Quantcast
Channel: アジア映画巡礼
Viewing all 2279 articles
Browse latest View live

10月のテルグ語映画上映会は豪華ダブルヘッダー

$
0
0

ますますがんばっている、南インド系言語の映画上映会。まず今週末は、テルグ語映画の1日2本連続上映という豪華版です。この夏インド映画ファンを騒がせた、『バードシャー テルグの皇帝』の監督作品、そして主演したNTRジュニアの作品もやってきますよ〜。情報をお寄せ下さったのは、いつも感謝!のPeriploさんです。

 

■日時:2014年10月11日(土)
    午後1時〜 『立ち止まらない男』Aagadu (マヘーシュ・バーブ、タマンナー主演/上左)
    午後5時〜 『騒動』Rabhasa (NTRジュニア、サマンタ主演/上右)
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ・彩の国Visual Plaza
■料金:大人2,200円(予約2,000円)
■主催者公式FB(英語)
Periploさんの詳しいご紹介ページ。予約方法などもこちら

『立ち止まらない男』 予告編

(2014/テルグ語/165分/原題:Aagadu/英語字幕付きの予定)
 監督:シュリヌ・ヴァイトラ
 主演:マヘーシュ・バーブ、タマンナー、ラージェーンドラ・プラサード、ソーヌー・スード


テルグ語映画界随一の甘いマスク男マヘーシュ・バーブ。おまけに足もながーくてモデル体型の彼は「プリンス」というニックネームも納得のイケメンですが、今回の役柄はちょっと違うよう。予告編を見た限りでは、何だかえらく品が悪いような....。新境地開拓なのかも知れません。

お相手は、最近出身地のボリウッドでもがんばっている、水蜜桃のような美女タマンナー。アクシャイ・クマールと共演した『エンタテインメント』でも、なかなかステキでした。ソング&ダンスシーンのハイライトはこちらです。

それから、ひょんなことからこのマヘーシュ・バーブが日本の雑誌にデビューします。とは言っても、彼が表紙になっているテルグ語映画雑誌がヴィジュアルとして使われているだけなんですけどね。「英語教育」11月号(10月14日発売/大修館)の一番最初のページに紹介されている、「多言語とITの国の映画『マッキー』」というエッセイです。ファンの方はチェックしてみて下さいね。

 

『騒動』 予告編

(2014/テルグ語/162分/原題:Rabhasa)
 監督:サントーシュ・シュリーニワース
 主演:NTRジュニア、サマンタ・ルス・プラブ、プラニータ・スバーシュ


すっかり日本でもお馴染みになったNTRジュニア。また顔が下ぶくれになったようですが、今回のヒロインは『マッキー』のサマンタ・ルス・プラブ。「サマンタ」という表記も多い彼女、この間シンガポールで見たスーリヤ主演のタミル語映画『恐いもの知らず(Anjaan)』でもヒロイン役を演じていました。ソング&ダンスシーンのハイライトも入った予告編はこちら。相変わらずキレのいいNTRジュニアのダンスですねー。


このほか、来月には何と!タミル語映画の上映会も予定されているそうです。詳細は、のちほどまたご案内しますね〜。ヴィジャイの主演作ですので、お楽しみに〜〜〜。




<インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン>いよいよ今週末から

$
0
0

10月は、インド映画ファンにとってはインド映画一色とも言える月になりそうです。その先陣を切るのが、10日(金)から始まる第3回<インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン(IFFJ)>。昨年からは字幕も格段によくなり、本格的に楽しめる映画祭となりました。今年の上映作品をざっとご紹介しておこうと思います。各作品のストーリー、および予告編は、IFFJの公式サイトをご覧下さいね。

まずは、IFFJの各地での日程を書いておきます。

公式サイト(スケジュール

10月10日(金)〜17日(金) 東京:ヒューマントラストシネマ渋谷

10月18日(土)〜24日(金) 大阪:シネヌーヴォ/群馬:シネマテーク高崎

『若さは向こう見ず』

 インド/2013年/ヒンディー語/160分/原題:Yeh Jawaani Hai Deewani
 監督:アヤーン・ムケルジー
 主演:ランビール・カプール、ディーピカー・パードゥコーン、アーディティヤ・ロイ・カプール、カルキー・コーチリン
※映画は大ヒットし、興収第4位を記録しましたが、歌「Badtameez Dil(バドタミーズ・ディル/お行儀の悪い心)」も大ヒット。ランビール・カプールとディーピカー・パードゥコーン、そしてアーディティヤ・ロイ・カプールらの魅力が詰まったオススメ作品。

 

『ラーンジャナー』

 インド/2013年/ヒンディー語/分/原題:
 監督:アーナンド・L・ラーイ
 主演:ダヌシュ、ソーナム・カプール、アバイ・デオル
※昨年の興収第9位。タミル語映画の人気俳優で、ラジニカーントの娘婿ダヌシュのヒンディー語映画デビュー作。彼の魅力全開とはいきませんが、要チェック男優ですのでお見逃しなく。

『マドラスカフェ』

 インド/2013年/ヒンディー語/129分/原題:Madras Cafe
  監督:シュージト・サルカール
 主演:ジョン・アブラハム、ナルギス・ファクリー
※『ドナーはビッキー』の監督がこんなサスペンス劇も! ラージーウ・ガンディー元首相の暗殺事件をモデルに、スリランカ内戦に暗躍したインド側エージェント組織の実態をリアルに描いていて見応えがあります。どこまでが事実なのか、知りたくなること請け合い。

 

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ムンバイ2』

 インド/2013年/ヒンディー語/148分/原題:Once Upon A Time in Mumbai Dobaara
  監督:ミラン・ルトリヤー
 主演:アクシャイ・クマール、ソーナークシー・シンハー、イムラーン・カーン
※『1』のアジャイ・デーウガンに代わり、アクシャイ・クマールが暗黒街の男に。女優のタマゴにソーナークシー・シンハー、彼女に惚れる男にイムラーン・カーン。1980年代の雰囲気を出そうとしています。

 

『結婚の裏側』

 インド/2014年/ヒンディー語/141分/原題:Shaadi Ke Side Effects
  監督:サーケート・チョウドリー
 主演:ファルハーン・アクタル、ヴィディヤ・バーラン
※『DON』シリーズの監督で、来年早々主演作『ミルカ』が公開されるファルハーン・アクタルと、演技は抜群のヴィディヤ・バーランが夫婦役を演じるライト・コメディ。サーケート・チョウドリー監督は、2006年に前作とも言うべき『恋の裏側(Pyar Ke Side Effects)』も撮っています。

 

『略奪者』
 インド/2013年/ヒンディー語/140分/原題:Lootera
監督:ヴィクラマーディティヤ・モートワーニー
 主演:ランヴィール・シン、ソーナークシー・シンハー
※O.ヘンリーの小説「最後の一葉」を1953年のベンガル地方を舞台に映画化。『飛翔(Udaan)』(2010)で注目されたモートワーニー監督作品ですが、ベンガル文化の雰囲気を出すのはなかなか難しかったようで...。

(以下の作品は未見です...)

『”ロミオ”・ラージクマール』

 インド/2013年/ヒンディー語/145分/原題:R....Rajkumar
   監督:プラブ・デーヴァ
 主演:シャーヒド・カプール、ソーナークシー・シンハー、ソーヌー・スード
※昨年の興収第10位。

 

『ヒーローはつらいよ』

 インド/2014年/ヒンディー語/126分/原題:Main Tera Hero
  監督:デヴィッド・ダワン
 主演:ヴァルン・ダワン、イリヤーナー・デクルーズ、ナルギス・ファクリー
※『スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え!No.1!!』のヴァルン・ダワンが両手に花でがんばっています。『バルフィ!人生に唄えば』でイリヤーナー・デクルーズのファンになった方は、彼女の別の顔が見られますのでぜひ。

 

『ラーギニーMMS-2』

 インド/2014年/ヒンディー語/118分/原題:Ragini MMS 2
  監督:ブーシャン・パテール
 主演:サニー・レオン、サーヒル・プレーム
※サニー・レオンの大胆演技が話題になりました。

 

『うそつきは警察の始まり』

 インド/2013年/ヒンディー語/141分/原題:Phata Poster Nikhla Hero
  監督:ラージクマール・サントーシー
 主演:シャーヒド・カプール、イリヤーナー・デクルーズ
※大物監督ラージクマール・サントーシーの作品でまずまずのヒットに。原題の意味は「ポスター破けてヒーロー現る」。

 

『ラームが村にやってくる』

 インド/2013年/ヒンディー語/147分/原題:Ramaiya Vastavaiya
   監督:プラブ・デーヴァ
 主演:ギリーシュ・クマール、シュルティ・ハーサン
※タミル語映画のスーパーアクター、カマラハーサンと女優サーリカーの娘シュルティ・ハーサンの美しさと演技に注目。原題の元ネタは、ラージ・カプール&ナルギス主演の『詐欺師』(1955)のこの曲

 

『友情』

 インド/2014年/ヒンディー語/140分/原題:Yaariyan
   監督:ディヴィヤー・コースラー・クマール
 主演:ヒマーンシュ・コーフリー、ニコル・ファリア
※クマール監督は弱冠32歳の女性監督。音楽出版&映画製作会社Tシリーズの社長ブーシャン・クマールの奥さんです。

 

『弾む心を道連れに』

 インド/2014年/ヒンディー語/128分/原題:Lekar Hum Deewana Dil
   監督:アリフ・アリー
 主演:アルマーン・ジャイン、ディークシャー・セート
※原題の元ネタは『思い出の花婿行列(Yaadon Ki Baaraat)』(1973)のこの歌。アーミル・カーンが子役で出演した作品です。さて、本歌取りのこの作品は?

『ロバ男』

 インド/2013年/ヒンディー語/113分/原題:Pied Piper
   監督:?
 主演:ヴィクラム・コーチャル、ラージパル・ヤーダウ

『昨日と明日の間』

 スリランカ/2014年/95分/原題:Tanha Rathi Ranga/Between Yesterday And Tomorrow
   監督:ニレンドラ・デシュプリヤ
 主演:サラト・コタルワラ、クマーラ・ティリマドゥラ
※映画祭向けの芸術映画系社会派作品のようです。

(短編は省略しました)

※私もとりあえず3回券をゲット。どれを見ようか、迷っているところです....。私が未見の作品で、オススメがあればぜひ教えて下さいね。



今週末公開の”マスト”作品『ザ・テノール』と『シークレット・ミッション』

$
0
0

ここのところ、なかなかゆっくりと映画をご紹介できないでいるうちに公開日が迫ってしまう、という悪循環が続いています。明後日、10月11日(土)公開のこの2本もそのクチで、ヴィジュアルをいただくヒマもないまま公開目前! どちらもとても見応えのある作品なので、取り急ぎご紹介してしまいます。


『ザ・テノール 真実の物語』 公式サイト

(韓国・日本/2014年/121分/原題:The Tenor Lirico Spinto)
 監督:キム・サンマン
 主演:ユ・ジテ、伊勢谷友介、チャ・イェリョン、北乃きい、ナターシャ・タプスコビッチ
 配給:『ザ・テノール 真実の物語』プロジェクト
 宣伝:アルシネテラン

10月11日(土)より全国ロードショー


「泣ける」というより、人間の強さ、暖かさに深く揺り動かされる作品です。実話をベースにしており、韓国の天才的テノール歌手ベー・チェチョルが主人公。「リリコ・スピント」というまれな声質に恵まれ、若くしてヨーロッパを中心に名声を確立、引っ張りだこだった時に悲劇に見舞われた人です。甲状腺ガンとわかり、手術で病巣は取れたのですが、その時の手術ミスで声帯と横隔膜の神経が切断されたため、声が出なくなってしまうのです。映画はそこから奇跡的に復帰するまでを描きます。

この主人公、ベー・チェチョルを演じるユ・ジテが素晴らしい演技を見せてくれるのですが、彼の奇跡的な復帰に尽力した日本人のプロモーター沢田を演じる伊勢谷友介もハマリ役で、両者のバランスが作品に厚みを持たせてくれています。そのほか、ベー・チェチョルの妻で、自らも声楽家であるユニを演じたチャ・イェリョンも存在感があります。

それにしても、ユ・ジテの堂々たるオペラ歌手ぶりには圧倒されるばかり。歌はすべてご本人ベー・チェチョルの声で、ユ・ジテは口パクをしてるだけなのですが、とはいえ歌詞を原語のまますべて憶えなくてはならず、「トゥーランドット」「オテロ」等の演技も見せなくてはならず、という普通の演技以上に難しい役です。ユ・ジテの舞台姿がどれほど見る人を惹きつけるものかは、ぜひ画面でご確認下さい。クラシック音楽好きの方、特にオペラ好きの方にもオススメです。

 

『シークレット・ミッション』 公式サイト

(韓国/2013年/124分/原題:隠密に偉大に)
 監督:チャン・チョルス
 主演:キム・スヒョン、パク・ギウン、イ・ヒョヌ
 配給:クロックワークス
 宣伝:ポイントセット

10月11日(土)よりシネマート新宿、シネマート六本木、シネマート心斎橋、イオンシネマ名古屋茶屋、桜坂劇場にてロードショー

以前のブログでもご紹介したように、キム・スヒョン始め若手俳優たちがソウルに埋め込まれた間諜(スパイ)を演じる作品です。最初はコメディ・タッチ、それもかなり凝った作りで始まり、やがて....というなかなかに重層構造を見せる作品で、それだけに見どころがいっぱい。詳しくは公式サイトで、と言いたいのですが、公式サイトも援用しているチラシの裏をこちらに付けておきますので、情報をご覧下さい。


キム・スヒョン、本作ではマッシュルームカットの「アホ」役でものすごくがんばっています。冒頭、北朝鮮の軍服姿で出てくるところは『怪しい彼女』のイケメン姿をほうふつさせますが、それ以外は「アホ」とそれを演じているスパイのちょっと頼りない素顔という、イケメン俳優のタイトルを返上するかのような役を熱演。2012年の『10人の泥棒たち』からさらに成長した姿は、将来が楽しみと思わせるものがあります。ファンでなくても、この作品は”Must See”です。

衝撃のラストも見どころの一つ。それにしても、ソウルにはこんなにもスパイが潜んでいるものなのでしょうか。最初に感じた疑問は、見直してみても消えません....。

では、今週末から始まるインディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパンなど、秋の収穫とも言える映画の数々をお楽しみ下さいね。 


タイ映画ファンに嬉しい秋

$
0
0

先日ご紹介した東京国際映画祭のアジア映画、皆様、ご希望のチケットは取れましたでしょうか? ゲストに関してはまだ一部しか発表されていないのですが、あのインド映画の大物来日がしつこく囁かれているものの、いまだ正式発表リストには上がってきていません。そのせいかチケットは残席がだいぶあるようです。私は来る方に賭けてチケットを買いましたが、普段携帯を使っていないので、どうやったら届いたメールからチケットに行き着けるのかがわかりません....。スマホでないとダメなのかな??

