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『pk』のここに注目!<1>スシャント・シン・ラージプート

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インド映画『pk』が間もなく、「第9回したまちコメディ映画祭in台東」で皆様の前に姿を現します。特別招待作品として出現するのは、9月18日(日)17:30@不忍池水上音楽堂。こちらの映画祭公式サイトをご参照の上、ぜひお出かけ下さい。


『pk』のストーリーなどはすでに皆様ご存知かと思いますが、こちらの『pk』公式サイトにアップされていますのでご覧になって下さいね。ん? ストーリーが簡単すぎるって? いやいや、この公式サイト、実は文字だけではなく、全ページにわたっていろいろな情報が隠されていて、そこからストーリーが推測できるのですよ。よーくご覧いただいて、「主人公は○○かな?」「それとも××になるのかしら?」と想像をたくましくして下さいね。ただ、ちょっと落ちている情報もあるため、「アジア映画巡礼」では公式サイトに載っていない情報を数回、公開までの間にアップしていこうと思っています。まずはとっても重要な脇役というか準主役の、スシャント・シン・ラージプートの役柄についてご紹介しておきましょう。

(C)RAJKUMAR HIRANI FILMS PRIVATE LIMITED

左が、スシャント・シン・ラージプート(Sushant Singh Rajput)です。この写真を使った公式FBには、次のような説明が付いています。「ベルギーの古都・ブルージュ。インドからの留学生ジャグーは、ボリウッ ドの大スターが出演する朗読会のチケットを、その場に居合わせた青年・ サルファラーズと奪い合うことに。ひょんなことから意気投合 した2人は、やがて恋に落ちる。しかし、そこには大きな見えない壁があった…」

さてさて、どんな「大きな」「見えない」壁なんでしょう? ヒントは、スシャント・シン・ラージプートが演じる役の役名にあります。フルネームはサルファラーズ・ユースフ(Sarfraz Yousuf)と言いますが、これは明らかにイスラーム教徒の名前ですね。一方のジャグーこと、ジャガト・ジャンニー・サーフニー(Jagat Janani Sahni)はヒンドゥー教徒。父親のサーフニー氏は、ヒンドゥー教の中の新興宗教とでも言うべきタパスヴィー(Tapasvi)師という導師様を熱心に信仰していることから、生まれた長女に付けられたのが「ジャガト(世界)のジャンニー(母親)」というご大層な名前。というわけで、父親は非寛容的とも言えるヒンドゥー教徒です。うーむ、宗教の違いは確かにインドでは「大きな」壁ですね。

単に宗教の違いだけならまだ歩み寄れる可能性もあるのですが、さらにそこに立ちはだかるのが「見えない」壁。もうおわかりですね。わからない方は、『ミルカ』(2013)を見ましょう。とはいえ、本作はその壁を上手に使って、ストーリーを展開させて行きます。実は、スシャント・シン・ラージプートが演じるサルファラーズは冒頭と最後にしか出てこないのですが(フラッシュバック・シーンでは途中にも登場)、その両シーンがとーっても素敵な名場面になっているのです。楽しみにして、このイケメンのお兄さんを見ていて下さいね。

そうそう、もう一つ追加。「ボリウッ ドの大スターが出演する朗読会」というのは、インド映画界の大御所俳優アミターブ・バッチャンが父のハリワンシュラーイ・バッチャン(1907-2003/高名な文学者で、詩やエッセイに優れた作品を残した)の詩を読む、という催しです。映画の中では「Bachchan recites Bachchan」と看板が出ており、字幕は「俳優アミターブ、父の詩集を読む」としてあります。アミターブ・バッチャンは、現在も結構あちこちでこのイベントをやっているようですが、実はこれ、1979年に出たLPレコードのタイトルなのです。私はお二人にご自宅でお目に掛かったことがあり、その時LPを持って行って、お二人にサインしていただいたのがちょっと自慢です(うふふ)。我が家の小さなプリンターではスキャンし切れていいませんが、証拠はこちら。

さて、スシャント・シン・ラージプートについては以前こちらでちょっとご紹介をしましたが、あらためて彼の映画俳優としての足跡をざっと辿ってみたいと思います(下の画像はWikipediaより)。「スシャント」は正しく音引きを付けると「スシャーント」ですが、「ス+シャーント」で「とても平和的な、物静かな」というような意味になります。

