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韓国映画続々公開

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韓国映画の試写状を次々といただいています。しかも、見たい作品や話題作がずら~り! 取り急ぎ、タイトルと基本情報だけお伝えしておきましょう。

 

『傷だらけのふたり』
 監督:ハン・ドンウク
 主演:ファン・ジョンミン、ハン・ヘジン
 配給・宣伝:アルシネテラン
4月4日(土)シネマート新宿、シネマート心斎橋他全国ロードショー

 

『群盗』
 監督・原作・製作:ユン・ジョンビン
 主演:ハ・ジョンウ、カン・ドンウォン、イ・ギョンヨン、イ・ソンミン
 配給:ツイン
 宣伝:菅野祐治
4月下旬シネマート新宿他全国順次ロードショー

 

『海にかかる霧』
 監督:シム・ソンボ
 主演:キム・ユンソク、パク・ユチョン、ハン・イェリ
 配給:ツイン
 宣伝:ザジフィルムズ」
4月TOHOシネマズ新宿他全国ロードショー

 

『私の少女』
 監督:チョン・ジュリ
 主演:ペ・ドゥナ、キム・セロン、ソン・セビョク
 配給:C.J.Entertainment Japan
 パブリシティ:上地智子、平井直子
GWよりユーロスペース、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー

 

『パイレーツ』
 監督:イ・ソクフン
 主演:キム・ナムギル、ソン・イエジン、ユ・ヘジン
 配給:ツイン
 宣伝:アルシネテラン
初夏、TOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー

『パイレーツ』は昨年の韓国映画興収第2位、『群盗』は第6位。昨年の東京フィルメックスで上映された『私の少女』に、SKIPCITY国際Dシネマ映画祭で上映された『傷だらけのふたり』、そしてポン・ジュノがプロデュースしたサスペンス作品『海にかかる霧』。すごいラインアップですね。おいおいに詳しくご紹介する予定ですので、しばらくお待ち下さいませ~。

 

 



2月のタミル語映画上映会

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南インド映画の上映会、今年の第1弾はタミル語映画です。早くも、2回分の上映会の予定が決まっています。今回も、Periploさんから情報をお寄せいただきました。Nandri!

『Yennai Arindhaal...』(2014/タミル語/意味:あなたが私を知っていれば...) 予告編


 監督:ガウタム・メーナン
 主演:アジット・クマール、トリシャー・クリシャン、アヌシュカ・シェッティ
■英語字幕付き
■日時:2015年2月11日(水・休)午後1時~
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ・彩の国Visual Plaza アクセス
■料金:大人2,400円
■主催者公式FB(英語) http://indoeiga.com/
■Periploさんの詳しいご紹介ページ。予約等の情報もそちらでご覧下さい。

『マダム・イン・ニューヨーク』(2012)のタミル語版で、ヒンディー語版のアミターブ・バッチャンにあたる役をしていたアジット・クマール。アミターブよりも「ヘンなおじさん」度が低くて、私的には好みでした。今回年を調べてみてびっくりしたのは、何と1971年生まれで、まだ43歳! もっと年上に見えますねー。確か『アショーカ王』(2001)ではシャー・ルク・カーンのお兄さん役をしていたように思いますが、若い頃から貫禄ありすぎだったとも言えます。これも今回調べてみてわかったのですが、ずっと「アジート・クマール」だと思っていたら、タミル語表記は「アジト・クマール」だったので、今回はPeriploさんの標記に倣って「アジット・クマール」にしました。


映画に関してはPeriploさんのご紹介を見ていただくとして(とはいえ、封切られたばかりでストーリー情報なども不完全のようです)、もう一つ余談を。この1月からやっとパソコンをウィンドウズ8.1に変えたのですが、不満だらけの使い勝手の中で、一つだけチョー便利なツールを発見しました。Wikiの言語が瞬時に変わるのです。たとえば、この作品の英語版紹介ページから、左手一番下にある言語「タミル」を選択すると、瞬時にタミル語版に変わります。ほかにインドネシア語版とマレー語版があるのは、タミル語映画作品ならではですが、これまでヒンディー語やタミル語のWikiを苦労して探していたのがウソのように便利です。ただし、インド諸語の版は簡単で、時として間違いがある、というのが難点ですけどね。ヒンディー語をお勉強中の方は、たとえば今上映中の『ミルカ』の英語版Wikiヒンディー語版Wikiを見比べて、ヒンディー語学習にお使いなるなど、いろんなことができますよ~。


 

『Anegan』(2015/タミル語/意味:多変化人間) 予告編

 監督:K.V.アーナンド
 主演:ダヌシュ、カールティク、アマイラー・ダストゥール(タミル語表記では「ダーストゥールになっていますが、正しくはこちら)、アイシュワリヤ・デーヴァン、アーシーシュ・ヴィデャールティー
■英語字幕付き
■日時:2015年2月22日(日)午後2時~
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ・彩の国Visual Plaza アクセス
■料金:大人3,000円
■主催者公式FB(英語) http://celluloidjapan.com/
■Periploさんの詳しいご紹介ページ。予約等の情報もそちらでご覧下さい。

Periploさんのご紹介ページにダヌシュの詳しい紹介がありますが、昨年のIFFJでの『ラーンジャナー』(2013)上映により、日本でもファンが増殖中とか。そうでしょう、そうでしょう。私が初めて彼を見たのは2003年の『Thiruda Thirudi(男の子、女の子)』(下の右端のポスター)だったのですが、貧相と言っていい肉体とご面相だったにもかかわらず、何とも言えない魅力があって、そのブルース・リーばりのアクションと共にすっかり気に入ったのでした。本作ではどうやら様々に変わる人間を演じるようで、予告編にもいろんな姿で登場しています。ダヌシュ・ファンは必見ですね!


本作のもう一つの注目ポイントは、かつての2枚目俳優カールティクの久々の出演。下左の写真でダヌシュと並んで写っていますが、1980&90年代は結構人気があった男優です。Periploさんがご紹介ページで触れておられるように、1999年6月17日に放送されたNHKの番組「地球に乾杯・歌って踊ればみんなハッピー~映画大国インドの素顔~」の中では、結構長いフッテージで紹介されました。ちょうどウーティーでダンスシーンのロケをしていたので、その主演男優として登場したのです。その後21世紀になるとあまり名前を聞かなくなったので、どうしたのかな~、と思っていたところでした。予告編を見ると、結構若々しいですね。


 ところで、ダヌシュ・ファンならチェックしておきたい作品がもう一つ。『マダム・イン・ニューヨーク』のガウリ・シンデー監督の夫であるバルキ監督の最新作『Shamitabh(シャミターブ)』です。かのアミターブ・バッチャンと共演、Yahoo!の映画評でも星3.5という高評価を受けているこの作品、本日2月6日よりインドで公開されており、どのぐらい興収を上げるか要注目です。予告編はこちらですが、どこかきちんとした配給さんが買って下さらないかな~、とダヌシュ日本デビューを夢見つつ、今年も南インド映画の上映会に期待したいと思います。

 

大阪アジアン映画祭ラインアップ決定!

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早耳でいらっしゃるせんきちさんのブログに、大阪アジアン映画祭で上映されるインド映画が決まったと出ていたので、早速公式サイトをのぞいてみました。今年の大阪アジアン映画祭は3月6日(金)~15日(日)、インド映画は、ディーピカー・パードゥコーン、アルジュン・カプール主演の『ファニーを探して(Finding Fanny)』(2014)です。

監督は、ホーミー・アドジャーニヤー(公式サイトでは「ホミ・アダジャニア」になっているのですが、できればこちらに直して下さいませ。インド諸語ローマナイズは時々実際の発音とは違っています)で、サイフ・アリー・カーン主演『サイラスとして(Being Cyrus)』(2006)やサイフ・アリー・カーンがディーピカーと共演した『カクテル(Cocktail)』(2012)を撮った人です。第1作も英語映画だったのですが、ゴアを舞台にした『ファニーを探して』も主として英語の作品になっているようです。予告編はこちら。以前に見て気に入った、主人公たちのけったいなMVはこちら


共演は、ディンプル・カパーディヤー、ナスィールッディーン・シャー(よく知られた名優ですが、『ハッピー・ニュー・イヤー(Happy New Year)』のヴィヴァーン・シャーのお父さんでもあります)、パンカジ・カプール(こちらも名優であり、先日『ハイダル(Haider)』でフィルムフェア賞の主演男優賞を獲ったシャーヒド・カプールのお父さんでもあります)という芸達者揃い。そして、何とランヴィール・シンまでゲスト出演しているというのですから、これはボリウッド映画ファンは必見です!

 

そのほかにも、台湾映画『軍中楽園』、韓国映画『国際市場』などなど、力作が勢揃い。また、「台湾:電影ルネッサンス2015」、「Special Focus on Hong Kong 2015」といった特集企画もあります。ぜひ公式サイトで詳しくチェックしてみて下さいね!

それにしても、今年のインド映画@日本はゴア・ブームの年なのでしょうか。『インド・オブ・ザ・デッド』というタイトルになった「ゴー・ゴア・ゴーン」も、原題の通りゴアが舞台。ホーミー・アドジャーニヤー監督の前作&前々作で主演をつとめたサイフ・アリー・カーンががんばっています。そして、それ以上にがんばっているのが、『インド・オブ・ザ・デッド』の公式ツイッター。もう抱腹絶倒、強気一辺倒、勘違い相当、というわけで、私は今やこのツイートで笑わないと1日が始まらない&終わらない状態に。これもひょっとして、ゾンビ化の一症状? フォロワーもどんどん増えて、ついに1000人突破!(『マダム・イン・ニューヨーク』の倍で、『きっと、うまくいく』を含む「ボリウッド4」のフォロワー数に迫りつつあります)『インド・オブ・ザ・デッド』ご紹介の時にまた詳しく言及しますが、興味を持たれた方はのぞいて見て下さいませ~~~。(最後はちょっと脱線....)

 

『ミルカ』萌え~<その9>歌おう『ミルカ』♪Zinda♪

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拙ブログへの「ミルカ・シン」あるいは「ミルカ・シン 陸上」などでの検索が、かなりの数で続いています。公開直後には200~300ぐらいの検索数があってびっくり。『ミルカ』は、見ればもっと知りたくなる映画なんですね。

『ミルカ』公式ツイッターにも皆さんの感想が続々アップされていますが、時々「歌がよかった!」という感想があって、それならサビ部分の歌詞をアップして、一緒に歌っていただこうと思い、2曲ご用意しました。まず今日は1曲目「Zinda/ジンダー/生きているなら」です。ヒンディー語の単語の下にはそれぞれの日本語訳が付けてあるのですが、倒置などもあり、全体の意味となるとちょっと「?」のところも。大体の意味しかわかっていただけないかも知れませんが、お許しを。


 (C)2013 Viacom18 Media Pvt. Ltd & Rakeysh Omprakash Mehra Pictures

♪Zinda/ジンダー/生きているなら 歌詞付き画像

ジンダー・ハイ・トー
Zinda  Hai  Toh
生きて いる としたら

ピャーラー・プーラー・バル・レー
Pyala  Poora  Bhar  Le 
(生という)器を 一杯に 満たせ

カンチャー・プーテー
Kancha Phoote
ラムネ玉を 割って

チューラー・カーンチ・カル・レー
Choora  Kaanch  Kar  Le 
破片を  ガラスに してしまえ

 

ジンダギー・カー・イエー・ガラー・レー
Zindagi  Ka  Ye  Ghada  Le
人生   の  この  瓶を  取れ

エーク・サーンス・メーン・チャラー・レー
Ek  Saans  Mein  Chadha  Le
ひと 息    で    持ち上げろ

ヒチュキヨーン・メーン・キャー・ハイ・マルナー
Hichkiyon  Mein  Kya Hai  Marna
しゃっくり/ためらいの 中で  死ぬのか?