そんな中で早々にゲスト来日予定がリリースされたのが、<国際交流基金アジアセンターpresents 「CROSSCUT ASIA #01 魅惑のタイ」>というタイ映画特集上映プログラム。

国際交流基金には1980年代から2000年代の初めまで、当初のアセアン文化センターから改称したアジアセンターという組織があり、アジア各国の映画の上映をやってくれていました。国別だったり、テーマ別だったりしましたが、溜池山王のビルには上映施設も確保してあり、珍しい作品や力のある作品を次々と楽しむことができたのでした。当時の特集上映のパンフレットは今も使えるスグレモノで、アジアセンターがなくなった時には、「税金の中で外務省に回っている分は払いたくありません!」と言いたかったぐらい。国際交流基金、当時は外務省の所管だったのです。

今は独立行政法人になり、四谷三丁目に移っている国際交流基金ですが、2014年4月にアジアセンターが復活、東京国際映画祭とのコラボでのアジア映画の特集上映「CROSSCUT ASIA」を行っていくことが決まりました。その第1弾が、今回のタイ映画の特集上映「魅惑のタイ」なのです。今後毎年、アジアのどこかの国が特集されていくことになるようですが、そのうちインドもあるかしら、と楽しみにしています。新作と共に、過去の作品が上映される機会がほしいんですよねー。数年先になるかも知れませんが、期待していましょう。

では、「魅惑のタイ」のラインアップをどうぞ。

 

©Mosquito Films Distribution

『稲の歌』
2014/75分/原題:Pleng Khong Kao
監督:ウルボン・ラクササド
出演:プラヤット・プロムマー
※ドキュメンタリー作品
◎プロデューサーのピムパカー・トーウィラが来日予定



©2014 GMM Tai Hub Co., Ltd.

『先生の日記』 予告編
2014/110分/原題:KidTueng Wittaya
監督:ニティワット・タラトーン
主演:スクリット・ウィセートケーオ、チャーマーン・ブンヤサック
※ニティワット・タラトーン監督は、『フェーンチャン ぼくの恋人』(2003)の共同監督の1人。現代版『田舎の教師(せんせい)』(1978)は恋もあって楽しそう。
◎ニティワット・タラトーン監督が来日予定


 

© 2014 SAHAMONGKOLFILM INTERNATIONAL CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED

『タイムライン』 予告編
2014/135分/原題:Timeline
監督:ノンスィー・ニミブット
主演:ジーラユ・タンシースック、ジャリンポーン・ジュンキアット
※『ナンナーク』(1999)などのノンスィー・ニミブット監督作品。チェンマイを舞台にした『レター 僕を忘れないで』(2004)の続編ともなっており、佐賀県ロケも登場。9月のアジアフォーカス・福岡国際映画祭で上映。
◎ノンスィー・ニミブット監督とプロデューサーのナモン・ポンウィライが来日予定


 

©Mosquito Films Distribution

『コンクリートの雲』   予告編
2013/99分/原題:Pavang Rak
監督:リー・チャータメーティクン
主演:アナンダ・エヴァリンハム、アピンヤー・サクンジャルーンスック
※父の葬儀のためニューヨークから戻ってきた兄と、高校生の弟。それぞれに気になる女性がいて...。兄役アナンダ・エヴァリンハムにそっくりのイケメン弟役プラウィット・ハンステン君(下左)に注目! 


©Mosquito Films Distribution

◎リー・チャータメーティクン監督と男優プラウィット・ハンステンが来日予定


 

『ラスト・サマー』 予告編1 予告編2
2013/93分/原題:Ruedoo ron nan chan tai
監督:キッティタット・タンシリキット、シッティシリ・モンコンシリ、サランユー・ジラーラック
主演:ジラーユ・ラオーンマニー、スタッター・ウドムシン、ピンパカーン・プレークンナタム
※3話リレー式のオムニバス・ホラー映画。
◎女優スタッター・ウドムシンとプロデューサーのルタイワン・ウォンシラサワットが来日予定


 

©2013/M THIRTY NINE CO.,LTD

『メナムの残照(2013年版)』 予告編
2013/120分/原題:Khu Gam
監督:キッティコーン・リアウシリクン
主演:ナデート・クギミヤ、オラネート・D・カベレス、ニティット・ワーラーヤーノン
※タイ人なら誰でも知っている小説の、4回目の映画化。日本人将校小堀と国策結婚させられたタイ人女性アンスマリンの運命(Khu Gam)は....。主人公たちがぐっと若返りました。
◎キッティコーン・リアウシリクン監督と女優オラネート・D・カベレスが来日予定


 

©Song Sound Production

『タン・ウォン~願掛けのダンス』 予告編
2013/86分/原題:TANG WONG
監督:コンデート・ジャトゥランラッサミー
主演:ソンポップ・シッティアージャーン、シリパット・クーハーウィチャーナン
※高校生4人が、タイの古典舞踊を習うお話です。願掛けや不思議な祠が出てきたりと、バンコクという大都市の中にある精霊的世界が垣間見られると共に、高校生らしい日常も描かれていきます。


©Song Sound Production

◎コンデート・ジャトゥランラッサミー監督が来日予定


 

©Very Sad Pictures

『36のシーン』 予告編 
2012/68分/原題:36
監督:ナワポン・タムロンラタナリット
主演:コラミット・ワッチャラサティアン、ワンロット・ルンカムジャット
※ツイッターの文字が画面を飛び交った新感覚映画『マリー・イズ・ハッピー』(2013)の監督の作品。
◎ナワポン・タムロンラタナリット監督が来日予定


それから、四方田犬彦先生の連続講義「怪奇天国アジア」第5回も、タイのホラー映画が取り上げられます。


10月18日(土)16:00~@渋谷アップリンクです。詳細はこちらのサイトをどうぞ。

そして、同じく10月18日(土)からは、タイで大ヒットした映画『愛しのゴースト』も公開です!


こちらの公式サイトをご覧になって、劇場等をご確認のうえお出かけ下さい。タイ映画ファンの皆さんも忙しくなりますねー。「マイペンライ」でがんばって下さい!

 


第15回東京フィルメックス・ラインアップ発表!

$
0
0

本日、第15回東京フィルメックスの記者会見があり、ラインアップの全貌が発表されました。今年もアジア映画の力作が揃っています。たくさんあるので、ちょっと日本映画と他の特集上映にはごめんなさいをして、<コンペティション>と<特別招待作品>のアジア映画をダーッとご紹介してしまいます。


第 15 回 東京フィルメックス TOKYO FILMeX 2014 公式サイト
2014 年 11 月 22 日(土) ~ 11 月 30 日(日)
会場 :有楽町朝日ホール(有楽町マリオン)、TOHOシネマズ 日劇、他

<コンペティション>
『ディーブ』 予告編 


Theeb /ヨルダン、U.A.E.、カタール、UK//2014年/97 分
監督:ナジ・アブヌワール

『数立方メートルの愛』 予告編


A Few Cubic Meters of Love/原題:Chand Metr Mookaabe Eshgh/イラン、アフガニスタン/2014年/90 分
監督:ジャムシド・マームディ

『プリンス』


The Prince/イラン、ドイツ/2014年/92 分
監督:マームード・ベーラズニア

『クロコダイル』 予告編1 予告編2

Crocodile /原題:Bwaya/フィリピン/2014年/88 分
監督:フランシス・セイビヤー・パション
主演:アンジェリ・バヤニ
※『イロイロ ぬくもりの記憶』でメイドを演じたアンジェリ・バヤニが主演。

『シャドウデイズ』 予告編

Shadow Days/原題:鬼日子/中国/2014年/95 分
監督:趙大勇(チャオ・ダーヨン)
主演:梁鳴

『生きる』


Alive/原題:SANDA/韓国/2014年/177 分
監督・主演:パク・ジョンボム
※『ムサン日記~白い犬』の監督・主演パク・ジョンボムの待望の監督第2作。山間地帯

『扉の少女』 予告編 


A Girl at My Door /原題:DOHEE YA/韓国/2014年/119 分
監督:チャン・ジュリ
主演:ペ・ドゥナ、キム・セロン


<特別招待作品>
『ツィリ』


Tsili/イスラエル、フランス、イタリア、ロシア/2014年/84 分
監督:アモス・ギタイ

『プレジデント』 予告編  


The President/グルジア、フランス、UK、ドイツ/2014年/119 分
/監督:モフセン・マフマルバフ
主演:GOMIASHVILI、ORVELASHVILI、BURDULI
※マフマルバフ監督久しぶりの劇映画。グルジアで撮っていますが、架空の国が舞台となるようです。

『西遊』 予告編


Journey to the West/西遊/フランス、台湾/2014年/56 分
監督:蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)
主演:李康生(リー・カンション)
※2012年の香港国際映画祭で『美好2012』という短編集映画を見たことがあるのですが、その中のツァイ・ミンリャン監督作品「行者」の延長線上に作られた作品のようです。短編では、リー・カンションがタイの僧侶のようなオレンジ色の衣をまとい、右手にハンバーガー、左手に飲み物の入ったポリ袋を提げて、ゆっくり、ゆっくりと香港の街を歩いていく、というものでした。今回の作品では、そのスロモ行者歩きがフランスのマルセイユで展開していきます。

『ONE ON ONE(原題)』 予告編


One on One/韓国/2014年/122 分
監督:キム・ギドク
主演:キム・ヨンミン、マ・ドンソク
配給:キングレコード、太秦

『真夜中の五分前』 予告編 


Five Minutes to Tomorrow/中国題名:深夜前的五分鐘/中国、日本/2014年/129 分
監督:行定勲
主演:三浦春馬、劉詩詩(リウ・シーシー)、張孝全(チャン・シャオチュアン/ジョセフ・チャン)
配給:東映

※このほかサプライズも上映あり!~詳細は10月22日(水)頃に発表

当面は東京国際映画祭ですが、それが終わったら東京フィルメックスが待っています。チケットの発売は11月3日(月)からです。



アーミル・カーン、来ます!

$
0
0

すでに各映画サイトでご存じかと思いますが、東京国際映画祭(TIFF)での『チェイス!』の上映に合わせて、主演のアーミル・カーンとヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督が来日します。本日TIFF事務局から発表された「プレスデイリースケジュール」に記載されていたもので、10月29日(水)午後13時45分からの『チェイス!』上映の前、13時45分~14時までが舞台挨拶となります。終了後のQ&Aは予定されていません。

©Yash Raj Films Pvt. Ltd. All Rights Reserved.

さて、生アーミルが拝めるこの日、ぜひ会場を満席にしたいですね~。私も、チケットボードの発券を何とかせねば。では、29日、会場でお会いしましょう! 


『チェイス!』の履歴書

$
0
0

アーミル・カーンとヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督の来日も決定した東京国際映画祭での『チェイス!』の上映。10月29日(水)という平日の昼間の上映は、お仕事をお持ちの方にはちょっと厳しいかも知れませんが、『チェイス!』との初顔合わせはTOHOシネマズ六本木スクリーン2での上映チャンスをお勧めします。スクリーンが大きく、音響もすごくいいのです。『チェイス!』は様々な音が華麗にデザインされており、中でもバイクのエンジンやタイヤがうなる音は、重低音でものすごい迫力のため、まさしくボディソニック。自分の体が共振するあの感覚をぜひ味わって下さい。

公式サイトにアップされた劇場一覧を見ると、その多さにため息が出ます。その数ざっと100館超。インド映画では前代未聞、これが日活と東宝東和共同配給の力なんですね。あなたのお近くの劇場は見つかりましたか? お近くに何館かある方は、なるべくスクリーンの大きなホールでご覧になって下さいね。

ところで、公式サイトで流れているのはなぜか、アラビア語版「Dhoom Macha Le(ドゥーム・マチャー・レー/騒ぎを起こせ)」の歌。どーしてヒンディー語版、あるいは英語版ではなくてアラビア語版が選ばれたのでしょう? 初っぱなから、サスペンス映画にふさわしく謎が登場しました。冗談はさておき、今日は初お目見えする『チェイス!』のために、この映画の履歴を少しご紹介しておこうと思います。まずは『チェイス!』のデータから。

 

©Yash Raj Films Pvt. Ltd. All Rights Reserved.

『チェイス!』 公式サイト

2013/インド/ヒンディー語/147分(インターナショナル版)/原題:Dhoom 3
 監督・脚本:ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ
 主演:アーミル・カーン、アビシェーク・バッチャン、カトリーナ・カイフ、ウダイ・チョープラー、ジャッキー・シュロフ
 提供:日活
 配給:日活/東宝東和
 宣伝:アルシネテラン
※12月5日(金)より全国ロードショー

舞台はシカゴ。1990年の雪の日からお話は始まります。シカゴの由緒ある劇場で興行を行っているThe Great Indian Circus(大インドサーカス)の一座。団長はイクバール・カーン(ジャッキー・シュロフ)で、息子のサーヒルは父を助け、経営難のサーカスを救おうと質屋に走ったりしていました。そして今日は、Western Bank of Chicago(シカゴ西銀行)の責任者アンダーソンらがサーカスに融資をするかどうか判断にやってくる日。一生懸命演技をして見せた父と子でしたが、アンダーソンは融資を拒否。父は彼らの前でピストル自殺をしてしまいます。

それから20数年、大人になったサーヒルは、銀行に復讐するためシカゴに戻ってきました。見事シカゴ西銀行から大金を盗み出し、警察の追跡も振り切ったサーヒル。盗まれた銀行の壁には、ヒンディー語の文字で「Bankwalon, tumhari aisi ki taisi(銀行屋ども、お前たちはろくでなしだ)」と書かれた犯行声明が。インドとの関わりを示したこの事件を解決するため、インドから敏腕刑事ジャイ・ディークシト(アビシェーク・バッチャン)が招聘され、相棒のアリ・アクバル・カーン(ウダイ・チョープラー)と共にシカゴに到着します。ジャイとサーヒルの戦いが始まりました....。

©Yash Raj Films Pvt. Ltd. All Rights Reserved.

