定通過本数ではなくて公開本数のデータで、やはり上記の「ジャーナル」に掲載されています。
タミル語 原語そのまま公開作品:162本/吹替公開作品:45本
テルグ語 原語そのまま公開作品:127本/吹替公開作品:66本
ちなみに、こちらのサイトによると、2012年一番ヒットしたタミル語映画は、タミル語吹替版の『マッキー』なのだとか。その次が『きっと、うまくいく』のタミル語版リメイク『友だち(Nanban)』だったそうで、タミル語版でランチョー役を演じたトップスターのヴィジャイは、ハエに負けてさぞくやしかったことだろうと思います。2位から4位まですべてがヴィジャイ主演作なのに、よりにもよって、トップの座を奪われるとは。
下は、得意満面のマッキーです。あと3ヶ月ほどで、日本にも飛んでくる予定です。「見に来ないと、この針で目ン玉刺しちゃうぞ」となかなかに凶暴なハエなので、気をつけましょう。でも、純情なヤツなんです....。
『友だち』上映中の映画館の写真も、アップしておきましょう。2012年3月チェンナイで撮った写真です。上のでっかい看板に描かれているのがタミル語版「3バカ」ですが、下の方、観客がいっぱい詰めかけている様子にもご注目下さい。
ボリウッド映画もそうですが、タミル語映画もいっぱい日本に入ってくるといいですね....と、結局熱いインド映画の話題になってしまいました。頭が熱中症気味です....。