プーラー・マル・レー
Poora  Mar  Le
完全に/全部 死んで しまえ


(C)2013 Viacom18 Media Pvt. Ltd & Rakeysh Omprakash Mehra Pictures 

コーイラー・カーラー・ハイ
Koyla  Kaala   Hai
石炭は  黒い

チャッターノーン・ネー・パーラー・ハイ
Chattanon  Ne  Paala  Hai 
岩      が       育てた

アンダル・カーラー・バーハル・カーラー
Andar  Kaala,  Baahar  Kaala
内部も  黒い  外側も  黒い

パル・サッチャー・ハイ・サーラー
Par  Sachcha  Hai  Saala  
だが 本物   だ  こいつは 

(繰り返し)
Koyla Kaala Hai
Chattanon Ne Paala Hai 
Andar Kaala, Baahar Kaala
Par Sachcha Hai Saala  

Zinda Hai Toh
Pyala Poora Bhar Le 
Kancha Phoote
Choora Kaanch Kar Le

(C)2013 Viacom18 Media Pvt. Ltd & Rakeysh Omprakash Mehra Pictures 

ウルジェー・キューン・パイローン・メーン・イエー・カーブ
Uljhe  Kyun  Pairon  Mein  Ye  Khwaab
もつれる なぜ 両足 に  この 夢は 

カドモーン・セー・レーシャム・キーンチ・デー
Kadmon  Se Resham  Kheench  De
歩み   から  絹を   引き離せ 

ピーチェー・クチュ・ナー・アーゲー・カー・ヒサーブ
Peeche Kuch  Na    Aage  Ka  Hisaab
後ろには 何も ない 前/将来 の 考え/計算も 

イス・パル・キー・キャーリー・シーンチ・デー
Iss  Pal  Ki  Kyaari  Seench  De
この 瞬間の  花壇に  水をやれ 


アーグ・ズバーン・ペー・ラク・デー
Aag  Zubaan  Pe  Rakh  De
火を   舌の 上に  置け 

ピル・チョート・ケー・ホーント・ビガーエーンゲー
Phir  Chot   Ke  Hoth  Bhigaayenge
それから 傷の  唇を 濡らすんだ 

ガーウ・グングナーエーンゲー
Ghaav  Gungunayenge
傷/心の痛みが ハミングする 

テーレー・ダルド・ギート・バン・ジャーエーンゲー
Tere   Dard  Geet  Bann  Jaayenge
お前の 痛みが  歌に   なる 

(繰り返し)
Zinda Hai Toh
Pyala Poora Bhar Le 
Kancha Phoote
Choora Kaanch Kar Le 

(C)2013 Viacom18 Media Pvt. Ltd & Rakeysh Omprakash Mehra Pictures 

歌詞はYouTubeにアップされた画像に合わせました。映画の中では少し違っています。歌詞の部分の字幕はかなり意訳してありますので、どんな字幕になっているか、ぜひ画面でご確認下さいね。ミルカの公式サイトはこちらです。

 

『女神は二度微笑む』の迷宮<3>ナワちゃん

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『ミルカ』の応援に熱くなっていたら、『女神は二度微笑む』公開まであと2週間を切ってしまっていました。女神様、すみません。と、女神様にあやまるふりをしつつ(どーも最近、『インド・オブ・ザ・デッド』の公式ツイッターばかり見ているせいか、そのノリに感化されてきてしまって....)、今日は私の大・大好きな俳優ナワーズッディーン・シッディーキーをご紹介したいと思います。


ナワーズッディーン・シッディーキー。名前が長い! 確かに憶えにくいですね。ということで、いつだったかツイッターで見かけた「ナワちゃん」を愛称にしてしまおうと思います。でも、あまりにナワちゃん、ナワちゃんと連呼するのもアレなので、名前の一部を取って、ここでは「ナワーズ」で呼ぶことにします。

すでにおわかりの方もいらっしゃると思いますが、「ナワーズッディーン・シッディーキー」はイスラーム教徒の名前です。「ナワーズ(愛を込めて大事にする、親切な)」+「ウッディーン(冠詞+ディーン=信仰というような意味?)」+「シッディーク(大変正直な、誠実な)+イー(~の人?)」というような意味の名前なので、「ナワーズ」と呼んでも失礼にはあたりません。

そのナワーズですが、詳しいプロフィールは公式サイトをご覧いただくとして、1974年5月19日生まれなのですでに40歳。しかしながら、本格的にブレイクしたのは『女神は二度微笑む』(2012)以降なので、ながーい間下積み時代があったわけですね。とりあえず、出演作品一覧を書いておきましょう。『デーウD』以前の作品は、ほとんどが端役出演です。

1999年 『Sarfarosh(命をかけて)』~アーミル・カーン主演作
     『Shool(三叉矛)』
2003年 『Munna Bhai M.B.B.S.(医学生ムンナー・バーイー)』~『きっと、うまくいく』のヒラーニー監督作 
     『The Bypass(バイパス)』~短編の名作。『めぐり逢わせのお弁当』で共演したイルファーン・カーンとここでも共演
2004年 『Black Friday(暗黒の金曜日)』
2007 年 『Ek Chalis Ki Last Local(1時40分の最後の鈍行)』
2007 年 『Aaja Nachle(おいで、踊ろう)』 ~マードゥリー・ディークシト主演作
2008年 『Black & White(黒と白)』
2009 年 『Firaaq(別離)』 
2009 年 『New York(ニューヨーク)』~ジョン・アブラハムとカトリーナ・カイフ主演のヒット作
2009年 『デーウD』(大阪アジアン映画祭で上映)~歌のシーンの芸人役で注目される
2010 年 『Peepli Live(ピープリー村よりライブ中継)』~ジャーナリスト志望青年役で注目される
2011 年 『Dekh Indian Circus(インディアン・サーカスを見ろ)』
2012年 『女神は二度微笑む』~一挙にブレイク!
     『血の抗争Ⅰ・Ⅱ』(アジアフォーカス・福岡国際映画祭で上映)~Ⅱの主演
     『Chittagong(チッタゴン)』
     『Talaash(捜査)』~アーミル・カーン主演作
     『Patang(凧)』
     『Miss Lovely(ミス・ラブリー)』
2013年 『Aatma(魂)』
     『Shorts(短編映画)』~短編5本のオムニバス映画
     『めぐり逢わせのお弁当』
     『Monsoon Shootout(モンスーン銃撃戦)』
     『Bombay Talkies(ボンベイ・トーキーズ)』~オムニバス4作のうち1作に主演
     『ライアーズ・ダイス』(なら国際映画祭で上映)
2014年 『Kick(キック)』~サルマーン・カーン主演作

(ブログでは頭揃えとかができず、見にくくてすみません)


端役から、『女神は二度微笑む』で一挙にブレイクできたのはなぜか? それは、役柄なんですね。それまでは、目立たない役で、しかもショボいキャラクターばかりだったのです。確かに、農村の出身でどちらかというと田舎顔、そして小柄、というナワーズの外見からすれば、仕方がないことです。でも、彼はその中で演技力を養い、映画への理解を深めてきたのでした。

『女神は二度微笑む』へのステップとなったのは、2009年の『デーウD』と、2010年の『Peepli Live(ピープリー村よりライブ中継)』です。『デーウD』では役名もない芸人でしたが、エリヴィス・プレスリーもどきみたいなパフォーマンスをする、存在自体が人目を引くキャラクターで、「誰だ? こいつ」みたいな注目を集めることになりました。続いて2010年の『Peepli Live(ピープリー村よりライブ中継)』では、セリフもたくさんある「脇役」を演じて、これも注目されました。『めぐり逢わせのお弁当』(2013)にナワーズを起用したリテーシュ・バトラ監督は、この映画を見て彼が印象に強く残り、出演を依頼したそうです。リテーシュ・バトラ監督にインタビューした時、「イルファーン・カーンと共演した『The Bypass(バイパス)』をご覧になっていて、それでナワーズッディーン・シッディーキーを起用なさったのですか?」と尋ねたら、そういう答えが返ってきました。


こんなホップ・ステップはあったのですが、一挙に「ジャ~~~ンプ!」となった『女神は二度微笑む』は、「脇役」どころか「準主役」と言ってもいいキャラクターです。しかも、アメリカのCIAにあたる情報局の指令本部次長であるA.カーン。字幕では「カーン警視」と訳してあります。切れ者なのですが、強面で強引、本部長にも楯突く横紙破り。ニコチン中毒かと思うぐらいタバコを吸い、居丈高で傍若無人に振る舞う。ヒロインであるヴィディヤに命令し、彼女を助ける警官ラナを怒鳴り飛ばす。こんな権力を持ったエリートの役は、ナワーズの俳優人生で初めてでした。ところが、彼はそれを見事に演じ切ったのです。

ここまでに使ったスチールをご覧になれば、『めぐり逢わせのお弁当』をご覧になった方は「別人みたい!」と思われたことでしょう。そうなのです、あの小ずるくて人のいいシャイクとは、180度印象が違います。でも『女神は二度微笑む』がヒットした後も、ナワーズにオファーされる役柄は相変わらず「小人物」ばかり。地方のヤクザの二代目とか、田舎から出てきた男とか、ワケありのワルとか、娼婦街の下働きとか。キャスティング・ディレクターの目は節穴か、と思いますが、それだからこそ、『女神は二度微笑む』のナワーズは輝いて見えるのです。キレッキレのナワーズの演技、ヴィディヤー・バーランとの火花を散らす演技対決などなど、『女神は二度微笑む』には見どころがいっぱいです。ナワーズ・ファンはもちろんのこと、ファン以外の方にも見応え200%。ぜひご自分の目で確かめてみて下さい。


余談ながら、私のパソコンの待ち受け画面は上の写真です(職権乱用で、配給元のスカイウェイさんからいただいたスチールを使ってしまいました^^)。毎朝「ナワちゃん、おはよう~」で1日が始まり、夜シャットダウンする時は「ナワちゃん、おやすみ~」と夜中の2時頃布団に入る毎日。『女神は二度微笑む』で、日本でもナワーズがブレイクしてほしいです! 『女神は二度微笑む』は、2月21日(土)から、渋谷ユーロスペースにて公開です。

 

 

2015年アジア映画公開予定作

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このブログの毎年恒例、「キネマ旬報」2015年2月下旬決算号をもとにした、今年公開予定のアジア映画です。同誌の「2015年 劇場公開予定作品ラインナップ<外国映画>」がネタ元で、今年も配給会社別になっている一覧を地域別に整理し、公開予定順に並べました。監督名・キャスト名は上記の記事に入っているものに、少し補足してあるものがあります。ちょっと数が多いのですが、一挙に掲載してしまいます。

<韓国映画>


『君に泳げ!』 (2013/韓国) 公式サイト
  監督:チョ・ヨンソン
  主演:イ・ジョンソク、ソ・イングク、クォン・ユリ、パク・チョルミン
  配給会社:NBCユニバーサル・エンターテインメント
  公開予定:2月28日(土)

『傷だらけのふたり』 (2014/韓国)
  監督:ハン・ドンウク
  主演:ファン・ジョンミン、ハン・ヘジン
  配給会社:アルシネテラン
  公開予定:4月4日(土)

『群盗』 (2014/韓国/原題:群盗 民乱の時代)
  監督:ユン・ジョンビン
  主演:ハ・ジョンウ、カン・ドンウォン、イ・ギョンヨン、イ・ソンミン
  配給会社:ツイン
  公開予定:4月下旬

『海にかかる霧』 (2014/韓国) 公式サイト 
  監督:シム・ソンボ
  主演:キム・ユンソク、パク・ユチョン、ハン・イェリ
  配給会社:ツイン
  公開予定:4月

『私の少女』 (2014/韓国) 公式サイト 
  監督:チョン・ジュリ
  主演:ペ・ドゥナ、キム・セロン、ソン・セビョク
  配給会社:C.J.Entertainment Japan
  公開予定:GW

『国際市場で逢いましょう』 (2014/韓国/原題:国際市場) 公式ツイッター
  監督:ユン・ジェギュン
  主演:ファン・ジョンミン、キム・ユンジン、オ・ダルス、チョン・ジニョン
  配給会社:C.J.Entertainment Japan
  公開予定:5月16日(土)

『For the Emperor(英題)』 (2014/韓国/原題:)
  監督:パク・サンジュン
  主演:イ・ミンギ、パク・ソンウン、イ・テイム
  配給会社:彩プロ
  公開予定:初夏