カトリーナ・カイフが演じるのは、サーカスに新たに加わる女性アーリヤ。本作の一番の見どころはバイク・アクションを中心としたアクション・シーンの数々ですが、アーミルとカトリーナが演じるサーカスのシーンも、見事なアクション・シーンとなっています。中でも、シルク・ドゥ・ソレイユも真っ青の歌「マラング」のシーンは出色の出来。単なるダンス・シーンの振り付け以上の迫力を生み出しています。

さらに見応えがあるのがドラマ部分で、さすがアーミルと思える演技力を十二分に発揮したシーンの数々が、見ている者を引き込んで行きます。それは上手な脚本にも裏打ちされており、監督と脚本の両方を担当したヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督の実力は相当なもの。実はヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督は、これまでのシリーズ2作でも脚本を担当しているのです。

ファンの皆さんはご承知のように、「Dhoom(ドゥーム/騒ぎ)」はシリーズとなっている作品です。主人公の警官コンビが同じというだけで、ストーリーは1作1作独立した作品ではあるものの、3本を通して見ると、いろんな所に前作の痕跡や次作への伏線が潜んでいたりする、とても面白いシリーズです。『チェイス!』をご覧になる助けにはあまりならないかも知れませんが、ちょっと前2作をご紹介し、『チェイス』に至る履歴を見ておきましょう。


『Dhoom/ドゥーム』(2004) 予告編
 監督:サンジャイ・ガルヴィー
 脚本:ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ
 主演:アビシェーク・バッチャン、ジョン・アブラハム、イーシャー・デオル、ウダイ・チョープラー

バイク4台に乗ったギャングが現金輸送車を襲い、現金を強奪。直前に信号機をコンピュータ制御して護衛車両を足止めするなど、相当の知能犯であることがわかります。担当刑事のジャイはバイクのライダーをチェックするうち、凄腕ライダーであるアリがあやしいと疑いを持ちます。アリは女の子を見ると、自分との結婚まで一気に妄想してしまう気のいい青年。無罪とわかったアリを助手にしたジャイは、ピザ屋のウェイターをしているカビール(ジョン・アブラハム)らに疑いを抱き、彼らの一味にアリを潜り込ませると、彼らを追ってゴアへとやって来ました。アリは、その前に知り合った女の子シーラー(イーシャー・デオル)がカビールの一味だったこともあって、疑われもせず彼らの仲間に。ゴアで一味が狙っていたのは、カジノの儲けが蓄えられている大金庫でした...。

バイクの魅力を、アリとカビールたちの善悪両方から伝えてくれる作品で、古典的な「ドロ警もの」のシンプルな筋立てながら、ジョン・アブラハムの魅力もあって大ヒット。特にタイの女性歌手タタ・ヤンが歌う主題歌が、耳タコになるぐらい巷に流れました。本作のエンドロールでタタ・ヤンのMVが使われていますが、そのセクシーさは当時としては刺激的でした。また、当初はアットホームな刑事像が考えられていたのか、本作の最初ではジャイの妻スィーティー(リミー・セーン)の登場シーンも多く、『Dhoom 2』の冒頭でも妊娠した彼女が登場しています。


『Dhoom 2/ドゥーム2』(2006) 予告編
 監督:サンジャイ・ガルヴィー
 脚本:ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ
 主演:アビシェーク・バッチャン、リティク・ローシャン、アイシュワリヤー・ラーイ、ビパーシャー・バス、ウダイ・チョープラー

シリーズの中で一番メンツが豪華な作品で、ソング&ダンスシーンも粒ぞろいでした。今回の泥棒役は、現金ではなく貴重な美術品などの盗みを得意とし、変装術にも長けている”A”ことアーリヤン(リティク・ローシャン)。のちに彼に憧れる美女スネーフリー(アイシュワリヤー・ラーイ)が相棒として加わり、博物館の剣を盗むことに。Aを追っていたのがジャイの級友だったショーナリー・ボース(ビパーシャー・バス)で、ジャイは彼女と共にAを追いますが、Aを捕まえることはできませんでした。Aの行動を分析したジャイは、次なるターゲットはブラジルのリオの博物館にある古代コインだと結論づけます。ジャイ、そしてアリもブラジルへと移動し、Aとスネーフリーを相手にした戦いが始まりますが、実はスネーフリーは...。

リティク・ローシャンとアイシュワリヤー・ラーイのダンスが素晴らしく、こちらこちらは何度見ても飽きません(アイシュもこの頃は細かった...)。ラストもあっと驚くオチで、途中にもどんでん返しを潜ませた脚本は、『チェイス!』に通じるものがあります。

©Yash Raj Films Pvt. Ltd. All Rights Reserved.

『チェイス!』はアーミルの演技にかなり重点が置かれており、他の登場人物は少々影が薄くなっています。アビシェーク・ファン、ウダイ・ファン、カトリーナ・ファンの皆さんはちょっとご不満かも知れませんが、アーミルの演技を楽しみ、上手な脚本を楽しみ、息をするのも忘れるぐらいのバイク・チェイスを楽しみ、アーミルのタップダンスから始まる数々のダンスシーンを楽しみ(エンドロールのこれもすごいです~)、と、ハリウッド映画に負けない娯楽度120点のこの大作を堪能して下さい。これにアーミルと監督の登場がついてくるなんて、ゴージャスさもハンパないですね。ぜひ、「アーミル・カーン初来日」「アーミル・カーン舞台初挨拶」という、インド映画@日本の世紀の瞬間をお見逃しなく。

あとは、アーミルがドタキャンしないで来てくれることを祈るのみ。毎日ガネーシャ様にはお祈りしているのですが、イスラーム教徒のアーミル来日まで面倒を見て下さるでしょうか? シュリデヴィの時は効いたので、今回もおすがりしてみます~。

 

 

『チェンナイ・エクスプレス』にLet's Po!

$
0
0

アーミル・カーンもやって来ますが、その前に『チェンナイ・エクスプレス』と『クリッシュ』がやって来ます。というわけで、ちょっとご紹介を。まずは、以前にもこちらでご紹介した『チェンナイ・エクスプレス』からです。「こちら」は昨年8月にタイのバンコクでこの映画を見た時の記事なのですが、結構詳しくストーリーが書いてありますので、ストーリーはこちらを参照なさって下さいね。まずは作品のデータをどうぞ――とまとめるために調べていたら、何と!チラシにあった「愛と勇気のヒーロー参上」という言葉は副題でした。キャッチコピーかと思ってた....。

『チェンナイ・エクスプレス』だけでは一般の人にわかりにくいから、ということで副題が付けられたのかと思いますが、微妙に内容とずれているし、あまり効果的な副題とも思えませんね。と、のっけから文句を言っているのは、副題が付くと以後タイトルを引用する時に正式邦題の一部として副題も書かないといけないからです。「えーっと、何て言う副題だっけ??」というようなのは、むしろ付けないでいただきたい、というのが正直なところ。シャー・ルク・カーン作品は、どうも日本公開時の邦題にいまいちツキがないようです。よーし、次回『ハッピー・ニュー・イヤー』の時には....(間もなく、10月24日から本国公開ですね~)。


『チェンナイ・エクスプレス 愛と勇気のヒーロー参上』 予告編

2013/インド/ヒンディー語/141分/原題:Chennai Express

 監督:ローヒト・シェッティ
 音楽:ヴィシャール=シェーカル
 主演:シャー・ルク・カーン、ディーピカー・パードゥコーン、サティヤラージ
 配給:日活

※10月26日(日)、28日(火)、30日(木)20:35~ 
 ヒューマントラストシネマ渋谷にて公開 劇場サイト 

<公式配布のストーリー>

ムンバイに暮らすラーフルは40歳になってもまだ独身。彼は友人とゴアへ遊びに行く計画を立てていたが、祖父が100歳を前に頓死。祖母から、個人の遺志として遺灰をタミル・ナードゥ州ラーメーシュワムの海にながしてくれるように懇願される。彼は、とりあえずチェンナイ行きの列車に乗り込んで、そこからゴアへ向かおうとするが、列車内で美女ミーナーを助けたことから、タミルの村の家族抗争に巻き込まれる。困惑するラーフルだったが、やがてミーナーを救うために、命を賭けて戦う決意を固めるのだった!!


<配役>

 ラーフル:シャー・ルク・カーン
 ミーナー:ディーピカー・パードゥコーン
 ミーナーの父:サティヤラージ
 タンガバッリ(ミーナーの婚約者):ニキティン・ディール
 ラーフルの祖父:レーク・タンダン(出演当時83歳!)
 ラーフルの祖母:カーミニー・コゥシャル(出演当時85歳!)
 村の警官:ムケーシュ・ティワーリー
 カメオ出演(踊り子):プリヤーマニ

(一部表記が字幕等と違っているものがあるかも知れません。お許しを)

『チェンナイ・エクスプレス 愛と勇気のヒーロー参上』(以下、副題略)の見どころは、何と言っても「北と南」。ラーフル(またこの役名^^。シャー・ルク・カーンによく付けられる役名で、『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』の中でネタにされていましたが、本作ではまたそれをネタにしています)は北インドのムンバイ在住。彼が祖父の遺灰を流すために行こうとしているのは、南インドの東海岸にあるラーメーシュワラム。ちょうど、スリランカと互いに細長い半島が突き出している所です。そしてラーフルが本来行きたかったゴアは、西海岸の、北インドと南インドの境目にあたる場所。本当なら北インドにとどまっていたはずの男が、南インドと出会う、というのがこの作品の隠れたテーマでもあります。

以前の作品なら、南インドをバカにしたような描写が垣間見えることもあったのですが、本作は南インドをとても魅力的に描いています。もちろん、ドンやその配下が出てきたりもするのですが、南インドの人情と豊かな文化を見せ、時には南インド映画へのリスペクトも溢れさせています。その最たるものが、ラストの「ルンギーダンス」のシーンですね。これにはラジニカーント・ファンも大喜びでしょう。歌の中の「Anna(アンナー)」は「兄、兄貴」、「Thalaiva(タライヴァー)」は「ボス」というような意味です。ヴィジャイ主演の映画に『Thalaivaa』(2013)という作品があるのですが、偶然にもこの『チェンナイ・エクスプレス』と同じ時期に封切られています。

そして、本作で北インドと南インドをつなぐ象徴のような存在が、ディーピカー・パードゥコーン演じるミーナー。登場直後はタミル語をしゃべり、やがてヒンディー語ができることがわかってきますが、ゴアの言葉であるコンカニー語を話す両親のもとに生まれ、南インドのカルナータカ州ベンガルール(バンガロール)で育った彼女には、まさにピッタリの役です。ディーピカーのデビュー作はカンナダ語映画なので(しかも、個性派俳優ウペンドラと共演!)、本作で久々に南インド映画の世界に戻った、という感じでしょうか。「北と南」のいろんな出会いをお楽しみ下さい。


あとはもちろん、ソング&ダンスシーン、アクションシーン、コメディシーンと見せ場は数々あります。そのコメディシーンの中で、インド映画ファンなら大笑いなのが『シャー・ルク・カーンのDDLJ ラブゲット大作戦』(1995)をパクったシーン。メイキングDVDの中ではディーピカーが、「ついにシャー・ルク・カーン相手にDDLJの名シーンをやったわ!!」とガッツポーズをしていました。女の子の夢ですよね~。

さらに列車の中での歌合戦シーンも爆笑間違いなし。『DDLJ』のこの歌はもちろん、アクシャイ・クマール主演の『Rowdy Rathore(乱暴者ラートール)』(2012)のこの歌や、引用の定番とも言える『Bunty Aur Babli(バンティーとバブリー)』(2005)のこの歌など、インド映画ファンなら悶え死にしそうなほどインド映画ネタが潜ませてあります。それを見つけていくのも醍醐味ですね。ここでネタバレを書いてしまって申し訳なかったのですが、まだまだありますのでお楽しみに。


最後に特筆したいのが、ロケ地の選択。あっと息を呑むような見事なシーンがいくつも出てきます。あそこに行ってみたい!と思われた方は、Wiki「Chennai Express」にロケ地が出ていますので、こちらの"Filming"の項を参照して下さいね。

それでは、劇場で『チェンナイ・エクスプレス』をた~っぷりとお楽しみ下さい。Let's Po!("Po"はタミル語で"Go") 


 


第27回東京国際映画祭:TIFF DAY 0

$
0
0

いよいよ明日から、第27回東京国際映画祭が始まります。お天気がちょっと心配ですが、グリーンカーペットが始まる頃には雨がやんでくれるといいですね。

で、始まる前にちょっとだけ、試写で見せていただいた映画の感想などを書いておきます。

<コンペティション部門>

『遙かなる家』 公式サイト
中国/2014年/中国語・ユグル語/102分/原題:家在水草豊茂的地方
 監督:李睿[王君](リー・ルイジン)
 主演:湯龍(タン・ロン)、グォ・ソンタオ


