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Channel: アジア映画巡礼
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A.R.ラフマーン、日本を魅了する(下)

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第2部は、ベース、シタール、そしてヴォーカルを従えたラフマーンのミニ・コンサートでした。まず、ベース奏者とシタール奏者が姿を現し、チューニングを始めます。


ベース奏者の美女は、昨日の授賞式の演奏時から話題になっていたとのことで、「18歳から舞台に立つようになって、まだ20歳そこそこなのよ」とか情報が漏れ聞こえてきます。あとで調べたところによると、モーヒニー・デイ(Mohini Dey)という人のようでした。YouTubeでもいろいろ映像が出て来ます。


シタール奏者は、これもあとで調べたところ、どうやらアサド・カーン(Asad Khan)というお名前のよう。若く見えますが、落ち着いた音を出す人でした。そしてラフマーンが登場し、ピアノの前に座ります。右手にはキーボードがセットされています。


1曲目は『スラムドッグ$ミリオネア』の曲で、ピアノとシタール、ベースのセッション。


2曲目は、忘れもしない『OK Darling』の「Naane Varugiraen」。ここからヴォーカルが入ります。ヴォーカルはあとで聞くとカナダ生まれの人だそうで、調べたところどうやらシャシャー・ティルパティ(Shashaa Tirupati)という名前のようジョーニター・ガーンディー(Jonita Gandhi)というお名前だと、コメントで教えていただきました。しっとりと歌い上げる、曲にぴったりのヴォーカルでした。


”忘れもしない”というのは、昨年の東京国際映画で上映した時に字幕を付けたからで、この曲は映画ではBGM的に使われたため、歌詞は「Chinnanjiru Chinnanjiru Ragasiyamae(小さな小さな 私の秘密)」の部分しか訳出しなかったのですが、この日は歌詞がヒンディー語版になっていたようです。ラフマーン、最近のコンサートでこの曲よく使っていますね。


3曲目はヒンディー語映画『Tamasha(見世物)』(2015)から、「Agar Tum Saath Ho(あなたがいてくれたら)」。ラフマーンのキーボードから、豊かな音が溢れてきます。これも静かな曲で、女性ヴォーカルの声質がこういう曲に向いているのか、それともラフマーンの気分が物静かモードなのか、情感豊かな曲が続きます。この曲は、映画の中のヴォーカル(アルカー・ヤーグニク)よりも心にグッとくるアレンジと歌い方でした。


4曲目は、皆さんお待ちかねの『ボンベイ』から「Tu Hi Re(あなただけが)」。これもヒンディー語版の歌詞で、元のタミル語版では「Uyre(生命よ)」になります。海岸べりの古い城砦で歌われたラブソングですね。

そして最後はハミングから始まる『スラムドッグ$ミリオネア』の曲。日本の人にも馴染みのある曲を、ということで配慮して選曲してくれたのでしょう。


5曲だけだったのですが、とてもゴージャスなコンサートでした。会場のスタンディング・オベーションに、ラフマーンも、他の演奏者も嬉しそう。


観客側は、もっと聞きたい~~~という感じで激しく拍手をしたのですが、残念ながらアンコールはなし。しかし、ラフマーン+3人の編成だけでも、十二分に心に染み渡る音を残してくれるのですからすごいです。


ラフマーン、そして演奏家の皆さん、本当に素晴らしい時間をありがとう!


笑顔を残して、ラフマーンは姿を消します。


終了後、どさくさにまぎれて舞台裏に連れて行ってもらい、『ジャイ・ホー~A.R.ラフマーンの音世界』のプレスにサインをいただいてきました。下方、ラフマーンの腕の下がサインです。「今度はジャパン・ツアーで、必ずまた来て下さいね!」とお願いしておきました。


特別のフォーラムを開催して下さった、福岡アジア文化賞の皆様、お世話して下さった福岡市役所の皆様、本当にありがとうございました! なお、ラフマーンの公式サイトを見ると、来年3月にはイギリスでのツアーが開催されるようです。興味がおありの方はこちらをどうぞ。このサイトに、"Japan Tour"のポスターが躍る日を夢見つつ、Romba Nandri, A.R. Rahman Sir!!




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