『パイレーツ』 (2014/韓国/原題:海賊;海に行った山賊)
  監督:イ・ソクフン
  主演:キム・ナムギル、ソン・イエジン、ユ・ヘジン
  配給会社:ツイン
  公開予定:初夏

『The Devine Move(原題)』 (2014/韓国/原題:神の一手)
  監督:チョ・ボムグ
  主演:チョン・ウソン、イ・ボムス、アン・ソンギ、キム・イングォン
  配給会社:ツイン
  公開予定:初夏

『Youth(原題)』 (2014/韓国/原題:レディーアクション青春) 
  監督:キム・ジンム
  主演:ドンヘ、ナム・ジヒョン、ソン・スヒョン
  配給会社:ツイン
  公開予定:初夏

『Detective K2』 (2015/韓国/原題:朝鮮名探偵2~消えた日雇いの娘~)
  監督:キム・ソギュン
  主演:キム・ミョンミン、オ・ダルス、イ・ヨニ
  配給会社:ツイン
  公開予定:初夏

『Confession(原題)』 (2015/韓国/原題:良い友達)
  監督:イ・ドユン
  主演:チソン、チュ・ジフン、イ・グァンス
  配給会社:ツイン
  公開予定:夏

『My Brilliant Life(原題)』 (2014/韓国/原題:ドキドキ私の人生)
  監督:イ・ジェヨン
  主演:カン・ドンウォン、ソン・ヘギョ、チョ・ソンモク、パク・イルソプ
  配給会社:ツイン
  公開予定:年内

『大犬どろぼう完全計画(仮題)』 (2014/韓国)
  監督:キム・ソンホ
  主演:キム・ヘジャ、チェ・ミンス、カン・ヘジョン、イ・レ、イ・チョニ
  配給会社:ファインフィルムズ
  公開予定:夏

『無頼漢(原題)』 (2015/韓国)
  監督:オ・スンウク
  主演:キム・ナムギル、チョン・ドヨン
  配給会社:ファインフィルムズ
  公開予定:晩秋

『One on One』 (2014/韓国) 公式サイト
  監督:キム・ギドク
  主演:マ・ドンソク、キム・ヨンミン、イ・イギョン
  配給会社:太秦
  公開予定:年内

<中国・香港・台湾映画>

『スペシャルID 特殊身分』 (2013/中国=香港/原題:特殊身份 SPECIAL ID) 公式サイト  
 監督:霍耀良(クラレンス・フォク)
 出演:甄子丹(ドニー・イェン)、安志杰(アンディ・オン)、景甜(ジン・ティエン)、鄭中基(ロナルド・チェン)
 配給会社:彩プロ
 公開予定:2月21日(土)

『妻への旅路』 (2014/中国/原題:帰来)
  監督:張芸謀(チャン・イーモウ)
  主演:鞏俐(コン・リー)、陳道明(チェン・ダオミン)、張慧雯(チャン・ホイウェン)
  配給会社:ギャガ
  公開予定:3月6日(金)

『アイスマン』 (2014/中国・香港/原題:冰封:重生之門)
  監督:羅永昌(ロー・ウィンチョン)
  出演:甄子丹(ドニー・イェン)、王宝強(ワン・パオチャン)、黄聖依(ホアン・ジェンイー/エヴァ・ホアン)、任達華(サイモン・ヤム)
  配給会社:ツイン
  公開予定:3月7日(土)

『ドラゴン・フォー3』 (2014/中国・香港/原題:四大名捕之大結局)
  監督:陳嘉上(ゴードン・チャン)
  出演:超(ドン・チャオ)、劉亦菲(リウ・イーフェイ)、鄒兆龍(コリン・チョウ)
  配給会社:ツイン
  公開予定:3月7日(土)

『ゴッド・ギャンブラー ―レジェンド―』 (2014/中国・香港/原題:賭城風雲)
  監督:王晶(バリー・ウォン)
  出演:周潤發(チョウ・ユンファ)、謝霆鋒(ニコラス・ツェー)、杜汶澤(チャップマン・トー)
  配給会社:ツイン
 公開予定:3月7日(土)

『唐山大地震』 (2010/中国/原題:唐山大地震) 公式サイト
    監督:馮小剛(フォン・シャオカン)
  主演:徐帆(シュイ・ファン)、張静初(チャン・チンチュー)、李晨(リー・チェン)、陳道明(チェン・ダオミン)
  配給会社:松竹メディア事業部
  公開予定:3月14日(土)

『恐怖分子 デジタルリマスター版』 (1986/台湾/原題:恐怖份子)
  監督:楊徳昌(エドワード・ヤン)
  主演:繆騫人(コラ・ミャオ)、李立群(リー・リーチュン)、金士傑(チン・シーチェ)
  配給会社:コピアポア・フィルム
  公開予定:3月14日(土)

『20歳よ、もう一度(原題)』 (2015/中国・韓国・台湾/原題:重返20歳) 
  監督:陳正道(レスト・チェン)
  主演:楊子[女册](ヤン・ズーシャン)、鹿[日含](ルハン)、陳柏霖(チェン・ボーリン)
  配給会社:C.J.Entertainment Japan
  公開予定:6月

『The Monkey King』 (2014/中国・香港/原題:西遊記之大鬧天宮)
  監督:鄭保瑞(ソイ・チェン)
  主演:甄子丹(ドニー・イエン)、周潤發(チョウ・ユンファ)、郭富城(アーロン・クォック)、何潤東(ピーター・ホー)
  配給会社:ツイン
  公開予定:初夏

『香気(原題)』 (2014/中国)
  監督:曾翠珊(ツァン・ツイシャン)
  主演:パク・シフ、陳燃(チェン・ラン)
  配給会社:ファインフィルムズ
  公開予定:初夏

『遙かなる家(仮題)』 (2014/中国/原題:家在水草豊茂的地方)
  監督:李睿[王君](リー・ルイジン)
  主演:湯龍(タン・ロン)、グォ・ソンタオ
  配給会社:マジックアワー
  公開予定:初夏

『共犯(原題)』 (2014/台湾/原題:共犯)
  監督:張榮吉(チャン・ロンジー)
  主演:巫建和(ウー・チエンホー)、育凱(トン・ユイカイ)、鄭開元(チェン・カイユアン)
  配給会社:ザジフィルムズ/マクザム
  公開予定:夏

『The Assasin』 (2015/台湾/原題:■隠娘)
  監督:侯孝賢(ホウ・シャオシェン)
  主演:舒淇(スー・チー)、張晨(チャン・チェン)、妻夫木聡
  配給会社:松竹メディア事業部
  公開予定:秋


<インド映画>

『女神は二度微笑む』 (2012/インド/原題:Kahaani) 公式サイト
  監督:スジョイ・ゴーシュ
  主演:ヴィディヤー・バーラン、ナワーズッディーン・シッディーキー
  配給会社:ブロードウェイ
  公開予定:2月21日(土)

『フェラーリの運ぶ夢』 (2013/インド/原題:Ferrari Ki Sawari) 公式サイト
  監督:ラジェシュ・マブスカル
  主演:シャルマン・ジョシ、ボーマン・イラニ、リトウィク・サホレ
  配給会社:インド総研/ニュー・シネマ・スタンダード
  公開予定:2月21日(土)

『Margarita, with a Straw(英題)』 (2014/インド)
  監督:ショナリ・ボース
  主演:カルキ・ケクラン(コーチリン)、リバティ、ウィリアム・モーズリー
  配給会社:彩プロ
  公開予定:年内


<その他>

『リベンジ・オブ・ザ・グリーン・ドラゴン』 (2014/アメリカ/中文題:青龍復仇)
  監督:劉偉強(アンドリュー・ラウ)、盧弘軒(アンドリュー・ロウ)
  主演:ジャスティン・チョン、レイ・リオケッタ、ケヴィン・ウー
  配給会社:AMGエンタテインメント/武蔵野エンタテインメント
  公開予定:5月

『サイの季節』 (2012/イラク・トルコ/原題:Rhino Season / Fasle Kargadan ha)
  監督:バフマン・ゴバディ
  主演:モニカ・ベルッチ、ベヘルーズ・ヴォスギー、ユルマズ・エルドガン
  配給会社:エスパース・サロウ
  公開予定:夏

『The President(原題)』 (2014/グルジア・フランス・UK・ドイツ) 公式サイト
  監督:モフセン・マフマルバフ
  主演:ミシャ・ゴミアシュウィリ、ダチ・オルウェラシュウィリ、ラ・スキタシュウィリ
  配給会社:シンカ
  公開予定:年内

ここにリストアップされていない作品でも、例えば『インド・オブ・ザ・デッド』のように公開されるものがたくさんあります。その時々で発表される公開情報、どうぞお楽しみに。今年も、映画館でアジア映画をいっぱいご覧になって下さいね。(とはいえ、シネマート六本木が6月14日で閉館してしまうなど、アジア映画にとっては前途多難な年になるかも....)



『ミルカ』萌え~<その10>歌おう『ミルカ』♪Bhaag Milkha Bhaag♪

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『ミルカ』の歌、今日は主題歌です。映画の原題と同じタイトルのこの歌、「Bhaag Milkha Bhaag(走れ、ミルカ、走れ)」は、最初、メルボルン・オリンピックで惨めな敗北を喫したミルカが、国家チームのコーチであるランヴィールにラダックで特訓を受ける場面で登場します。その後何度か細切れに使われ、そして最後のエンド・クレジットの画面で長く使われています。今回アップした歌詞は、ここにリンクした画像に合わせました。


  (C)2013 Viacom18 Media Pvt. Ltd & Rakeysh Omprakash Mehra Pictures

♪Bhaag Milkha Bhaag/バーグ・ミルカ・バーグ/走れ、ミルカ、走れ♪  画像 

<セリフ>ミルカ「導師(グル・ナーナク)様、膝を屈せず走り切れますように」 

アレー・サンティー・マール・ラハー・サンサール
Arrey  Santi  Maar  Raha  Sansaar
おお  棒で たたいて いる  世界は 

アブ・トゥー・アーネー・デー・ラルカール
Ab  Tu  Aane  De  Lalkaar 
今こそ お前は 来させろ 挑戦を 

テーリー・トー・バーヘーン・パトワール
Teri  To  Baahein  Patwaar
お前の(強調)  両腕は     船の舵 

カダム・ハイン・テーレー・ハーハーカール
Kadam  Hain  Tere  Haahakaar 
歩み ~だ  お前の  悲鳴 

テーリー・ナスナス・ローハー・タール
Teri   Nas-Nas  Loha  Tar
お前の 血管は  鉄(の) 線 

トゥー・ハイ・アーグ・ミルカ
Tu  Hai Aag  Milkha
お前は ~だ 火  ミルカ 

オー・バス・トゥー・バーグ・ミルカ
O  Bas  Tu   Bhaag  Milkha 
おお ただ お前は 走れ ミルカ 


アレー・チョール・デー・ビーテー・カル・キー・ボーリー
Arrey  Chhod  De  Beete  Kal Ki  Bori
おお 捨てて しまえ 過ぎた 昨日 の 袋は 

カート・デー・ラッシー・ストリー・ドーリー
Kaat  De  Rassi Sutli  Dori
切って しまえ 紐  紐  紐を 

トゥジュセー・プーチェーギー・イエー・マッティー
Tujhse   Poochhegi  Ye   Matti
お前に  尋ねるだろう  この  大地は 

カルケー・サーンス・サーンス・コー・バッティー
Karke  Saans  Saans  Ko   Bhatti
~して  息  息  を  炉に 

アブ・トゥー・ジャーグ・ミルカ
Ab  Tu  Jaag   Milkha
今 お前は 目覚めよ ミルカ 

バス・トゥー・バーグ・ミルカ
Bas  Tu  Bhaag  Milkha
ただ お前は 走れ ミルカ

 