とても心にしみる作品でした。中国の甘粛省に住む少数民族裕固(ユグル)族の小学生兄弟が主人公です。2人とも学校に通うために遊牧をしている両親とは別に住んでいるのですが、兄のバーテル(上写真右)は町はずれに住む祖父の家から通い、弟のアディカー(同左)は学校の寮に暮らしています。兄は弟が生まれたあと祖父母の家に預けられたので、弟に両親を取られたと恨んでおり、弟は弟で、その兄の寂しさを埋めようと父が兄のご機嫌を取るのが面白くありません。そんな時、祖父が亡くなり、夏休みに入った2人はらくだに乗って両親の暮らす遊牧地に帰ろうとするのですが....。

家族愛とその中で起きる葛藤、遊牧の民と近代化等いろんなテーマが含まれていますが、何よりもこの兄弟、特にしっかり者の弟アディカーが魅力的に描かれていて、惹きつけられます。ちょっとあらずもがな、の描写もあるものの、らくだと共に旅をする暮らし方もつぶさに見ることができて、砂漠での日陰の作り方とか興味深いことがいっぱいでした。見応えのある作品で、二重丸オススメです。(劇中名の表記は字幕に合わせました)


『破裂するドリアン河の記憶』 公式サイト
マレーシア/2014年/中国語・広東語・マレー語・英語/126分/原題:River of Exploding Durians 榴[木連]忘返
 監督:楊毅恒(エドモンド・ヨウ)
 主演:朱■(草冠+止)瑩(チョウ・チーイン)、高聖(シャーン・コー)、ダフネ・ロー、梁祖儀(ジョーイ・レオン)

 

海辺の町で暮らすマレーシアの高校生たちと、彼らの担任の女性教師が主人公。町にレア・アースの工場ができることになり、女性教師は建設反対の最先鋒となります。彼女の授業は、近隣諸国の歴史上で起こった政治事件を取り上げたりするため、校長からは睨まれています。やがて彼女の言動はますます先鋭化していき...。

マレーシアの観客が見ればいろいろ納得できる点があるのかも知れませんが、ちょっと上滑りの過激な社会運動が描かれている感じで、こちらに迫ってくるものがありません。しかもラストは、女性教師によるかなり唐突な事件で幕を閉じます。高校生たちの中でも主人公と言える人物が3人いるのですが、その子たちにも感情移入できずじまい。エドモンド・ヨウ監督、次作に期待することにします...。



『壊れた心』 公式サイト
フィリピン/2014年/フィリピノ語/73分/原題:Ruined Heart-Another Love Story Between a Criminal & a Whore
 監督:ケヴィン・デ・ラ・クルス
 主演:浅野忠信、ナタリア・アセベド、エレナ・カザン


えーっと、この作品も私には理解不能でした。浅野忠信を使いたかっただけ? クリストファー・ドイル撮影監督と仕事をしてみたかっただけ?? 気に入った!とおっしゃる方があったら、ぜひコメントをお寄せ下さい。

<CROSSCUT ASIA #01 魅惑のタイ>

『先生の日記』 公式サイト
タイ/2014年/タイ語/110分/英語題:The Teacher's Diary
 監督:ニティワット・タラトーン
 主演:スクリット・ウィセートケーオ、チャーマーン・ブンヤサック


韓国映画『イル・マーレ』をちょっと思い出させる、ステキな作品でした。勤務校で睨まれたりして、水上で暮らす人々の住む僻地の小学校に赴任してきた男女の先生が主人公です。とはいえ、同時に赴任したのではなく、まず2011年に女性のエーン先生がもう1人の女性教師と共に赴任。途中でもう1人の教師は逃げ出してしまうのですが、それも含めて起こった様々な事件や、自分への励ましの言葉を書いたノートを、1年後に転出したエーン先生は小学校に忘れて行ってしまいます。こうして、2012年に赴任してきたちょっと頼りない男性教師のソーン先生がそのノートを見つけ、自分も加筆していきます。1年後転出したソーン先生の後任として、またエーン先生がやってきて、彼が加筆したノートを見つけ....。

最初はこの時系列がよくわからず、ひょっとして『イル・マーレ』のようなお話?と思って見ていたのですが、途中で明確になってから、どんどんお話に引き込まれました。どちらかというとダメ男のソーン先生に対し、エーン先生は女性ながらバリバリに男前な性格で、その対比も面白く描かれます。エーン先生には婚約者の男性教師もいて、2人は結ばれそうになるのですが、というありがちな展開もあり、エンタテインメント性も十分。楽しい作品がお好きな方はお見逃しなく。


では、明日からは六本木、または日本橋でお会いしましょう!


TIFF DAY 1

$
0
0

始まりました、第27回東京国際映画祭。幸い雨も午後遅くにはほとんど上がり、レッドカーペット(今年から、グリーンカーペットに代わって再びレッドカーペットが登場)での”お練り”も賑やかに行われました。公式サイトの「新着ニュース」で豪華なメンツをご覧下さい。

会場である六本木ヒルズもちょっと様変わりしました。地下鉄の駅のポスター展示は例年通りですが、アジア映画のポスターが出口近くにずらっとあって壮観です。

ヒルズのガーデンには案内所が出現していました。これで、会場まで行かなくてもインフォメーションが得られるのでいいですね。


そのほかの風景も例年通りなのですが、ちょっと寂しいな、と思ったら、植え込みの旗がありません。いつもは小さいながらハロウィーンの旗とTIFFの旗がパタパタしていたんですが。


おっと、すみません、急な仕事が飛び込んできてしまいました。作品紹介は「DAY 2」でまとめて、ということで、とりあえず初日の六本木ルポでした。


TIFF DAY 2

$
0
0

昨日とは打ってかわり、今日は快晴のお天気。こんな日に暗いホールにずっといるのも何だかなあ、なのですが、プレス用の試写会場やら一般上映会場やら、それから映画祭事務局のDVDブースやらでこれまでに見た作品を簡単にご紹介しておこうと思います。ついでに、本日あった台湾映画『共犯』の張榮吉(チャン・ロンジー)監督のQ&Aもちょっとご紹介します。

<CROSSCUT ASIA#01 魅惑のタイ部門>

『稲の歌』 公式サイト
タイ/2014年/タイ語/75分/英語題:The Song of Rice
 監督:ウルポン・ラクササド
 主演:プラヤット・プロムマー

ドキュメンタリー作品。青々と茂る稲田から始まり、その中をかわいい魚篭と竿を持って歩む農夫。何を獲っているのでしょう? ナレーションは一切なく、時折会話が聞こえるだけ。ここから収穫祭に至るまでの稲田の歩みを追っていきます。煙を吐いて空に飛んでいく丸い型のロケット、初めて見ましたが大迫力です。お寺の行事らしき行列もあり、民俗学に興味のある方には内容豊富な映像です。

<アジアの未来部門>

『遺されたフィルム』 公式サイト
カンボジア/2014年/クメール語/105分/英語題:The Last Reel
 監督:ソト・クォーリカー
 主演:マー・リネット、ソク・ソトゥン、トゥン・ソーピー


まず、夜の町で無軌道ぶりを発揮する不良青年とその彼女の描写で物語は始まります。やがて彼女ソポンの家庭事情があきらかになり...と、かなり通俗的なドラマ仕立ての作品ですが、カンボジアの映画状況の一端がわかる内容となっています。劇中で『長い家路』という作品が上映されるのですが、これは実際に作られた映画なのでしょうか? 王子と村娘の恋を描いた作品で、村娘を助ける仮面のヒーローが出てくる、という、ちょっと新旧ないまぜになった面白そうな作品でした。

『メイド・イン・チャイナ』 公式サイト
韓国/2014年/韓国語・中国語/100分/原題:Made in China
 監督:キム・ドンフ
 主演:パク・ギウン、ハン・チェア、イム・ファヨン


中国からの密航者を乗せた船のシーンで幕を開け、6人の密航者のうちうまく韓国に潜り込めたチャンのお話が展開していきます。彼は、自分の養殖場のうなぎに水銀が含まれているという検査結果が韓国の役所から出されたことに不満を持ち、自分たちがいつも食べているうなぎを3匹抱えて韓国にやって来たのでした。確かに、生きたウナギを連れて入国はできませんから、これは密航しかしょうがないのですね。キム・ギドクの脚本ということでプレス試写は満員で見られずDVDで見たのですが、細部は突っ込みどころ満載ではあるものの、結構新鮮なストーリーで面白く見られました。

<ワールド・フォーカス部門>

『黄金時代』 公式サイト
中国・香港/2014年/中国語/179分/原題:黄金時代
 監督:許鞍華(アン・ホイ)
 主演:湯唯(ワン・ウェイ)、王志文(ワン・ジーウェン)、馮紹峰(フェン・シャオフェン)


実在の女流作家蕭紅の生涯を辿る大作です。タン・ウェイが熱演を見せてくれますし、魯迅に扮したワン・ジーウェンはピッタリのハマリ役となっているなど、1人1人の造形も個性的です。中国文学にもっと詳しければなあ、と見ているうちに後悔がわき出てきましたが、作家の顔や背景を知らなくても、力のある作品なので最後まで退屈せずに見られます。


『共犯』 公式サイト
台湾/2013年/中国語/88分/原題:共犯
 監督:張榮吉(チャン・ロンジー)
 主演:巫建和(ウー・チェンホー)、[登+おおざと]育凱(トン・ユィカイ)、鄭開元(チェン・カイユアン)


『光にふれる』(2012)のチャン・ロンジー監督が、まったく違うタイプの作品を作り上げました。上の写真は主人公となる高校生たちで、後列左からいじめられっ子の黄(ホアン)、自殺をする女の子夏(シャー)、腕力のある不良葉(イエ)、そして前列右から秀才の林(リン)、シャーをいじめていたとされる女の子、そしてホアンの妹です。ホアンがシャーの自殺現場に行きあい、そこへイエとリンもやってきて、3人がシャーの自殺の真相をさぐろうとする、というサスペンスドラマになっています。


今日の上映は満員で、終了後チャン監督が登場すると大きな拍手が。司会はプログラミング・ディレクターの石坂健治さん、通訳は水野衛子さんです。


Q(まず石坂さんが基本質問):前回『光にふれる』のTIFF上映時は来日していただけなかったので、今回が初来日ですね。『共犯』は『光にふれる』とは全く違う作品ですが、これはどうして?

A:本作は高校生が主人公ですが、『光にふれる』も学生が主人公でした(視覚障害を持つ大学生ホアン・ユィシアンが主人公)。僕は青少年に興味を持っていたもので、青少年のことが主題となっているこの原作を選んだのです。前作とは違うジャンルに挑戦してみたいと思いました。


Q:確かにいつも青少年が主人公ですね。

A:僕はドキュメンタリー映画を作っていたので、青少年の問題に触れる機会があったのです。『光にふれる』も最初はドキュメンタリー映画として作り、その後劇映画にしました。ですので、最初から虚構の世界の作品となるのは、本作が初めてです。

Q:主人公たちを演じる俳優はどのように選びましたか?

A:台湾では、高校生で俳優をやっている人は少ないのです。それで、高校に行ってみて、新人を選ぼうと思いました。男女6人の高校生のうち、4人は演技はまったく初めてで、あとの2人は少しだけ演技経験がありました。


(ここで場内から質問を募ることに。なお、本日の質問者には、監督からポスターがプレゼントされました)

Q:図書館の本は死んだホアンが入れておいたのだと思いますが、あれは見つかってほしいと願って置いたのでしょうか?

A:あの場所は、自殺した女の子が日記を誰かに見てもらいたくて置いておいた場所です。本は小説「異邦人」なのですが、ホアンが見つけてそのまま置いておいたものです。ホアンは友だちがほしいのだけれど、なかなかできない男の子でした。そのホアンは、日記を通じてシャーと知り合いになりたい、という気持ちがあったんです。今の青少年はネット上で顔をみたこともない相手と友人になります。それに近い感じで、生きていた時の足跡を辿って、相手の思いを追いかける、という試みをするわけです。


Q:『光にふれる』の上映を今企画しているのですが、あの映画とは違って、濁った水がよどんでいるような映像を見せられて新鮮でした。原作の小説はティーンエージャー向けに書かれたものですか?

A:元々は作者の未発表小説が脚本化されたものがあって、僕はそれを読んだんです。小説はその後、その脚本に手を入れて小説化して出版されました。映画と小説では少し違う所もありますが、”孤独な青少年”が描かれるという点では共通しています。”共犯”は主人公たちのことを言うのではなく、今は周りの人たちが無関心でいる、それこそが”共犯”なのだ、という意味で使いました。


Q:今回の作品に含まれている”悪”や”毒”という要素は、『光にふれる』からは想像がつきませんでした。最初に脚本を見た時、何に引かれたのですか?

