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Channel: アジア映画巡礼
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ダヌシュ『ラーンジュナー』で全国区スターに

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これまでこのブログで、隙を見ては(笑)紹介してきたタミル語映画の男優ダヌシュ。こちらこちら、それにこちらとかでさりげーなく名前を連呼してきたダヌシュですが、いよいよボリウッド映画に初主演、その作品『ラーンジュナー(Raanjhanaa)』が大ヒットして知名度が一気にアップ、全国区俳優の仲間入りを果たしつつあります。

ダヌシュはこれまでのブログでもご紹介してきたように、ラジニカーントの娘婿、つまり長女アイシュワリヤの夫です。もともと映画一家の出身で、父親カストゥーリ・ラージャは映画監督、兄も有名な映画監督のセルヴァラーガヴァン。本名はヴェンカテーシュ・プラブ・カストゥーリ・ラージャと言い、1983年7月28日にチェンナイで生まれたのでもうすぐ30歳、って若いですねー。2004年にアイシュワリヤと結婚したということは、20歳か21歳で結婚しちゃったんですね。よくラジニSirが許したな、と思いますが、今は2人の男の子もでき、ラジニSirの信頼も厚いようです。

映画デビューは2002年のタミル語映画『溢れる青春(Thulluvadho Ilamai)』で、父の監督作品でした。私が初めてダヌシュを見たのは、第3作目の『男の子、女の子(Thiruda Thirudi)』 (2003)で、作品自体はごくフツーの青春恋愛映画だったのですが、ダヌシュの長身から繰り出すアクションに惚れ惚れしてしまい、ヴィクラムを抜いて”好きなタミル語映画スター第1位”に。その時は、「ブルース・リーの生まれ変わり?!」とまで思ったほどです。

ただ、その前の第2作で、兄が監督した『愛していた(Kaadal Kondein)』 (2003)で演じたサイコパス大学生役が異常にうまく、すでに大スターの仲間入りを果たしつつあったのでした。その後もタミル語映画一筋だった彼が、今回初めてボリウッド映画に進出したのですから、話題にならないわけはありません。その前に、以前のブログでもちょっとご紹介した2011年の彼の歌「Why This Kolaveri Di」が北インドでも大ウケしたのですが、今回は俳優としても受け入れられることを見せつけてくれました。

『ラーンジュナー』という題名は、映画を見ないとどんな意味なのかわからないのですが、パンジャーブの悲恋物語「ヒールとラーンジャー」の「ラーンジャー」のことだという説も。つまり、一途に相手を愛して悲恋に終わる恋の男性側の恋人、という意味でしょうか。また、ヒンディー語では「ランジュナー(ranjhnaa)」は「染まる、色が付く」、「ランジュナー(ranjnaa)」「ラーンジュナー(raanjnaa)」は「染める、色を付ける」という意味なので、相手を自分の色に染める、というような意味も持たせているのかも知れません。

というわけで、下のデザインがメインのポスターになっているのですが、上のポスターと綴りが違います。う〜ん、どっちかに統一してほしいなあ。

主演は、ダヌシュとソーナム・カプール、そしてアバイ・デオル。監督は、一昨年『タヌはマヌと結婚する(Tanu Weds Manu)』でスマッシュヒットを放ったアーナンド・L・ラーイ。予告編はこちら。詳しいストーリーを知りたい方は、「ポポッポーのお気楽インド映画」のこちらの記事をどうぞ。「これでインディア」のアルカカットさんがデリーを撤退して以降は、こちらのサイトに頼らせていただくことが多くなりました。ベナレスが舞台で、政治がからんでくるストーリーは、今のトレンド「地方+政治」にうまく乗っかっていますね。

そして素晴らしいのはやはり、A.R.ラフマーンの曲の数々。こちらのタイトルソングやこちらの「君の所まで(Tum Tak)」の歌を聞いてみて下さい。ダヌシュのいろんな表情も見られます。それにしても、ダヌシュもソーナム・カプールも、中学生に扮しても違和感がないのはすごい!

配給会社はエロスなので、ひょっとしたらこの10月に開催される2回目のインディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパンで見られるでしょうか? こちらの映画祭公式サイトを注目していて下さいね。

義父のラジニカーントも、1980年代にヒンディー語映画界(当時はまだ”ボリウッド”とは呼ばれていなかった)に進出、アミターブ・バッチャンと共演した『タイガー 炎の3兄弟』 (1991)など多くのヒンディー語映画に出演しました。ラジニカーントは結局ヒンディー語映画界ではトップ男優とはなれませんでしたが、女性ではシュリーデーヴィやヘーマー・マーリニーなど成功組が何人かいます。さて、ダヌシュは今後ボリウッドでさらに活躍を続けていくのでしょうか? ファンとしては、ストレートに言葉がわかるので嬉しいものの、タミル・テイストも捨てがたく、複雑な心境といったところ。とりあえずこの成功を祝い、今後の動向を見守ることにしましょう。

 

 

 

 


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