  (C)2013 Viacom18 Media Pvt. Ltd & Rakeysh Omprakash Mehra Pictures 

<セリフ>ミルカ「オリンピックで裸足はダメですか?」 

  (C)2013 Viacom18 Media Pvt. Ltd & Rakeysh Omprakash Mehra Pictures  

トゥー・ジャーグ、ジャブ・トゥー・ジャーグ・ミルカ
Tu  Jaag,   Jab  Tu  Jaag  Milkha
お前は 目覚めよ ~の時 お前は 目覚めよ ミルカ 

トゥ-・ハイ・アーグ、トゥー・ハイ・アーグ・ミルカ
Tu  Hai  Aag,  Tu  Hai  Aag  Milkha
お前は ~だ 火 お前は ~だ  火  ミルカ 

 

(C)2013 Viacom18 Media Pvt. Ltd & Rakeysh Omprakash Mehra Pictures  

<セリフ>パキスタンのコーチ、ジャヴェード「君の最後のレースかも」
<セリフ>ミルカ「そう思って走る」  

バーグ・バーグ・バーグ
Bhaag Bhaag Bhaag
走れ 走れ 走れ 

バス・トゥー・バーグ・バーグ・バーグ
Bas  Tu  Bhaag Bhaag Bhaag
ただ お前は 走れ 走れ 走れ 


テーラー・トー・ビスタル・ハイ・マイダーン
Tera  To  Bistar  Hai Maidaan
お前の(強調)ベッドは ~だ グラウンド 

オールナー・ダルティー・テーリー・シャーン
Odna   Dharti   Teri   Shaan 
覆え    大地を  お前の  栄光 

テーレー・シルハーネー・ハイ・チャッターン
Tere   Sirhaane   Hai Chattan
お前の  枕は      ~だ    岩 

パハン・レー
Pehen Le
身にまとえ 

パハン・レー・プーラー・アースマーン
Pehen  Le   Poora  Aasmaan
身にまとえ   全   天空を 

トゥー・パグリー・バーンド・ミルカ
Tu  Pagdi  Baandh  Milkha
お前は ターバンを 巻け ミルカ 

トゥ-・アーグ・ミルカ
Tu  Aag  Milkha
お前は 火  ミルカ 


トゥー・ジャーグ、ジャブ・トゥー・ジャーグ・ミルカ
Tu  Jaag,   Jab  Tu  Jaag  Milkha
お前は 目覚めよ、~の時 お前は 目覚めよ ミルカ 

トゥ-・ハイ・アーグ、トゥー・ハイ・アーグ・ミルカ
Tu   Hai Aag,  Tu  Hai Aag  Milkha
お前は ~だ 火  お前は ~だ 火 ミルカ

(C)2013 Viacom18 Media Pvt. Ltd & Rakeysh Omprakash Mehra Pictures  

上映館が少なくなってしまっても、『ミルカ』は今日も走り続けます。バーグ・バーグ・バーグ・ミルカ!! 公式サイトはこちらです。


 

『フェラーリの運ぶ夢』のキーワード

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今週末の2月21日(土)より、『女神は二度微笑む』と同時にもう1本のインド映画『フェラーリの運ぶ夢』も公開となります。1.公開初日に雪が降る、2.公開日がバッティングする、というジンクスを今年もしっかり守ったインド映画ですが(そんなの、守らなくてよろしい!)、幸い今週末はお天気もいいようなので、この2本、ぜひお楽しみ下さい。『女神は二度微笑む』の公式サイトはこちら、『フェラーリの運ぶ夢』の公式サイトはこちらです。

『フェラーリの運ぶ夢』はこれまできちんとご紹介していなかったので、まずはデータをどうぞ。ストーリーはなかなかよく考えてあり、脚本も練られていて見応え十分。楽しみにしていただいていい作品です。

 

『フェラーリの運ぶ夢』 公式サイト
 2012年/インド/ヒンディー語/139分/原題:Ferrari Ki Sawari
 監督:ラジェシュ・マブスカル
 主演:シャルマン・ジョシ、ボーマン・イラニ、リトウィク・サホレ
 配給・宣伝:インド総研、ニューシネマ・スタンダード
2月21日(土)よりイオンシネマ市川妙典ほかイオンシネマにてロードショー

(C)Vinod Chopra Productions

愛称ルーシーことルスタム・ベーラム・デブー(シャルマン・ジョシ/『きっと、うまくいく』の時の表記はシャルマン・ジョーシー)は男やもめ。亡くなった妻との間の一人息子カヨゼ・ルスタム・デブー(リトウィク・サホレ)を育てながら、偏屈者の父ベーラム・デブー(ボーマン・イラニ)とも同居して、面倒を見ています。交通局で公務員として働きながら家事一切をこなすルーシーの欠点は、あまりにも正直者すぎること。正義の味方になることが使命と考えている好人物です。

カヨゼは小学生ながらクリケットがうまく、地元少年チームのキャプテンで強打者です。クリケットの聖地、イギリスのローズ競技場で行われる強化合宿参加者選抜の話が出た時も、カヨゼなら当然選ばれるだろう、という雰囲気だったのですが、問題は参加費用。15万ルピー(約30万円)という額は、薄給の父ルスタムにとってとうてい捻出できない金額でした。

父子共にあきらめようとしたところへ、降ってわいたような話が飛び込んできます。交通局によく顔を出すやり手の女性ウェディング・プランナー、バッブー(シーマー・パフワー)が、地元の顔役である議員の息子の結婚式に赤のフェラーリが調達できたら、15万ルピー出してもいい、と言うのです。「真っ赤なフェラーリ」と言えば、クリケットの超有名選手サチン・テンドゥルカルの代名詞ともなっている車。しかし、ルスタムにはサチン選手に会えるかも知れないコネがありました。そのコネを使うべくサチン選手の家に行ってみると、ひょうたんから駒が出て、あれよあれよという間にルスタムはトラブルのまっただ中に巻き込まれることになります....。

(C)Vinod Chopra Productions

この映画のキーワード、というか、それを知っているとこの映画がよりよく理解できることが3つあります。

1.パールシー

主人公一家はパールシーです。パールシーとは、イスラーム教がペルシア、今のイランに侵入した8世紀以降に、西インドの海岸に逃れてきたゾロアスター教徒(拝火教徒)の子孫のことです。現在インドには7万人程度のパールシーがおり、宗教的な規範を守って生活しています。パールシー人口の多いムンバイでは、ゾロアスター教の教会(寺院?)をよく見かけますが、本作のようにパールシーの人々がまとまって住んでいる地区もあり、独特の白い衣装を着て黒い帽子をかぶった老人などを見かけることがあります。

本作の主人公ルーシーことルスタムは、いつもパールシー教徒独特のモスリンのシャツ(スドラーとかスドレーと呼ばれる)を着て家事をしています。このシャツとクスティーと呼ばれる白い紐は、ゾロアスター教に入信した人が身につけることができるアイテムです。

また、「ルスタム」という名前もペルシア由来のもので、有名なペルシアの詩人フェルドゥスィーの書いた長編叙事詩「王書(シャー・ナーメ)」に登場する英雄ロスタムと同じ名前です。イメージとしては勇壮な名前なのですが、それがやさ男で心優しい主人公に付いているところがミソなのですね。割とポピュラーな名前というか、パールシーなら子供に付けたくなる名前なので、ラスト近くにそれを使ったギャグが出てきています。

祖父役のボーマン・イラニは、その姓「イラニ」、正しく音引きを付けると「イーラーニー」=「イランの人」からもわかるように、パールシーです。彼の実生活での息子は、『スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え!No.1!!』(2012)に出ていたカヨーズ・イラニですが、『フェラーリの運ぶ夢』ではカヨーズ(カヨゼ)は孫息子の名前になっているのが面白いですね。ボーマン・イラニは他にもパールシーを主人公にした作品によく出ており、アジアフォーカス・福岡国際映画祭で上映された『僕はジダン』(2007)もそんな1本でした。

(C)Vinod Chopra Productions

2.クリケットとサチン・テンドゥルカル

インドでの一番人気スポーツはクリケット、ということは、インド映画ファンの皆さんならよくご存じですよね。イギリスがもたらしたクリケットは、英連邦諸国ではいずこでも大人気。サッカーと同じように、クリケットのワールドカップは大いに盛り上がります。2011年のインド、スリランカ、バングラデシュで開催されたワールドカップでは、インドが見事優勝、ワールドカップ嵐が吹き荒れました。本年2015年のワールドカップは、オーストラリアとニュージーランドで開催されます。

インドには少し前からプロリーグができ、シャー・ルク・カーンやジュヒー・チャーウラーがオーナーの「コルカタ・ナイト・ライダーズ(Kolkata Knight Riders)」のように映画界とつながりを持つチームや、映画スターとの交際が報じられるクリケット選手などが出てきて、インド映画ファンもクリケットのチェックが必須になってきました。というか、映画と同じぐらいクリケットの好きなインド人向けに、これまでもクリケットを主題にした映画がたくさん作られているほか、映画の中でもクリケットの話題がよく登場しています。

そんな中で、2000年以降のボリウッド映画に一番多く登場したクリケット選手と言えばこの人、サチン・テンドゥルカルです。不完全ながら日本版Wikiもあり(カタカナ表記が間違ってますねー。正確に音引きを付けると「サチン・テーンドゥルカル」)、その元になったインド版Wikiではさらに詳しく解説されています。彼が出した記録を書いていると夜が明けるので、興味のある方はこのインド版Wikiを見て下さいね。

これまでにも『家族の四季』(2001)のお見合いシーン、『チェンナイ・エクスプレス』(2013)の冒頭のシーンなど、たくさんの映画で引用されてきたサチンですが、本作ではサチンの赤いフェラーリが準主役になっていることから、彼の名前もたびたび登場します。彼の人気のすごさを見せつけるシーンもあるのですが、さて、ご本人は登場するのでしょうか? それは、『フェラーリの運ぶ夢』をご覧になってのお楽しみ、ということにしておきましょう。下の写真は、2009年にハイダラーバードの文房具店で買い物をした時に品物を入れてくれた袋です。広告でも鉄板のサチン、子供たちがこの袋目当てに文房具を買いに来る姿が目に浮かびます。こう言っている私も、袋の違うバージョンほしさに二度買い物をしました(笑)。

 

3.『きっと、うまくいく』の従弟的作品

本作のプロデューサーは、『きっと、うまくいく』と同じヴィドゥ・ヴィノード・チョプラ。脚本にもかかわっていて、監督のラジェシュ・マブスカルと共に脚本にクレジットされています。そして、ラジェシュ・マブスカル監督は『きっと、うまくいく』の助監督の1人、さらに編集を担当しているのが、『きっと、うまくいく』の監督ラージクマール・ヒラニ、というように、『フェラーリの運ぶ夢』は『きっと、うまくいく』組が作った作品とも言えるのです。

出演者も『きっと、うまくいく』組が多く、主演のシャルマン・ジョシ(3バカの1人ラージュー役)、準主演のボーマン・イラニ(ウィルス学長役)はもちろんのこと、サチン・テンドゥルカル家の召使いモーハン役のアーカーシュ・ダーバーデーも情けない学生役で出演していましたし、クリケット用品店の店主役アチュト・ポートダルは「機械とは何ぞや?」と尋ねる大学の先生役で出ていた人です。『ラジュー出世する』(1992)とかいろんな映画で見かけるこの名脇役さん、御年80歳だとか!

(C)Vinod Chopra Productions

こんないろんなお楽しみが入った『フェラーリの運ぶ夢』、ちょっと劇場が遠いですが、南インド映画の上映もよくやっているシネコンですので、ぜひ足を運んでみて下さいね~。

 


ガチのアクションが面白い『スペシャルID 特殊身分』

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2月21日(土)はインド映画『女神は二度微笑む』と『フェラーリの運ぶ夢』の公開日、というのは、このブログ読者の皆様なら、もう耳タコ目タコでしょう。実はですね、その日もう1本、面白い映画が公開されるのです。それは、われらがドニーさんの映画『スペシャルID 特殊身分』。公開直前になってしまいましたが、その見どころをご紹介しましょう。まずはデータからどうぞ。

©2013 Beijing Starlit Film and TV Culture Ltd.co. 