A:脚本が送られてきた時、僕は一晩で読んでしまいました。特に、推理の部分が面白かったのです。主たる役柄の人物が途中で死んでしまい、その後また別の人物が現れてくる所なども面白いし、またそれぞれの持っている孤独感にも引かれました。それで、このストーリーに合った新しい手法にチャレンジしたいと思ったのです。


Q:本作は人と人とのコミュニケーションに対する警告であり、こうはならないようにしてほしい、と言っているように思いました。

A:映画の中でも、青少年がやっているネットを通じてのコミュニケーションが出てきますが、それらは速いけれど問題が出てきます。昔は実際の力の暴力、今は言葉の暴力が多いのではと思いますね。


終了後はたくさんの人からサインを頼まれていたチャン・ロンジー監督。物静かな話し方の、落ち着いた雰囲気を持った監督さんでした。







TIFF DAY 4&5

$
0
0

今年のTIFFは他にもいろいろ重なっていて、ゆっくり楽しんでいるヒマがありません。DAY 3にあたる25日(土)は、毎年のことながら、「インド通信」の発送作業で丸1日拘束され映画祭はお休みでしたし。

そんなこんなでTIFFの直前から連日就寝が午前3時(ほとんど朝だ!)なんていう状態が続いたため、ついに疲労が臨界点に到達、昨日はチケットを買っていたにもかかわらず『チェンナイ・エクスプレス』に行けずじまいとなりました。満員だったそうで、そういう中で見たかった~、と泣いています。とはいえ、シャー・ルク・カーンを見ている最中に脳の血管がブチ切れてもいけませんし、『チェンナイ・エクスプレス』は後日再挑戦することにしました。『クリッシュ』も最終日になりそうです。

では、この2日間で見た作品などをちょっとご紹介しましょう。ストーリーは映画祭の公式サイトを見て下さいね。

『メナムの残照(2013年版)』 公式サイト 

タイ/2013年/タイ語・日本語/120分/原題:Khu Kam /英語題:Sun & Sunrise
 監督:キッティコーン・リアウシリクン
 主演:ナデート・クギミヤ、オラネート・D・カベレス、ニティット・ワーラーヤーノン

何度もタイで映画化&テレビドラマ化された、長編小説「メナムの残照」。日本でも訳本が出ていますが、日本人将校小堀とタイ人女性アンスマリンの悲恋を描いています。私が見たのは日本でビデオ化もされている、チンタラー・スカパット主演の1988年版(下左)と、1995年のトンチャイ主演作(下右)ですが、どちらも誠実なアプローチがされている作品ではあるものの、日本人から見るといまひとつ、という出来でした。

 

ただ、1988年版は冒頭に当時のバンコクを撮ったドキュメンタリー映像が使われているほか、日本軍がタイに侵攻した時の映像も出てきたりして、タイの歴史を話す時に役に立ってくれています。トンチャイ版は「戦場に三味線持って行くかぁ!」というツッコミをしたりしながら見ましたが、実力派の監督ユッタナー・ムクダーサニットが日本ロケも敢行した作品で、それなりに見応えがありました。

で、2013年版はというと、ちょっと主人公たちの演技が幼すぎ、脚本にも納得できない点が多々あって、今回もやはり日本での公開は無理なのではないかと思います。小堀の友人である医師(Asumaとなっていましたが、「あずま」でしょうか)は日本人が演じていたのはいいのですが、どこか奇妙な軍人ぶりで、そのほかのエキストラの日本人にしても、今の若い世代に軍人役を演じさせるには相当練習させないと無理なのでは、という感じを受けました。リメイク・ブームのタイ映画界ですが、今のところ成功したリメイク作品は『愛しのゴースト』だけかも知れません。

『太陽を失って』 公式サイト


インドネシア/2014年/インドネシア語・英語/94分/原題:Selamat Pagi, Malam/英語題:In the Absence of the Sun
 監督:ラッキー・クスワンディ
 主演:アディニア・ウィラスティ、イナ・パンガベアン、ダユ・ウィヤント

まず、上記写真の2人、ニューヨーク留学をしていたギア(左)とナオミが英語とインドネシア語のチャンポン言語をしゃべるのがとても自然で新鮮でした。特にギアのキャラクターが私好みで、心地よく見られました。このカップルのほか、ジムの受付嬢でシンデレラ志向を持つインドゥリと、彼女が出会い系サイトで知り合った男とのデート、そしてデートの舞台となった高級レストランのボーイとの恋、それからホヤホヤ未亡人の亡き夫に対する復讐という3組の愛情が描かれていき、夜のジャカルタで起こるエピソードを繋いでいく、という趣の作品になっています。

原題の「スラマット・パギ」は「おはよう」、「マラム」は「夜」で、「スラマット・マラム」は「こんばんは」あるいは「おやすみなさい」の意味になるので、「おはようからこんばんはまで」というような意味合いなのでしょうか。あるいは「夜よ、おはよう」という意味なのでしょうか。風俗的な観点から見ると面白い作品でしたが、もう少し深みがあるとよかったのに、と思わせられました。

 

『あの頃のように』 公式サイト


シンガポール/2014年/英語・中国語/92分/原題:As You Were
 監督:廖捷凱(リャオ・チエカイ)
 主演:ジョシュ・ライ、エシュリー・ガオ、シェリル・ダン

3部仕立てで、シンガポールのセントーサ島の南に位置するセント・ジョンズ島が舞台になります。とてもわかりにくい描き方で、断片的な映像や歌のシーンなどは楽しめるものの、全体像がつかみにくい作品でした。

昨日は映画を見終わって外に出たところで、カンボジア映画『遺されたフィルム』のゲストの皆さんと遭遇。写真を撮らせていただきました。


右から、お父さん役、お母さん役、ヒロイン役。女優さんはきれいな民族衣装のドレスをまとっていらっしゃいました。


映画自体の監督はソト・クォーリーカーという女性監督で、ちょっとピントがボケましたが、真ん中の白い服の方がそうです。


明日からはアーミル・カーンご一行様が来日するので、これまたドタバタすることになりそうです....。


アーミル・カーン、来ました!

$
0
0

本日、『チェイス!』のヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督と主演のアーミル・カーンが無事来日しました。ご一行の皆様は総勢10数人だとか。アーミル・カーンの家族始め、メイキャップ係、ガードマンなどスタッフの人も含まれているので、こんな大人数になったようです。

実際に会ったアーミルは、まさに映画の中のまま。ちょっとあごを引き加減で話すその目はきらきらと輝き、知的で好奇心に溢れている感じを受けます。今日は「キネマ旬報」に載せるための彼のインタビューを行ったのですが、その前に公式パンフに載せる監督とアーミルのインタビュー取材があったので、その場にも同席させてもらいました。質問に答える様子を見ていても、ちっとも偉ぶらない、スターらしくない人で、真摯に語ってくれる姿は感動ものです。

黒の長袖Tシャツに体に馴染んだジーンズ姿のアーミル。両方の上腕はすごく太く、先日見た『PK』(『きっと、うまくいく』のラージクマール・ヒラーニー監督作。12月19日公開予定)のプロモシーンの映像そのままでした。写真は残念ながら撮れなかったのですが、持って行った『チェイス!』のインド版ポスターにサインを頼んだところ、快くやってくれました。


下はサインの部分の拡大版で、「Keep Smiling. Love Aamir」と書いてあるのがわかっていただけると思います。握手をした手はがっちりとしていて、頼もしかったです。


明日はいよいよアーミルと監督が、午後1時45分からの舞台挨拶に登場します。遅れないようにお席に座って下さいね~。午前中には記者会見があるので、そのご報告もアップできるようがんばります!


TIFF DAY 7 今日は『チェイス!』の日

$
0
0

本日は、TIFFの特別招待作品であるインド映画『チェイス!』の記者会見が午前11時30分から1時間行われ、続いて午後1時45分から、上映前の舞台挨拶が約20分間行われました。登壇したのは、主演のアーミル・カーンとヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督です。今日はまず、記者会見の模様からお伝えしましょう。

最初に、ひと言ご挨拶を、という司会者の言葉で、アーミル・カーンと監督がそれぞれ第一声を。

 

アーミル:日本に来ることができて、とても嬉しく思っています。本当に、来てみたかったんです。もちろん、東京国際映画祭に参加したかった、というのもあるんですが、実は今回一緒に来日している妻と共に、この後1週間ほど東京に滞在するので、それもあってワクワクしています。

 

監督:オハヨウゴザイマス(拍手)。これだけしか日本語はわからないのですが、今回来日できて本当に嬉しいです。私はいろいろ映画を見ることで映画製作を学んだのですが、黒澤明監督、それから三池崇史監督の作品をよく見ました。そんなわけで、日本に初めて来ることができて、そして映画祭に参加することができて、とても嬉しく思います。皆さんにこの映画を楽しんでいただければ幸いです。

 

Q:アーミル・カーンさんの『きっと、うまくいく』が昨年ヒットしたので、お会いできるのが楽しみだったんですが、来日なさっての印象と、日本でどんなことをなさりたいのかについて教えて下さい。

 

アーミル:『きっと、うまくいく』が日本でヒットしたということを聞いて、とても嬉しかったです。実は僕に気づいて声を掛けて下さる方がいて、この作品を気に入って下さったんだな、と今回来日して実感しました。日本でやりたいことについてですが、僕の妻は計画魔で(笑)、旅行前にあれこれリサーチするんです。それで、東京のこととか、行くべき所、するべきことをすでにリストアップしていまして、楽しみにしています。妻は京都に行きたいとも言っていたのですが、今回は1週間しかないので東京を楽しむことにしよう、また次に来た時に京都とかほかの場所に行けばいいじゃないか、と言いました。

 

Q:監督は何か計画がおありですか?

 

監督:私は今週末までしか滞在しないのですが、おいしいものを食べるのが好きなので、おいしいレストランを巡りたいと思っています。次回は家族を連れてきて、ゆっくり回ってみたいですね。

 

Q:『チェイス!』はインドだけでなく全世界でヒットしたのですが、その理由は何だと思われますか?

 

監督:いい映画だったからではないですか?(笑)基本的にインドの映画というのは、感情表現が巧みなのです。『チェイス!』もアクション満載の作品ですが、心を動かすドラマが盛り込まれています。そういったところが、言葉の壁や国境を越えて、外国でもアピールしたのではと思います。

 

(ここでアーミル・カーンが、「僕にもちょっと言わせて」と参入)

 

アーミル:『チェイス!』の人気には驚きましたね。成功してよかったと思います。実は、映画が公開されるまでは本当にナーバスになってしまうんですよ。悪い点が目について、もう一度やり直せるものなら撮影をし直したい、と思ってしまうのが常です。そんな状態なので、皆さんが映画を喜んで見て下さるととっても救われるんです。その点、『チェイス!』はインドだけでなく、世界中の人が楽しんでくれました。それは今監督も言ったように、スペクタクル傑作ではあるものの、観客の感情に訴えるところがあるからだと思います。インド人観客の心の琴線に触れるもの、それが世界中の観客にも同じように響いたのではないでしょうか。

 

Q:アーミル・カーンさんの主演作は『ラガーン』とか『1947年 大地』とかよく見ています。お聞きしたいのは、日本でのロケとか、日本との合作とかについていです。日本映画のリメイクも含めて、そういったことは考えていらっしゃいませんか。

 

アーミル:機会があれば、そして自分に合った作品があればぜひ、とは考えています。日本の作品に出演する、ということも、それから共同製作ということも含めてですね。おっしゃったように、日本の作品のリメイクをインドで作るということも考えられますね。帰国したら可能性を探ってみようかな、と思っています。それから、私の過去の作品をいろいろ見て下さっていて嬉しく思います。

 

Q:アーミル・カーンさんは『きっと、うまくいく』ですごく若い役を演じるとか、いつも難しい役に挑戦してらっしゃいます。トップスターなのに、難しい役に挑戦なさるのはなぜでしょう? また監督にうかがいたいのですが、撮影中にアーミルさんに関して、さすがはトップスターだ! と思われたエピソードがありましたら教えて下さい。

 

アーミル:(質問の英訳が少々長かったので)えーっと、僕への質問忘れちゃった。(笑) 『きっと、うまくいく』はラージクマール・ヒラニ監督の作品で、脚本を読んだ時とても気に入ったのですが、こんな若い役ができるかな、観客に笑われるのでは、と躊躇しました。でも監督は絶対僕に、と譲らなくて、それでは監督の直感を信じてやります、ということでチャレンジしたわけです。幸い成功して、いい作品になってよかったと思います。
 僕が作品を選ぶ時は、まずストーリーありき、なんです。最初に観客として脚本を読んでみて、惹かれる所があるかどうかを判断し、それから俳優として脚本を読んでみて、キャラクターの中に自分が飛び越えるべき新しいチャレンジ要素があるかどうか、という点で判断して作品を選んでいます。

 

監督:アーミルはまず、スター気取りが全然ないのです。私から見ると、彼は”監督の大親友”という存在ですね。『チェイス!』の彼の役は、すごく強い部分と繊細な部分を持っている難しい役なんですが、彼はそれを努力などしていないように、役作りの上でいとも簡単に演じているかのように見せて演じてしまうんです。そこがまず、すごいスターだな、と思わせられる点ですね。あと、彼はチームワークを大切にします。映画というものは1人では作れない、チームで作るものですが、彼はそれがわかっている人です。また、子供のようにワクワクして、演じるのが楽しいということを表に出せる人でもあります。今回一緒に撮影ができて、素晴らしい経験になりました。

 

Q:アーミル・カーンさんにお聞きしたいのですが、さっき監督が”親友のような存在”と言ってらっしゃいましたが、アーミルさんから見て監督とはどういう方か、ということを聞かせて下さい。それから監督は、黒澤明監督と三池崇史監督が好きだとおっしゃっていましたが、具体的にどんな作品がお好きか教えて下さい。
(その後、司会者の方からアクションについての追加質問が入りました)

 

アーミル:監督はすごく要求の高い人です。でも、彼のその監督としての資質が、僕の演技を引き出してくれたと思っています。彼のことは”ヴィクター”と呼んでいるんですが、自分が何を撮りたいのかというヴィジョンが正確にある人ですね。とてもオープンで暖かい人ですし、セットの誰にでも平等に接するので、現場の雰囲気もよかったです。あと、監督にはユーモアのセンスがあるんですよ。だから、撮影中もハッピーな気分で撮影ができました。今回初顔合わせでしたが、今では友だちのような関係になっています。

 

監督:まず、アクションについてですが、今回の作品は完成までに3年かかりました。今、皆さんに見ていただいて気に入っていただいてる、ということをとても有り難く感じます。アクションは現実にはありえないことを見せるわけで、現実の世界ではバイクに乗って自動車を飛び越える、なんてことはないですよね。それを見せるためには、一つの世界を作り出さないといけない。ありえないことでも、観客には、その役者が実際にそうやっていると思わせないといけないわけです。ですので緻密に計画を立てて、アクションを撮っていくことを重要視しています。アクションで失敗してしまうと、見た目上致命的になってしまうため、アクションには一番力を入れています。
 特撮は今回、ハリウッドのチームに協力してもらうことができました。撮影場所がシカゴでしたから、アメリカのチームと一緒に作り上げることができてよかったです。観客の皆さんはアクション好きだと思うので、この作品を見て気に入っていただけると嬉しいです。
 日本の監督については、先ほど黒澤監督と三池監督の名前を挙げたのですが、ほかに北野武監督も大好きで、監督と役者の両方をやっている、表面では何を考えているのかわからないのだけれども、ある瞬間バッと爆発させる、そういうキャラクターにとても惹かれています。好きな作品は、『七人の侍』に『乱』、そして一番好きなのが『用心棒』です。『用心棒』は、自分もああいう作品が作れたらなあ、と思っています。ただし、三船敏郎のような役者がいればですけれどね。(笑)あと、あまり知られていないと思いますが、黒澤監督の『天国と地獄』がインドで作られて、ヒンディー語の『イムテハーン(試練)』『インカール(拒絶)』という作品になっているんですよ。ですから、インドでは黒澤作品は身近な存在でもあります。
 三池監督作品では『スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ』が好きですし、そのほか、溝口健二監督、宮崎駿監督も好きです。宮崎監督は本当に天才的な監督ですね。