Sushant Singh Rajput.jpg

スシャントの映画デビューとなったのが、大阪アジアン映画祭でも上映された『わが人生3つの失敗(Kai Po Che)』(2013)で、こちらで簡単にご紹介していますが、当代随一の人気作家チェータン・バガトの小説を原作にした作品です。この作品で「フィルムフェア」誌賞の新人男優賞にノミネートされたスシャントは、以後、順調にキャリアを重ねています。彼のこれまでの出演作は、以下の通りです。

2013 『わが人生3つの失敗(Kai Po Che)』
2013 『Shuddh Desi Romance(純国産ロマンス)』
2014 『pk(pk)』
2015 『Detective Byomokesh Bakshy(探偵ビョームケーシュ・バクシー)』
2016 『M.S. Dhoni:The Untold Story(M.S.ドーニー:知られざる物語)』

ほっそりした長身に小顔の彼は、日本人にとってとっつきやすい雰囲気のため、『pk』が公開されるとファン急増となることは間違いなし。一方インドでは、現役の人気クリケット選手を主人公にした『M.S. Dhoni:The Untold Story(M.S.ドーニー:知られざる物語)』が9月30日から公開予定で、その興行成績も注目されているところです。この映画のCFに、何とM.S.ドーニー本人とスシャントが出演していますので、それを見てスシャントの顔を憶えて下さいね。なかなか面白い掛け合いで、字幕が付いてないのが残念です。ドーニー選手が「この映画ためにずいぶんリサーチしたんだって?」と言いながら、「俺のバイク、何台あるか知ってる?」「俺の父親の出身地、知ってる?」「一度映画で小さな役をしたんだけど、知ってる?」とぐっさんパパみたいに次々と投げかけてくる質問に、かるーく正解を言うスシャント、というCFです。

M.S.Dhoni - The Untold Story | Feat M.S.Dhoni & Sushant Singh Rajput | Game on Mahi

『pk』のスシャントもステキですよ~。お見逃しなく。『pk』の公式サイトはこちらです。一般公開は10月29日(土)からですが、その前に、前述の「したコメ」でのジャパン・プレミアに続き、一般試写がいくつか企画されています。以前『きっと、うまくいく』の試写会をやって下さった早稲田奉仕園でも下のような試写会が予定されていますので、「したコメ」に行けない方はぜひご応募下さいね。いただいた情報をそのまま貼り付けておきます。


 (C)RAJKUMAR HIRANI FILMS PRIVATE LIMITED

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【映画「PK」特別試写会 150名様無料ご招待】

【ご案内】

2013年、日本中に笑いと涙と拍手喝采を巻き起こしたインド映画『きっと、うまくいく』。
その監督・主演タッグが贈る最新作『PK』がついに日本へ上陸します。
SFコメディ、切ないラブストーリー、
偏見や宗教問題といったテーマに斬り込んだ社会派ドラマなど、
多数のジャンルを1つの映画に注ぎ込む手法は本作でさらに冴え渡り、
既に『きっと、うまくいく』を超え、インド歴代興行収入No.1の記録を樹立。
全米でも記録的大ヒットを樹立し、世界中のメディアを唸らせています。
早稲田奉仕園では、一般劇場公開に先立ち、
先着150名様を試写会にご招待いたします。
ぜひ試写会を通して『PK』の面白さを存分に味わってお友達にお薦めください!

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【試写会概要】

■日時:2016年10月5日(水)18:00開場/18:30開映(上映時間153分)
■会場:早稲田奉仕園スコットホール講堂(全席自由)
■定員:150名(要事前申込/先着順/定員に達し次第、受付終了)

■お申込み
ホームページのプログラム受講申込フォームからのみお受けします。
お申込みに際しての注意点など、詳細は試写会ホームページをご覧ください。

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10月5日(水)はあと一ッ橋ホールでも一般試写会がありますが、応募手続きが毎度の事ながら結構面倒です。また、10月7日(金)には東京外国語大学でも試写会があるのですが、こちらは残念ながら東京外大関係者の皆様だけ。というわけで、試写会@早稲田奉仕園は狙い目です! 『pk』は何度見ても面白い作品なので、まずは「したコメ」か試写会で、続いては公開される劇場で、ぜひお楽しみ下さいね。 

「『pk』のここに注目!<2>」は、サンジャイ・ダットの予定です。

 


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