『スペシャルID 特殊身分』  公式サイト  
 2013年/中国=香港/原題:特殊身份 SPECIAL ID
 監督:霍耀良(クラレンス・フォク)
 出演:甄子丹(ドニー・イェン)、安志杰(アンディ・オン)、景甜(ジン・ティエン)、鄭中基(ロナルド・チェン)
 提供:『スペシャルID 特殊身分』フィルムパートナーズ
 配給:彩プロ
 宣伝:フリーマン・オフィス
2月21日(土)より新宿武蔵野館他にて全国順次公開


©2013 Beijing Starlit Film and TV Culture Ltd.co.

香港警察の警官ロン(甄子丹/ドニー・イェン)は、喧嘩早くて普通の警官には向かないと判断され、上司のチャン警部(鄭中基/ロナルド・チェン)に命じられてヤクザ組織に潜入中。その腕っ節でボスのホン(鄒兆龍/コリン・チョウ)からも信頼を得たロンは、手下の起こしたトラブルで他の組のボスたち(盧惠光/ケネス・ロー、呉志雄/ン・チーホン)相手に大立ち回りを演じ、ホンを怒らせてしまいます。

そこへまたトラブルが発生。ホンの部下クンは、かつてロンが義兄弟の契りを交わしたサニー(安志杰/アンディ・オン)と組んで麻薬取引の仕事をしていたのですが、ある時クンが殺され、ブツがすべて奪われるという事件が起きてしまいます。ホンからサニーを探すよう命じられたロン、一方チャン警部も、クン殺し等でサニーを追っており、ロンは両方の意を受けてサニーのいる広東省南海市に潜入することに。

そこでロンは、「特殊身分」の人間として地元警察の全面的バックアップを受け、相棒として女性刑事のジン(景甜/ジン・ティエン)が配置されてきます。2人はギクシャクしながらも、協力してサニーの確保に動こうとしますが....。

©2013 Beijing Starlit Film and TV Culture Ltd.co.

今回のドニーさん作品の面白さは、アクションが「ガチ」であること。「リアル」と言い換えてもいいのですが、計算し尽くされた華麗なアクションではなく、現実の人間ならこう動くだろうな、というまんまのアクションが展開するのです。これは時にはカッコ悪く、笑いも誘います。しかしながら何とも言えぬ味わいがあり、戦う人間の痛さがこちらにビンビン伝わってくると共に、その地を這うような必死さが徐々に観客の血を熱くしていってくれるのです。

名場面はいくつもあるのですが、特に最初の方、マージャン店でロンと「泰國[イ老]」(ケネス・ロー)が繰り広げる1対1対決と、中盤でサニーの手下とロンがレストランで戦うシーン、そしてラスト、建設途中の高速道路でロンとサニーが戦う時のこれでもかこれでもかアクションが見応え300%。誰だ、こんな疲れるガチ・アクションを考え出したのは――って、もちろんアクション監督はドニー・イェンなので、ご本人ですね。それと、スタント・コーディネーターとしてクレジットされているのが谷垣健治さんなので、どうもみんなでワイワイと面白がってアクションを作り上げていった匂いがします。こういう面白い突然変異が出てくるから、香港のアクション映画は侮れません。


©2013 Beijing Starlit Film and TV Culture Ltd.co.

さらに、ロンの相棒となる女性刑事ジン(景甜/ジン・ティエン)も、華麗なアクションを見せてくれます。細身から繰り出す、「バレリーナ・アクション」とでも名付けたい長い足を生かしたアクションは、優雅さとキレを備えていて目を奪われます。特に、カースタントのシーンにご注目下さい。ジン・ティエン、楊紫瓊(ミシェル・ヨー)の後継者になれるかも知れません。

上に書いたキャストのほか、情けないヤクザの下っ端役で尹子維(テレンス・イン)が顔を出したり、ロンの母親役が鮑起静(パウ・ヘイチン)だったりと、何気に豪華な脇役が揃えてある『スペシャルID 特殊身分』ですが、中でも「スペシャル出演 特殊役柄」なのが中国映画の名優張涵予(チャン・ハンユ)。黒ずくめの格好に黒いサングラスの殺し屋(!)を演じるのですが、何だか「存在の耐えられない軽さ」という感じの役柄でした。何か深い事情があったのでしょうか? ドニーさんと賭けをして負けたとか、ドニーさんと共に製作者になっているカメラマンの鮑徳熹(ピーター・パウ)に借りがあるとか....。

 

©2013 Beijing Starlit Film and TV Culture Ltd.co.

まあ、ついそんなことまで想像したくなる、ユニークなアクション映画でした。アクション映画好き、香港映画好きを自認しておられる方はお見逃しなく。

それにしても、ケネス・ローはなぜいつも「泰國[イ老]」なの~、と思ってちょっと調べたら、ラオス生まれ(IMDbではカンボジア生まれ)の華僑で、今の国籍もラオスでした。それでタイ語も流暢にしゃべれるのですねー。そんなこんなで、とっても楽しめる作品です。

劇場サイトはこちらです(はにゃ? 「上映時間:1自家39分」って武蔵野館さ~ん)。週末にぜひどうぞ。あ、トニー・ジャー主演のタイ映画『マッハ!無限大』(2013)も同じ劇場で公開中ですが、ハシゴをなさる時は『マッハ!無限大』をお先にご覧になることをオススメします。なぜって...ムニャムニャ。えー、『マッハ!無限大』にはジージャーも出てます。(と、誤魔化す)

 


『女神は二度微笑む』の迷宮<4>コルカタに迷う

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『女神は二度微笑む』の主役は女優ヴィディヤー・バーランが演じる妊婦ヴィディヤですが、もう1人の主役は、間違いなくコルカタの街です。映画の舞台となるのはコルカタとデリー、そして、デリー近郊のファリーダーバードなのですが、デリーは国家情報局が出てくるだけ、また、ニューデリーの東南にあるファリーダーバードは、かつて国家情報局に勤めていたバジパイの家がちょっと出てくるだけ、というわけで、ほぼ全編舞台はコルカタと言っても差し支えありません。


最初に出てくるのは、コルカタ名物のメトロ(地下鉄)です。「コルカタ名物」と呼ぶのは、インドで最も早く誕生した地下鉄だからで、長い工事期間を経て1984年に開業しました。私も工事期間中に掘り返された道路に難渋したクチで、その次に開業後間もなく行った時には、真新しいステンレス車両に乗ってみました。その時は昼間だったせいか一般乗客より見物人が多く、席が空いているのに銀色の床に体育会座りをしている人々が目立ち、村から出て来た観光客かなあ、と思ったのを思い出します。

映画は冒頭、このメトロ内である事件が起きるのですが、映画の中盤では、予告編の最後に出てきたようにヴィディヤが男に突き落とされ.....という不気味な出来事も起こります。この時の駅カーリーガートは、中心街のマイダーン駅から南へ4つ目で、その名の通りカーリー寺院に行く最寄り駅です。カーリー女神の寺院はコルカタ観光名所の一つで、本作ではこのカーリー女神の神話が様々に姿を変えて物語の中に生かされています。詳しくお知りになりたい方は、劇場用パンフレットに掲載されている澁谷俊樹さん(慶應大学博士課程修了。ご本人は「インドお祭り研究家」と名乗ってらっしゃいますが、ベンガル地方の祭祀研究をしておられる研究者です)の文章をぜひお読み下さい。


導入部が終わると時間が2年後に飛び、いよいよヴィディヤの登場となるのですが、その前にコルカタの特徴を歌で説明しながらいろんな風景を見せていく、という秀逸な手法が取られています。下は、コルカタをベースに貧しい人々を助ける活動を行った修道女、マザー・テレサの壁画です。マザーの活動は、彼女亡き後他のシスターたちに引き継がれ、日本を始めとする世界各国からのボランティアに支えられて、力強く続いています。これも、世界に発信するコルカタの顔ですね。 

♪心も売ってる 華やかな街
♪希望と欲望の街 コルカタ
♪逃げても追ってくる街
♪コルカタは世界のすべて
♪パワフルで脆弱 新しくて古い
♪ホントのことだよ

歌の歌詞はヒンディー語なのですが、リフレイン部分はベンガル語で、「アミ(私は)・ショッティ(真実を)・ボルチ(言っている)」と歌っています。ヴィディヤがコルカタ空港に姿を現すまでに、コルカタの街の様子がいろいろ切り取られて登場しますが、その中にはあとで登場する、これもコルカタ名物の路面電車の姿も。二両連結の路面電車、昔と比べるときれいになりましたねー。


空港からヴィディヤは黄色い色が特徴的なコルカタのタクシーに乗って、カーリーガート警察署に出向きます。そして、そこで若い警官のラナ(パラムブラト・チャテルジー)と初めて顔を合わせ、その後ホテルまで送ってもらうのですが、そのホテルが「モナリザ」という名前で、実在するホテル(正確にはゲストハウス)なのです。外壁がユニークだしてっきり映画のためのセットかと思ったら、実際に稼働しているホテルだったとは。パンフレットの制作過程で、前述の澁谷さんの文章を読み、それを知った時にはびっくりしました。すでにコルカタに行って現地訪問をした方もあるようですが、映画がヒットしたせいかこのホテルはきちんとしたHPを作っていて、そこでホテルの様子を見ることができます。「ギャラリー」のページを付けておきましょう。


こうして、この物語はコルカタの「リアル」をつぶさに見せてくれます。もちろん、上の写真ハウラー橋のように観光名所も出てきますが、名もなき人々が早朝に身支度する姿や働く姿、街角の様子や下町の路地裏の光景など、普段着のコルカタが見られるのが大きな魅力となっています。ホウラー橋は、ラナが路面電車で帰宅する時に出てくるのですが、この帰宅シーンが秀逸です。あまり言うとネタバレになるので、とりあえずご覧になってみて下さい。


そして圧巻は、やはりドゥルガー・プージャーの場面。祭りの前に泥人形を作っているシーンから始まって、祭りの当日までを映画に見事に組み込んだストーリー展開は、心憎いばかり。実際のお祭りの雑踏の中で撮影するのはどんなに大変だったことか、と思いますが、それが抜群の効果を上げています。


このドゥルガー・プージャーに関しても、澁谷さんの文章の中に解説があり、なるほど泥人形にはそういう由来が、と納得できます。もちろん、ドゥルガー像のデザインについての説明も書いてありますので、一読なさってみて下さい。ただし、勘のいい方はストーリーの結末がわかってしまう怖れもあるので、パンフレットの澁谷さんの文章は映画をご覧になってからお読み下さいね。


このドゥルガー像の顔にも流行があって、1970年代は当時のトップ女優ヘーマー・マーリニーに似せた顔がずいぶんあったとか。私の友人は、「あれじゃ、ヘーマー・マーリニー・プージャーだよ」と嘆いていましたっけ。確かに、いろんな顔があって、上の写真と下の写真では結構印象が違いますよね。


こんな風に、もう1人の主役コルカタも、きっと強い印象を残すに違いありません。『女神は二度微笑む』は2月21日(土)より、渋谷のユーロスペースほかで公開です。公式サイトはこちら、劇場のサイトはこちらです。さあ、女神降臨の日まで、あとわずかです!


 


『DDLJ』インドでの20年間の上映が終了

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日本でも1999年に公開された『シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦』(1995/以下『DDLJ』)の、インドでの上映が終了しました。インドで公開されたのが1995年10月20日で、その後ロードショー公開が終わってからも、ムンバイの映画館マラーター・マンディルではずっとマチネーあるいはモーニングショーで上映が続いていたのです。それにしても、終了が2015年2月19日ですから、19年と4ヶ月、上映が続いたことになります。下の写真は、公開されてすぐ、1996年1月にムンバイで撮った看板です。


最終上映のモーニング・ショーは観客数210名だったそうで、1105席あるマラーター・マンディルとしては、毎回100~200名の観客ではやはり続けるのは無理だったようです。超ロングランが話題になり始めた数年前には、日本人のインド映画ファンも見に行ったりしていたのですが....。『DDLJ』はマサラ上映にも向いているので、ラスト上映とわかっていればインドに乗り込んで、みんなでクラッカーをパーン!とかやりたかったですね。もちろん一番のクラッカー・ポイントは、シムラン(カージョル)の父親役アムリーシュ・プリーが屋上での踊りに参加するところと、ラストの駅シーンで「ジャー(行け)、シムラン、ジャー」と言うところです!