 

(ここで司会者が「それではこれで質問を終わって...」と言ったところ、まだ手を挙げる人があり、アーミルが「この方に当ててあげたら? さっきからずっと手を挙げてるよ」と進言して、異例の追加質問に)

 

Q:インドのナレンドラ・モーディー首相が先月来日しました。モーディー政権になって大きなインドが実現することを我々も望んでいますが、過去においてはインドの多文化社会ではいろんな事件がありました。アーミルさんはイスラム教徒であるわけですが、モーディー政権にどんな期待を持っていますか。

 

アーミル:インドも様々な問題を抱えており、それぞれ立場の違う人たちが存在しています。私は確かにインドではマイノリティに属していますが、何よりもまずインド人である、という自覚を持っています。モーディー首相も民主的な手続きを経て首相に選ばれました。ですから国民も期待を持っているわけなので、それに応えていってほしいと思っています。


その後はBMWのバイクが登場。その前での記念撮影となり、記者会見は終了しました。


 (舞台挨拶のご紹介はのちほどまた~) 


TIFF DAY 7(続き) 『チェイス!』舞台挨拶

$
0
0

六本木アカデミーヒルズ49Fのスカイスタジオで行われた記者会見に引き続き、『チェイス!』の上映会場TOHOシネマズスクリーン2では、午後1時45分から舞台挨拶が行われました。


司会者:皆様、アーミル・カーンさんにお会いするのをすごく楽しみにしていたと思います。お二人揃っての初来日となります。なお、これからの舞台挨拶なんですが、お客様における写真撮影や録音は禁じられますので、それだけはご了承下さい。スチールカメラマンの方々は、登場から挨拶まではフラッシュ撮影で、それ以降はフラッシュなしの撮影に切り替えて下さい。基本的にこちらのステージでの写真撮影の形は作りませんので、よろしくお願いします。

それでは盛大な拍手でお迎え下さい、『チェイス!』主演のアーミル・カーンさん、ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督です!(主題歌が流れる中、2人が登場。会場は拍手と歓声、叫び声ですごい音量で、司会者の声も聞こえないぐらい)


 司会者:多数の方が本日の来日を楽しみにされていました。ね、皆さん?(おー!というような歓声と拍手)まずお二人から、ひと言ずつご挨拶をいただきましょう。(挨拶部分だけ、英語を書き起こしてみました)

 

Aamir Khan:Thank you, thank you so much.アイシテマス。We are very happy to be here, and, and...a... this is my first meeting you and first time to Japan. I'm very excited to be here for Toronto Film Festival and visit Tronto, and a....but Tokyo. Sorry. And I'm so excited. But I'm looking forward to coming to Japan very long and my wife is with me and daughter is somewhere here with me. So you all are very very happy to me and thank you so much for such warm and loving welcome. Thank you, thank you.

アーミル:ありがとう、アイシテマス。(うわぁぁぁという歓声)この場に来られてとても幸せです。初めて日本に来て皆さんとお目にかかっているわけですが、トロント国際映画祭にこられて興奮してます。トロントへは....おっと、東京でした(笑)。ごめんなさい。興奮してますね。でも、ぼくはずっと前から日本に来たいと思ってたんです。今回は妻も一緒で、娘もこの会場のどこかにいます。お目にかかれて嬉しいですし、こんな暖かい心のこもった歓迎をして下さって、御礼申し上げます。本当にありがとう。(アーミル、トロント国際映画祭も略称TIFFなので、同じ略称の東京国際映画祭と間違えたようです。観客があまりにも間近すぎて、インドと勝手が違いちょっと上がっていたのでしょうか....)

 

司会者:本当に来日ありがとうございます。続きまして、初来日していただきましたヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督です。

 

Vijay Krishna Acharya (Director):コンニチハ。Thank you for coming to see the film. It's a great pleaseure to see you and to see the house is full. And it's quite wonderful for me to be here and thank you. I hope you enjoy the film. We mede it with a lot of love and I hope that we can get some of the back from you. Thank you.

監督:コンニチハ。(大きな拍手)映画を見に来て下さってありがとうございます。皆さんと満員の劇場でお目にかかれるなんて、この上ない喜びです。日本に来られたことも素晴らしく、お礼を申し上げます。この映画を楽しんでいただければと思いますが、我々がたくさんの愛情を込めて作った作品なので、皆さんからも愛をいただけると嬉しいです。ありがとう。

 

司会者:アーミル・カーンさんにまずおうかがいします。文字通りインドの国宝級のスターでご活躍が著しいのですが、たくさんのオファーの中で、今回の『チェイス!』に出演しようと思った一番の理由というか、魅力はどんなところだったのでしょうか。

アーミル:僕が作品を選ぶ時は、感情移入できるかという点と、直感的な点からと、両方で判断します。この映画の脚本を見て気に入った点は、この映画の規模が大きく、たくさんのアクション、サーカス、歌、ダンス、そしてロマンスが入っていることでした。それと共に、その根底に心に響くようなストーリーがあるというところも気に入りました。

 

司会者:監督にお聞きしたいのですが、アーミルさんとお仕事を一緒にしての印象と、今回この映画にアーミルさんが出演したことによって、どんなスパイスというか魅力がこの映画に出て来たのかについて教えて下さい。

監督:アーミルは俳優として素晴らしいだけでなく、人間性も素晴らしいんです。チームの和を大切にする、監督にとって偉大なる協力者と言えます。映画をご覧になればおわかりのように、彼の演じた役はとても難しい役で、役作りには苦労したのではないかと思うんですが、その苦労を感じさせない素晴らしい演技を見せてくれています。ですので、皆さんには本当に楽しんでいただけると思います。

 

司会者:日本では12月5日からの公開となりますが、皆さんご覧になればさらにアーミルさんの魅力がおわかりいただけると思います。今回の作品はバイク・スタントがあって、歌と踊りもあって、さらにサーカスと、たくさんのチャレンジがあったと思います。特に大変だったのはどこでしょう? また、どういう風に挑んで行かれましたか?

アーミル:スタントは簡単でしたが、大変だったのはダンスでした。(笑)インド映画でダンスが上手なのはリティク・ローシャンで、僕はそんな上手じゃありません。だから、ダンスのシーンにはビクビクしていて、リハーサルを重ねてダンスシーンに臨みました。アクションは簡単だったと言いましたが、サーカスのシーンは結構苦労しましたね。相手役のカトリーナ・カイフと何度もリハーサルをしたんですが、サーカスシーンの80~90%は僕たち自身が演じています。高い所で命綱なしで演技をしたため大変だったんですが、結果的にうまくいってよかったです。

 

司会者:監督も、アクションシーンが満載で、特にバイクスタントが大変だったと思います。シカゴでの撮影のエピソードとか聞かせて下さい。

監督:いい方のエピソード、それとも悪い方?(笑)アクションは見るのは楽しいのですが、行うのは大変で、難しい仕事でした。十分な準備をして臨むことが大切で、俳優はもちろん、スタントマンの安全性を確保することに細心の注意を払いました。おかげで、満足できる結果が残せました。見ていただければわかるのですが、アーミルも結構危険な場面をこなしています。いい役者であれば、十分な準備をした上で危険なアクションもこなしてもらえるのだと今回わかりました。バイクアクションですが、僕もバイクが好きで乗っていました。もうずっと前ですけれどね。誰でも若い頃に乗ったことがあると思うので、今回バイクアクションを使用しました。でも、皆さん、家に帰ってこのスタントを試してはダメですよ。(笑)

 

司会者;監督はそう言ってますが、ケガとかはなかったのでしょうか。

アーミル:僕はケガをしなったんですが、共演者のウダイ・チョープラーがケガをしました。そんなに深刻なものではなかったけれど、1週間ほど松葉杖をついていましたね。それからアメリカ人のスタントマンなんですが、車を飛び越すシーンをやった人が、着地の時にスピードを計算ミスしたのか、予定したよりも遠くに飛んでしまいケガをしました。最初はショックで気を失っていたのですぐ病院に運んだんですが、大したことはなかったので間もなく現場に復帰しました。そのほかにはなかったですね。

 

(ここで、会場後方から小さなお子さんの大きな泣き声が響いてきました)
アーミル:あの子、僕らの答えに満足していないのかも。(笑)

司会者:では、最後にお二人からファンの皆さんにメッセージをお願いします。

監督:私が言いたいのは....アイシテマス。(笑)この映画を楽しんでいただけるよう、心から願っています。それと、他のインド映画もたくさんご覧いただければと思います。愛と敬意を込めて、この映画を皆さんに捧げます。

 

アーミル:数ヶ月前のことなんですが、ある日本の人が僕にサインを求めてきたんです。その時びっくりして、なぜ僕にサインを、と聞いたら、『きっと、うまくいく』を見たんだと言うんですね。その時初めて日本で大ヒットしたことを聞いて、とても嬉しかったです。僕たちの映画『きっと、うまくいく』がヒットして光栄ですし、暖かく迎えていただいてお礼を言いたいです。同じラージクマール・ヒラニ監督の作品『PK』が間もなく公開されますが、それも楽しんでいただければと思います。本当にありがとうございました。

その後会場では、大画面、大音響で『チェイス!』が上映され、満員の観客は今目の前にいたアーミル・カーンが披露する素晴らしい演技に酔いしれました。公開まであと1ヶ月余り、ぜひ楽しみにしてお待ち下さい!




TIFF DAY 9+1:総括と反省

$
0
0

今年のTIFFは、近年ではおそらく最低の本数しか作品を見られなかったTIFFでした。事前のプレス試写も含めてスクリーンで見られたのは11本しかなく、その他DVDで見た作品も数本のみ、それも早回ししたりしてきちんとした鑑賞にはほど遠いという、「深く反省」的な映画祭になってしまいました。まあ、アーミル・カーンが来たりしましたし、他の仕事でも忙しかったので、仕方がないのですが。

<アジアの未来>作品賞を受賞した『ゼロ地帯の子どもたち』(イラン/下)も見逃してしまい、情けない限りですが、ちょっとDVD鑑賞をした作品を簡単にご紹介しておこうと思います。


『ミッドナイト・アフター』 公式サイト 


香港/2014年/広東語/140分/原題:那夜凌晨,我坐上了旺角開往大埔的紅van
 監督:陳果(フルーツ・チャン)
 主演:任達華(サイモン・ヤム)、林雪(ラム・シュッ)、黄又南(ウォン・ヤウナム)、恵英紅(クララ・ウェイ)、徐天佑(チョイ・ティンヤウ)


今年3月の香港国際映画祭(スチールはそちらのを使わせていただきました。ごめんなさい。TIFFもこれくらいバラエティに富んだ画像を下さるといいのに)で見逃したので楽しみにしていたのですが、プレス上映を都合でキャンセルせねばならず、泣く泣くDVDで鑑賞。それも時間がなくて2回に分けて見たので、何やらよくわからない、というのが正直なところ。九龍半島から獅子山下のトンネルを通ったとたん異次元へ、という発想は面白いものの、それが原因で中文大学生たちがああなるのはなぜ?とか考えてしまうと、どうもムリムリのストーリーと思えてしまい、ただのこけおどし映画に見えてしまいます。

そして、フルーツ・チャン監督作にしては動きがなく、大埔の茶餐庁でエンエンみんなが意見を出し合うシーンなどはまるで舞台劇のよう。あの活きの良さはどこへ行ったの、フルーツ・チャン監督、という作品でした。140分という長さですし、日本での配給会社が付くかどうかは微妙なところです。

『オプーのうた~「大地のうた」その後』 公式サイト
インド/2013年/ベンガル語/97分/原題:Apur Panchali
 監督:コウシク・ガングリ
 主演:オルデンドゥ・バネルジ、ポロムブロト・チョットッパダエ


サタジット・レイ監督の『大地のうた(原題:Pather Panchali)』(1955)のオプー少年を演じたシュビル・バネルジの青年時代と、引きこもり状態である老年の彼とある映画青年との交流を描く現代のパートとが、交互に出てきます。青年時代はモノクロで描かれ、合間に『大地のうた』『大河のうた』(1956)『大樹のうた』(1959)のフッテージが挟まれます。例えば、シュビル・バネルジ青年が結婚するシーンでは、『大樹のうた』のオプー(ショウミットロ・チャテルジー)が妻(シャルミラー・タゴール)を迎えるシーンが挿入される、といった具合。この3作をよく見ていて、顔の見分けがついていかないと、かなり混乱してしまう作り方です。監督は、「三部作の主人公オプーとシュビル・バネルジとの間にいくつかの類似点を見出したから」と述べていますが、ちょっと無理なこじつけだったのでは、という思いがしました。

それにしても、こんな風に作品のフッテージを使うことはOKなのでしょうか? 確かに50年以上前の作品ですし、一部ドキュメンタリー風の作りで当時の他の出演者を登場させてインタビューする等の手法も入っているのですが、フィクション部分に他人の名作を切り刻んで使うというのは「引用」の範囲を越えているように思われて、抵抗があります。インド国際映画祭(IFFI)で銀の孔雀賞=監督賞を獲っている、ということは、それが認められるどころか評価されたということなのでしょうが、どうにも釈然としませんでした。

『柔らかいステップ』 公式サイト 
ミャンマー/1972年/ビルマ語/106分/原題:Ché Phawa Daw Nu Nu/英語題:Tender are the feet
 監督:マウン・ワナ
 主演:ゾーウィン、サン・サン・エー