日本でいつかインド映画大回顧展をやる時には、ぜひとも入れたい1本です。って、いつ実現するのやら。あきらめずにせっせと宝くじを買うことにします(笑)ので、ラージ(シャー・ルク・カーン)とシムラン、待っててね!

昨年11月にアップされた1000週上映記念の予告編はこちら、すべての歌のシーンが入っている画像はこちら。いずれも製作会社ヤシュ・ラージ・フィルムズによってアップされたものです。アムリーシュ・プリーが踊るシーンは入ってなくて残念ですが、『DDLJ』をご覧になったことのある方もない方も、ぜひお楽しみ下さい~。

 

『女神は二度微笑む』の迷宮<5>女神が降臨する人間界は...

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いよいよ本日から、『女神は二度微笑む』が公開となります。まずは東京は渋谷のユーロスペースから上映開始。ユーロスペースに初めておいでになる方は、渋谷駅からまずマークシティの4階までエスカレーターで上がり、そのまま突っ切って道玄坂上方面の出口に出ると、ユーロスペースの地図にあるセブンイレブンの前の信号に出ます。そこからホテル&ライブハウス街を行けばすぐです。お試し下さい。

ご覧になる皆様のために、登場人物たちの写真と簡単な説明を付けておきます。脇役も結構個性的なキャラクターが多く、印象に残る顔が多いかも知れません。( )内が演じている俳優の名前です。

<主人公とその夫>

 

ヴィディヤ・バグチ(ヴィディヤー・バーラン)
妊娠後期の体を押して、ロンドンからコルカタに到着。音信不通となった夫アルナブを必死で捜す。出身はタミル・ナードゥ州。ITセキュリティの専門家

ヴィディヤの夫アルナブ・バグチ
1ヶ月前ロンドンからコルカタのNDCに出張して来て、その後行方不明に。ITセキュリティの専門家


<カーリーガート警察署>

サトヨキ・“ラナ”・シンハ(パラムブラト・チャテルジー)
警部補心得。同じ部署に先輩警官のチャタルジーもいる。


<デリーの国家情報局職員>(左から)

A..カーン(ナワーズッディーン・シッディーキー)
司令本部次長。ヘビースモーカー。

バースカラン・K.(ドリティマーン・チャテルジー)
司令本部長。カーンの上司

プラタープ・バジパイ(ダルシャン・ジャリーワーラー)
元職員で、「隊長」として部下の訓練にあたった。


<NDC(ナショナル・データ・センター)の人々>(左から)

アグネス・デメロ(コリーン・ブランシュ)
NDC人事課長

シュリダール(シャーンティラール・ムケルジー)
NDC技術部長

ほかにも....
テャーギー(マスード・アクタル)
NDCシステム主任

サプナ(パメラ・ブットーリヤ)
NDC技術部門秘書


<子供たち>(左から)

ビシュヌ(リトブラト・ムケルジー)
ホテルの下働きの少年。

ポルトゥ(リッディ・セーン)
お茶屋の配達人。


<謎の人物>

ボブ(シャーシュワト・チャテルジー)
保険会社の外交員でダメ社員。でも、本当の姿は…. 

ミラン・ダムジ
元NDC社員。アグネスの話では、失跡したヴィディヤの夫アルナブの写真とうり二つだと言うのだが….。


脇を固めるほとんどの俳優さんがベンガル人なのですが、ここではヒンディー語読みの表記にしてあります。劇場用パンフレットには両方載っていますので、チェックしてみて下さいね。

さあ、こんな人物たちがどう動くのでしょうか? 本日は何はともあれユーロスペースへ! 女神の降臨を目撃してみて下さい!!

 

『女神は二度微笑む』の迷宮<6>♪「独りで歩め」♪

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2月21日(土)より公開された『女神は二度微笑む』。幸い、好評をいただいているようです。ゆっくりご覧になりたい方は平日にどうぞ。次の日曜日、3月1日はサービスデーで、料金がお安くなりますので狙い目ですが、混むかも知れません。料金のご確認はこちらでどうぞ。

パブリシティもたくさんの新聞や雑誌に掲載され、皆様の熱いツイートのお陰(ネタバレするまいと高度ご配慮状態のもの多し。でも、ちょっと洩れてるものも...)もあって、認知度が急速にアップしつつあります。そろそろリピーターの方も出始めているのでは、と思いますが、「やられた!」のツボをもう一度頭から見直すと、まったく違う景色が見えてきてこれまたスリリングです。私は5度目ぐらいで、小さな矛盾点を発見しました。さあ、どこでしょう?

それはさておき、「歌わない、踊らない」インド映画という宣伝のされ方がなされていますが、主人公たちは「歌わない、踊らない」ものの、映画はやはり歌っています。先日ご紹介したコルカタ紹介ソング「Ami Shotti Bolchi(私は真実を言っている)」と共に、本作のテーマソングとも言えるのが、中盤過ぎのドゥルガー・プージャーのシーンで流れる「Ekla Cholo Re(独りで歩め)」です。クレジットはされていないのですが(最初の謝辞に名前が挙げてある)、ナレーターとしてゲスト出演しているアミターブ・バッチャンによって歌われています。

「Ekla Cholo Re(独りで歩め)」 映像


ジョディ・トル・ダク・シュネ・ケウ・ナ・アシェ、トベ・エクラ・チョロ・レ
Jodi tor dak shune keu na ashe, tobe ekla cholo re
もしお前の呼びかけを聞いて誰も来ないなら、それでも独りで歩んで行け

ジョディ・トル・ダク・シュネ・ケウ・ナ・アシェ、トベ・エクラ・チョロ・レ
Jodi tor dak shune keu na ashe, tobe ekla cholo re
もしお前の呼びかけを聞いて誰も来ないなら、それでも独りで歩んで行け

トベ・エクラ・チョロ、エクラ・チョロ、エクラ・チョロ、エクラ・チョロ・レ
Tobe ekla cholo, ekla cholo, ekla cholo, ekla cholo re
それでも 独りで行け 独りで歩め 独りで行け 独りで歩んで行くんだ

トベ・エクラ・チョロ、エクラ・チョロ、エクラ・チョロ、エクラ・チョロ・レ
Tobe ekla cholo, ekla cholo, ekla cholo, ekla cholo re
それでも 独りで行け 独りで歩め 独りで行け 独りで歩んで行くんだ


Open thy mind, walk alone
We are not afraid, walk alone


ジョディ・ケウ・コタ・ナ・コエ、オレ・オレ・オ・オバガ
Jodi keu kotha na koe, ore ore o obhaga
もし誰も口をきかなかったら、おお、かわいそうに

ケウ・コタ・ナ・コエ
keu kotha na koe,
誰も口をきかなかったら

ジョディ・ショバイ・タケ・ムク・フィラエ、ショバイ・コレ・ボイ
Jodi shobai thake mukh firaee, shobai kore bhoe
もし誰もが(いる)顔をそむけても、誰もが恐怖にかられても

ジョディ・ショバイ・タケ・ムク・フィラエ、ショバイ・コレ・ボイ
Jodi shobai thake mukh firaee, shobai kore bhoe
もし誰もが(いる)顔をそむけても、誰もが恐怖にかられても

トベ・ポラン・クレ
Tobe poran khule
それでも胸襟を開いて

トベ・ポラン・クレ
Tobe poran khule
それでも胸襟を開いて

オ・トゥイ・ムク・フテ・トル・モネル・コタ・エクラ・ボロ・レ
O tui mukh futey tor moner kotha ekla bolo re
お前は敢然と顔を上げて、自分の心の思いを独り語るがいい

オ・トゥイ・ムク・フテ・トル・モネル・コタ・エクラ・ボロ・レ
O tui mukh futey tor moner kotha ekla bolo re
お前は敢然と顔を上げて、自分の心の思いを独り語るがいい

ジョディ・トル・ダク・シュネ・ケウ・ナ・アシェ、トベ・エクラ・チョロ・レ
Jodi tor dak shune keu na ashe, tobe ekla cholo re
もしお前の呼びかけを聞いて誰も来ないなら、それでも独りで歩んで行け

前にもこちらに書いたように、この曲はラビンドラナート・タゴールの詩に曲をつけた「ラビンドラ・サンギート(ロビンドロ・ションギート)」、つまりタゴールソングです。インドがまだイギリス領だった頃の1905年に雑誌に発表され、独立運動の中でよく歌われた曲だそうです。詳しい解説は、こちらの英語版Wikiをどうぞ。ベンガル語の文字と共に、ヒンディー語のデーヴァナーガリー文字でも書かれた歌詞が載せられています。

このブログに載せた歌詞は、画像の歌に合わせてあります。英語の部分はそのままにしてありますが、ベンガル語の部分には発音と意味を付けました。私は一応ベンガル語も1年余りベンガル人の先生から習ったのですが、まだまだ初心者と言った方がよく、従って間違いがあるかも知れません。その折には、ご指摘いただければ幸いです。

でも、歌いやすい歌なので、よかったら「エクラ・チョロ・レ」だけでもご一緒に歌ってみて下さいね。さて、独りで歩むことになったヴィディヤの運命は....。

「映画館で見て、私の運命の結末を...」


インド映画関連小ネタ2つ

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花粉症がだんだんひどくなってきます。う゛~~~、グスグス。今日は眼はかゆいし、ティシュー片手で仕事が進まないので、ちょっと宣伝を兼ねてインド映画の小さなネタを2つアップします。

(1)『ミルカ』の萌えるアイテム

本日、こんなメモ帳をいただきました。日活さんによるエア・インディアとのコラボのメモ帳で、『ミルカ』の中にエア・インディアが登場することから、プレゼント用に作られたものだとか。いいですね~、マハラジャ君がミルカとコラボです。劇中では、メルボルン・オリンピックで惨敗したミルカが、帰途の飛行機の中でマハラジャ君が描かれている紙ナプキンを手にランヴィール・シン国家チームコーチに近づき、400mの世界記録、「45.9」を書いてもらっていましたっけ。右(ブラウザによっては下)はちょっと見にくいのですが、メモ帳の中身のデザインです。                          


ミルカは、3月に入ってからいくつかの劇場で順次再上映される模様。その時に、このプレゼントアイテムが登場するのでは、と思います。ほしい方は、公式ツイッターなどをフォローしていて下さいね。『ミルカ』の公式アカウントさん、もっと頻繁にアップしてくれないと、ゾンビに水をあけられちゃいますよ~。まだまだ、『ミルカ』は走り続けます!