ビルマ映画の上映自体が珍しいのですが、さらに伝統舞踊と伝統音楽がたくさん盛り込まれた貴重な作品でした。たとえば、現代で言うとこんな伝統舞踊です。ビルマにはポー・セン(1882-1954)という有名な伝統舞踊の男性舞踊手がいて、その伝記本なども出たりしていますが、この映画では大衆的な劇場で踊っていた女性が映画界に引き抜かれ、想い合っていた太鼓奏者と別れてしまい...というメロドラマが、たくさんの踊りや音楽とからめて描かれます。ストーリーや映画表現はかったるいものの、舞踊と音楽で結構楽しめてしまいました。

『北北東』 公式サイト 
中国/2014年/中国語/113分/原題:東北偏北
 監督:張秉堅(チャン・ピンジェン)
 主演:班贊(パン・ザン)、李濱(リー・ピン)

文化大革命が終息した1978年の中国東北地方を舞台にした、サスペンスと言うにはちょっと可愛すぎる作品でした。わざと主人公や村人を間抜けっぽく描こうとしているのが見えるところがあり、いまひとつノリ切れませんでしたが、頭の冴えを見せ、と同時に心の暖かさを見せてくれる李濱(『老人ホームを飛び出して』のおばあさん)のキャラクターは清涼剤的存在でした。

そんなこんなで、楽しみにしていたTIFFも終わってしまいました。今日から11月。次は東京フィルメックス(11月22日~30日)ですね。チケット発売は11月3日(月)からなので、公式サイトをご覧の上、お早めに購入なさって下さい。

 

『クリッシュ』の身の上

$
0
0

東京での「ボリウッド・フェスティバル」開催期間中に、とうとう『クリッシュ』のご紹介ができませんでした。せっかく宣伝を担当したフリーマン・オフィスから素敵なスチール写真をいただいていたのにゴメンナサイ。『チェンナイ・エクスプレス』と『クリッシュ』は明日11月5日よりレンタル開始となるので、その前に少し『クリッシュ』のこともご紹介しておきましょう。なお、DVD発売は、『チェンナイ・エクスプレス』が11月19日、『クリッシュ』が2015年1月9日の予定です。ご注文はお早めにどうぞ。 

チェンナイ・エクスプレス~愛と勇気のヒーロー参上~ [DVD] クリエーター情報なし オデッサ・エンタテインメント

 

クリッシュ [DVD] クリエーター情報なし アメイジングD.C.

で、『クリッシュ』の身の上話なんですが、この作品の冒頭で簡単に説明されています。ナレーターはアミターブ・バッチャン。お年のせいか(10月11日で72歳になられました)出演作が減り、最近はナレーション等の声の出演が多いですね。アミト・ジーの深みのある声で語られるのが、前々作『何かが...やって来た(Koi...Mil Gaya)』(2003)と前作『クリシュ(Krrish)』(2006)のストーリーで、今回の『クリッシュ』は原題を「Krrish 3」と言い、製作側ではシリーズの3作目と位置づけている作品なのです。ということで、第1作から順番に見ていきましょう。


 『何かが...やって来た(Koi...Mil Gaya)』(2003) 予告編 公式サイト 

 監督:ラーケーシュ・ローシャン
 主演:リティク・ローシャン、プリティ・ジンター、レーカー 

メーヘラー博士(ラーケーシュ・ローシャン)は宇宙科学者。研究を重ね、ついに自身の作ったコンピューターで宇宙の未確認生物との交信に成功します。しかし、先輩科学者たちは信じてくれず、失意のうちに妻ソニア(レーカー)と共に帰宅の途についた博士は途中で宇宙船らしきものと遭遇。その衝撃で交通事故をおこし、博士は亡くなってしまいます。その時、ソニアのお腹には小さな生命が宿っていたのでした。

出産した男の子をローヒトと名付け、博士の研究を封印したソニアは、高原の町に行って暮らし始めます。しかしながら、胎児の時交通事故の衝撃で脳に損傷を受けたローヒト(リティク・ローシャン)は知的障害を持っていました。体は大きくても小学生と一緒に学ぶローヒト。そんな彼の前に、その町に転居してきたニシャー(プリティ・ジンター)が現れます。ニシャーはローヒトの純粋さに惹かれ、2人はつき合うようになりました。

そんな時、ローヒトが父の遺したコンピューターを見つけ、いじっているうちに宇宙と交信してしまいます。町には宇宙船が現れ、大騒ぎに。そしてローヒトは不思議な生物と出会います。ローヒトは彼を”ジャードゥー(魔法)”と名付け、ローヒトは彼から不思議な力を授けられます。ローヒトはニシャーや友人たちと共にジャードゥーを大人の目から隠そうとしますが、警官(ムケーシュ・リシ、ジョニー・リーヴァル)や町の人々に追求され、必死で逃げることに。やがてローヒトとジャードゥーの前に宇宙船が現れ、ジャードゥーは彼を待つ集団のもとへと戻っていったのでした。


このストーリーからもわかるように、ハリウッド映画『未知との遭遇』(1977)や『E.T.』(1982)を下敷きにした、インド映画には珍しいSF作品です。知的障害を持つ主人公をリティク・ローシャンが巧みに演じ、また、E.T.と『スターウォーズ』(1977)のヨーダが合体したようなジャードゥーが可愛くて、2003年のナンバーワンヒットとなりました。今見返してもよくできており、ハリウッド作品との版権問題が生じないようなら日本でもソフト化してほしい作品です。なお、原題の「コーイー...ミル・ガヤー」は、シャー・ルク・カーン、カージョル、ラーニー・ムケルジー主演作『何かが起きてる』(1998)のこの歌のタイトルからのイタダキです。 



『クリシュ(Krrish)』(2006) 程小東(チン・シウトン)監督によるアクションシーン

 監督:ラーケーシュ・ローシャン
 主演:リティク・ローシャン、プリヤンカー・チョープラー、レーカー、ナスィールッディーン・シャー

2003年の『何かが...やって来た(Koi...Mil Gaya)』の大ヒットを受けて、続編として作られた作品です。しかしながら当時は、同じタイトルを踏襲して「2、3...」と付けていくという概念がボリウッドにはなく、別の独立した作品のように作られ、「『何かが...やって来た(Koi...Mil Gaya)』の続編」という宣伝文句が入れられたのでした。一方2004年にヒットした『騒ぎ(Dhoom)』は、『クリシュ』と同じ年の2006年に『騒ぎ2(Dhoom 2)』を作り、以後これを踏襲して「2、3...」という同じタイトルでのシリーズ製作形式が続くことになりました。

なお、2006年の興収ベストスリーは、1位が『騒ぎ2』、2位が『クリシュ』、そして3位が『その調子で、ムンナー兄貴(Lage Raho Munna Bhai)』で、はからずも3作とも続編ものでした。『きっと、うまくいく』のラージクマール・ヒラニ監督による『その調子で、ムンナー兄貴』は、2003年の前作『医学生ムンナー兄貴(Munna Bhai M.B.B.S.)』が興収第4位とヒットしたことで作られた続編です。

続編製作に関しては、2000年にヒットしたコメディ映画『ごまかし(Hera Pheri)』が2006年に『ごまかし再び(Phir Hera Pheri)』を作っていますが、この作品も考えに入れると、ボリウッド映画界において「続編」「シリーズもの」の概念は2003年前後に芽吹き、2006年に定着した、と言えそうです。それまでは、I.S.ジョーハルとマハムードという2人のコメディアンが主演する『ジョーハル&マハムード、ゴアへ(Johar Mehmood in Goa)』(1964)、『ジョーハル&マハムード、香港へ(Johar Mehmood in Hong Kong)』(1971)ぐらいしかシリーズものは存在しなかったのでした。それが今では、『満員(Houseful)』(2010)『満員2(Houseful 2)』(2012)、『インチキ(Golmaal)』(2006)『帰ってきたインチキ(Golmaal Returns)』(2008)『インチキ3(Golmaal 3)』(2010)、『ダバング 大胆不敵』(2010)『ダバング2(Dabangg 2)』(2012)等々、コメディ映画とアクション映画で続編&シリーズものがブーム状態になっています。これも、近年のボリウッド映画界の変貌と言えそうです。


『クリシュ』は、前作の主人公だったローヒト(リティク・ローシャン)とニシャー(プリティ・ジンター)の遺児クリシュナ(リティク・ローシャン二役)が、祖母ソニア(レーカー)に育てられているシーンから始まります。家には両親の遺影が飾られており、祖母の様子からすると、2人はどうやら悲劇的な死に方をしたようです。祖母はクリシュナがすぐれた頭脳を持っていることを必死で隠そうとし、ついには山奥の村に移住してしまいます。青年になったクリシュナは、超人的な身体能力も発揮するようになりますが、祖母はそれを他人に見せないようにと言うのでした。

その村に、シンガポールで働くプリヤー(プリヤンカー・チョープラー)らがキャンプにやってきます。パラグライダーで飛んでいて墜落したプリヤーを助けたクリシュナは一行と友だちになり、やがてプリヤーに恋してしまいます。プリヤーが帰ってしまい、気落ちしていたクリシュナでしたが、やがてプリヤーからシンガポールに来てほしいという電話がかかってきます。テレビ局に勤めるプリヤーは、クリシュナの素晴らしい身体能力を見せる番組を作ろうとしていたのでした。

喜んでシンガポールにやって来たクリシュナでしたが、祖母から「人にお前の能力を見せてはいけませんよ」ときつく言われたことを守っていました。ところがある時、見ていたサーカスが火事になり、取り残された子供たちを助けなくてはいけなくなってしまいます。とっさに地面に落ちていた金属片を仮面にし、顔を隠してみんなを助けるクリシュナ。その仮面のヒーローは「クリシュ」と呼ばれるようになり、人々の人気者になっていきます。

そんな時、クリシュナはプリヤーが自分をシンガポールに招いたわけを知ってしまい、失意のうちにインドに帰ろうとします。そこへクリシュナを訪ねてきた老人ヴィクラム(シャラト・サクセーナー)は、クリシュナの父ローヒトが生きていると告げます。

実は父のローヒトは、20年前大企業の社長でコンピューターの専門家であるアーリヤ博士(ナスィールッディーン・シャー)に招かれ、未来がわかるコンピューター作りの申し出を受けて研究していたのでした。ローヒトはコンピューター作成に成功したのですが、完成したとたん博士の陰謀に気づいてコンピューターを破壊、博士に殺されそうになったのでした。それを止めたのはヴィクラムで、「コンピューターのパスワードはローヒトの光彩と心音の認証になっています。彼を殺しては、たとえコンピューターができても動きません」と進言したのでした。アーリヤ博士はローヒトが死亡したとニセのニュースを流し、再度コンピューター作りを開始、20年たってやっと完成を見たのです。

今度こそ父の命が危ないと、クリシュナはアーリヤ博士の本拠地を襲い、父を無事助け出します。こうして、父ローヒト、そしてプリヤーと共に、クリシュナは祖母の待つインドに戻ったのでした。


本作で特筆すべき点は、仮面のヒーロー誕生のエピソード、そして、香港から招いたアクション監督程小東(チン・シウトン)の見事なワイヤーワークでしょう。チン・シウトンは、かつて香港映画『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』(1987)などを監督し、その後アクション監督として張芸謀(チャン・イーモウ)監督による中国映画『HERO 英雄』(2002)や『LOVERS』(2004)などで、見栄えのする高度なアクションで話題となった人です。本作でも、山中をクリシュナが飛ぶように駆けるシーンや、シンガポールで街中を疾走して車の屋根を跳び、建物に駆け上がったあとその屋根を滑り降りたりするシーンなど、見応えのあるアクションシーンをいくつも見せてくれます。こんなに見事なワイヤーワークは、インド映画始まって以来と言えましょう。こちらもぜひ、日本でソフト化してほしい作品です。



(C)2013 EROS INTERNATIONAL.LIMITED

『クリッシュ(Krrish 3)』(2013) 公式サイト 日本版予告編

 監督:ラーケーシュ・ローシャン
 主演:リティク・ローシャン、プリヤンカー・チョープラー、カングナー・ラーナーウト、ヴィヴェーク・オベロイ

(C)2013 EROS INTERNATIONAL.LIMITED

そして、「ッ」が入った(笑)『クリッシュ』では、前2作の後日譚が描かれます。クリシュナ(リティク・ローシャン)は妻プリヤー(プリヤンカー・チョープラー)、そして父ローヒト(リティク・ローシャン二役)と共にムンバイで幸せに暮らしていました。父ローヒトは政府の研究所に勤務、プリヤーもジャーナリストとして働いていましたが、クリシュナは相変わらず仮面のヒーロークリッシュとしても活躍していたため、何かというと姿を消すことになってしまい、いつも仕事をクビになっていました。そんな時、南アフリカから恐ろしい病気がインドに持ち込まれ、同時に街に不気味な人間が出没し始めます。長い舌を持った男や、誰にでも姿を変えられる女など、実は彼らは悪魔のような天才ながら下半身がマヒした男カール(ヴィヴェーク・オベロイ)の発明品、人間と動物が合体したミュータントだったのです。

(C)2013 EROS INTERNATIONAL.LIMITED

中でも、誰にでも変身できるカメレオン女カヤ(カングナー・ラーナーウト)はプリヤーを狙い、彼女を捕らえてカールの元に送ったあと、自分がプリヤーになりすまします。さらに、ローヒトもカールに捕らえられますが、そこにはとんでもない秘密が隠されていたのでした...。

(C)2013 EROS INTERNATIONAL.LIMITED

3作目では、クリッシュに敵対するカール(上写真右)という悪の権化のような存在が登場、これまでとは様相を異にする物語が展開します。しかも、このカールを演じるヴィヴェーク・オベロイと、カメレオン女カヤを演じるカングナー・ラーナーウトがうまいのです。ぜひDVDで、カールのぞっとするような悪の形象、カヤのミュータント女ぶりの怖さ&かわいらしさを堪能して下さい。

このシリーズ、残念なのはどの作品もソング&ダンスシーンがイマイチなことで、かろうじて合格点をあげられるのはシリーズ2『クリシュ』のこの歌「心は渡さずに(Dil Na Diya)」ぐらい。ラーケーシュ・ローシャン監督、息子リティク・ローシャンのデビュー作『愛していると言って(Kaho Naa...Pyar Hai)』(2000)では、弟ラージェーシュ・ローシャンの作曲した素敵な曲に洗練されたダンスシーンを付けていて、目を見張らされたのですが。もし、『Krrish 4』を作る時には、その点をぜひパワーアップして下さいね、ラーケーシュ・ローシャン監督。

(C)2013 EROS INTERNATIONAL.LIMITED

それと、日本での宣伝に関しては、「カレーの国から参上。」というような時代錯誤のキャッチコピーは、今後二度と使っていただきませんように。「ニート兼スーパーヒーロー」というキャッチコピーも、本当に映画の中身を見て作ったのかしらと首をかしげたくなりますし、「クリッシュ」というタイトル文字もひょっとして素人さんのレタリング?と思ったほど。DVDのジャケットもこのヴィジュアルで、今後ずっと手元にあるのかと思うと(すでに予約注文済み)、ちょっとトホホです。本作の配給会社である日活さんのお仕事ぶりを見ていると、本当に神経を行き届かせて、キャッチコピーにしろヴィジュアルにしろ作っておられて感心するのですが、それをぜひ、(ほぼ)DVDスルーの作品にも生かしていただきたいものです。

下は、本日届いた日活&東宝東和配給作品『ミルカ』(原題:Bhaag Milkha Bhaag)の試写状です。素敵なヴィジュアルでしょう? 『ミルカ』も素晴らしい感動作なので、後日また詳しくご紹介しますね。

 あと1ヶ月で『チェイス!』も公開、いよいよ「インド映画冬の陣」開始です!