 

(2)インド映画に関するお話「新感覚インド映画の魅力」

えー、もうcinetamaの本名も『女神は二度微笑む』の公式ツイッターでバラされたりしてバレバレなんですが、5月22日(金)の夜に朝日カルチャーセンター新宿で、「新感覚インド映画の魅力」というお話をします。朝日カルチャーのサイトはこちらです。下のような作品を取り上げながら、最近のインド映画の変貌ぶりについてお話をする予定です。

 

受講料がお高いので、これは内容充実はもちろんのこと、何かプレゼントもご用意せねば、と思っています。幸か不幸か、昨年は「ナマステ・インディア」での講演がなく(テント公演、ぢゃない、テント講演にトラウマがあり、怖じ気づいて辞退したのです。幸い、高倉嘉男さんが素晴らしいお話をして下さったようで、今後も高倉さんのご登壇が続くのでは、と思います)、昨年3月にインドで買ってきた現地版ポスターもいろいろ余っていますので、そんなこんなをプレゼントに差し上げようかと今考えています。

夜になり、花粉症も少し落ち着いて来ました。そろそろ、花粉症逃亡の季節です....。



2月のテルグ語映画上映会

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2月第3回目の南インド映画上映会です。がんばってますね~。今度はテルグ語映画です。Periploさんからは先週情報をいただいていたのに、またまた告知が遅くなってすみません。


 『Temper.』(2015/テルグ語/意味:気質) 予告編

 監督:プーリ・ジャガンナート
 主演:NTRジュニア、カージャル・アグラワール、プラカーシュ・ラージ、マドゥリマ、ポーサニ・クリシュナ・ムラリ、コータ・シュリーニワーサ・ラーオ、アジャズ・カーン

■字幕はナシの予定
■日時:2015年2月28日(土) 午後0時45分~
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ・彩の国Visual Plaza アクセス
■料金:大人2,500円
■主催者公式サイト(英語) 
■Periploさんの詳しいご紹介ページ こちらをご覧になって、予約をしておかれることをお勧めします。また、ランチの情報なども出ています。

昨夏、日本でも大暴れしたテルグ語映画界の”バードシャー”、NTRジュニアの主演作です。予告編を見ると、また一段とあご周りにお肉が...。とはいえ、ダンスは相変わらずのキレッキレ。下の曲なんか、まだ短いバージョンしかアップされていませんが、見応え十分です。

Temper Title Song Trailer Jr NTR, Kajal Aggarwal ,Puri Jagannadh

今年はテルグ語映画の一般公開はないですかねー。タミル語、マラヤーラム語映画でもいいのですが。「歌わない、踊らない」ボリウッド映画もいいのですが、「歌いまくる、踊りまくる」南インド映画もとっても見てみたいです。



『インド・オブ・ザ・デッド』ゾンビの墓穴<1>字幕に登場する「××」の”品”度

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さてさて、「女神」のあとは「ゾンビ」です。天国から地獄へ真っ逆さま(笑)。血を吐くような(?)公式ツイッターで今話題沸騰中の『インド・オブ・ザ・ゾンビ』、じゃなかった、『インド・オブ・ザ・デッド』です。まずは基本情報をどうぞ。

 

『インド・オブ・ザ・デッド』 公式サイト 抱腹絶倒の公式ツイッター

2013年/インド/ヒンディー語/107分/原題:Go Goa Gone
 監督:ラージ・二ディモールー&クリシュナDK
 出演:サイフ・アリー・カーン、クナール・ケームー、ヴィール・ダース、プージャー・グプタ―、アーナンド・ティワリー
 配給:オデッサ・エンタテインメント
 宣伝協力:マジックアワー

3月21日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、4月よりシネリーブル梅田にてレイトショー

 © Eros International Ltd 2013

公式ストーリーがとってもうまくまとめてあるので、それをコピペしてしまいます。でもって、ほんの少しだけ手を入れました。

<ストーリー>

失職したハルディク(クナール・ケームー/上写真真ん中)、失恋したラヴ(ヴィール・ダース/左)、そして彼らに巻き込まれた憐れなバニー(アーナンド・ティワーリー/右)は、ムンバイから「ヒッピーの聖地」として知られるビーチリゾート、ゴアを訪れる。3人は離島を会場としたロシア人マフィアのボリス(サイフ・アリー・カーン/下写真左。右はゾンビなのでお間違いなきよう)が主催するレイヴパーティーに忍び込むが、そこでお披露目された新型ドラッグは、食べた者がゾンビ化する、とんでもない代物だった! 3人はお金がなくてドラッグを買えず、ゾンビ化をまぬがれるが、周囲はゾンビだらけ。しかもゾンビに噛まれたらゾンビになる! パーティーに誘ってくれた、ラヴの新たな意中の女性ルナ(プージャー・グプター)の安否も気遣われる。3人は、ホラー映画で得た知識とTVゲームで鍛えた射撃能力を駆使してゾンビたちに立ち向かおうとするが・・・?

 © Eros International Ltd 2013

というお話なんですよ~。ゾンビは、ほとんどが洋モノというか外国人なので、最初に見たときは「やっぱりインド映画は愛国心が充満してるなあ」と思ったものでしたが、今回宣伝会社が送って下さったDVDを見直してみたら、結構デーシー・ゾンビがいました。顔を白塗りしているので、わからなかったのです。

「デーシー」というのは「デーシュ(国)」の形容詞で、「国の、自国の、インドの」という意味になります。以前、『デーシー・ボーイズ(インド人青年)』(2011)という映画もありましたね。この「デーシー」、本作では思いがけないところで使われていて、「そこは笑うとこですよ~」になっています。口にするのは一番トロいバニーなのですが、言われた方は痛いところを突かれて、ものすごく汚いヒンディー語の罵り言葉を発します。英語で言うと「sister f××ker」に当たる言葉です。

実はこの『インド・オブ・ザ・デッド』、汚い言葉がいっぱい登場するのです。私にとってはそれがゾンビ以上に衝撃的でした。アメリカ映画では普通なのかも知れませんが、例の4文字言葉や「bitch」「shit」、ヒンディー語の「bahen ××××」などなどがてんこ盛り。というわけで、日本語字幕はどうなっているのかしら、とチェックしてみたら、割と上品に訳してありました。まあ、日本語は罵り言葉があまり豊富ではないので、せいぜいが「クソ○○」というような表現にしかならないんですが。「クソ」登場の頻度は高いものの、”品”度もきちんと保たれている正統派字幕。字幕翻訳者は公式ツイッターによると藤田奈緒さんという方で、高倉義男さんの監修のようです。お上手な字幕なので、安心して見ていられます。

 © Eros International Ltd 2013

ところで、前にも書きましたが、この公式ツイッターが目下話題沸騰中。何と、フォロワーが2000を超えるという、すごいことになってます。配給会社オデッサのAさんがやってらっしゃるのですが、最初は特にハイテンションで、思わずツッコみたくなるようなツイートが次から次へとアップされていました。例えば、こんな感じでツッコんでは楽しんでいたのです。(私のツッコミはいつも関西弁。太字はAさんのツイートです)

どうしても公開日を忘れちゃうアナタ、「チョー・ヨンピルの誕生日」と覚えておけば安心ですよ!

 →チョー・ヨンピルって、おたく年いくつやねん?

ちっ!日本アカデミー賞の最優秀外国作品賞って、レイトショーは対象外なんですね。来年、『バードマン』と争いたかったの ですが。

 →いやー、この映画が狙えるのは「金のバナナ賞(Golden Kela Award/ボリウッド版ラジ-賞)」ぐらいやと思うでー。

「え?宣伝費?『永遠の 0』の宣伝費より少し多い位かな?」くうー!言ってみてぇー!

 →宣伝費自体が「永遠の0」とちゃうのん?

ほかにも光るツイートがいっぱい。「祖父ネタ」「クイズ方式」「名場面集」(名場面集①のキャプションはおおっ!だったんですが、②はイマイチ。「ゴア 彫刻の海美術館」とかの方が笑えるんじゃない? 下の写真です)などなど、定番もできつつあります。また、「チラシ誤配送事件」というケッサクな出来事もあって、お暇な方はツイッター開設当初から辿って行かれると大いに笑えますよ~。

 © Eros International Ltd 2013

Aさんとは宣伝の関係でメールをやり取りしたのですが、なんだか根はとっても真面目な方のよう。このテンションでツイートを続けていったら、ご本人も書いてらっしゃいましたが、「公開初日までこのペースで呟き続けられる訳がないので、恐らく当アカウントのフォロワーの皆様は、”公式Twitterが上映より前に閉鎖する”という日本映画史におけるエポックメイキングな出来事の目撃者になれるはずです」という危惧もなきにしもあらず。私の脳裏には、「火花と煙を吹きだすナナちゃん」from『ミラクル7号』by周星馳の図がつい浮かんできてしまいます。公開まであと3週間、何とかオーバーヒートしないよう、とはいえパワーダウンしないよう、Aさんにはがんばっていただきたいものです。 

めざせ! 最低の宣伝費で、最高の興行収入!

 


第39回香港国際映画祭と第15回ニューヨーク・インド映画祭

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今年39回目になる香港国際映画祭が、3月23日(月)~4月6日(月)に開催されます。公式サイトはこちらです。この映画祭では毎年アジア映画の新作が数多く上映されるため、私にとってもはずせない映画祭となっています。すでに事務局から何度もニュースが配信されてきているので、その画像等を使いながらちょっとご紹介しましょう。チケット発売は3月日からなのですが、そのサイトに全作品の画像が出ていますので、どんな映画が参加するのかご覧になってみて下さい。ここに付けたアドレスは英語のサイトで、作品は英語題名のABC順になっています。


今回のオープニング作品は張艾嘉(シルビア・チャン)の監督作『念念』で、監督特集も彼女になります。『念念』は14本目の監督作なのですが、過去の作品が何本上映されるのかも楽しみです。

2015 © All Rights Reserved by HKIFF.org.hk 

すでに香港では広報イベントが行われて、映画祭組織の副会長である杜峰(ジョニー・トー)監督らと共にシルヴィア・チャンが登壇しました。シルヴィア、もう60歳を超えているのに相変わらずきれいですねー。

2015 © All Rights Reserved by HKIFF.org.hk 

このほか、香港国際映画祭恒例となっている『美好(Beautiful)』というタイトルのオムニバス映画『美好2015』が今年も製作されています。今年の監督は、モフセン・マフマルバフ、厳浩(イム・ホー)、蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)、そして黄建新(ホアン・チェンシン)です。ツァイ・ミンリャン作品のスチールを付けておきます。


2015 © All Rights Reserved by HKIFF.org.hk 

今年の映画祭大使は古天樂(ルイス・クー)。すっかり映画祭ではおなじみになってしまいましたね。ちょっとおっさん臭い髪型で、ポーズを決めています。


2015 © All Rights Reserved by HKIFF.org.hk 

この時期の香港はホテル代がバカ高いのが難点ですが、すぐ近場での映画祭で、現地でのチケット入手も割に楽なことから、香港を楽しみながらの映画鑑賞をオススメします。しかし、ホテル代は本当に高くて、もう1万円以下で泊まれるのはゲストハウスだけになってしまいました。しかも、私の泊まるホテルは1万2千円もしたあげく、先日「3月と4月は内装工事のため、平日朝10時から夜6時までは工事の騒音が響きます。悪しからずご了承下さい」というメールが来ました。それなら、ホテル代割り引いてよ!と毎日ホテルを出るのが12時頃になる私はプンプンです。

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さて、もう一つ、映画祭をご紹介。こちらはアメリカで開かれるインド映画祭です。アメリカでは、ロサンゼルスとニューヨークでインド映画祭が開かれているのですが、どちらもすごくがんばっています。アメリカ在住のインド人も多いため、彼らがインド文化とつながる場としても貴重な存在で、単に映画を見せるだけでなく、様々な文化イベントも同時に開催されています。ロサンゼルスインド映画祭(IFFLA)の公式サイトはこちら、ニューヨーク・インド映画祭(NYIFF)の公式FBはこちらです。

で、今年のNYIFFは5月4日~9日に開かれるのですが、そのオープニング作品が日本でも公開が予定されている『Margarita, with a Straw』。NYの街は今こんなことになっているそうです(ウソ)。

NYIFF2015

もし、5月4日(月)にNYにおいでになる方があれば、ぜひパリ劇場にいらして、インド人監督やA.R.ラフマーンのレッド・カーペットをご覧になってみて下さいね。

NYIFF2015

NYIFF2015

インド映画は、世界中あちこちに出現しています! 『Margarita, with a Straw』の予告編はこちらです。

MARGARITA, WITH A STRAW - International Trailer

では、春休み&GW、楽しい旅と映画をお楽しみ下さい。

日本中の人に見てほしい『小さき声のカノン―選択する人々』

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私の古くからの友人、鎌仲ひとみさんが監督するドキュメンタリー映画『小さき声のカノン―選択する人々』が、今週土曜日3月7日(土)から公開となります。公式サイトはこちらです。東京ではシアター・イメージフォーラムでの公開で、あと福島市のフォーラム福島でも同時公開されるほか、全国で続々上映が決まっています。劇場一覧はこちらです。映画の基本データを書いておきましょう。


『小さき声のカノン』 予告編(↓)
2014年/日本/119分
 監督:鎌仲ひとみ
 プロデューサー:小泉修吉
 音楽:Shing02
 撮影:岩田まきこ
 製作:ぶんぶんフィルムズ
 配給:ぶんぶんフィルムズ/環境テレビトラスト
 宣伝:梶谷有里、村井卓実
3月7日(土)よりシアター・イメージフォーラム、フォーラム福島、他全国順次上映