心にしみる『イロイロ ぬくもりの記憶』

$
0
0

珍しく、シンガポール映画が一般公開されます。昨年の東京フィルメックスで上映された、アンソニー・チェン(陳哲芸)監督作品『イロイロ ぬくもりの記憶』です。フィルメックスでの上映時に簡単にご紹介しましたが、心にしみる秀作で、アジア映画ファンの皆さんにはぜひ見ていただきたい作品です。まずは、作品のデータからどうぞ。


(C) 2013 SINGAPORE FILM COMMISSION, NP ENTERPRISE (S) PTE LTD, FISHEYE PICTURES PTE LTD 

『イロイロ ぬくもりの記憶』 公式サイト

2013年/シンガポール/華語(北京語/普通話)・英語・タガログ語/99分/原題:爸媽不在家/英語題:ILO ILO
 監督・脚本:アンソニー・チェン(陳哲芸)
 出演:コー・ジャールー(許家楽)、ヤオ・ヤンヤン(楊雁雁)、チェン・ティエンウン(陳天文)、アンジェリ・バヤニ

 配給:日活、Playmate
 宣伝:菅野祐治、佐々瑠郁
※12月13日(土)より新宿K’s cinema 他全国順次公開


 (C) 2013 SINGAPORE FILM COMMISSION, NP ENTERPRISE (S) PTE LTD, FISHEYE PICTURES PTE LTD

1997年のシンガポール。映画は、何やら耳障りな音から始まります。 そしてだんだん、主人公である10歳の小学生ジャールー(コー・ジャールー)の問題行動が明らかになっていきます。ジャールーは授業に集中せず、熱意を注ぐのは宝くじの当選番号集めだけ。新聞に発表された当選番号を切り抜き、それをノートに貼るのがジャールーの生きがいなのですが、それを授業中にやっては見つかり、母親(ヤオ・ヤンヤン)が呼び出されるというのが毎回のパターンでした。フルタイムの仕事を持ち、現在妊娠中で大きなお腹をした母は、ジャールーの頑固さにもううんざり。ジャールーの送り迎えと家事のために、フィリピン人のメイドを雇うことにします。

 

(C) 2013 SINGAPORE FILM COMMISSION, NP ENTERPRISE (S) PTE LTD, FISHEYE PICTURES PTE LTD

ジャールーの父親(チェン・ティエンウン) に連れられてやってきたのは、テリーことテレサ(アンジェリ・バヤニ)でした。彼女も一児の母親なのですが、赤ん坊をフィリピンの家族に預け、経済的な理由からシンガポールにアマさん(家政婦)としてやってきたのです。そのテレサに、ジャールーはことごとく反発します。自分の部屋に彼女が一緒に寝ることになったのも気に入らなければ、かわいがってくれた祖父の遺影をまっすぐにしようとさわるのもしゃくにさわるジャールー。学校に迎えに来る彼女からは徹底的に逃げ回り、一緒に買い物に行けば未精算の品物を彼女の袋に入れて万引き者と店の人に思わせる始末。テレサはそれに対してまっすぐに怒り、ジャールーは初めて自分を対等に見てくれる人と出会った思いがします。やがてジャールーは、テレサと心を通わせ合うようになります。


(C) 2013 SINGAPORE FILM COMMISSION, NP ENTERPRISE (S) PTE LTD, FISHEYE PICTURES PTE LTD

そんなジャールーとテレサの関係を、複雑な思いで見つめる母。ジャールーに手を煩わされずに済むのはありがたいことながら、2人の親密な様子を見ていると面白くない思いが湧いてくるのです。しかしながら母には、職場でのストレス以外にも、父の離職、株での損失など、次々と問題が降りかかってきます。父もストレスを抱えており、結婚時に約束した禁煙をこっそり破ってしまって、それがまた問題を引き起こします。バラバラになりそうな危うい家族関係の行く末は、そしてテレサの運命は....?

 

(C) 2013 SINGAPORE FILM COMMISSION, NP ENTERPRISE (S) PTE LTD, FISHEYE PICTURES PTE LTD

1997年は、香港が中国に返還された年(中国側から言うと、香港が中国に回帰した年)として記憶されていますが、その直後に起こったアジア経済危機、正確に言うとアジア通貨危機の年として、東南アジア諸国には忘れられない年でした。タイを震源地とした通貨下落は、タイ、韓国、インドネシアの経済に大きな打撃を与え、さらにマレーシア、シンガポール、フィリピンなどにも影響を与えました。そういった厳しい経済状況の中、母親の職場では解雇される人が続出、一方で強化ガラス会社の営業マンだった父はクビになり、再就職もままなりません。母も父も神経をすり減らし、追いつめられた気分で毎日を過ごしており、とても息子のことにまで思いを巡らせることができない状況なのです。


(C) 2013 SINGAPORE FILM COMMISSION, NP ENTERPRISE (S) PTE LTD, FISHEYE PICTURES PTE LTD

映画には当初登場人物たちの不機嫌さが充満し、特に父と母には笑顔のシーンがまったくありません。そこへテレサという異物が混入されることで、少しずつ登場人物たちの気持ちに変化が起きてくるのが、この作品の見どころとなっています。とは言っても、テレサが天使のような存在として描かれるのではなく、彼女自身も「はい、奥様」と作り笑いを浮かべながら裏では勝手に女主人の化粧品を使ったり、こっそりアルバイトをしたりと、二面性を持つ普通の人間として描写されています。それでもテレサは、「こういうのって、おかしい」というフェアなモラル感覚を持っており、それが登場人物たちを徐々に変えていくのです。

(C) 2013 SINGAPORE FILM COMMISSION, NP ENTERPRISE (S) PTE LTD, FISHEYE PICTURES PTE LTD

一番の変化を見せるのがジャールーで、最初、こんなどうしようもない子が主人公なの?と思わせられたその顔が、だんだん可愛く見えてくるからあら不思議。10ヶ月かけて2,000人の候補者の中から選ばれたというコー・ジャールー君、なかなかの役者です。テレサ役のフィリピン女優アンジェリ・バヤニもさすがベテラン女優だけあって、安定したテレサ像を作り上げています。さらに素晴らしいのが母親役のヤオ・ヤンヤンで、『881 歌え!パパイヤ』(2007)のビッグ・パパイヤとは全く違う顔を見せて、不機嫌な妊婦を好演。それもそのはず、実は彼女は実際に妊娠している時にこの映画に出演、ラストの出産シーンは彼女のリアルの出産を撮ったものだそうです。しんどそうな表情は、演技ではなかったのかも知れません。


(C) 2013 SINGAPORE FILM COMMISSION, NP ENTERPRISE (S) PTE LTD, FISHEYE PICTURES PTE LTD

本作の脚本も担当したアンソニー・チェン監督ですが、自分の子供時代の体験が元になっているそうで、4歳から12歳までの8年間家にいたフィリピン人のメイドさんがフィリピン中部パナイ島のイロイロ市出身だったことから、英語題名を「ILO ILO」にしたのだとか。チェン監督は1984年4月18日生まれですから、1997年の経済危機当時は13歳。ジャールーよりちょっぴり年上だったわけですが、当時流行ったゲーム「たまごっち」など、各所に自身の記憶が再現されているようです。これが長編劇映画第1作というチェン監督、初監督作品でカンヌ国際映画祭新人監督賞を筆頭に、台湾金馬奨の作品賞・新人監督賞など4部門、東京フィルメックスの観客賞等々、様々な賞を受賞しており、今後の活躍が最も期待されるシンガポール人監督となりました。


(C) 2013 SINGAPORE FILM COMMISSION, NP ENTERPRISE (S) PTE LTD, FISHEYE PICTURES PTE LTD

シンガポールが舞台となっていますが、世界中の家族に通じる普遍的な物語『イロイロ ぬくもりの記憶』。「人生には、あなたを救ってくれる出会いがある」というキャッチコピーそのままに、この作品も誰かを救う存在となるに違いありません。


11月の南インド映画上映会のお知らせ

$
0
0

ちょっと期日が迫ってしまったのですが、今月もマラヤーラム語とタミル語映画の上映会があります。当初同日に予定されていたのが、うまい具合に片方が次の週に移り、ファンの皆様には2週続けて南インド映画が楽しめる11月となりました。情報をお寄せ下さったのは、いつものようにPeriploさんです。


『雨』 予告編 
(2014/マラヤーラム語/150分/原題:Varsham/英語字幕付)
 監督:ランジート・シャンカル
 主演:マンムーティ、アーシャ・シャラト、マムタ・モーハンダース


■日時:2014年11月15日(土)午後2時~
■会場:千葉県市川市イオンシネマ市川妙典
■料金:大人2,200円
■主催者公式FB(英語)
Periploさんの紹介ページ。予約方法などもこちらでどうぞ。


マラヤーラム語映画界では、モーハンラールと人気を二分するマンムーティの主演作です。ここのところモーハンラール主演作の上映が続きましたから、マンムーティ・ファンはやきもきなさっていたのでは? ハイティーンの息子のお父さん役みたいですが、ちょっとシリアスそうなストーリーなので、彼の名演技がたっぷり見られるのでは、と思います。ちなみに、マンムーティって誰?と思っている方は、ラジニカーント主演作『ダラパティ 踊るゴッドファーザー』(1991)を見てみて下さいね。



『ナイフ』 予告編 

(2014/タミル語/165分/原題:Kaththi/英語字幕付き)
 監督:A.R.ムルガーダース
 主演:ヴィジャイ、サマンタ・ルス・プラブ、ニール・ニティン・ムケーシュ

 

■日時:2014年11月23日(日) 午後1時~
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ・彩の国Visual Plaza
■料金:大人2,200円
■主催者公式FB(英語) 
Periploさんの詳しいご紹介ページ。予約方法などもこちらでどうぞ。

A.R.ムルガーダース監督はタミル語版スーリヤ主演『ガジニ(Ghajini)』(2005)、ヒンディー語版アーミル・カーン主演『ガジニ(Ghajini)』(2008)、そしてヴィジャイ主演の『拳銃(Thuppakki)』(2012)などを監督した人。作る作品がヒットする上、多くの賞にノミネートされ、さらには他言語でリメイクもされるという人気監督です。『拳銃』もベンガル語とヒンディー語にリメイクされています。


サマンタ・ルス・プラブは、『マッキー』(2012)の主演女優としてお馴染みですが、ニール・ニティン・ムケーシュもボリウッド映画ファンなら『ニューヨーク(New York)』(2009)でジョン・アブラハムとカトリーナ・カイフとの3人主演を務めた男優としてご存じですね。お父さんは有名なプレイバック・シンガーのニティン・ムケーシュ、さらにお祖父さんは超・超有名なプレイバック・シンガーのムケーシュ、という人ですが、ある映画賞の授賞式で司会者のシャー・ルク・カーンから、「君の姓は一体何なの?」とジョークを振られてマジで抗議してしまい、会場を白けさせたことも。あれ以来、ちょっとボリウッドでの人望がダウン気味....。南インド映画で人気を盛り返せるか? 要注目です。



『ミルカ』公式サイト正式オープン!

$
0
0

お待たせしました、これまでメインのヴィジュアルだけだったインド映画『ミルカ』の公式サイトが正式にオープンしました。まずはこちらをどうぞ(選択バーが出てこない時は最新キャッシュを読み込ませて下さい)。


「作品情報」「プロダクションノート」「キャスト・スタッフ」が大判のスチールと共にじっくりと見られます。「ストーリーの背景解説」と「劇場情報」も間もなくアップされる予定です。あ、もちろん予告編も見られますよ。こちらはYouTubeで見られる予告編です。

『ミルカ』に出演したタレントの武井壮さんのツイート(11月7日)も話題になっていますね。武井さんは東京でのアジア大会のシーンで、日本人アスリートとして勇姿を見せています。予告編にも一瞬登場しますので、ぜひ見てみて下さい。なお、武井さんが『ミルカ』出演のためインドに赴いた時の武勇伝(?)がこちらにアップされています。『チェイス!』のゲスト来日時にちらとお顔を拝見しましたが、精悍でかつしなやかそうな体格の方でした。ミルカを演じたファルハーン・アクタルとのツーショットとか、見てみたいですね~。

ではまずは、公式サイトで『ミルカ』をご堪能下さい。


 

Viewing all 2279 articles
Browse latest View live