映画『小さき声のカノン』予告編

鎌仲ひとみさん(下の写真)といえば、ちょうど4年前、2011年3月11日の東日本大震災発生当時に、原発建設に反対する瀬戸内海祝島の人々を描いた監督作『ミツバチの羽音と地球の回転』が公開されていて、一挙に注目を浴びたことで知られています。でも、鎌ちゃん(とつい慣れ親しんだ愛称で呼んでしまう気さくな人です)はそのずーっと前から、イラク戦争で残された劣化ウラン弾の影響や、六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場問題などに関して、地道に何本もドキュメンタリー映画を制作していたのでした。

(C)ぶんぶんフィルムズ

その筋金入りの彼女が今回描くのは、東日本大震災での原発事故による影響を受けた福島県二本松市の人々の取り組み。400年の歴史を持つ真行寺というお寺のご住職佐々木夫妻が中心となって、除染作業や安全な野菜の配布等に取り組んでいる姿が登場します。さらには、子供たちを県外に一時避難させる「保養」の取り組みについても、その実際の様子や受け入れ先の人々の声など、「小さき声」がいっぱい集められている作品です。

(C)ぶんぶんフィルムズ

この「原発事故→保養」という取り組みは、実はチェルノブイリの経験から学んだもので、鎌ちゃんはベラルーシ共和国にも飛んで、チャリティ団体「チェルノブイリの子供を救おう」の活動に密着します。ご存じのように漏れた放射能は子供たちの体に影響を与え、甲状腺がんを発生させやすく、2014年12月末現在福島県では8人の子供に疑いがあり、そのうちの1人は手術を受けて甲状腺がんと診断されました。今も後追い調査が続いていますが、線量の高い場所から一時的にでも避難すればリスクが下がるので、現在日本全国のあちこちで「保養」プロジェクトが実施されています。

(C)ぶんぶんフィルムズ

私自身はこの「保養」についてはまったく知らず、『小さき声のカノン』で目を開かれる思いでした。でも、その後長野県のリンゴ農家の友人からの年賀状に、「保養先として子供たちを受け入れている」と書かれていたりして、日本全国の人々が自分たちの問題として取り組んでいるのだ、ということがわかってきました。

(C)ぶんぶんフィルムズ

ところでこの「保養」ですが、『小さき声のカノン』を見ていて私が思い出したのは、王兵(ワン・ビン)監督の『鉄西区』。以前書いたブログ記事に、「工場」のパートの中で「労働者たちが鉛の毒を排出する注射を打つために保養所にやってきて、魚採りや散歩、カラオケ、はたまたポルノ映画を楽しんだりするシーン」がある、と書いたのですが、これがまさに「保養」だったのでした。社会主義国では昔から、工場などには別の場所に「保養所」が設けられていて、一時的に劣悪な環境から逃れる、ということがなされていたようです。その発想が、チェルノブイリの事故の時に生きたのかも知れません。

(C)ぶんぶんフィルムズ

あれから4年、まだまだ問題は山積ですが、問題と正面から向き合うことが人々を変えていく、という感動的な真実もこの作品で知ることができます。「私たちはただの泣き虫のお母さんだけど、それでも何かができる」 佐々木住職夫人のるりさん(上写真左)とそのお仲間のお母さんたちは、観客を大いに笑わせ、大いに泣かせてくれます。福島の現状を知るためにも、人間はどこまで強靭になれるのかを目にするためにも、ぜひ劇場に足をお運び下さい。

(C)ぶんぶんフィルイムズ

なお、この作品は自主上映もできます。劇場公開が終わってから&今のところ都内近郊は該当しませんが、こちらで懇切丁寧な案内がされています。『ミツバチの羽音と地球の回転』との二本立ても可能ですので、公開劇場がお近くにない皆さんはご検討どうぞよろしくお願いします。

(C)ぶんぶんフィルムズ

最後にもう一言。プロデューサーの小泉修吉さんは、「グループ現代」というドキュメンタリー制作会社の代表だった頃の1983年、私と友人が第1回インド映画祭を開催するにあたって、映画祭の母体となることを引き受けて下さった方です。グループ現代と私が100万円ずつ出し合い、たくさんお客様に来ていただいたもののやっぱり赤字になって追加出資、というご迷惑をおかけしたにもかかわらず、その後も何かにつけてお世話になりました。小泉さんは『小さき声のカノン』の公開を楽しみにしていらしたのですが、昨年11月12日にご病気で亡くなってしまわれました。小泉さんのためにも、この作品をぜひたくさんの方に届けたいと思っています。ご家族やお友達と一緒に、足を運んでみて下さいね。


ニューデリーからこんにちは

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昨夜遅くにニューデリーに着きました。昨日は暖かかったのですが、今日はちょい寒いです。ホテルの部屋はWifiどころか携帯もうまくつながらず(なぜか圏外)、昨夜からすったもんだしています。何度来てもインドは手強いわ~。おまけに、インターネット接続は2時間で200ルピー(約400円)も取られるし、これがIT大国か、と思う情けなさ。

とはいえ、いろいろ融通が利くのもインドで、今はホテルのビジネスセンターで有線LANに接続させてもらい、ネット使い放題状態。「支払いは2時間分なので、それだけ使わせてね」というと、「いやいや、時間はかまいませんよ」と言ってくれるマネージャーさんに感謝です。

今、デリーではこんな映画をやっています。見たい順に並べてみました~。

PK (U/A) TicketsShamitabh (U/A) TicketsDum Laga Ke Haisha (U/A) TicketsBadlapur (A) TicketsQissa - The Tale of a Lonely Ghost (Punjabi) (U/A) TicketsRoy (U/A) TicketsBadlapur Boys (U/A) TicketsBaby (U/A) TicketsAb Tak Chhappan 2 (U/A)Badmashiyaan - Fun Never Ends (U/A)Dirty Politics (A) TicketsHey Bro (U/A) TicketsKudessan (A) TicketsCoffee Bloom (U/A) TicketsMonsoon (A) TicketsMSG - The Messenger (Hindi) (U) TicketsKaaki Sattai (U) Tickets

ヒンディー語映画の他、パンジャービー語映画や南インド映画もやっていて賑やかですが、デリーで見られるのは3、4本になりそうです。というのも、明日はホーリーなので、特に午前中は出歩けない模様。とりあえず、今日は『P.K.』を見に行ってみたいと思っています。ネット環境次第ではアップできないかも知れませんが、またレポートしますのでお楽しみに~~~。



マダム・イン・ニューデリー

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ニューデリーでは、メトロのムールチャンド駅のすぐ前にあるヴィクラム・ホテルに泊まっています。昨年もここに泊まったので、ホテルの紹介は昨年の記事をどうぞ。今年は円安のため、1泊9千円ぐらいになっています。下は部屋の様子と、テレビの調整をしてくれるボーイさんです。


このホテルのインターネット使用料金は、今年も24時間612ルピー(500ルピー+税etc.)で値上がりしていません。昨年はさくさくと仕事ができたWifiでしたが、今年はなぜか接続でトラブり、ビジネスセンターで有線LANにつないで仕事をしていたのは昨日書いたとおりです。メールでお仕事の依頼がいくつか来ていたりして、やっぱりネットが使えないと困るなあ、と今朝フロントの人に相談しにいったところ、若いフロントマンがいろいろパソコンをいじってくれて、何とかWifiにつながるようになりました。日本のパソコンはコマンドがみんな日本語表記なのでこういう場合インドの人は大苦戦するのですが、この若いフロントマンはあれこれやって道を切り開いてくれました。さすがIT大国!

このフロントマンもですが、昨夜は別のフロントマンが親切に真っ暗なビジネスセンターに電気をつけて使えるようにしてくれる(おまけに、「コーヒーか紅茶でもお持ちしましょうか?」というお尋ねまで!)など、このホテルのスタッフは本当に優秀です。実は昨年、ここをチェックアウトする時に、フロントの若い男性スタッフに「チェックアウトの精算を」と英語で言ったら、その人が横にいた女性にヒンディー語で「このアーンティー(おばさん)がチェックアウトだって」と言ったのです。それを聞いて私の老婆心が炸裂してしまい、「このホテルではお客を”アーンティー”と呼ぶの?」とヒンディー語で説教してしまいました^^。でも今年は、チェックインした時もちゃんと「マダム」と言ってくれていて、そのヒンディー語を聞いて内心「よしよし」と思ったのでした。昨年おこがましくも説教してしまったことが引っかかっていて、今年は別のホテルにしようかと思ったのですが、ヴィクラム・ホテルにしてよかったです。というわけで、今年は「マダム・イン・ニューヨーク」ならぬ「マダム・イン・ニューデリー」生活を満喫している私です。


ところで、昨日映画『p.k.』を見に行ったのは、ワサント・クンジュという地区にあるDLFエンポリオ・モールというショッピングモール。ワサント・クンジュはニューデリーの西南端とでも言うべき地区で、そこの野原の真ん中に巨大なショッピングモールが出現し、さらに新しい建物も続々建設中という風景が展開していました。目的は映画だったので、上写真のメインのビルディングしかウロウロしなかったのですが、ZARAやインドの高級ユニクロとでも言うべきファブ・インディア、そして私の好きな本屋オーム・ブックス(でも、このモールの品揃えはいまいちでした)などが入っているのを確認しました。その中におもちゃ屋さんがあって、表には明くる日のホーリーで使う色粉セットが山と積んでありました。ドラ●もんの水鉄砲も置いてあったので、思わず買ってしまいました。1個30ルピー(60円)です。お腹のハンドルを押すと、頭から水が出ます。


映画を見終わっての帰途、オートリキシャに乗って帰る途中で見かけたトンデモな風景。手書きのナンバープレート! 日本だと道交法違反ですよねー。インドはOKなのか???

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さて、今朝はおっかなびっくり起き出して、朝食後9時頃に外をのぞいて見たのですが、あたりはシーンとしています。道にスピード防止らしい鉄柵が置かれていて、そばに巡査が1人いるだけで、車もほとんど通りません。犬ものんびりと道で寝そべっています。目の前のムールチャンド駅はシャッターが閉まっており、電車を降りる人を乗せていく自転車リキシャやオートリキシャの姿もまったく見当たらず。

昼ご飯時に外に出てみたら、駅の高架下のお店は全部シャッターが降りていたものの、カフェが1軒だけ開いていたので、そこでサンドイッチ等をテイクアウト。写真でドラ●もんと一緒に写っているのが、タンドーリ-・チキン・サンド(Rs.105=210円)、サモウサ、マンゴームース、チョコレートムース(いずれもRs.25=50円)です。少年に近い店員さんが、1人スマホでラインのメッセージをチェックしながら応対してくれました。消費税12.5%とサービス税約5%がしっかり加算されて200ルピー超になりますが、ホテルだと1皿でこれぐらいするもんねー。ムースは両方ともとてもおいしかったです。

ホテルへ走って帰る途中、ホーリー遊びから家に帰るらしき若者たちと遭遇。あわててパチリさせてもらいましたが、今落ち着いて見てみると何だか東アジア系の人のような。もしかしたら、留学生だったのかも。


そんなこんなでホーリーの日は暮れていきますが、テレビも新聞もいろんなホーリーの特集をやっていて面白いです。音楽番組でよくやっていたのが、「ホーリーの歌ベスト10」で、必ず入るのが下の歌、『Silsila(関係)』(1981)の曲。アミターブ・バッチャンが父親のハリワンシュラーイ・バッチャン作詞の曲を自分の声で歌っているのですが、その頃アミターブは妻のジャヤー・バッチャンがいながらレーカーと不適切な関係にあり、それをヤシュ・チョープラ-監督が映画の中でも同じ設定にして見せた、というので話題を呼んだ作品です。あらためて見ると、こんなあからさまな描写があったのか、と少々びっくりしました。ヤシュ・ジーもお人が悪い...。

Rang Barse Bheege Chunarwali - Full Song - Silsila

さて、お夕食はどうするかなー。ちょっと風邪気味なので、ルームサービスにしようかな....。マダム・イン・ニューデリーも、ホーリーの前にはなすすべなし、なのでした。


 

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